社労士の事務指定講習は受けるべき?内容や費用まとめ!【最新版】

社労士の事務指定講習

社労士(社会保険労務士)試験に合格すると、

「これでやっと社労士として働ける!」

と気持ちが高まりますよね。

ところが実は、試験に合格しただけでは社労士として登録して働くことはできません。社労士として登録するには、

  • 2年以上の実務経験を積む(厚生労働大臣がこれと同等以上と認めるものを含む)
  • 全国社会保険労務士会連合会が実施する事務指定講習を修了する

のどちらかを満たす必要があります(登録要件は変わることがあるため、最新は全国社会保険労務士会連合会で必ずご確認ください)。

実務未経験で合格した方にとって、社労士事務所に就職して2年働くのはハードルが高いもの。そこで現実的な選択肢になるのが、もう一方の「事務指定講習」です。事務指定講習を修了すれば「2年以上の実務経験と同等以上」と認められ、社労士登録への道がひらけます。

とはいえ、

「そもそも自分は受けるべき?」「内容や費用は?」「いつ申し込むの?」

と迷う方は多いはずです。しかも講習の中身は、近年「通信指導課程+eラーニング講習」へと見直されていて、ネット上には古い情報も残っています。

この記事では、これから登録を目指すあなたに向けて、事務指定講習の位置づけ・内容・費用・申し込みの流れ・受けるべき人までを、連合会の公式情報に当たりながら「最新の目安」として整理しました。数字や日程は年度で変わるので、最後はあなた自身で公式を確認できるよう、要点と確認先をセットでお伝えします。

なお、合格後の学び直しや、これから受験する方の教材選びには、無料でもらえる書籍プレゼントを活用するのも手です。

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社会保険労務士(社労士)の事務指定講習とは?登録要件における位置づけ

まずは「事務指定講習とは何か」を、社労士登録の要件のなかで整理しておきましょう。ここがあいまいなまま受講を決めると、お金も時間も無駄にしかねません。

前述のとおり、社労士として登録するには「2年以上の実務経験」か「事務指定講習の修了」のどちらかが必要です。事務指定講習は、実務経験が足りない合格者が、登録要件を満たすために用意された講習だと考えてください。

全国社会保険労務士会連合会によると、事務指定講習を修了した人は「2年以上の実務経験と同等以上」と認められ、社労士登録を受けられるとされています(最新の取り扱いは連合会の公式案内でご確認ください)。登録して初めて、社労士の独占業務(労働・社会保険の申請書類の作成や提出代行など)に携われるようになります。

<事務指定講習を受けられる人(受講資格)>

  • 社労士試験に合格していること
  • 労働社会保険諸法令関係事務の従事期間が2年未満であること

つまり、すでに2年以上の実務経験がある方は、そもそも事務指定講習を受けなくても登録要件を満たせる、というわけです。

ここで一点、混同しやすい制度に触れておきます。社労士には「事務指定講習」とは別に「試験科目免除指定講習」という制度もありますが、これは試験科目の一部免除に関わるまったく別の講習です。本記事で扱う「事務指定講習」は登録要件(実務経験の代替)のための講習なので、取り違えないようにしてください。

なお、こうした登録の取り扱いは社労士法の規定に基づくものですが、条文の番号は改正で変わることがあります。細かな条番号よりも、「登録には実務経験か事務指定講習修了が要る」という大枠を押さえておけば十分です。

目次

社会保険労務士(社労士)の事務指定講習の内容|通信指導課程とeラーニング講習

次に、事務指定講習で実際に何をするのかを見ていきましょう。ここはネット上に古い情報が多く残っているところなので、現在の中身を正確に押さえておくことが大切です。

事務指定講習は、大きく分けて「通信指導課程」「eラーニング講習」の2段階で行われます(実施方法は年度で見直されることがあるため、最新は連合会公式でご確認ください)。

通信指導課程(例年2月から約4ヶ月間)

通信指導課程は、例年2月ごろから約4ヶ月間かけて行われる自己学習です。労働保険・社会保険の手続きについて、企業の設立から廃止までの一連の流れを、実際に規定の用紙へ書き込みながら学んでいきます。

学んだ内容は課題として提出し、郵便による添削指導を受ける、いわば通信教育のスタイルです。手を動かして実務の「型」を身につけられるのが特徴ですが、ボリュームは多めなので、提出期限に間に合うよう計画的に進めるのがポイントです。

受講者には、実務で使う教材が一式送られてきます。年度によって内容は変わりますが、一例として次のような教材があります(最新の構成は連合会公式でご確認ください)。

  • 労働社会保険実務総論
  • 労働社会保険様式記載例集
  • 労働社会保険実務研究課題書
  • 労働社会保険実務指導様式集
  • 社会保険労務ハンドブック など

市販ではなかなか手に入らない実務資料がそろうため、これから社労士として働くうえで役立つ教材だといえるでしょう。

eラーニング講習(旧・面接指導課程/全8科目)

通信指導課程のあとに受けるのがeラーニング講習です。以前は「面接指導課程」として、指定会場に4日間ほど通う集合形式でしたが、現在はeラーニング化されています。ネットで見かける「4日間、東京や大阪などの会場に通う」という説明は古い情報なので注意してください。

現在のeラーニング講習は、例年夏ごろ(7月前後)から約2ヶ月間の期間で、次のような形で行われます(年度で変わるため公式確認を推奨します)。

  • 8科目・各科目3時間の動画学習(合計でおよそ24時間が目安)
  • 各科目ごとに効果測定の試験がある
  • 科目は、労働基準法・労働安全衛生法/労災保険/雇用保険/徴収法/健康保険/厚生年金/国民年金/年金裁定請求等手続 など

動画を自分のペースで視聴できるため、会場に通っていた頃と比べると、働きながらでも取り組みやすくなった面があります。ただし、視聴期限や効果測定の締め切りはあるので、後回しにしすぎないよう気をつけましょう。

「事務指定講習は何時間?」とよく聞かれますが、eラーニングだけでおよそ24時間(8科目×3時間)が目安です。これに通信指導課程の課題が加わるため、トータルではそれなりの学習量になると見ておくとよいでしょう。

社会保険労務士(社労士)の事務指定講習の費用はいくら?受講料と登録にかかるお金

気になるお金の話に進みましょう。事務指定講習は決して安くないので、受講を決める前にトータルでいくらかかるのかを把握しておくことが大切です。

事務指定講習の受講料は77,000円(税込)です(2026年6月時点の連合会公式案内による)。ただし受講料は年度によって改定される可能性があるため、申し込む前に必ず連合会の最新案内で確認してください。

ここで見落としがちなのが、講習費用とは別にかかる「登録のためのお金」です。事務指定講習を修了して社労士登録をする際には、おおむね次のような費用が別途発生します。

  • 全国社会保険労務士会連合会への登録手数料
  • 都道府県の社労士会への入会金
  • 毎年かかる年会費

これらの金額は、所属する社労士会や登録区分(開業・勤務など)によって異なります。具体的な額は、登録予定の都道府県社労士会の案内で確認するようにしましょう。

つまり、社労士として働き始めるには、「受講料77,000円+登録関係の費用」がかかると考えておくと、資金計画を立てやすくなります。

なお、せっかく受講料を払っても、通信指導課程の課題提出やeラーニングの修了を期限内に終えられないと、その回の費用が無駄になりかねません。スケジュール管理だけは、しっかりしておきたいところです。

社会保険労務士(社労士)の事務指定講習を修了するには?落ちることはある?

「せっかくお金を払うのに、もし落ちたらどうしよう……」と不安になる方もいるでしょう。ここでは、修了の要件と「落ちる」可能性について、正確に整理しておきます。

事務指定講習を修了するには、次の2つの要件をどちらも満たす必要があります(最新の要件は連合会公式でご確認ください)。

  • 通信指導課程の課題を期間内に提出すること
  • eラーニング講習の動画学習を終え、各科目の効果測定試験で所定の成績を満たすこと

両方を満たすと、修了証が交付されます。

ここで大事なのは、事務指定講習は「難関試験のように落とすための試験」ではないということです。社労士試験のような厳しい合否判定とは性質が違い、ポイントは「決められた手続き(課題提出・動画視聴・効果測定)を、期限内にきちんと終えられるか」にあります。効果測定の試験も、動画を視聴していれば対応できる範囲とされています(年度で変わる可能性はあります)。

したがって、「事務指定講習は落ちることがありますか?」「難しいですか?」という疑問への答えは、「学習量はそれなりにあるが、計画的に進めれば過度に恐れる必要はない(ただし期限管理は必須)」というのが実情に近いでしょう。あくまで傾向としての話で、油断は禁物ですが、まじめに取り組めば修了は十分に目指せます。

なお、課題の「模範解答」を探したくなる気持ちもわかりますが、課題の目的は実務の型を自分の手で身につけることにあります。答えを写すよりも、なぜその様式・記載になるのかを理解しながら進めるほうが、登録後の実務にずっと役立ちます。

ちなみに、「事務指定講習を受けず、登録もしない」という選択もあります。社労士試験の合格には有効期限がないため、すぐに社労士として働く予定がないなら、急いで受講・登録しなくても問題ありません。自分のキャリアのタイミングに合わせて判断すればよいのです。

働きながら社労士の事務指定講習は受けられる?メリットと注意点

社労士を目指す方の多くは、仕事をしながら勉強してきた社会人です。となると、「働きながら事務指定講習も受けられるの?」という点が気になりますよね。

結論からいうと、働きながらの受講は十分に可能です。前述のとおり、かつては平日に4日間ほど会場へ通う面接指導課程がネックでしたが、現在はeラーニング化されたことで、自分の都合に合わせて動画を視聴できるようになりました。会場集合のために休みを取りづらい、という以前の悩みはかなり軽くなっています。

そのうえで、事務指定講習を受けるメリットを整理すると、次のとおりです。

  • 市販ではなかなか手に入らない実務教材が一式そろう
  • 労働保険・社会保険の手続きを、実務に沿った形で学べる
  • 登録要件を満たすまでの現実的な近道になる(2年の実務経験の代わりになる)

一方で、受講前に知っておきたい注意点もあります。

  • 費用がかかる(受講料77,000円+登録関係費用)
  • あくまで講習であり、2年分の実務経験そのものと同等になるわけではない(登録後も学び続ける姿勢が前提)
  • 通信課題の提出期限・eラーニングの視聴期限など、自己管理が必要

特に2つ目は大切なポイントです。事務指定講習はあくまで「実務経験の代替」として登録要件を満たすためのもので、これだけで一人前の実務がこなせるようになるわけではありません。「登録のためのスタート地点に立てる講習」と捉え、そこからの学びを続けていく心づもりでいると、実務でつまずきにくくなります。

「最短で社労士になりたい」という方にとっても、事務指定講習は登録要件を満たす現実的なルートですが、講習自体に数ヶ月かかる点は押さえておきましょう。申込時期と通信・eラーニングの期間から逆算して、登録したいタイミングに間に合うか確認しておくと安心です。

社会保険労務士(社労士)の事務指定講習の申し込み方法と流れ

それでは、実際の申し込み方法と全体の流れを見ていきましょう。「社会保険労務士の申し込み方法は?」という疑問に答えながら、年間のスケジュール感もつかんでもらえればと思います。

社労士試験に合格すると、合格者あてに登録や講習に関する案内一式が送られてきます。年度によって書式は変わりますが、おおむね次のような書類が含まれます。

  • 社会保険労務士の登録申請について(案内)
  • 労働社会保険諸法令関係事務指定講習の受講案内
  • 事務指定講習受講申込書の記入方法
  • 登録申請書・各種証明書類 など

このうち事務指定講習に関係するのが、「受講案内」「受講申込書の記入方法」です。受講料を所定の方法で支払い、申込書を提出することで申し込みが完了します(支払い・提出方法は年度の案内に従ってください)。

申し込みから受講までの大まかな流れは、次のようなイメージです。

  • ① 例年秋ごろ(11月前後)に申し込みを受け付け
  • ② 翌年2月ごろから通信指導課程がスタート(約4ヶ月)
  • ③ 夏ごろからeラーニング講習(約2ヶ月)
  • ④ 両課程を修了すると修了証が交付され、社労士登録の要件を満たす

たとえば直近の第45回(令和7年度)は、令和7年11月に申込受付が行われました。申込期限を過ぎると、その回は受講できません。日程は毎年変わるので、申し込みを考えている方は、全国社会保険労務士会連合会の公式ページで最新の受付期間を必ずチェックしてください。

なお、「いつまで申し込める?」「日程は?」「場所はどこ?」といった疑問については、講習がeラーニング中心になったため、基本的に会場へ通う必要はなく、通信+オンラインで進められます(最新の実施方法は公式案内でご確認ください)。

申し込みや日程の一次情報は、やはり連合会の公式が確実です。詳しくは 全国社会保険労務士会連合会「事務指定講習」のページ をあわせてご確認ください。

社会保険労務士(社労士)の事務指定講習を受けるべき人・受けなくてよい人

ここまでの内容をふまえて、「結局、自分は受けるべきなのか?」を判断するための整理をしておきましょう。あなたの状況によって、答えは変わってきます。

<事務指定講習を受けた方が良いケース>

  • 2年以上の実務経験を積める環境が身近にない
  • 実務未経験だが、早めに登録して開業社労士・勤務社労士として動きたい

<急いで受けなくてもよいケース>

  • 当面、社労士として働く予定がはっきり決まっていない
  • すでに社労士事務所などで2年以上の実務経験を積める・積んでいる

繰り返しになりますが、社労士試験の合格に有効期限はありません。「合格はしたが、登録はもう少し先でいい」という方は、無理に今すぐ受講・登録する必要はないのです。受講料も安くありませんから、自分のキャリアプランと照らし合わせて、受けるタイミングを決めましょう。

「受けるかどうかはまだ迷うけれど、合格後の知識を整理しておきたい」という方は、社労士の学習を横断的にまとめた 社労士の横断整理(学習法)の記事 や、知識の定着に役立つ 社労士の過去問集の記事 もあわせて読んでみてください。登録後の実務にもつながる土台づくりになります。

まとめ|事務指定講習は実務未経験の合格者が社労士登録へ進む現実的な一歩

最後に、社労士の事務指定講習について、ここまでのポイントを振り返っておきましょう。

  • 社労士登録には「2年以上の実務経験」か「事務指定講習の修了」が必要。実務未経験者には事務指定講習が現実的
  • 内容は通信指導課程+eラーニング講習(旧・面接指導課程はeラーニング化済み)
  • 費用は受講料77,000円(税込)+登録関係の費用(年度・社労士会で変動)
  • 申し込みは例年秋ごろ、通信指導課程は翌2月ごろから始まるのが目安

数字や日程は年度によって変わるため、最終確認は全国社会保険労務士会連合会の公式案内で行うのが確実です。

事務指定講習は、実務経験が足りない合格者にとって、社労士として登録し、第一歩を踏み出すための現実的なルートです。費用や手間はかかりますが、講習を修了し、その後の登録手続き(登録申請・登録手数料・入会金など)を済ませれば、晴れて「社労士」として名乗り、働き始められます。受けるべきか迷っている方は、この記事の判断材料を参考に、あなたのキャリアに合った選択をしてください。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験など、情報処理技術者試験の学習法・過去問解説を中心に発信しています。著書に『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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