「行政書士試験の民法って、どうしてこんなに難しいんだろう?」「過去問を何周も回しているのに、なぜか民法だけ点が安定しない…」――民法でつまずいて立ち止まってしまう受験生は、本当に多いものですよね。
まず先に結論からお伝えします。民法は、行政法と並ぶ「法令等」の主要科目で、5肢択一だけでなく記述式(1問20点)でも問われる“配点の大きい得点源”です。その一方で、過去問の焼き直しでは届きにくい「クセのある科目」でもあります。だからこそ、条文や判例を丸暗記するのではなく、「なぜそのルールがあるのか=背景(趣旨)」を理解しながら、財産法(総則・物権・債権)を軸に積み上げていく――これが民法を得点源に変える近道になります。
行政書士試験は、法令等が244点・基礎知識が56点の300点満点です。合格するには、①法令等で122点以上、②基礎知識で24点以上、③総得点で180点以上、という3つの基準をすべて満たす必要があります(1つでも下回ると、ほかが高くても不合格=いわゆる足切りです)。なお、合格率は年度によって変動し、配点・基準・出題範囲も改正されることがあります。最新の正確な情報は、必ず行政書士試験研究センターなどの公式情報でご確認くださいね。
配点の大きい民法を捨てるわけにはいきません。けれど、恐れる必要もありません。この記事では、まず「民法がなぜ難しいと言われるのか」を配点・出題傾向から整理し、出題範囲(5分類)、勉強法、勉強の流れ、そして2020年の民法改正(債権法)の押さえ方まで、読者であるあなたの判断材料として一つずつ整理していきます。
行政書士試験の学習全体の進め方から確認したい方は、行政書士|試験の全体像と学習ロードマップもあわせてどうぞ。
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結論|民法は法令等の主要科目。難しいが“趣旨理解×財産法重視”で得点源にできる
まずは、民法という科目とどう向き合うかの「方針」から整理しておきましょう。ここがあいまいなまま過去問だけを回しても、民法はなかなか伸びてくれません。
民法は、行政法と並ぶ「法令等」の柱です。行政書士試験では「行政法と民法を中心に勉強するべき」とよく言われますが、これは両科目の配点が大きいからにほかなりません。民法は、5肢択一式(1問4点)に加えて、記述式(1問20点)でも問われる点が大きな特徴です。記述式は試験全体で3問しかなく、そのうち多くを民法が占めますから、民法は「捨てられない得点源」だと考えてください。
では、なぜ民法は「行政書士試験でいちばん難しい」と言われるのでしょうか。理由をひと言でいえば、過去問の焼き直しでは届きにくいからです。行政法が「過去問第一主義」で得点を伸ばせるのに対し、民法は1つひとつの条文の意味を考えながら、重要論点を確実に理解していく必要があります。同じ「法令等」でも、行政法と民法では対策の方向性がまったく異なるのです。行政法側の進め方は行政法の勉強法で詳しく整理していますので、対比しながら読むと違いがつかめますよ。
だからこそ、民法の攻略法はシンプルです。条文や判例を丸暗記するのではなく、「なぜそのルールがあるのか=背景(趣旨)」を理解すること。そして、出題の中心である財産法(総則・物権・債権)を重視すること。この2つを軸にすれば、難しいと言われる民法も、着実に得点源へと変わっていきます。
この記事では、次の流れであなたの疑問に答えていきます。
- そもそも民法とはどんな法律か(出題範囲の前提)
- 民法の出題範囲=5分類(財産法と家族法)
- なぜ民法は難しいのか(配点・出題傾向から整理)
- 民法の勉強法=趣旨理解で解く5つのポイント
- 民法の勉強の流れ=テキスト→問題集→過去問
- 2020年の民法改正(債権法)の押さえ方
- テキスト・六法・判例集・初学者向けマンガの選び方
大事なのは、民法を「ひたすら暗記してねじ伏せる科目」ではなく、「得点が生まれる仕組み(構造)を理解して、その構造どおりに点を取りにいく科目」として捉え直すことです。出題のクセ・配点の重心・記述式の特性という“ルール”が分かれば、あとはそのルールに沿って勉強を設計するだけ。やみくもな努力ではなく、構造を押さえた学習へ――この記事で、その設計図を一緒に描いていきましょう。
「難しい」を「分かる」に変えていきましょう。
そもそも民法とは?私人間のルールを定めた“一般法”(出題範囲の前提)
勉強法に入る前に、「そもそも民法とはどんな法律か」を押さえておきましょう。ここがあいまいだと、範囲の広さに振り回されてしまうからです。
民法は「私人と私人」の関係を取り決めた法律
民法は、私人と私人の関係や、そのトラブルの解決について取り決めた法律です。たとえば「売買の約束を破られた」「お金を貸したのに返してもらえない」といった、私たちの日常生活で起こる争いごとを解決するためのルール、とイメージしてください。
この点が、憲法との大きな違いです。憲法は「国家権力を制限し、国民を守る」性格を持つ、いわば国家と国民の関係を定めた法律です。一方、私人どうしの争いは、憲法が直接解決するのではなく、「私法」と呼ばれる民法や商法などが受け持ちます。民法と対比される憲法の学習ポイントは憲法の勉強法で整理していますので、こちらもあわせてどうぞ。
民法は多くの法律の「一般法」=条文は1,000以上
民法は、地域・人・事項に関係なく広く適用される、基本的なルールを定めた法律です。このような法律を「一般法」といいます。これに対し、特定の地域・人・事項だけを対象とする法律が「特別法」です。
民法は、商法・借地借家法・区分所有法・消費者契約法など、数多くの法律の「一般法」にあたります(これらの特別法は、民法を土台にしつつ特定の場面に合わせて修正を加えたルール、とイメージしてください)。いわば「私人間の取引における、もっとも基本的なルール」なんですね。その結果、条文は1,000以上という膨大なボリュームになっています。範囲が広いと感じるのは、この一般法としての性格があるからです。
パンデクテン方式|「総則」を先頭にまとめる構成
日本の民法は「パンデクテン方式」という構成を採用しています。難しそうな言葉ですが、要は「共通するルールを“総則”として先頭にまとめ、その後に個別のルールを並べる」書き方のことです。
実際、民法の冒頭には「総則」が置かれ、そこに「制限行為能力者」や「意思表示」など、すべての取引に共通する内容がまとめられています。その後に「売買契約」「賃貸借契約」「相続」といった個別の規定が続くのです。この構成を意識しておくと、「なぜ最初に総則を学ぶのか」が腑に落ちますよ。
民法の出題範囲|総則・物権・債権・親族・相続の5分類(財産法と家族法)
次に、民法の具体的な「中身」を見ていきましょう。1,000以上ある条文も、大きく整理すれば次の5つの分野に分類されます。
- 総則|すべての取引に共通する基本ルール(意思表示・代理・時効など)
- 物権|物に対する権利(所有権・物権変動・担保物権など)
- 債権|人に対する請求権(契約・債務不履行・保証など)
- 親族|家族関係のルール(婚姻・親子・後見など)
- 相続|亡くなった人の財産の承継(相続人・遺言・遺留分など)
このうち、総則・物権・債権をまとめて「財産法」、親族・相続をまとめて「家族法」と呼びます。
まずは「財産法」を軸にする
行政書士試験の民法は、財産法からの出題が中心です。5肢択一式の分野別の内訳を見ると、総則・物権・債権といった財産法に問題が集中し、親族・相続(家族法)からの出題は相対的に少なめになる傾向があります。
ですから、限られた時間で得点を最大化するなら、まず財産法を重視するのが定石です。財産法の中でも、意思表示・代理・物権変動といった論点は、過去問でも繰り返し問われやすい頻出テーマです。家族法を捨てる必要はありませんが、優先順位としては財産法を先に固める、と覚えておいてください。
なお、総則は他分野の前提になる土台です。意思表示・代理・時効などは、物権や債権を理解するうえでも欠かせませんから、最初にていねいに学んでおくと後がラクになりますよ。
分野別の学習の勘どころ
各分野で「どこに力を入れるか」を、ざっくり整理しておきます。あくまで学習の目安として参考にしてください。
- 総則|意思表示・代理・時効が中心。すべての土台になるので、事例で「誰のどんな意思表示が、どう扱われるか」を丁寧に押さえます。
- 物権|物権変動と対抗要件(登記)の関係が最重要。「誰が先に登記したか」を図に描いて整理し、担保物権は優先順位を意識します。
- 債権|契約→債務不履行→解除・損害賠償の流れを一連で押さえます。保証・債権譲渡など多数当事者が出てくる論点は、図解で「誰が誰に何を請求できるか」を整理するのがコツです。出題が重い分野なので、過去問での反復も欠かせません。
- 親族|婚姻・親子・後見など、制度の趣旨と身分関係を整理します。細かい暗記は、過去問で問われた範囲から優先しましょう。
- 相続|相続人・法定相続分・遺言・遺留分を表にして覚えると効率的です。家族法は直前期に回しすぎず、定期的に触れて感覚を保ちます。
なぜ民法は難しい?配点・出題傾向から“難しさの正体”を整理する
「民法が難しい」「いちばん難しい科目は民法だ」とよく言われます。では、その難しさの正体は何でしょうか。漠然と「難しい」と感じたままだと対策が立てにくいので、配点と出題傾向から構造的に整理してみましょう。
難しさの理由①|過去問だけでは届かない
最大の理由は、過去問からそのまま出題されることが少ないことです。行政法のように「過去問を徹底すれば得点できる」科目とは違い、民法は初見の論点や、細かい角度からの出題が珍しくありません。
そのため、過去問の答えを覚えるだけの勉強では、本番で形を変えて問われたときに対応できません。1つひとつの条文の「意味」や「趣旨」を理解しておく必要がある――ここが、多くの受験生が「やってもやっても安定しない」と感じる原因です。
難しさの理由②|記述式(1問20点)の対象である
もう1つの理由が、記述式の存在です。行政書士試験の記述式は1問20点と配点が大きく、試験全体で3問が出題されます。そのうち多くを民法が占めるため、民法の取りこぼしは、択一だけの科目より失点が大きくなりやすいのです。
記述式は、選択肢から選ぶ択一式と違って、自分の言葉で答案を書かなければなりません。「なんとなく分かる」レベルの理解では、的確な記述にはたどり着けない――この“本質的な理解”を求められる点が、民法の難しさを底上げしています。
難しさの理由③|範囲が広く、財産法の頻出論点が深い
すでに見たとおり、民法は条文1,000以上の広大な科目です。しかも、意思表示・代理・物権変動・債務不履行・保証といった財産法の頻出論点は、登場人物(A・B・Cなど)の権利関係が複雑にからむため、整理しないと問題文を読み違えてしまいます。「範囲が広い×論点が深い」の掛け算が、体感的な難しさを生んでいるのです。
配点の位置づけ|民法は「法令等」の主要科目
ここで、民法が試験全体でどんな位置づけにあるかを確認しておきましょう。
行政書士試験は、法令等が244点・基礎知識が56点の300点満点です。民法は、この「法令等」を構成する主要科目の1つで、行政法と並ぶ柱にあたります。前述のとおり、民法は5肢択一式(1問4点)に加えて記述式(1問20点)でも問われ、択一・記述を合わせると試験全体のおよそ4分の1を占めるとされています。
★補足|2024年度から、従来の「一般知識等」は「基礎知識」に名称・内容が改められました。古い教材では「一般知識」と書かれていることがありますが、現在は「基礎知識」(出題数14問・56点)です。本記事では「基礎知識」で統一しています。
なお、科目ごとの細かい配点(何点・何問)は、年度や試験要項の改正で変わることがあります。「民法は法令等の主要科目で、記述式の対象でもある配点の大きい得点源」という位置づけを押さえたうえで、最新の正確な数値は行政書士試験研究センターの試験案内で必ずご確認ください。
よくある疑問に先に答えておきます
- 民法でいちばん難しい分野は?……人によりますが、登場人物の関係が複雑になりやすい物権(物権変動・対抗要件)や債権でつまずく受験生が多い傾向です。
- 行政書士試験でいちばん難しい科目は?……一般に民法が挙げられます。過去問の焼き直しが効きにくく、記述式の対象でもあるためです。
- 民法は試験全体の何割くらい?……択一・記述を合わせるとおよそ4分の1(25%前後)を占めるとされます(年度で変動し得るため公式で確認を)。
- 行政法と民法はどちらが難しい?……「難しさの質」が違います。行政法は過去問で得点しやすい一方、民法は理解と記述が要る分、安定しにくい――これが多くの受験生の実感です。
記述式の具体的な書き方・対策は行政書士の記述式の勉強法でくわしく解説していますので、民法・行政法の記述対策とあわせてチェックしてみてください。
民法の勉強法|“暗記”でなく趣旨理解で解く5つのポイント
ここからが本題です。難しいと言われる民法を、どう勉強すれば得点源にできるのか。私が実践してきた、そして多くの合格者が口をそろえる5つのポイントを紹介します。
① 条文をおさえる|ただし丸暗記は不要
行政書士試験の民法は、その多くが「民法の規定や判例(事例)に照らし、正しい(誤っている)ものを選べ」という形式で問われます。
こう聞くと「条文や判例を丸暗記しなきゃいけないの?」と身構えてしまいますよね。でも、その必要はありません。そもそも条文だけで1,000以上ある民法を丸暗記するのは現実的ではありませんし、暗記しただけでは形を変えた応用問題に対応できないからです。大事なのは「覚える」より「分かる」。次のポイントにつながります。
② 条文・判例の「背景(趣旨)」をおさえる
民法攻略の核心がこれです。あなたがやるべきことは、ずばり――
その条文が作られた目的や、その判例が下された理由=「背景(趣旨)」をおさえること。
テキストを読むたびに「なぜこのルールがあるの?」「どうしてこういう結論になるの?」と、背景を自分に問いかけていくのです。これがまさに「法(民法)の精神を知る」ということ。趣旨から理解する勉強を繰り返すうちに、初見の問題でも「民法ならこう考えるはず」という“民法的な思考”が身についていきます。過去問の焼き直しが効きにくい民法だからこそ、この一手間が効いてくるんですね。
③ 図を書いてイメージする
民法は私人間の権利関係を扱うため、相手方や第三者といった登場人物どうしの関係性が論点の中心になります。これを文字だけで覚えようとすると、理解があいまいになりがちです。
だからこそ、論点ごとに登場人物の関係を図に書く習慣をつけましょう。「AがBに売った物を、BがさらにCに売った」――こうしたケースは、A・B・Cを並べて矢印で結ぶだけで、ぐっと見通しがよくなります。最初はテキストの図をマネするだけで十分。続けるうちに、過去問を解くときも自分で図を描いて素早く処理できるようになります。必ず手を動かしてくださいね。
④ わからないときは「誰が一番損しているか」を考える
民法はボリュームが膨大ですから、どれだけ対策しても、答えが分からない問題に出くわすことはあります。そんなときの“最後の補助線”が、「登場人物の中で、誰が一番損をしているか(誰を救済すべきか)」を考えることです。
ただし、これはあくまで補助線として使ってください。本来の解き方は、まず条文の要件と判例の規範に当てはめ、当事者の帰責性(落ち度)や第三者の保護を確認することです。その筋道をたどっても結論が見えないときに、「民法は私人間のトラブルを公平に解決するルールだから、論理的に考えてもっとも救済すべき人が救われるはず」という発想で当たりをつける――そういう順序がおすすめです。たとえば公序良俗という法律用語を押さえておくと、「誰に落ち度があるのか」も判断しやすくなります。すべての問題がこれで解けるわけではありませんが(笑)、迷ったときの最後のひと押しとして覚えておくと心強いですよ。
⑤ 記述式は「問われていることに端的に答える」
記述式は、設問に対する答え(解答)を40字程度でまとめなければなりません。「何を書けばいいか分からない」のは論外として、意外と多いのが「文字数が足りない」という悩みです。
その原因は、たいてい「設問で問われていることに、端的に答えていない」ことにあります。記述式では、出題者が求めている答えを、設問の形式に沿って素直に書くのが鉄則です。キーワードを盛り込みつつ、40字前後で答案を構成する――この書き方の練習を、普段の学習から繰り返しておきましょう。択一で身につけた知識を「書ける」状態に変えておくことが、記述式攻略の近道です。
民法の勉強の流れ|テキスト→問題集→過去問の順で積み上げる
ポイントが分かったら、次は「どんな順番で進めるか」です。私が実践してきた民法の勉強の流れを、ステップで紹介します。
- まずはテキストを通読する→細かい所は飛ばしてOK。全体のイメージをつかむ
- 2周目はテキストを1単元ずつ読み、その単元に関係する問題集を解く
- 間違えた問題などに印をつけ、テキストの関連部分を読み込む
- 問題集の2回目は、印を頼りに「不正解の問題」「自信が無かった問題」だけを解く
- 「不正解の問題」「自信が無かった問題」がなくなるまで、何度も繰り返す
- 問題集が終わったら、過去問を解く
この流れには、2つの大事なポイントがあります。
ポイント1|まずは「問題集」で論点を網羅する
民法は、過去問だけでは論点が不足します。だから、最初はオリジナル問題集を使って、重要論点をバランスよくカバーしましょう。利用しているテキストと同じシリーズの問題集を選ぶと、相性がよくスムーズです。
ポイント2|過去問は「出題の深さと頻出論点」を知るために使う
「過去問では不足」と言いましたが、過去問が不要という意味ではありません。過去問を解くことで、
- 実際の出題は、どのように問われているのか
- どの程度の深さまで問われるのか
を知ることができます。また、論点によっては過去問が繰り返し出される部分もあります。受験までに、過去問対策も必ず実施してください。
なお、※過去問の効果的な活用方法については、別記事でくわしく解説しています。
勉強時間と順番の目安|行政法・民法から固める
「民法だけで何時間くらい必要なの?」とよく聞かれます。あくまで目安ですが、初学者の場合、民法だけでまとまった学習時間(一般に100時間以上が一つの目安とされます)を見込んでおくと安心です。宅建などで民法を学んだ経験がある方は、その分を短縮できる場合もあります。学習時間は個人差が大きいので、あくまで「目安」として捉えてくださいね。
科目の優先順位としては、配点の大きい行政法・民法から先に固めるのが定石です。民法は範囲が広く、力がつくまでに時間がかかる科目なので、直前期に詰め込むのではなく、早い時期からコツコツ積み上げていきましょう。独学が不安な方は、質問対応や法改正フォローのある通信講座を活用するのも一つの手です。行政書士は難関資格ですから、自分に合った学習スタイルを選ぶことが、合格への近道になります。
学習計画全体の組み立て方は、行政書士|試験の全体像と学習ロードマップで、各科目の進め方とあわせて整理しています。「民法をどこに位置づけて進めるか」が見えてきますので、あわせてご覧ください。
民法改正(2020年・債権法)の押さえ方|“現在の内容”だけでよい
民法の勉強法の最後に、受験生からよく質問される「民法改正」について整理しておきます。結論から言うと、過度に身構える必要はありません。
試験の対象は「その年度の4月1日時点で施行されている規定」
大前提として、行政書士試験は「試験を実施する年度の4月1日現在で施行されている法令」を対象に出題されます。つまり、改正された規定も、その年度の4月1日時点で施行済みであれば出題対象になる、ということです。
2020年(令和2年)4月1日施行の改正民法(債権法)
近年よく話題になるのが、2020年(令和2年)4月1日から施行された改正民法(債権法改正)です。すでに施行済みですから、当然、現在の試験では改正後の内容で出題されます。
一般に、行政書士試験では法改正された箇所は出題されやすい傾向があります。改正点は要注意ポイントとして押さえておきましょう。改正された主な項目には、次のようなものがあります(詳細はテキストで確認してください)。
- 消滅時効に関する改正
- 法定利率の改正
- 保証人の保護に関する改正
- 定型約款(約款取引)に関する改正
「改正前の内容」まで覚える必要はない
ここで大事なのは、「改正される前の古い内容」まで覚える必要はないということです。あなたが押さえるべきは「現在の内容」だけ。予備校の宣伝では「改正民法が合否を分ける!」と煽られることもありますが、ぶっちゃけ、そこまで身構えるものではありません(笑)。
「どこが変わったのか」だけを頭に入れ、あとは淡々と現在の内容を学んでいく――これが、改正民法との正しい付き合い方です。なお、法改正の最新の取り扱いは年度によって更新されますので、受験する年度の情報を公式や最新テキストで確認するようにしてくださいね。
民法のテキスト・六法・判例集・初学者向けマンガ|教材の選び方
最後に、民法の学習を支える教材について触れておきます。
テキスト・六法・判例集・アプリは関連記事で詳しく
民法の学習をスムーズに進めるには、教材選びが地味に効いてきます。種類別に、選ぶときのチェックポイントを挙げておきます。
- 基本テキスト|図解が豊富で、最新の法改正に対応しているか。索引が使いやすいか。
- 肢別問題集|一問一答形式で、毎日少しずつ回せるか。解説が分かりやすいか。
- 過去問集|出題年度・解説の詳しさを確認。出題の「深さ」を知る用途に。
- 六法・判例集|条文・判例を確認する“辞書”として、引きやすさで選ぶ。
具体的な商品名で選びたい方は、版や価格が改定されることがあるため、必ず出版社・公式の最新情報を確認してくださいね。民法に限らず、行政書士試験の教材は、テキスト・六法・判例集・アプリなど多岐にわたります。それぞれの選び方やおすすめは、次の記事でくわしく紹介していますので、教材選びで迷ったらあわせてご覧ください。
民法が苦手な初学者は「マンガ」で全体像をつかむ手もある
「どうしても民法が苦手」「条文を読んでも頭に入ってこない」――そんな方には、民法を学べるマンガから入る手もあります。マンガは専門知識を噛み砕いて説明してくれるので、理解が深まり、記憶にも残りやすくなります。試験学習の入口として取り入れてみるのも一つの方法です。
『マンガでわかる民法入門』
『マンガでわかる民法入門』は、基本的な民法の概念や法律用語を解説した教科書です。マンガの登場人物と一緒に、楽しみながら学習できます。差別化ポイントは次のとおり。
- 分かりやすく噛み砕いた解説で、民法が初めての方でも読み通せる
- 民法の流れに沿い、総則から物権法・債権法まで詳しく説明されている
- マンガで概要をつかんだ後、文章で解説するスタイル
カリスマ講師である伊藤塾の伊藤真氏が監修している点も、安心材料の1つと言えるでしょう。
『<試験によく出る>マンガでわかる民法の判例』
『<試験によく出る>マンガでわかる民法の判例』は、その名のとおり、判例の解説が中心のマンガです。マンガの見開きと、解説の見開きの計4ページで1つの単元が構成されています。
- まずマンガを読んで、判例の内容をざっくりイメージする
- 続いて、本文の解説で詳細なポイントや焦点を理解する
この使い方で、民法の学習で重要な判例を、無理なく理解できるようになるでしょう。
まとめ|民法は「趣旨理解」で恐れるに足りない
ここまで、行政書士試験の民法について、出題範囲・難しさの理由・勉強法・勉強の流れ・改正の押さえ方を整理してきました。いかがでしたか。
出題分野のなかで「もっとも難しい」と言われる民法ですが、その正体は「過去問だけでは届かない」「記述式で問われる」「範囲が広い」という3つでした。裏を返せば、条文や判例の趣旨を理解し、財産法を軸に、図を描きながら積み上げていけば、難しさは着実に攻略できます。
民法は、配点の大きい得点源です。正しい勉強法で向き合えば、恐れるに足りません。ぜひあなたも、ここで紹介した対策を取り入れて、合格を目指してくださいね。
行政書士試験における「最短勉強法」について、難関資格の通信予備校のクレアールが、受験ノウハウ本(市販の書籍)を無料【タダ】でプレゼント中です。
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