行政書士の基礎知識(旧・一般知識)の対策は?足切りを避ける勉強法を徹底解説!

行政書士の一般知識の対策は?

「行政書士試験の基礎知識(旧・一般知識)って、どこまで勉強すればいいの?」「法令はそこそこ取れても、基礎知識で足切りされたら一発アウトって本当…?」――そんな不安を抱えている受験生の方は、けっして少なくありませんよね。

行政書士試験は、法令科目をしっかり仕上げることが合格の土台です。ところが、その努力をぜんぶ無駄にしかねない“落とし穴”が、基礎知識科目の足切り(基準点落ち)です。「法令で稼げば基礎知識は適当でいい」と考えていると、本番で足をすくわれてしまうんですよね。

そこで先に結論をお伝えします。行政書士試験では2024年度(令和6年度)の改正で、それまでの『一般知識等』が『基礎知識』へと名称・区分が変わりました。ただし、出題14問・56点満点という枠組みと、24点以上(満点の40%)を取らないと足切りで不合格になるという“怖さ”は、まったく変わっていません。つまり、どれだけ法令科目を仕上げても、基礎知識で24点を割れば合格はゼロになります。

だからこそ基礎知識は、「満点」を狙うのではなく「足切りラインを確実に超える」ことを目標に、出題区分ごとにメリハリをつけて対策するのが王道です。なお、配点・合格基準・出題範囲は、年度の試験要項で変わることがあります。最新の正確な情報は、一般財団法人行政書士試験研究センターの公式サイトで必ず確認してくださいね。

この記事では、まず2024年度改正で何が変わったのかを整理し、基礎知識の足切りの仕組み、出題区分(一般知識/業務関連諸法令/情報通信・個人情報保護/文章理解)ごとの対策の優先順位、そして深追いしてはいけない分野と確実に取りにいく分野の見極め方までを、読者であるあなたの判断材料として一つずつ整理していきます。

行政書士試験全体の科目構成や学習の進め方から確認したい方は、行政書士試験|合格までの全体ロードマップもあわせてどうぞ。

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目次

結論|基礎知識(旧・一般知識)は“満点”でなく「24点の足切り突破」が目標

まず、基礎知識とどう向き合うかの「方針」から先に整理しておきましょう。ここがあいまいだと、「範囲が広すぎて手がつけられない」「どこから手をつければいいか分からない」と、いちばん貴重な“時間”というコストだけが出ていってしまうからです。

  • 2024年度改正で『一般知識等』→『基礎知識』に名前と区分が変わった……ただし出題14問・56点満点という枠組みは変わっていません。旧称『一般知識』で検索した情報も多くは参考になりますが、区分の整理は見直されているので、対策は最新の試験要項・教材で確認するのが安心です。
  • 基礎知識は24点以上を取らないと足切りで不合格……「満点の40%以上」が基準で、56点満点では24点がこれにあたります。ここを割ると、法令科目をどれだけ仕上げても合格はできません。
  • 目標は満点ではなく“足切りラインを確実に超える”こと……基礎知識は範囲が広く、満点を狙うのは現実的ではありません。「どこで点を取り、どこを深追いしないか」を決めて、メリハリをつけて対策するのが鉄則です。

大事なのは、「基礎知識を完璧にすること」そのものではなく、「足切りを割らないラインを、できるだけ低コストで確実に組み立てること」です。主役はあくまであなた自身の合格戦略で、基礎知識はその中で“落とし穴を避ける守り”として位置づける――この発想を忘れないでくださいね。

ここでひとつ、考え方の軸をお伝えしておきます。行政書士試験の学習は、限られた時間をどの科目に振り向けるかの“配分の勝負”でもあります。基礎知識で背伸びをして満点を狙うと、その時間を法令科目から奪ってしまい、かえって総得点を落とすことになりかねません。「この勉強は、足切り回避という目的にどれだけ効率よく効くか」――この費用対効果の視点で選ぶと、基礎知識との付き合い方を見誤りません。

この記事を読み終えるころには、基礎知識のどの区分で点を取り、どこを割り切るのか――その設計図を、あなた自身の学習計画に落とし込めるようになっているはずです。

2024年度改正で何が変わった?『一般知識等』→『基礎知識』の中身

「基礎知識? 自分が勉強しているのは一般知識のはずなのに…」と戸惑った方もいるかもしれません。ここで、2024年度改正で何が変わったのかを整理しておきましょう。呼び方の変化を理解しておくと、古い情報と新しい情報が混在していても迷わなくなります。

改正の概要|2024年度から名称が『基礎知識』に変わった

行政書士試験では、2024年度(令和6年度)試験から、それまでの「一般知識等」という科目が「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」、いわゆる『基礎知識』へと名称・区分が見直されました。

ポイントは、名前と区分の整理は変わったものの、足切りの仕組みそのものは変わっていないということです。「名称が変わった=対策をゼロからやり直し」ではないので、ここはまず安心してくださいね。

出題14問・56点満点という枠組みは変わっていない

枠組みの面では、改正の前後で大きな変更はありません。基礎知識は、5肢択一式が14問・56点満点(1問あたり4点)で出題されます。記述式や多肢選択式はなく、すべて択一で構成されているのが特徴です。

この「14問・56点満点」と、後で詳しく見る「24点の足切り」は、旧『一般知識等』の時代から続く枠組みです。古い参考書やサイトを見て「一般知識は14問」と書いてあっても、出題数の感覚としてはそのまま通用すると考えてよいでしょう。

区分の整理|基礎知識は大きく4つの分野から出題される

現行の基礎知識は、おおむね次の4つの分野から出題されます。

  • 一般知識(政治・経済・社会など)
  • 行政書士法等、行政書士業務と密接に関連する諸法令
  • 情報通信・個人情報保護
  • 文章理解

改正で「行政書士業務と密接に関連する諸法令」がより明確に位置づけられたことで、行政書士の実務に近い知識が問われやすくなった、という見方もあります。ただし、出題傾向は年度によって変わりうるので、断定はせず“傾向として押さえておく”くらいがちょうどよいでしょう。

旧称『一般知識』で検索しても探している中身は同じ

ネットで対策法を調べると、「一般知識」と「基礎知識」の表記が入り混じっていて、混乱しやすいかもしれません。けれど、旧称『一般知識』で書かれた情報の多くは、現行の基礎知識の対策にもそのまま役立ちます。「名前が変わったから、これまでの対策が全部ムダになった」と慌てる必要はありません。

ただし、出題区分の整理は見直されているので、古い教材だけに頼り切るのは避けたいところです。とくに「行政書士業務と密接に関連する諸法令」のように位置づけが明確になった分野もあるため、最新の試験要項や、改正に対応した教材で出題範囲を確認しておくと確実です。なお、本記事ではこのあと、科目全体を指すときは現行の『基礎知識』で統一して書いていきます(政治・経済・社会の分野を指す「一般知識」だけは、区分の名前としてそのまま使います)。まずは「自分が対策すべきは基礎知識」と頭を切り替えておきましょう。

基礎知識の足切り(基準点)の仕組み|なぜ24点が“合否の壁”なのか

ここが本記事のいちばん大事なところです。基礎知識を軽視できない理由――それが「足切り(基準点落ち)」という仕組みにあります。落ち着いて整理していきましょう。

足切りとは|基準点を割ると総得点が高くても不合格になる

足切りとは、ある科目で決められた基準点未満になると、ほかがどれだけ高得点でも不合格になる仕組みのことです。基準点を1点でも下回れば対象になります。「総得点では合格ラインを超えていたのに、基礎知識の1科目だけで不合格になってしまった」――合格基準上、こうした“基準点落ち”は起こりえます。だからこそ、基礎知識を最後まで油断できないのです。

基礎知識の基準点は、公式の合否判定基準で「満点の40%以上」と定められており、56点満点では24点以上がこれにあたります(厳密には56点の40%は22.4点ですが、1問4点きざみのため、40%以上を満たす最低点が24点になります)。1問4点ですから、ざっくり言えば最低6問は正解しないと足切りラインに届かない計算です。ただし「6問取れば安全」ではありません。本番の難易度や取りこぼしを考えると、ふだんの演習ではもう少し余裕を持った正解数を目標にしておくのが安心です。

行政書士試験の足切りは2種類ある

行政書士試験で押さえておきたいのは、足切り(基準点)が2種類あることです。

  • ①法令等科目の足切り……法令等科目(244点満点)で122点以上(50%)が必要です。
  • ②基礎知識科目の足切り……基礎知識科目(56点満点)で24点以上(満点の40%以上)が必要です。

このどちらか一方でも基準点を割ると、その時点で不合格が確定します。法令で稼いでも基礎知識でこけたらアウト、その逆もまたしかり、というわけですね。

さらに「総得点180点以上」も必要|合格は3要件すべてクリア

足切りをクリアしても、それだけでは合格できません。行政書士試験の合格基準は、次の3要件すべてを満たすことです。

  • ① 法令等科目で122点以上(満点244点の50%以上)
  • ② 基礎知識科目で24点以上(満点56点の40%以上)
  • ③ 試験全体で180点以上(満点300点の60%以上)

試験全体は300点満点で、内訳は法令等科目244点(46問)と基礎知識科目56点(14問)です。出題形式ごとの配点は、5肢択一式が1問4点、多肢選択式が1問8点、記述式が1問20点(3問で計60点)となっています。記述式は法令等科目の中で出題され、配点が大きいぶん合否を左右しやすい問題です(これらの配点・基準点は、受験年度の合否判定基準で必ず最新の数値を確認してくださいね)。

なお、記述式問題に“単独の足切り”はありません。記述式の得点は、法令等科目の合計点と試験全体の総得点に含めて判定されます。記述式そのものの対策は、得点を底上げするうえで重要なテーマなので、行政書士の記述式の勉強法|部分点で差をつけるコツもあわせて確認しておくとよいでしょう。

1つでも基準点を割れば不合格=基礎知識を軽視できない理由

ここまでを整理すると、行政書士試験の怖さがはっきり見えてきます。法令で満点に近い点を取っても、基礎知識が20点(5問正解)なら、24点に1問届かず不合格。逆に基礎知識が満点でも、法令が120点なら不合格。3要件は「すべて満たす」ことが前提で、1つでも欠けたら合格はないのです。

だからこそ、基礎知識は「捨て科目」にはできません。といっても満点を狙う必要はなく、24点という壁を確実に越える設計をしておく――これが基礎知識対策のゴールです。次の章からは、その24点を“どの区分で組み立てるか”を具体的に見ていきましょう。

なお、合格基準は試験年度の合否判定基準で定められるもので、ここで示した数値は近年の基準にもとづく目安です。年度によって例外的な扱いが示される場合もありうるため、本番で狙うべき得点は「基準ぎりぎり」ではなく、つねに余裕を持ったラインで考えておくのが安全です。

※配点・基準点・出題範囲は、年度の試験要項で変更される可能性があります。受験年度の最新情報は、必ず行政書士試験研究センターの公式発表でご確認くださいね。

区分別の対策①|文章理解は“満点を狙う”最優先分野

ここからは、24点をどう組み立てるかを区分別に見ていきます。まず最優先で固めたいのが文章理解です。「えっ、知識じゃなくて文章理解から?」と思うかもしれませんが、これには理由があります。

法律知識ゼロでも対策できる=安定して点が取れる

文章理解は、ざっくり言えば現代文の読解問題です。政治や経済の細かい知識を覚えていなくても、文章をていねいに読めば解けるので、安定して得点しやすいのが大きな魅力です。範囲が膨大な一般知識と違って、「やればやるだけ点になりやすい」分野なんですね。

近年の出題はおおむね3問とされており、ここを確実に取れるかどうかが、足切りラインに届くかどうかを大きく左右します。だからこそ、基礎知識対策では文章理解を“得点の柱”に据えるのが定石です。

出題形式ごとに解き方を固定する

文章理解で安定して点を取るコツは、出題形式ごとに解き方のパターンを決めておくことです。よく出るのは、内容把握(本文の内容に合うものを選ぶ)・空欄補充(文中の空欄に入る語句を選ぶ)・並べ替え(バラバラの文を正しい順に並べる)といった形式です。

たとえば並べ替えなら「接続詞や指示語を手がかりに前後関係を決める」、空欄補充なら「前後の論理のつながりから候補を絞る」といったように、形式ごとに“型”を持っておくと、本番でも崩れにくくなります。出題形式は公務員試験の文章理解とも共通点が多いので、その手の問題集が参考になることもありますよ。

過去問で形式に慣れれば本番でも崩れにくい

文章理解は、過去問や問題集で形式に慣れておくことが何より効きます。読解そのものは才能というより“慣れ”の要素が大きいので、繰り返し解いて時間配分の感覚をつかんでおきましょう。ここで取りこぼすと、ほかの区分で余計に点を稼がなければならず、足切りラインがぐっと遠のいてしまいます。

「基礎知識は不安…」という方こそ、まずは文章理解を最優先で固める。これが足切り回避のいちばん現実的な一歩です。なお、出題形式や問題数は年度によって変わることがあるので、最新の傾向は受験年度の過去問で確認してくださいね。

区分別の対策②|情報通信・個人情報保護と業務関連諸法令で“稼ぐ”

文章理解の次に固めたいのが、情報通信・個人情報保護行政書士法等の業務関連諸法令です。この2区分は、努力が点数に直結しやすい“稼ぎどころ”。文章理解と合わせて、足切り突破の土台にしていきましょう。

情報通信・個人情報保護|範囲が絞りやすく過去問が効く

情報通信・個人情報保護の分野は、出題される法律や制度がある程度決まっているため、範囲を絞りやすいのが特長です。具体的には、個人情報保護法、マイナンバー(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)、情報通信に関する基本的な用語などが問われます。

ここは「制度の基本をおさえて、過去問を反復する」のが王道です。条文を丸暗記する必要はなく、「何を目的とした制度か」「誰に何の義務があるか」といった制度の骨格を理解して、過去問で問われ方に慣れるだけでも、得点は安定してきます。ただし個人情報保護法は改正が入ることがあるので、学習の際は最新の条文・制度に基づいた教材を使うようにしてくださいね。

業務関連諸法令|暗記で取れる行政書士法・戸籍法・住民基本台帳法など

行政書士法等の業務関連諸法令は、その名のとおり行政書士の業務に近い法律から出題されます。行政書士法そのものに加え、戸籍法や住民基本台帳法などが代表例です。

この分野は、条文の趣旨・制度の概要・重要な用語を中心に、暗記で得点を積み上げやすいのが魅力です。法令科目で培った「条文を読む力」がそのまま活きるので、法令の学習と相乗効果が期待できます。深く掘りすぎる必要はなく、頻出テーマを過去問ベースで確実に押さえていきましょう。

この2区分+文章理解で足切りラインを組み立てる

整理すると、足切り回避の基本設計はこうなります。文章理解で得点の柱を作り、情報通信・個人情報保護と業務関連諸法令で稼ぐ。この3つで24点のかなりの部分を組み立てられれば、合否を一発で決める“基礎知識の壁”はぐっと越えやすくなります。

大切なのは、難問に時間を使うより「取れる問題を確実に正解する」練習を優先すること。基礎知識は満点勝負ではなく、確実に取れるところを取りこぼさないことが何より効きます。出題範囲や頻出テーマは年度で変動しうるので、最新の傾向は受験年度の過去問・教材で確認しておきましょう。

区分別の対策③|一般知識(政治・経済・社会)は“深追いしない”

最後に、旧『一般知識』の中心だった政治・経済・社会の分野です。ここでお伝えしたいのは、ちょっと意外かもしれませんが「深追いしない」という戦略です。

範囲が膨大=完璧を狙うとコスパが悪い

政治・経済・社会は、出題範囲がとにかく広い分野です。世の中の動きすべてが範囲になりうるので、完璧を目指すと、いくら時間があっても足りません。しかも、頑張って詰め込んだ知識が本番でそのまま問われるとは限らないため、努力と得点が結びつきにくいのです。

ここに時間をかけすぎると、文章理解や情報通信といった“取りやすい区分”、さらには法令科目の勉強時間まで削ってしまいます。これは足切り回避という目的から見ると、明らかに本末転倒です。

時事問題は“広く浅く”に留める

政治・経済・社会の中でも、特に的を絞りにくいのが時事問題です。最近のニュースや社会動向から出題されることがありますが、何が出るかを事前に当てるのは現実的ではありません。

そこで現実的なのは、「広く浅く」押さえるスタイルです。たとえば、時事対策をうたう市販教材(ニュース検定の関連書籍や、行政書士向けの時事対策本など)を“例”として活用し、主要なテーマをざっと俯瞰しておく。これくらいの距離感がちょうどよいでしょう。深入りして1問に何時間もかけるより、基本テーマと頻出の用語を押さえる方が、費用対効果は高くなります。

“捨てる勇気”も戦略|文章理解+情報通信+諸法令で24点を組み立てる

ここで強調しておきたいのは、「深追いしない=捨てる」ことも立派な戦略だということです。基礎知識で大事なのは満点ではなく24点の突破。だとすれば、点が取りにくい政治・経済・社会に時間を注ぐより、文章理解・情報通信・個人情報保護・業務関連諸法令という“取りやすい区分”で24点を組み立てる方が、ずっと合理的です。

もちろん、政治・経済・社会の基本問題まで完全に捨てるという意味ではありません。基本的な用語や頻出テーマは押さえつつ、「ここは伸ばす分野ではなく、割り切る分野」と位置づける――その線引きができれば、限られた時間を最大限に活かせます。何を取り、何を割り切るか。その判断こそが、基礎知識対策の肝なんですね。

基礎知識対策はいつから・どう進める?|足切り回避の学習プラン

「区分別のやることは分かったけれど、いつから・どの順番でやればいいの?」――最後に、基礎知識を学習計画の中にどう組み込むかを整理しておきましょう。

基本は法令科目を主軸に、基礎知識は早めに“最低ライン”を意識する

行政書士試験の得点配分を考えると、学習の主軸はあくまで法令科目です。法令等244点に対して基礎知識は56点ですから、勉強時間の配分も法令を中心に組むのが基本になります。

とはいえ、基礎知識を後回しにしすぎると、直前期になって「足切りが怖い」と慌てることになりがちです。そこで、「24点という最低ラインを割らない」という意識だけは早めに持っておく。これが、終盤で焦らないコツです。

おすすめの優先順位|文章理解→情報通信・個人情報保護→諸法令→一般知識(時事)

進め方の目安としては、これまで見てきた“取りやすさ”の順で優先度をつけると整理しやすくなります。

  • ① 文章理解……通年で取り組み、出題形式に慣れて得点の柱にする
  • ② 情報通信・個人情報保護……範囲を絞って過去問を反復し、安定させる
  • ③ 業務関連諸法令……行政書士法など頻出テーマを暗記で押さえる
  • ④ 一般知識(政治・経済・社会/時事)……基本テーマに絞り“広く浅く”

あくまで一例ですが、「通年で取れる分野を先に固め、的を絞りにくい時事は最後に広く浅く」という発想で組むと、ムダが少なくなります。

直前期は時事を詰める前に“取れる分野”を固めておく

直前期になると、つい時事ネタを慌てて詰め込みたくなります。けれど、先に固めるべきは、通年で安定して取れる文章理解や個人情報保護の方です。土台ができていない状態で時事を上積みしても、得点は伸びにくいんですね。

基礎知識に時間を使いすぎて、法令の得点を落とさない

最後にもう一度、いちばん大事な注意点です。基礎知識に夢中になりすぎて、行政法や民法など法令科目の得点を落としては本末転倒です。法令等科目にも122点の足切りがあることを忘れてはいけません。

学習時間の配分は、法令を主軸に、基礎知識は“足切りを割らない最低ライン”を確保する――この優先順位を崩さないことが、合格への近道です。基礎知識を学習計画全体のどこに、どれだけ置くかで迷ったら、行政書士試験の学習スケジュールの立て方もあわせて確認してみてください。また、基礎知識と同じく「配点は控えめでも軽視できない科目」として、行政書士の基礎法学の対策法も押さえておくと、得点の取りこぼしを減らせますよ。

なお、学習時期や優先順位は、もともとの基礎学力や学習開始の時期によって変わります。ここで示した順番はあくまで目安として、自分の状況に合わせて調整してくださいね。

まとめ|基礎知識は“24点突破”の設計で。足切りを恐れず確実に超える

最後に、ここまでの要点を整理しておきましょう。

  • 2024年度改正で『一般知識』→『基礎知識』に変わったが、怖さは同じ……名称・区分は見直されましたが、出題14問・56点満点・24点の足切りという枠組みは変わっていません。旧称で書かれた情報も、多くはそのまま使えます。
  • 合格は3要件すべてのクリアが必要……①法令等122点(50%)以上②基礎知識24点(満点の40%以上)――この2つが科目別の足切り(基準点)――に加えて、③総得点180点(60%)以上という合格基準も満たす必要があります。1つでも欠ければ、ほかが高得点でも不合格です。
  • 得点設計は“取りやすい区分”で組み立てる……文章理解は満点を狙い、情報通信・個人情報保護・業務関連諸法令で稼ぐ。一般知識(政治・経済・社会)は深追いせず割り切る。
  • 学習計画全体のバランスの中で組み込む……主軸は法令科目。基礎知識は“足切りを割らない最低ライン”を早めに確保し、法令の得点を削らないことが大切です。

基礎知識は、満点を取る科目ではありません。「24点という壁を、できるだけ低コストで確実に越える」――この設計図さえ持っておけば、足切りは決して怖いものではなくなります。何を取り、何を割り切るか。その判断を、ぜひあなた自身の学習計画に落とし込んでくださいね。

行政書士試験の全体像や他科目とのバランスをあらためて確認したい方は、行政書士試験|合格までの全体ロードマップをどうぞ。基礎知識を、合格への設計図の中に正しく位置づけていきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 基礎知識の足切り点はいくつですか? A. 基礎知識科目(56点満点)で24点以上(満点の40%以上)が基準点です。これを下回ると、他がどれだけ高得点でも足切りで不合格になります。1問4点なので、最低でも6問程度の正解が必要な計算ですが、本番の難易度を考えると余裕を持った正解数を目標にしましょう。

Q. 行政書士試験の足切り点はいくつですか? A. 足切り(基準点)は2種類あります。法令等科目で122点以上(50%)基礎知識科目で24点以上(満点の40%以上)です。さらに総得点180点以上(60%・300点満点)も必要で、この3要件すべてを満たして合格となります。

Q. 行政書士試験の基礎知識(一般知識)は何問出題されますか? A. 基礎知識は、5肢択一式が14問・56点満点(1問4点)で出題されます。2024年度改正の前後で、この出題数・配点は変わっていません。

Q. 基礎知識(一般知識)は難しいですか?無理だと感じたら? A. 政治・経済・社会は範囲が広く、難しく感じる方が多い分野です。ただし基礎知識全体で見れば、文章理解や情報通信・個人情報保護など“対策しやすい区分”があります。「無理」と感じたら、満点を狙うのをやめ、取りやすい区分で24点を組み立てる発想に切り替えるのがおすすめです。

Q. 一般知識(基礎知識)対策はいつから始めるべきですか? A. 主軸は法令科目なので、基礎知識は法令と並行しつつ、文章理解を早めに始めるのが目安です。情報通信・個人情報保護や一般知識(時事)は、試験の数か月前から整理を始め、直前期は新しい範囲を広げすぎないのが無難です(学習開始時期や基礎学力により前後します)。

Q. 一般知識(基礎知識)対策はどうすればいいですか? A. ①文章理解で得点の柱を作り、②情報通信・個人情報保護と業務関連諸法令を過去問で固め、③一般知識(政治・経済・社会)は深追いせず基本テーマに絞る――この優先順位で進めると、効率よく足切りラインを越えられます。

Q. 記述式問題に足切りはありますか? A. 記述式問題に“単独の足切り”はありません。記述式の得点は、法令等科目の合計点と試験全体の総得点に含めて判定されます。配点が大きい問題なので、対策しておくと総得点の底上げに役立ちます。

※本記事の配点・合格基準・出題範囲は、執筆時点で確認した内容です。受験年度の最新・正確な情報は、必ず一般財団法人行政書士試験研究センターの公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。中小企業を中心に270社超を支援し、研修・セミナーへの登壇は250回を超える。現在は、生成AI・ITを経営や業務に生かす実践的な方法と、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験などの学習法・過去問解説を発信している。著書に『Webマーケティング最強の1冊目』(千葉テレビ『モーニングこんぱす』で紹介)
『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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