動画生成AIとは?できることとプロンプト例をわかりやすく解説

動画生成AIとは・言葉や一枚の画像から短い動画を生み出すAIと、外注との役割分担の視点
目次

この記事でわかること

「テキストを入れるだけで動画ができるらしいけれど、動画生成AIとは結局どういうものなのか」。あなたがそう感じて検索してきたなら、この記事はちょうどよい入口です。

この記事では、動画生成AIとは何かを、専門用語をできるだけ使わずに整理します。技術の細かい仕組みではなく、「何ができて、どう指示すればよく、どこに気をつければよいか」を、経営や実務の目線で理解することを目指します。

この記事で扱う主な内容は、次のとおりです。

  • 動画生成AIとは何か(テキストや画像から動画を作るAI)
  • 具体的に何ができるのか(テキストから動画、画像から動画、話すアバター動画など)
  • どんな指示(プロンプト)を書けばよいのか。日本語の例つき
  • 代表的なサービスの例と、使うときの注意点

生成AIそのものの全体像を先に押さえたい場合は、生成AIとは何か・ビジネス活用の全体像もあわせて読むと、動画生成AIの位置づけがつかみやすくなります。

動画生成AIとは(テキストや画像の指示から動画を作るAI)

動画生成AIとは、こちらが与えた言葉や画像などの指示から、短い動画を作り出すAIのことです。「こういう動画がほしい」と文章で伝えると、その内容に沿った映像を組み立ててくれます。

これまで動画を作るには、撮影機材をそろえ、実際に撮影し、編集ソフトで何時間もかけてつなぐ、という手間が当たり前でした。動画生成AIは、この工程の入口部分を大きく変えます。カメラを回さなくても、言葉や一枚の画像から、数十秒ほどの映像のたたき台を作れるようになってきました。

同じ生成AIでも、文章を作るのが文章生成AI、絵を作るのが画像生成AIです。動画生成AIは、その延長で「動く映像」を作る種類だと考えると分かりやすいでしょう。文章や画像に比べると動画は情報量が多く、技術的にも難しい分野ですが、ここ数年で急速に実用的になってきました。

結論=動画生成AIは「言葉や画像から、短い動画を作り出すAI」

結論から言うと、動画生成AIとは、言葉や画像といった指示をもとに、短い動画を自動で作り出すAIです。

ポイントは3つあります。1つ目は、入力が「言葉」や「画像」であること。難しい操作ではなく、ほしい映像を文章で説明するのが基本です。2つ目は、出来上がるのが数秒から数十秒ほどの「短い動画」であること。長編映画を丸ごと作るというより、短い素材や下書きを作るのが得意です。3つ目は、映像だけでなく、人物が話すアバター動画やナレーション付きの動画も作れるサービスがあることです。

あなたの会社に置き換えると、商品紹介の短い動画、社内研修の説明映像、SNS向けの告知動画といった「短くて数が要る映像」を、素早く形にする道具だと考えると使いどころが見えてきます。ここから先で、できることと指示の書き方を順に見ていきます。

動画生成AIとは わかりやすく(料理を注文するイメージ)

もう少しイメージしやすく説明します。動画生成AIの使い方は、レストランで料理を注文する場面にたとえると分かりやすいです。

あなたはお客さんで、動画生成AIは料理を作るシェフです。あなたは厨房に入って包丁を握る必要はありません。「30秒くらいで、明るいオフィスで新商品を紹介する動画を、落ち着いた雰囲気で」と注文を伝えるだけです。すると、AIというシェフが、その注文に合った映像を組み立てて出してくれます。

このとき大事なのは、注文の伝え方です。「何かおいしいものを」とだけ頼めば、出てくる料理は運任せになります。反対に「誰に向けた、どんな場面の、どれくらいの長さの、どんな雰囲気の動画か」を具体的に伝えるほど、ほしい映像に近づきます。動画生成AIを使いこなす鍵は、難しい操作ではなく、この「注文の仕方」にあります。この注文文にあたるのが、次に説明するプロンプトです。

動画生成AIでできること

動画生成AIでできることを、代表的な3つに整理しておきます。細かなサービスの違いはありますが、大きくはこの3タイプを押さえれば十分です。

  • テキストから動画:作りたい映像を文章で説明すると、その内容に沿った動画を作ります。「夕暮れの海辺を歩く後ろ姿」といった言葉から、映像を組み立てます。
  • 画像から動画:手元の一枚の写真やイラストを動かします。商品写真をゆっくり回転させる、風景写真に波や雲の動きを加える、といった使い方ができます。
  • アバターが話す動画・ナレーション付き動画:人物風のアバターに、用意した原稿を読み上げさせます。顔出しや撮影をせずに、説明動画や案内動画を作れるのが特徴です。

これらを組み合わせれば、商品紹介、SNS向けの短い告知、社内研修やマニュアルの説明映像など、これまで外注や長い作業が必要だった映像を、社内で素早く試作できるようになります。まずは「短い・数が要る・下書きでよい」映像から使い始めるのが現実的です。

プロンプト例つきで理解する

動画生成AIに出す指示のことを、プロンプトと呼びます。先ほどの「料理の注文」にあたる部分です。ここが動画の出来を大きく左右するので、少していねいに見ておきましょう。

プロンプトには、型があります。次の5つの要素を意識して書くと、ほしい映像に近づきやすくなります。

  • 目的・場面:何のための、どんな場面の動画か(例:新商品の紹介、オフィスでの利用シーン)
  • 長さ:何秒くらいか(例:30秒)
  • 被写体:何が映るか(例:新商品、笑顔の社員、店内の様子)
  • 雰囲気・トーン:明るい、落ち着いた、高級感がある、など
  • ナレーションの有無:音声で説明を入れるか、映像だけか

この型にあてはめると、たとえば次のような日本語のプロンプトになります。

  • 「30秒。明るいオフィスで、新発売の卓上加湿器を紹介する動画。落ち着いたトーンで、女性ナレーションの説明つき」
  • 「15秒。カフェの店内で、新メニューのコーヒーがカップに注がれる様子。温かみのある雰囲気で、SNS告知向けに縦型」
  • 「20秒。手元の商品写真を、白い背景でゆっくり回転させる動画。ナレーションなし、静かなBGMに合う落ち着いた印象」

これらはあくまで「考え方の例」です。指定できる項目や一度に作れる長さ、音声・ナレーションやアバターの有無、縦型・横型の指定方法は、使うサービスや契約プランによって異なります。たとえば1回で30秒を作れないサービスなら、短いクリップをいくつか作ってつなぎ合わせる形になります。実際に使うときは、選んだサービスで何ができるかをあわせて確認してください。

コツは、頭の中の映像を、他人に口頭で説明するつもりで具体的に書くことです。最初の一発で完璧な動画が出ることは少ないので、出てきた映像を見て「もっと明るく」「もう少し短く」と注文を足しながら仕上げていくのが実際の使い方です。難しい専門用語は要りません。日本語で、伝わる言葉で書けば十分です。

代表的なサービスの例

動画生成AIには、さまざまなサービスがあります。ここでは2026年7月時点で名前が挙がることの多い代表例を、いくつか紹介します。この分野は進化がとても速く、新しいサービスや機能が次々に登場するため、あくまで「今の代表例」として押さえてください。

  • Kling(クリング):テキストや画像から、なめらかな動画を作ることで知られるサービスです。短い映像の生成に使われます。
  • HeyGen(ヘイジェン):アバターに原稿を読み上げさせる、話す動画・ナレーション動画に強いサービスです。顔出しせずに説明動画を作りたい場面で名前が挙がります。
  • Veo(ヴェオ/Google):大手のAI企業が提供する動画生成の仕組みで、テキストから動画を作る分野で注目されています。なお、OpenAIのSora(ソラ)もかつて大きな話題になりましたが、OpenAI公式では、Sora製品は2026年4月26日以降提供されていないと案内されています。名称や後継サービスを含む最新の状況は、公式情報でご確認ください。

どれを選ぶかは、作りたい動画によって変わります。商品や風景の映像を作りたいのか、人が説明する動画を作りたいのかで向き不向きがあります。個別のツールの比較や選び方をもう少し広く知りたい場合は、AIツールのおすすめ比較もあわせて参考にしてください。なお、同じ生成AIでも画像を作るサービスや、生成AIの種類全体については別の記事で扱います。

使うときの注意点

便利な一方で、動画生成AIをビジネスで使うときは、いくつか気をつけたい点があります。トラブルを避けるために、最低限これだけは押さえておきましょう。

  • 著作権:既存のキャラクターや作品、他社の映像によく似た動画を作ると、権利を侵害するおそれがあります。有名な作品を思わせる指示は避けるのが無難です。
  • 肖像権・実在人物の扱い:実在する人物の顔や声を、本人の許可なく動画に使うのは問題になります。とくに、実在の人物が言っていないことを言ったように見せる「なりすまし動画」は、悪用すれば大きなトラブルにつながります。この危険性についてはディープフェイクとは何かで詳しく解説しています。
  • 事実性:AIが作る映像は、あくまで「それらしく見える」もので、事実そのものではありません。実在しない光景や、実際とは違う商品の様子を作ってしまうこともあるため、公開前に人の目で確認が必要です。
  • 商用利用の可否:作った動画を仕事で使ってよいか(商用利用の可否)は、サービスごとに規約が異なります。無料プランでは商用利用が制限される場合もあるため、公開前に必ず利用規約を確認してください。
  • 機密情報・個人情報:社外秘の資料やお客様の個人情報を、指示や素材としてそのまま入力するのは避けましょう。入力した情報の扱いはサービスによって異なります。

これらは、動画生成AIに限らず生成AI全般に共通する注意点でもあります。要は「他人の権利を侵さない」「事実確認は人がする」「規約と情報の扱いを確認する」の3つを、社内のルールとして決めておくことが大切です。

経営者として、どこまで知っておけばよいか

正直に言えば、経営者のあなたが、動画生成AIの技術的な仕組みまで理解する必要はありません。押さえておくとよいのは、次の一点です。「動画生成AIは、言葉や画像から短い動画のたたき台を素早く作れる。ただし、権利・事実確認・規約の3点は人が守る必要がある」。

この理解があれば、「うちの販促や研修で、どんな短い動画なら試せそうか」を考える出発点になります。最初から凝った映像を狙わず、社内向けの試作や、SNS向けの短い告知など、失敗しても影響の小さいところから始めるのが安全です。技術の中身より、「どこで使い、どこは人が確認するか」を決めることが、経営者としての勘どころになります。

顧問先で動画生成AIの話になると、「動画制作をすべて内製にして、外注をなくせますか」と聞かれることがあります。

私は、外注をなくすというより、動画の目的と、失敗したときの影響で使い分けましょう、とお伝えしています。

AIで内製に向くのは、型があって繰り返し作る動画です。

社内研修の用語解説、操作手順、記事を要約した短尺の販促動画などは、台本やスライドを直して作り直せるため、制度や料金が変わっても必要な部分だけ更新できます。

一方、会社の顔になる動画は、外注を残す価値があります。

ブランド動画や、経営者の思いを伝えるインタビュー、顧客の事例。こうした動画は、見栄えだけでなく、表情や間、構成まで含めて、「この会社に相談したい」と思ってもらえるかが問われるからです。

私が勧めているのは、外注先に「ゼロから全部」ではなく、専門性が要る工程だけを任せる分業です。

目的・対象・要点・台本の初稿は社内で固め、撮影や演出、最終編集を専門家に任せます。AIで作った仮の動画を渡せば、言葉で説明するより完成イメージを合わせやすくなります。

もう一つお伝えしているのは、いきなり高額な外注をせず、まずAIで数分の試作品を作ることです。

その試作を社内や一部の顧客に見てもらえば、そもそも動画で伝える価値があるのか、実写が必要な場面はどこかが見えてきます。AIでの試作は、外注するかどうかを見極めるための小さな試し(PoC)にもなります。

そして最後は、必ず人が判断します。自社の名前で公開してよいか、AIが作った映像を実在の事例のように見せていないか、出演者の権利に問題がないか。ここだけは、AIにも外注先にも任せきりにしません。

動画生成AIについてよくある質問

動画生成AIは無料で使えますか?

無料で試せるサービスは多くあります。ただし、無料プランでは作れる動画の長さや本数に制限があったり、映像に提供元のロゴ(ウォーターマーク)が入ったり、商用利用が認められていなかったりすることが一般的です。仕事で本格的に使う場合は、有料プランや商用利用の条件を確認したうえで選ぶのが安心です。

動画生成AIで何ができますか?

大きく分けて、文章から動画を作る、手元の画像を動かす、アバターに原稿を読み上げさせてナレーション動画を作る、の3つができます。商品紹介、SNS向けの短い告知、社内研修やマニュアルの説明映像など、短い動画の試作に向いています。

動画生成AIで有名なサービスは何ですか?

2026年7月時点では、なめらかな動画生成で知られるKling(クリング)や、話すアバター動画に強いHeyGen(ヘイジェン)、大手が提供するVeo(Google)などの名前がよく挙がります。OpenAIのSora(ソラ)もかつて話題になりましたが、OpenAI公式では、Sora製品は2026年4月26日以降提供されていないと案内されています。進化が速い分野なので、名称や後継サービスを含む最新の状況は、各サービスの公式情報で確認してください。

作った動画は商用利用できますか?

サービスや契約プランによって異なります。商用利用を認めているサービスもあれば、無料プランでは認めていない場合もあります。また、他人の著作物や実在人物を無断で使った動画は、商用かどうかにかかわらず問題になります。仕事で使う前に、必ず各サービスの利用規約を確認してください。

関連記事と「AI戦略」に関するご案内

動画生成AIは、言葉や画像から短い動画を素早く作れる、頼もしい道具です。まずは失敗しても影響の小さい短い動画から試し、権利・事実確認・規約の3点を社内ルールとして決めておくと、安心して使い始められます。

生成AIの全体像は生成AIとは何か・ビジネス活用の全体像で、実在人物のなりすまし動画など悪用のリスクはディープフェイクとは何かで、それぞれ整理しています。どのAIツールを選ぶか迷ったときは、AIツールのおすすめ比較も参考になります。

動画生成AIを単発の道具で終わらせず、販促や業務改善という経営課題につなげたい場合は、中小企業社長のためのAI戦略活用完全ガイドで全体像を確認できます。

このテーマの関連記事は、生成AI入門からまとめてお読みいただけます。
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確認日:2026年7月24日(動画生成AIに関する各社の公開情報を参照)

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。中小企業を中心に270社超を支援し、研修・セミナーへの登壇は250回を超える。現在は、生成AI・ITを経営や業務に生かす実践的な方法と、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験などの学習法・過去問解説を発信している。著書に『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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