社労士の一般常識~社会保険に関する一般常識の出題傾向や勉強方法は?!

社労士の社一

「社一(社会保険に関する一般常識)って、範囲が広すぎて何から手をつければいいの?」「足切りが怖いけれど、どこまで深掘りすればいいのか分からない」――社会保険労務士(社労士)試験の勉強を進めるほど、社一でこんな壁にぶつかる受験生は本当に多いです。

社一は、労働基準法や厚生年金保険法のように「ここを押さえれば得点できる」と範囲を絞りにくい科目です。国民健康保険法や介護保険法といった社会保険諸法令に加えて、社会保障の沿革や厚生労働白書・統計まで顔を出すため、「やってもやっても終わらない」と感じてしまうんですよね。

そこで先に結論をお伝えします。社一は“満点を狙う科目”ではなく、“足切り(基準点)を確実に超える科目”です。 範囲は膨大でも、合格に必要なのは「頻出論点を厚く押さえて、深入りしすぎないこと」。この発想の切り替えが、社一対策のいちばんの土台になります。

この記事では、まず社一とは何か(範囲)を整理し、なぜ対策が難しいのか(足切りリスク)を出題形式とあわせて正直にお伝えします。そのうえで、“広く浅く・頻出を厚く”という対策の方針、選択式・択一式それぞれの勉強法、白書・統計との向き合い方、独学か講座かの判断軸までを、あなたが「明日からどう勉強すればいいか」をイメージできる形で整理していきます。

なお、出題形式や合格基準点・救済(補正)の有無、白書や統計の数値は年度によって変わることがあります。最終的な判断の前には、必ず社会保険労務士試験オフィシャルサイトや厚生労働省の最新情報を確認してくださいね。社労士試験全体の流れから先につかみたい方は、社労士|資格の全体像と学習ロードマップもあわせてどうぞ。

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目次

結論|社一対策は“満点”でなく“足切り回避”。頻出を押さえ深入りしない

最初に、社一対策でいちばん大事な考え方をはっきりさせておきましょう。社一は範囲が膨大で、すべてを完璧にするのは現実的ではありません。だからこそ目標は「満点」ではなく、合格基準点(足切り)を確実に超えることに置きます。

社労士試験の選択式では、社一は1問(空欄5つ=5点満点)として出題されます。そして選択式は、原則として各科目3点未満だと基準点割れ(足切り)となり、ほかの科目がどれだけ高得点でも不合格になってしまいます。つまり社一は、「1科目でも落とせない」プレッシャーがいちばん重くのしかかる科目のひとつなのです。

  • 社一は範囲が膨大=全部は無理……社会保険諸法令に沿革・白書・統計まで含むため、完璧主義は禁物です。合格基準点を超えることに照準を合わせます。
  • 選択式の足切りが最大のリスク……5点中3点を割らないことが最優先。難問の深追いより、頻出論点を確実に取る練習が効きます。
  • “広く浅く・頻出を厚く”が核……薄く全体に触れつつ、よく出るところは厚く。深入りしすぎが、かえって時間を奪う一番の落とし穴です。

「社一は捨てる」という声をときどき聞きますが、選択式で1科目でも基準点を割れば不合格になる以上、社一を完全に捨てるのは現実的ではありません。捨てるのではなく、「深追いしない範囲で、頻出を確実に取りに行く」――これが社一との正しい向き合い方です。

この記事を読み終えるころには、社一とは何か、なぜ難しいのか、どこを厚く押さえればいいのか、そして明日からどう勉強を進めればいいのかが、あなた自身で判断できるようになっているはずです。

社一(社会保険に関する一般常識)とは?|範囲と労一との違い

そもそも「社一」とは何かを整理しておきましょう。社一は 「社会保険に関する一般常識」 の略称で、社労士試験の科目のひとつです。「一般常識」と名前についていますが、世間一般の常識ではなく、社労士試験の勉強を通じて初めて知る内容が大半だと考えておいてください。

社一で問われる内容は、大きく次の3つの分野から構成されています。

  • 社会保険諸法令:「国民健康保険法」「高齢者医療確保法」「介護保険法」「児童手当法」「社会保険労務士法」「確定給付企業年金法」「確定拠出年金法」「船員保険法」
  • 社会保険に関する沿革・社会保障制度の概要:医療保険制度・年金制度の成り立ちなど
  • 社会保障の諸政策の動向:「厚生労働白書」を中心に医療・年金・介護の動向など

このように、社一は 「諸法令」+「沿革・概要」+「動向(白書・統計)」 という三層構造になっています。法令だけでなく歴史や統計まで出題されるからこそ、「範囲が広い」と言われるわけですね。社会保障制度は憲法25条(健康で文化的な最低限度の生活の保障)を土台に整えられてきた、という背景も頭の片隅に置いておくと、各制度のつながりが見えやすくなります。

もうひとつ押さえておきたいのが、社労士試験の「一般常識」には 社一と労一の2つがあるという点です。

  • 社一(社会保険に関する一般常識)……国民健康保険法・介護保険法などの社会保険諸法令と、社会保障の沿革・白書・統計が中心。
  • 労一(労働に関する一般常識)……労務管理その他の労働に関する一般常識。労働関係の法令・労務管理・労働経済(白書・統計)が中心。

両者は別の科目で、出題される法令も異なります。本記事は社一にしぼって解説しますが、労一の出題傾向や勉強法は社労士の労一(労務管理その他の労働に関する一般常識)の対策・勉強法で詳しくまとめています。一般常識は社一・労一の2科目セットで足切りを意識する必要があるので、あわせて確認しておくと安心です。

なお、社一は医療・年金・介護といった社会保険制度を横断的に問う科目です。健康保険や年金の基礎が固まっていると理解がぐっと進むので、社労士の健康保険法の出題傾向や勉強方法や、年金科目との関係を整理した社労士の横断整理(科目をまたいで覚えるコツ)もうまく活用してください。

社一対策が難しい3つの理由|なぜ足切りが怖いのか

「社一は難しい」とよく言われますが、何がそんなに難しいのでしょうか。理由を分解すると、対策の方向性が見えてきます。難しさの正体は、大きく次の3つです。

理由1:範囲が膨大で“絞れない” 社一は社会保険諸法令だけでも8本前後の法律が対象になり、そこに沿革・白書・統計が加わります。労働基準法や厚生年金保険法のように「ここが頻出」と範囲を絞り込みにくいため、勉強の手応えがつかみにくいのです。

理由2:選択式の“1問”に集約され、取りこぼしが致命傷になりやすい 社一は選択式では1問(空欄5つ=5点満点)に集約されます。広い範囲から出るのに、点数の枠は小さい。だから「どこが出るか」を外すと、一気に基準点割れ(足切り)に近づいてしまいます。これが社一でいちばん怖いところです。

理由3:白書・統計は年度依存で“その年”を追う必要がある 厚生労働白書や各種統計は毎年更新され、その年の重点テーマから出題される傾向があります。過去問の暗記だけでは追いきれず、最新の資料に目を通す必要がある点が、ほかの法令科目との大きな違いです。

ここで大切なのは、これらの「難しさ」を前に 完璧主義に陥らないことです。範囲が広いからといって全部を深掘りしようとすると、ほかの科目の勉強時間まで奪われ、結果的に総合点を落としてしまいます。社一は「満点を取る科目」ではなく「足切りを超える科目」――この割り切りが、難しさへの最大の対策になります。

なお、出題傾向や難易度は年度によって変わるため、ここでお伝えするのはあくまで一般的な傾向・目安です。科目全体の中で社一にどれだけ時間を割くかは、社労士の勉強法(科目別の進め方と時間配分)で全体像を確認しながら決めると、配分のバランスを崩しにくくなります。

社一の出題形式と足切り|選択式・択一式の配点を正しく知る

社一対策を立てるには、まず「どう出題され、どこで足切りになるのか」を正確に知っておく必要があります。ここは合否に直結する大事な前提なので、配点の構造から整理しましょう。

社労士試験は 選択式試験択一式試験の2部構成です。一般的な配点は次のとおりです(年度により変わることがあるため、最終確認は社会保険労務士試験オフィシャルサイトで行ってください)。

  • 選択式試験……全8科目、各科目5点満点(空欄5つ)。原則として 各科目3点以上が基準点で、3点未満の科目があると足切り(基準点割れ)。
  • 択一式試験……全7科目、各科目10点満点(合計70点満点)。原則として 各科目4点以上が基準点で、4点未満の科目があると足切り。

そして合格には、総得点の合格基準点各科目の基準点両方を満たす必要があります。総合点が高くても、1科目でも基準点を割れば不合格――これが社労士試験の「苦手科目を作れない」と言われるゆえんです。

では社一はどう出るのか。ここがポイントです。

  • 選択式……社一は 1科目(5点満点)として独立して出題されます。つまり社一だけで原則3点以上を取らないと足切りです。
  • 択一式……社一は労一と合わせて 「労働・社会保険に関する一般常識」として出題され、一般常識でまとめて10問(10点満点)が組まれます。ここでも一般常識として基準点(原則4点以上)が設定されます。

選択式で社一が独立した1科目になっている、という点はとても重要です。範囲が膨大なのに、わずか5点の枠で足切り判定される。だからこそ「広く浅く・頻出を厚く」で、最低でも基準点(原則3点)を死守する戦略が必要になるのです。

なお、年によっては受験者全体の得点状況に応じて基準点が引き下げられる「補正(救済)」が入ることがあります。ただし救済が入るかどうかは年度ごとの得点分布によって決まるもので、事前に予測できるものではなく、最初から当てにするのは危険です。救済を前提に手を抜くのではなく、正攻法で基準点を超える準備をしておきましょう。補正・救済の有無や合格基準点は、毎年の合格発表時に社会保険労務士試験オフィシャルサイトで公式に公表されるため、受験年度の情報を必ず確認してください。

社一対策の基本方針|“広く浅く・頻出を厚く”で足切りを超える

足切りの構造が分かったら、いよいよ具体的な対策方針です。社一は 「広く浅く・頻出を厚く」が基本。全範囲を均等に深掘りするのではなく、よく出るところに力を集中させます。

まず優先したいのが、頻出の社会保険諸法令です。社一で繰り返し問われやすいのは、次のような法令です。

  • 国民健康保険法:自営業者など被用者保険に加入しない人を対象とする地域の医療保険(市町村・都道府県や国保組合が運営)
  • 高齢者医療確保法:75歳以上の後期高齢者のための医療制度を規定
  • 介護保険法:市町村等が実施する介護保険の内容について規定
  • 児童手当法:児童を養育している者に児童手当を支給して子供の健全な育成を促す法律
  • 社会保険労務士法:社労士制度について定めた法律
  • 確定給付企業年金法:確定給付型(将来の給付額を確定)の企業年金について定めた法律
  • 確定拠出年金法:拠出した掛金を加入者ごとに運用し、その結果で将来の給付額が決まる年金(企業型・個人型がある)
  • 船員保険法:船員の医療保険などについて定めた法律

これらの法令は、まず 目的条文と制度の骨格を正確に押さえることから始めます。社一の選択式では、各法律の目的条文や総則部分のキーワードが空欄になる問題が見られるためです。目的条文が重要なのは、社一にかぎらずほかの科目も同じですね。細かい数値や例外をいきなり詰め込むより、「この法律は誰のための、どんな制度か」を言葉で説明できる状態を先につくりましょう。

次に意識したいのが 法改正です。社一の法令は改正が多く、改正直後の論点は狙われやすい傾向があります。「国民健康保険法」「高齢者医療確保法」「介護保険法」「確定給付企業年金法」などは、改正部分を軸に複数の論点を組み合わせた問題が出されることがあるので、その年の改正点はテキストや講座のまとめで個別に押さえておくと安心です。

そして最大の注意点が、深入り厳禁です。社一は範囲が広いぶん、一つの論点を掘り下げ始めるときりがありません。細かい数値の丸暗記に走るより、「制度の骨格」と「頻出のキーワード」を確実にする――これが足切りを超える近道です。

ここで、受験生がやりがちな失敗も先回りでお伝えしておきます。統計の細かい数値を覚えようとして時間を使いすぎる古いテキストや前年の資料だけで学習してしまう、この2つは社一でとくに多い落とし穴です。社一は年度依存の要素が強い科目なので、数値は「順位・増減・比較」のレベルで押さえ、資料は最新版を使う――この2点を意識するだけで、努力が空回りしにくくなります。社一は医療・年金・介護を横断するので、似た制度を横で比べる社労士の横断整理(科目をまたいで覚えるコツ)や、土台となる健康保険法の勉強方法国民年金法の勉強方法厚生年金保険法の勉強方法とあわせて学ぶと、理解が一気に立体的になります。

選択式・択一式 別の社一対策|得点源にする勉強の順番

同じ社一でも、選択式と択一式では「効く勉強」が少し違います。それぞれの問われ方に合わせて、勉強の力点を変えていきましょう。

選択式対策|キーワードの精度を上げる 選択式は、文章の空欄に当てはまる語句を選ぶ形式です。社一では、各法令の 目的条文・総則のキーワードや、白書・統計に出てくる 重要語句が穴埋めの対象になりやすいです。だから対策の軸は「正確なキーワードの暗記」と「文脈から答えを絞り込む練習」。あいまいに覚えるのではなく、目的条文のキーフレーズを声に出して言えるくらいまで仕上げると、本番で迷いにくくなります。

択一式対策|広く正誤判断できるようにする 択一式は労一と一体の「労働・社会保険に関する一般常識」として出題されるため、幅広い論点について正誤を判断できる力が必要です。ここは過去問演習が中心。「どの法令・どの論点が繰り返し出ているか」という頻出パターンを、過去問を回しながらつかんでいきましょう。

過去問演習のときに大切なのは、正解の暗記で終わらせないことです。なぜその選択肢が誤りなのか、根拠を解説まで読み込んで確認する。この一手間が、見たことのない問題への対応力につながります。間違えた論点は直前期のチェックリストにまとめておくと、復習が効率的になりますよ。

社一の過去問がどんな雰囲気で問われるのか、イメージをつかむために一例を見てみましょう。

<平成27年度(第47回)社会保険労務士試験 選択式 社会保険に関する一般常識 問題より(要旨)>

日本の高齢化率(人口に対する65歳以上人口の占める割合)は、昭和45年に7%を超えていわゆる高齢化社会となったが、その後の急速な少子高齢化の進展により、平成25年9月にはついに25%を超える状況となった。

出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイトで公表されている過去の試験問題(平成27年度・社会保険に関する一般常識)。要旨を抜粋。背景データは平成26年版厚生労働白書による。

この肢の内容は正しい(○)と判断できます。平成25年9月に高齢化率がついに25%を超えた、という要点さえ押さえていれば対応できる問題です。

ここで注目してほしいのは、白書の重点テーマ(少子高齢化)から、数値の「水準」を問う形で出題されているという点です。年号や細かい数字を丸暗記するというより、「高齢化が急速に進んでいる」という大きな流れと、おおよその水準感を押さえることが得点につながります。なお、上記はあくまで過去の出題例であり、最新の高齢化率などの統計数値は年度ごとに更新されます。本番で問われるのはその時点の最新動向ですので、数値は最新版の白書・統計で確認してください。

択一の正誤判断を安定させるには、似た制度を横で比較する視点も効きます。年金や医療の科目とまたいで整理したい方は、社労士の横断整理(科目をまたいで覚えるコツ)もあわせて使ってみてください。

白書・統計対策|厚生労働白書と社会保障統計との向き合い方

社一を語るうえで避けて通れないのが、厚生労働白書と各種統計です。社一の沿革・動向分野では、白書からの出題が定番になっています。

厚生労働白書とは、厚生労働省が毎年発表している行政の年次報告書です。社一では、この白書の その年の重点テーマから出題される傾向があります。定番のテーマは、少子高齢化・年金・医療・介護・社会保障の給付と負担といった、日本が抱える大きな課題です。先ほどの過去問(高齢化率)も、まさにこの流れに沿った出題でしたね。

白書とあわせて押さえておきたいのが、社会保障費用統計(社会保障給付費)や各種の人口・年金・医療に関する統計です。社会保障給付費の総額や「年金・医療・福祉その他」という内訳の割合、被保険者数の推移などは、白書の記述と結びついた形で問われることがあります。こちらも個々の数字を丸暗記するのではなく、「どの分野の給付が大きいか」「増えているか減っているか」という構造と方向感を押さえるのがコツです。

ここで大事なのが、白書・統計の数値は年度依存だという点です。高齢化率や社会保障給付費などの数値は毎年更新されるため、古い数値を丸暗記しても本番では通用しません。数値は「丸暗記」より「順位・増減・比較」で押さえるのがコツです。たとえば「高齢化率は上がり続けている」「給付費は年々増えている」といった大きな方向感をつかんでおけば、細かい数字が変わっても正誤判断ができます。

とはいえ、白書を全部読むのは現実的ではありません。資料の量は膨大で、すべてに目を通す時間はまずありません。そこで現実的なのが、講座のまとめや直前対策で要点を絞るやり方です。多くのスクールが白書・統計の重点テーマをコンパクトにまとめた教材や直前講座を用意しています。これを使えば、その年に狙われやすいテーマを効率良く回収できます。

直前期の使い方も意識しておきましょう。社一の白書・統計・法改正は、直前期に 短時間で総復習するのに向いた分野です。早い時期に細かく覚え込むより、最新の白書ポイントを直前にまとめて頭に入れるほうが、本番での再現性が高まります。新しい教材を直前に増やしすぎず、それまで使ってきた1冊を繰り返すほうが安定しますよ。

なお、白書の重点テーマや統計の数値は年度によって変わります。「その年に何が問われやすいか」は、厚生労働省や社会保険労務士試験オフィシャルサイトの最新情報、そして受験年度に対応した教材で必ず確認してください。ここで特定の数値を断定しないのは、年度をまたぐと内容が変わってしまうからです。直前期の時間配分に迷ったら、社労士の勉強法(科目別の進め方と時間配分)もあわせて参考にしてください。

独学か講座か|社一の足切り対策で講座が効く場面

社一の対策方針が見えてきたところで、「独学で進めるか、講座を使うか」という悩みにも触れておきましょう。結論から言うと、社一は 講座のメリットが出やすい科目です。

独学のリスク|“狙われる事項”の抽出が難しい 社一は範囲が膨大なうえ、白書・統計のように年度ごとに変わる要素を含みます。膨大な資料の中から「今年狙われそうな事項」を自力で見極めるのは、独学だとかなり骨が折れます。範囲を絞れずに全体へ薄く手を広げると、結局どこも中途半端になり、足切りリスクが上がってしまいます。

講座のメリット|頻出抽出・白書まとめ・直前対策が効率的 一方、予備校やスクールの講座では、頻出箇所の抽出や白書・法改正のまとめ、直前対策がパッケージになっています。とくに「一般常識(社一・労一)対策講座」や「白書対策講座」は、足切り回避に直結しやすい内容です。プロ講師の講義を受講することで、独学では拾いきれない「今年狙われそうな論点」を効率良くインプットできます。労一側で問われる労働経済白書のように、社一とあわせて押さえておきたい周辺知識まで体系立てて学べるのも、講座ならではのメリットです。独学で時間をかけて抽出する作業を、講座が肩代わりしてくれるイメージですね。限られた学習時間を頻出論点に集中させたい人ほど、講座やそのコース選びの価値は大きくなります。

もちろん、独学が向かないわけではありません。基礎科目をしっかり固められる人や、最新情報を自分で追える人なら、テキストと過去問、白書対策本で十分に戦えます。大事なのは「社一のどこに不安があるか」を見極めて、不安が大きいところだけ講座で補う、という発想です。

教材や講座を選ぶときは、受験年度に対応した最新版かを必ず確認してください。社一は年度依存の要素が強いため、古い版の教材では白書・統計・法改正に追いつけません。講座の内容や価格、対応年度は時期によって変わるので、申し込み前に公式サイトで最新情報をチェックしましょう。どの講座が自分に合うかを比べたい方は、社労士の通信講座おすすめ比較で各社の特徴を確認できます。独学での進め方を含めた全体の組み立ては、社労士の勉強法(科目別の進め方と時間配分)もあわせてどうぞ。

まとめ|社一は“足切りを超える科目”。頻出を厚く・深入りしない

社一(社会保険に関する一般常識)の出題傾向と対策について整理してきました。最後に、押さえておきたいポイントをまとめます。

  • 社一は範囲が膨大だが、目標は満点でなく基準点クリア……「足切りを超える」へ発想を切り替えるのが第一歩です。
  • 頻出の社会保険諸法令・目的条文・法改正・白書の重点テーマを厚く押さえる……国民健康保険法・高齢者医療確保法・介護保険法などの骨格と目的条文を確実に。
  • 白書・統計の数値は最新版で必ず確認する……古い数値の丸暗記に走らず、順位・増減・比較で大きな流れをつかみます。
  • 独学が不安なら一般常識・白書対策講座で頻出を効率良く回収……教材は受験年度に対応した最新版を選びましょう。

社一は「範囲が広くて怖い科目」と思われがちですが、足切りを超えるという目標に絞れば、やるべきことはぐっとシンプルになります。頻出を厚く、深入りはしない。この方針で、苦手意識を一つずつほぐしていきましょう。

社労士試験全体の進め方を確認したい方は社労士|資格の全体像と学習ロードマップを、もう一つの一般常識である労一の対策は社労士の労一(労務管理その他の労働に関する一般常識)の対策・勉強法を、それぞれあわせて確認してみてください。

社一対策に関するよくある質問

Q. 社一(社会保険に関する一般常識)とは何ですか? 社労士試験の科目のひとつで、「社会保険に関する一般常識」の略称です。国民健康保険法・高齢者医療確保法・介護保険法・船員保険法・社会保険労務士法などの社会保険諸法令に加え、社会保障の沿革や厚生労働白書・統計が出題範囲になります。世間一般の常識ではなく、試験勉強で初めて知る内容が中心です。

Q. 社一は社労士試験で一番難しい科目ですか? 一概には言えませんが、「範囲が膨大で絞りにくい」「選択式の足切りが怖い」という点で難しいと感じる受験生が多い科目です。難易度は年度によって変わるため、あくまで傾向としてとらえてください。満点ではなく基準点クリアを目標にすると、対策の負担はぐっと軽くなります。

Q. 社一はいつから勉強を始めればいいですか? 主要科目の基礎が固まってからで問題ありません。とくに白書・統計は年度依存のため、早く始めすぎても情報が更新されてしまいます。法令分野は早めに骨格を押さえ、白書・統計・法改正は直前期に最新版で総復習する、という配分が現実的です。

Q. 社一のテキストは何を使えばいいですか? 基本は受験年度に対応した社労士試験用の総合テキストで足ります。そのうえで、白書・統計が不安なら白書対策に特化したテキストや講座を補助的に使うと効率的です。いずれも最新版(受験年度対応)かを必ず確認してください。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験など、情報処理技術者試験の学習法・過去問解説を中心に発信しています。著書に『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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