今回は、行政書士試験の商法・会社法のポイントや勉強方法に関する記事です。
商法・会社法は、非常に広い範囲から出題される割に配点が小さいため、対応が悩ましい科目です。
行政書士試験では、商法・会社法の配点は、基礎法学に次いで小さいため、「商法・会社法は捨てよう」と考える方も多いです。
確かに、商法・会社法の勉強は省き、行政法と民法に集中すべき、という考えもわかります。
ただ、捨ててしまうと0点。一方で、最小の対応で、1問でも2問でも取れれば、それに越したことはない、と思いませんか?
この記事では、行政書士試験の商法・会社法について、もっとも効率のよい対処法をお伝えします。
ぜひチェックしてみてください。
目次
商法・会社法とは
商法・会社法の話に入る前に、まず民法を思い出してください。
民法とは、私人同士の関係について、日常生活などが円滑に回るように取り決めた法律でした。
商法とは、商人同士の関係(商行為など)について取り決めた法律であり、民法の特別法にあたります。
また、会社法は、商法の特別法です。というのも、商法は個人・法人に限らず商行為について規定していますが、会社法は、なかでも法人(会社)について規定しているからです。
もともと、わが国には独立した会社法という法律はありませんでした。商法の一部として、会社関連の記載がされていたのです。
しかし、そうした規定が時代に合わなくなった、ということもあり、2006年に独立した会社法として体系化された、という経緯があります。
行政書士試験における商法・会社法の特徴
それでは、他の科目と比較した、商法・会社法の特徴を見ていきましょう。
行政書士試験の中で配点が300満点中、20点しかない
商法・会社法は行政書士試験の中で、基礎法学に次いで配点の小さい科目です。
- 基礎法学(2問):8点
- 憲法(6問):28点
- 民法(11問):76点
- 行政法(22問):112点
- 商法(5問):20点
- 政治・経済・社会(7問):28点
- 情報通信・個人情報保護(4問):16点
- 文章理解(3問):12点
うえのとおり、300満点中、配点はわずか20点。合否への影響は小さいため、商法・会社法については、最低限の対応を行い、その分の時間を行政法や民法の対策に使うのが吉です。
出題傾向 ~商法・会社法は5肢択一式、広範囲で難問も多い
つづいて、出題傾向、および配点です。
5肢択一式
商法・会社法は5肢択一式で合計5問の出題、1問あたり4点なので、配点は計20点となります。
通例では、商法が1問、会社法が4問、出題されます。
難易度 ~広範囲から出題され、難問も多い
商法
商法からの出題は1問だけです。
しかし、商法は条文も少なく、また、会社法からの出題に比べて難易度が低い傾向にあります。
なかには、過去問の知識だけで解ける出題がされるケースもありました。
わずか1問とはいえ、商法の対策は結果が出やすいですから、ぜひ対応しておきましょう。
また、前述のとおり、商法は民法の特別法です。出題傾向として、民法と異なる点が問われることもあるため、民法との比較を意識しながら勉強するとよいでしょう。
会社法
会社法は4問出題されます。商法に比べると出題は4倍もありますから、商法よりも力を入れるべき、と考える方もいるかもしれません。
しかし、実際には、会社法こそ、
できるだけ効率化し、頻出以外は捨てることが必要
な科目です。
というのも、まずは、そのボリュームの多さです。会社法は条文が1,000近くあり、民法と同等のボリュームがあります。
さらに、一つひとつの条文が長い。
これは、会社法が「手続法」であることが要因の一つです。たとえば、「会社設立の手続き」などが詳細に記載されています。
条文が長いうえに、詳細な手続きを覚える必要もあり、対応が難しいのです。
このような会社法から出題は4問ですから、いかに効率的に対処するかが重要なのは、分かって頂けると思います。
試験対策 ~勉強のポイント
頻出論点に絞って勉強する
商法
もともと条文も少ない商法ですが、「商法総則」「商行為」が頻出ですので、おさえておきましょう。
会社法
会社法の出題は、「株式」、「機関」、および「設立」の分野が目立ちます。
しかしながら、「機関設計」については難易度が高いため、株主総会なども含め「株式」や「設立」を取りこぼさないようにしましょう。
基本的な考え方を踏まえた部分が問われやすい
これは会社法に限らないことですが、国家試験の場合、「その法の基本的な考え方」に関わる箇所が問われやすい傾向にあります。
たとえば会社法の場合、「所有と経営の分離」「株主の利益の保護」などに関係する箇所が該当します。
「所有と経営の分離」といえば、「取締役会と株主総会の相違」などが該当する論点になります。
過去問を見ると、他にも、会社法の基本的な考え方に関する箇所から出題されているのが分かると思います。
そうした点を意識して対応するようにしましょう。
過去問から繰り返し出される頻出論点はあるが、全く同じ表現ではない
商法・会社法においても、過去問に取り組むことは必須です。
ただし、過去問とまったく同じ選択肢が出題されることは、商法・会社法では、あまりありません。
行政法などは同じ選択肢が出題されることもあり、暗記の対応が可能です。
しかし、商法・会社法は、過去問の暗記では対処できません。
商法・会社法においては、過去問の頻出論点の周辺知識を押さえることが重要になります。
商法・会社法の得点目標
商法・会社法は5問中3問得点できれば十分です。
おすすめテキスト・六法・判例集・アプリなど
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行政書士の勉強を始めたばかりの方には、以下も参考になると思います。
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まとめ
ここまで、行政書士試験の商法・会社法について解説してきました。
行政書士試験の出題分野のなかで、基礎法学に次いで配点が小さい商法・会社法ですので、ポイントを押さえて、3問ほど得点できれば十分です。
ぜひ、商法・会社法の対応について参考になさってくださいね。
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