行政書士の商法・会社法を捨てるのはあり?対策は?【最新版】

行政書士の商法・会社法を捨てるのはあり?

「行政書士試験の商法・会社法って、いっそ捨ててもいいのかな…」「広い割に配点が小さいと聞くけど、対策はどうすればいいんだろう」――行政書士の勉強を進めていると、こんなふうに悩む方は少なくありませんよね。

行政書士試験は出題範囲がとても広く、限られた時間をどの科目に振り向けるかが合否を分けます。なかでも商法・会社法は、「範囲が広いのに配点は小さい」という、いちばん扱いに迷う科目です。だからこそ「もう捨ててしまおうか」という気持ちになるのも、よく分かります。

そこで先に結論をお伝えします。商法・会社法は「完全に捨てる」のではなく、「過去問レベルの頻出論点だけに絞って、割り切って取りに行く」のが現実的な戦略です。なぜなら、商法・会社法は法令等科目の一部で配点は5問20点と小さい一方、まったく対策せずに捨ててしまえば得点はほぼ見込めず、合格基準に向けた“あと一歩の上乗せ”を自ら手放すことになりやすいからです。

ここで前提を一つだけそろえておきます。行政書士試験は300点満点で、内訳は法令等科目244点(46問)と基礎知識56点(14問)です。合格には、①法令等で122点以上②基礎知識で24点以上③総得点で180点以上――この3つをすべて満たす必要があり、1つでも欠けると足切りで不合格になります。つまり「180点まであと少し」という場面で、商法・会社法の1〜2問が効いてくることは十分あるわけです。なお配点や合格基準は年度の試験要項で変わることがあるため、最新の正確な情報は行政書士試験研究センターの公式発表で必ず確認してくださいね。

この記事では、まず商法・会社法とは何かを民法との関係から整理し、配点・出題形式という前提をそろえたうえで、「捨てる・部分的に取る」をどう判断するか、そして会社法・商法それぞれの頻出論点に絞った現実的な対策までを、読者であるあなたの判断材料として一つずつ整理していきます。

行政書士試験全体の進め方や科目ごとの優先順位から確認したい方は、行政書士|合格までの全体ロードマップもあわせてどうぞ。

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目次

結論|商法・会社法は“完全に捨てる”より“過去問レベルで割り切って取る”が現実解

まず、商法・会社法とどう向き合うかの「方針」から先に整理しておきましょう。ここがあいまいなまま勉強を始めると、「不安だから全部やろうとして時間切れ」か「面倒だからまるごと捨てて0点」という、両極端の遠回りに陥りやすいからです。

  • 配点は5問20点と小さいが、無対策で捨てると得点はほぼ望めない……商法・会社法は法令等科目の一部で、出題は5問・計20点。確かに行政法(22問112点)や民法(11問76点)に比べれば小さな配点です。ですが、まったく手をつけなければ得点はほとんど見込めません。合格基準の総得点180点に向けた“上乗せの機会”を、自分から手放すことになりやすいのです。
  • 行政法・民法の優先は正しい。でも商法・会社法も「最低限」なら費用対効果は高い……配点の大きい科目を先に固めるのは鉄則です。そのうえで、商法・会社法は頻出論点だけに絞れば、少ない学習時間で1〜2問を狙えます。「全部やる」でも「全部捨てる」でもなく、その中間が現実解です。
  • 判断軸は「残り時間」「いまの得点力」「他科目の仕上がり」……どこまで取りに行くかは、人によって最適解が変わります。本試験まで時間がたっぷりある人と、残り数か月の人とでは、商法・会社法にかけてよいコストがまったく違うからです。

大事なのは、「商法・会社法をやるか・やらないか」の白黒ではなく、「自分の合格にとって、どこまでやるのが効率的か」というグラデーションで考えることです。主役はあくまであなたの合格戦略であって、商法・会社法は“上乗せ”を狙う一手段――この位置づけを忘れないでくださいね。

ここでひとつ、考え方の軸をお伝えしておきます。行政書士の学習は、限られた時間をどの科目に振り向けるかという“配分の勝負”でもあります。配点20点の商法・会社法に深入りして、配点112点の行政法がおろそかになれば、本末転倒です。逆に、頻出論点だけを最小コストで押さえれば、同じ時間で「合格基準にあと一歩」という場面の保険になります。「この勉強は、合格点にどれだけ効率よく効くか」――この費用対効果の視点を持つと、捨てるか取るかの判断を見誤りません。

この記事を読み終えるころには、商法・会社法を「どこまで・どう取りに行くか」を、あなた自身の学習計画に落とし込めるようになっているはずです。

商法・会社法とは?民法との関係から整理する

商法・会社法を苦手に感じやすい理由の一つは、「そもそもこの法律がどんな位置づけなのか」が見えにくいことです。そこでまず、商法・会社法とはどんな法律なのかを、民法との関係からざっくり整理しておきましょう。ここを押さえておくと、苦手意識がやわらぎ、頻出論点の理解もぐっとラクになります。

行政書士試験では、民法が11問76点と大きな配点を占めます。その民法を土台にして、商法・会社法を“民法の応用編”ととらえると、全体像がつかみやすくなります。

商法は「商人同士のルール」=民法の特別法

民法とは、私人同士の関係について、日常生活などが円滑に回るように取り決めた法律です。これに対して商法は、商人同士の関係(商行為など)について取り決めた法律で、民法の特別法にあたります。

「特別法」というのは、一般的なルールである民法に対して、商売という特定の場面に合わせた“上書きルール”のようなものです。だから商法を学ぶときは、「民法と何が違うのか」を意識すると、論点が頭に入りやすくなります。

会社法は「会社についてのルール」=もともと商法から分かれた法律

そして会社法は、会社について定めた法律です。商法が個人・法人を問わず商行為について規定しているのに対し、会社法は、なかでも法人(会社)について規定しています。もともとは商法の一部でしたが、いまは独立した一つの法律になっている、と押さえておきましょう。

もともと、わが国には独立した会社法という法律はありませんでした。商法の一部として、会社関連の規定が置かれていたのです。しかし、そうした規定が時代に合わなくなったこともあり、2006年に独立した会社法として体系化された、という経緯があります。

つまり、民法(一般法)→商法(その特別法)→会社法(商法から分かれた会社のルール)という流れで捉えると整理しやすくなります。この成り立ちを頭に置いておくと、「会社法の条文がなぜこういう作りになっているのか」が腑に落ちやすくなります。民法そのものの勉強の進め方が気になる方は、行政書士の民法の勉強法もあわせて確認してみてください。

行政書士試験における商法・会社法の配点と出題形式【まず前提をそろえる】

「捨てるか・取るか」を判断するには、まず商法・会社法が試験全体のどこに位置づけられ、何点ぶんなのかという前提をそろえることが欠かせません。行政書士は国家資格ですから、合格には決められた基準を満たす必要があり、その基準から逆算して各科目の重みを考えることが大切です。ここがあいまいだと、感覚で「なんとなく捨てる」「不安だから全部やる」と決めてしまい、判断を誤りやすいからです。

行政書士試験は300点満点。その内訳

行政書士試験は300点満点で、大きく次の2つに分かれます。

法令等科目は計244点(46問)で、内訳は次のとおりです。

  • 基礎法学(2問):8点
  • 憲法(6問):28点
  • 民法(11問):76点
  • 行政法(22問):112点
  • 商法・会社法(5問):20点

基礎知識は計56点(14問)で、次の4分野から出題されます。

  • 一般知識(政治・経済・社会など)
  • 行政書士法等、行政書士業務と密接に関連する諸法令
  • 情報通信・個人情報保護
  • 文章理解

なお、かつて「一般知識等」と呼ばれていた科目は、2024年度の試験制度改正で「基礎知識」へと名称が変わりました。このとき、行政書士法などの「業務関連の諸法令」が新たに出題分野に加わったのが大きな変更点です(出題数14問・56点という枠組み自体は変わっていません)。各分野の細かな出題数・配点は公表されていない部分もあり、年度の試験要項で変わることもあるため、内訳は目安として捉え、最新は公式でご確認ください。古い教材では「一般知識等」と書かれていることもあるので、混同しないようにしておきましょう。

こうして並べると一目瞭然ですが、商法・会社法の20点は、基礎法学(8点)に次いで配点が小さい部類です。合否への影響が小さいぶん、ここに時間をかけすぎるのは効率が悪い、というのが大前提になります。

出題形式と合格基準|「足切り」を知ると判断が変わる

出題形式も整理しておきましょう。行政書士試験の問題は、5肢択一式が1問4点・多肢選択式が1問8点・記述式が1問20点(3問で計60点)という配点です。このうち商法・会社法は5問すべてが5肢択一式で、通例では商法から1問、会社法から4問が出題され、合計20点となります。

そして、判断のうえで何より重要なのが合格基準の3要件です。合格するには、①法令等科目で122点以上(50%)②基礎知識で24点以上③総得点で180点以上(60%)――この3つをすべて満たす必要があります。1つでも基準に届かなければ、ほかが高得点でも足切りで不合格です。

ここがポイントです。「総得点180点」という壁を考えると、商法・会社法の1〜2問(4〜8点)が、合否のボーダー上で効いてくる場面は十分にありえます。だからこそ「配点が小さいから0点でいい」とは言い切れないわけですね。

行政書士試験は何といっても最大配点の行政法(112点)が得点源です。まずはここを固めるのが王道ですので、行政書士の行政法の勉強法もあわせて確認しておくと、全体の優先順位が見えやすくなります。なお、配点・出題形式・合格基準は年度の試験要項で変わることがあるため、最新の正確な数値は行政書士試験研究センターの公式発表で必ずご確認くださいね。

商法・会社法は捨てるべき?“捨てる/部分的に取る”の判断軸

前提がそろったところで、いよいよ本題の「捨てるか、取るか」を考えていきましょう。ネット上では「捨ててOK」「いや捨てるのはNG」と意見が割れていますが、どちらも一面では正しく、あなたの状況によって答えが変わるというのが実際のところです。

「完全に捨てる」のリスク|20点を最初から0点にする

まず、商法・会社法をまるごと捨てるという選択を考えてみます。範囲が広く配点が小さい科目なので、「やらない」と決めれば、その時間を行政法や民法に回せます。これは時間配分としては合理的に見えます。

ただし、まったく対策せずに捨てると、商法・会社法はほぼ0点になりかねません。択一式なので運よく当たる可能性はゼロではありませんが、それを当てにするのは現実的ではありませんよね。前の章で見たとおり、合格には総得点180点という壁があります。「あと数点で180点だったのに…」というケースは、決してめずらしくありません。商法・会社法を完全に捨てるというのは、その“あと数点”の保険を、最初から手放してしまうことになりがちなのです。

「全部やる」のムダ|配点20点に時間をかけすぎない

では逆に、不安だからと全範囲をきっちりやるのはどうでしょうか。これもおすすめできません。会社法は条文が1,000近くあり、民法と同等のボリュームがあります。これを配点20点のために隅々まで仕上げるのは、費用対効果が悪すぎます。

「商法に時間をかけすぎていないか」「それは本当に合格点に直結する勉強か」――この問いを、つねに自分に向けてみてください。配点112点の行政法や76点の民法がまだ不安定なのに、20点の商法・会社法を深掘りするのは、明らかに優先順位が逆です。

現実解は「過去問レベルで割り切って取る」

そこで現実的な落としどころが、「過去問レベルの頻出論点だけを、割り切って取りに行く」という中間の戦略です。完全放棄でも全範囲でもなく、最小コストで1〜2問を狙う、という発想ですね。

どこまで取りに行くかは、次のような軸で判断するとよいでしょう。

  • 残り学習時間……本試験まで1年以上あるなら、頻出論点を一通り押さえる余裕があります。残り数か月なら、行政法・民法を固めたうえで「最低限だけ」に絞ります。
  • 他科目の仕上がり……行政法・民法・記述式がまだ不安なら、まずそちらが先。商法・会社法は後回しでかまいません。
  • いまの得点力……模試などで合格ラインに近い人ほど、商法・会社法の上乗せが効いてきます。逆にまだ遠い人は、配点の大きい科目で底上げするのが先決です。

このように、「捨てる/部分的に取る」の最適解は人それぞれです。本記事では一つの方針として「過去問レベルで割り切る」をおすすめしますが、最終的には、あなた自身の残り時間と得点状況に照らして決めてくださいね。

会社法の対策|頻出論点(株式・機関・設立)に絞って効率化する

「割り切って取る」と決めたら、次は具体的にどこを勉強するかです。商法・会社法のうち、出題が4問と多いのは会社法。まずは会社法から、効率化の方針を見ていきましょう。

会社法は「全範囲はやらない」が大原則

会社法は条文が1,000近くあり、しかも一つひとつの条文が長いのが特徴です。これは、会社法が会社の組織や運営に関する手続き的な規定を数多く含むことが大きな要因です(会社法には、組織や権利義務に関する規定と手続的な規定が混在しています)。たとえば「会社設立の手続き」などが、細かく規定されています。

条文が長いうえに、詳細な手続きを覚える必要もあり、まともに全範囲をやろうとすると、いくら時間があっても足りません。だからこそ会社法は、頻出論点だけに絞り込むのが鉄則になります。基本テキストも、会社法専用の分厚いものではなく、行政書士試験向けのテキストで頻出論点を押さえれば十分です。

頻出は「株式」「機関」「設立」の3分野

過去問を見ていくと、会社法の出題は「株式」「機関」「設立」の3分野に集中する傾向があります。

  • 株式……譲渡制限株式、株主平等の原則、株主の権利などが問われます。会社法の土台になる分野なので、ここは優先的に押さえたいところです。
  • 機関……株主総会・取締役・取締役会・監査役といった会社の“機関”に関する論点です。それぞれの権限や役割を整理しておきましょう。
  • 設立……定款・発起人・設立手続といった、会社を作る場面のルールです。手続きの流れをざっくり押さえておくと得点しやすくなります。

一方で、「機関設計」(公開会社・非公開会社・大会社の組み合わせなど)の細部は難易度が高めです。ここに深入りすると時間ばかりかかるので、まずは株式・設立の基本論点を取りこぼさないことを優先しましょう。

「基本的な考え方」に関わる箇所が問われやすい

これは会社法に限りませんが、国家試験では「その法律の基本的な考え方」に関わる箇所が問われやすい傾向があります。会社法でいえば、「所有と経営の分離」「株主の利益の保護」といった原則ですね。

たとえば「所有と経営の分離」といえば、「取締役会と株主総会の役割の違い」などが、その考え方に関わる論点になります。過去問を解くときも、「この問題は会社法のどんな基本原則を確かめようとしているのか」を意識すると、ただの丸暗記より定着しやすくなります。

なお、商法・会社法と同じく「配点が小さい少数科目」である基礎法学も、割り切りの戦略が効きます。少ない科目をどう扱うかの考え方は行政書士の基礎法学の勉強法も参考になりますよ。

商法の対策と過去問の使い方|“暗記”では届かない理由

会社法の次は、出題1問の商法です。「たった1問なら捨てていいのでは」と思うかもしれませんが、実は商法は、最低限の対策でも比較的得点につなげやすい、コスパのよい分野といえます。

商法は1問・範囲も狭く、結果が出やすい

商法からの出題は1問だけです。試験で問われる主要な範囲に限れば、商法は会社法ほど分量が多くなく、過去問対策が比較的しやすい傾向があるといわれます。なかには、過去問の知識だけで解ける出題がされたケースもありました(年度によって難易度は変わるため、あくまで傾向として捉えてください)。

頻出は「商法総則」「商行為」で、商人・商号・代理商といった基本論点に限られます。範囲が狭いぶん、ここを押さえれば1問は十分に狙えます。わずか1問とはいえ、商法は結果が出やすいので、ぜひ最低限の対策はしておきましょう。

前述のとおり、商法は民法の特別法です。出題でも「民法とどこが違うのか」が問われることがあるため、民法との比較を意識しながら勉強すると効率的です。

過去問は必須。ただし“丸暗記”は効かない

商法・会社法でも、過去問に取り組むことは必須です。ただし注意点があります。商法・会社法は、過去問とまったく同じ選択肢が出題されることが、あまりありません。

行政法などは、過去問と同じ選択肢が繰り返し出題されることもあり、ある程度は暗記での対応が可能です。しかし商法・会社法では、その暗記型の対策が通用しにくいのです。

ではどうするか。商法・会社法では、過去問の頻出論点について、その“周辺知識”まで含めて理解しておくことが重要になります。「この論点が問われたなら、関連するこの部分も問われうる」と、点ではなく面で押さえるイメージですね。答えだけを覚える勉強だと、少し聞かれ方が変わったときに正解しにくくなります。選択肢ごとに「なぜその正誤になるのか」という理由まで確認しておくと、本番で初見の言い回しが来ても対応しやすくなります。

この「理由から押さえる」という勉強方法は、暗記が効きにくい商法・会社法だからこそ効果的です。手間はかかりますが、配点20点の科目に深入りしすぎない範囲で、頻出論点に限って取り入れてみてください。

具体的には、こんな流れがおすすめです。

  • まず過去問を解いて、「どんな聞かれ方をするのか」を体感する
  • 解説を読んだら、テキストや条文に戻って根拠を確認する
  • 間違えた問題だけを短くメモしておき、直前期に見直す

会社法のように暗記が効きにくい科目と、行政法のように暗記が効きやすい科目とでは、過去問の使い方を変えるのがコツです。暗記型の対策がはまる行政法の進め方は、行政書士の行政法の勉強法で確認できますので、対照として読んでみてください。

商法・会社法の目標点と学習スケジュールの考え方

最後に、「商法・会社法で何点を目指し、いつ勉強するか」という目標設定とスケジュールの考え方を整理しておきましょう。

目標は「5問中1〜3問」。完答は狙わない

商法・会社法の目標点は、5問中1〜3問あたりが現実的な目安です。完答を狙う必要はありません。前提として配点20点の科目ですから、ここは「合格基準への上乗せ」と位置づけ、欲張らないことが大切です。

配点と範囲の広さを踏まえると、商法・会社法を完璧に仕上げるよりも、頻出論点だけを押さえて「取れる問題を確実に取る」というスタンスのほうが、合格戦略としては合理的だと考えられます。実際、合格者のなかにも商法・会社法を割り切って臨んだという声は少なくないようです。ただし最適な取り方は、残り時間や得点状況によって人それぞれ変わりますので、ここで挙げた目標点も一つの目安として捉えてくださいね。

残り期間でメリハリをつける

いつ勉強するかは、本試験までの残り期間によって変えるのが効率的です。あくまで一例ですが、次のようなメリハリが考えられます。

  • 1年以上ある場合……基本テキストと過去問を一通り回し、株式・機関・設立の頻出論点を押さえる余裕があります。
  • 半年前後の場合……頻出分野に絞って、過去問を反復するのが現実的です。深追いはしません。
  • 3か月以下の超短期の場合……まず行政法・民法を固めるのが最優先。商法・会社法は、その後で「設立・機関・株式だけ」など最低限に絞ります。
  • 直前期の場合……新しい教材を増やさず、過去問とまとめノートに絞って見直します。

このように、残り時間が少ない人ほど「割り切り」を徹底するのがポイントです。配点の大きい行政法・民法を崩してまで商法・会社法に時間をかけるのは、本末転倒だからです。

全体スケジュールから逆算する

商法・会社法をどこに置くかは、単体で決めるより、行政書士試験全体の学習スケジュールから逆算するのがおすすめです。「行政法・民法を○月までに固め、商法・会社法は直前期に頻出論点だけ」といった具合に、全体最適の中で位置づけると迷いません。

合格までの全体像から組み立てたい方は、行政書士|合格までの全体ロードマップを参考に、自分なりの学習計画を描いてみてくださいね。

まとめ|商法・会社法は“捨てず割り切る”。頻出論点で上乗せを狙おう

ここまで、行政書士試験の商法・会社法について、「捨てるか・取るか」の判断軸と具体的な対策を整理してきました。最後に要点を振り返っておきましょう。

  • 商法・会社法は法令等科目の一部で、5問20点と配点は小さい。けれど、まったく対策せず捨てれば得点はほぼ望めず、合格基準の総得点180点への“上乗せ”の機会を手放すことになりやすいです。
  • 現実解は「過去問レベルの頻出論点に絞って割り切って取る」。会社法は株式・機関・設立、商法は商法総則・商行為が頻出です。完全放棄でも全範囲でもなく、その中間を狙います。
  • 判断は「残り時間」「他科目の仕上がり」「いまの得点力」で。配点の大きい行政法・民法を崩さない範囲で、費用対効果を見ながら決めましょう。
  • 配点や合格基準など年度で変わりうる数値は、必ず公式で確認。最新の正確な情報は、行政書士試験研究センターの発表でチェックしてください。

商法・会社法は、「捨てる科目」ではなく「割り切って付き合う科目」です。最小のコストで1〜2問を拾えれば、それは合格ラインへの確かな保険になります。ぜひ、ご自身の学習計画のなかで、ちょうどよい距離感を見つけてくださいね。

よくある質問(FAQ)

Q. 行政書士試験で商法・会社法は何問出題されますか? A. 通例では、商法から1問、会社法から4問の計5問が、いずれも5肢択一式(1問4点)で出題され、合計20点です。年度によって変わる可能性があるため、最新は公式発表で確認してください。

Q. 行政書士試験で会社法(商法)を捨てるのはありですか? A. 「完全に捨てる」のはおすすめしません。配点は小さいものの、無対策で捨てると得点はほぼ望めず、合格基準(総得点180点)への上乗せ機会を失いやすくなります。頻出論点だけに絞って「割り切って取る」のが現実的です。

Q. 会社法をわかりやすく覚えるコツはありますか? A. 全範囲を追わず、頻出の「株式・機関・設立」に絞るのがコツです。「所有と経営の分離」など会社法の基本的な考え方を意識すると、丸暗記よりも論点が定着しやすくなります。

Q. 商法・会社法は過去問だけで大丈夫ですか? A. 過去問は必須ですが、商法・会社法は同じ選択肢がそのまま再出題されにくいため、丸暗記では届きません。頻出論点の“周辺知識”まで理解しておくことが大切です。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験など、情報処理技術者試験の学習法・過去問解説を中心に発信しています。著書に『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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