AIエージェントの作り方|初心者でもできる5ステップ

AIエージェントの作り方 5ステップ
目次

この記事でわかること

あなたの会社で、「問い合わせ対応や資料作成を、AIにもう一歩だけ任せられないだろうか」と感じる場面はありませんか。この記事では、AIエージェントの作り方を、初心者のあなたにも実務で考えやすいように、全体像から5ステップで整理します。

読み終えるころには、AIエージェントとは何をするものか、通常の生成AIや自動化ツールと何が違うのか、自社で最初にどの業務から作成すればよいかが見えてきます。Copilot、Gemini、ChatGPT(GPTs)など、ツール別の入口も後半で案内します。

この記事は、ツール別解説へ進む前のハブ記事です。初心者のための地図として、まずは「1業務・1エージェント」で始める考え方を押さえてください。

「エージェント」という言葉との距離感

「AIエージェントと聞くと、何か高度な開発をしないといけない気がする」。あなたがそう感じるのは自然です。実際、エージェントという言葉は、開発者向けの文脈でも、業務改善の文脈でも使われるため、少し距離を感じやすい言葉です。

まず腹落ちしやすく言えば、AIエージェントは「あなたの代わりに、目的に沿って作業を進めるAIの担当者」のようなものです。単に質問へ回答するだけでなく、必要な情報を確認し、手順に沿って処理し、場合によってはツールを使って実行します。

たとえば、「今月の問い合わせ傾向をまとめて」と頼んだとします。通常のチャットAIなら、入力された文章をもとに要約を返すのが基本です。一方でAIエージェントは、問い合わせデータを見に行く、分類する、異常値を確認する、レポート形式で出力する、といった一連の動作まで設計できます。

ここでのポイントは、AIエージェントを「魔法の自動社員」と見ないことです。自社の業務手順、判断基準、使ってよいデータ、出力の形を与えることで、初めて実務に近い動きをします。

定義としては、AIエージェントとは「目的を与えられ、状況を理解し、必要なツールやデータを使いながら、タスクを進めるAIシステム」と説明できます。ただし初心者にとって大切なのは、定義を覚えることよりも、「作業の一部を任せる設計図を作る」という感覚です。

結論:まず1業務・1エージェントから始める

AIエージェントの作り方で最初に決めたいのは、どのツールを使うかではありません。自社で「どの1業務を、どこまでAIに任せるか」を決めることです。

おすすめは、1業務・1エージェントです。問い合わせ一次対応だけ、議事録からToDo抽出だけ、見積書作成前の情報整理だけ、というように範囲を狭くします。範囲が狭いほど、手順も評価も改善もしやすくなります。

「せっかく作るなら、営業も経理も採用もまとめて任せたい」と思うかもしれません。けれど、最初に必要なのは、大きな構想よりも小さく動く試作です。小さく作ったAIエージェントは、失敗しても学びが残り、次の作成に活かせます。

業務選定には、3Cを使うと整理しやすくなります。Customerは顧客対応で困っていること、Companyは自社の人手やデータの状態、Competitorは競合が効率化している領域です。この3つが重なる業務は、AIエージェント活用の候補になりやすいです。

もう少し実務的には、SWOTで見てもよいでしょう。強みとして社内にノウハウがある、弱みとして人手が足りない、機会として顧客接点が増えている、脅威として対応遅れがある。このように整理すると、自社で最初に作るべきエージェントが見えやすくなります。

よくある質問の「AIエージェントの作り方は?」への短い答えは、目的を決め、手順書を作り、ツールを選び、小さく試作し、運用で改善することです。この記事では、その流れを5ステップに分けて解説します。

AIエージェントの仕組み(自動化との違い)

AIエージェントを作成するとき、仕組みを細かく開発者レベルで理解する必要はありません。ただ、どの部品で動いているのかを知っておくと、ツール選定やプロンプト設計で迷いにくくなります。

基本の構成は、AIモデル、指示文、データ、ツール連携、記憶またはログ、実行ルールの組み合わせです。AIモデルが判断や生成を担当し、指示文が役割と手順を決め、データが業務知識を補います。ツール連携によって、メール作成、表計算、社内文書検索、外部システムへの入力などの行動が可能になります。

RPAなどの自動化ツールとの違いは、「決まった手順を正確に繰り返す」のか、「状況を見ながら判断を挟む」のかです。毎回同じ画面操作をするならRPAが合うこともあります。一方、問い合わせ内容を読み取り、優先度を分け、回答案を作るような業務では、AIエージェントのほうが向く場合があります。

比較項目 従来の自動化 AIエージェント
得意なこと 定型作業の繰り返し 状況に応じた判断を含む作業
入力 決まった形式が中心 文章、表、資料、質問など
手順 固定されやすい 目的に応じて分岐しやすい
改善方法 ルール修正 プロンプト、データ、手順、評価の改善
注意点 画面変更に弱いことがある 出力確認と運用設計が必要

チャットボットとの違いも、押さえておきたい点です。チャットボットは主に質問への回答が中心ですが、AIエージェントは回答後の作業まで含めて設計できます。たとえば「この質問にはA資料を参照し、不足情報があればユーザーに確認し、回答案を作り、CRM登録用の要約も出す」といった流れです。

なお、AIの出力には誤りが混ざることがあるため、契約・法務・医療・人事評価など個別判断が重い領域では、あなたの会社の責任者が確認する運用を前提にしてください。過度に怖がる必要はありませんが、確認ポイントを決めておくことが実務では大切です。

AIエージェントの作り方5ステップ(目的→手順書→ツール選定→試作→運用)

ここから、AIエージェントの作り方の中心です。初心者は、開発技術から入るよりも、業務設計から入るほうが進めやすくなります。

ステップ1:目的を1文で決める

最初に、自社で作るAIエージェントの目的を1文で書きます。たとえば「問い合わせメールを読み取り、回答案と担当部署を提案する」「商談メモから次回アクションを抽出する」「ブログ記事の構成案を作成する」といった粒度です。

この段階で大切なのは、目的と成果物を分けることです。目的は「問い合わせ対応を速くする」、成果物は「回答案、分類、担当部署、確認事項」です。成果物が明確になると、後のプロンプト書き方も具体的になります。

迷ったら、「時間がかかっている」「ミスが起きやすい」「判断基準がある程度言語化できる」業務を選んでください。AIエージェント活用の初期テーマとして、完全に属人的な業務よりも、半分は手順化できる業務のほうが試しやすいです。

ステップ2:業務手順書を作る

次に、普段やっている手順を箇条書きにします。AIエージェント作成では、この手順書が設計図になります。高価なシステムを入れる前に、まず人間の作業を見える化することが近道です。

手順書には、入力、確認するデータ、判断基準、出力形式、例外対応を書きます。たとえば問い合わせ対応なら、「顧客名を確認する」「契約中か確認する」「質問カテゴリを分類する」「FAQにあれば回答案を作る」「不明点があれば確認質問を出す」という流れです。

ここで、普通のプロンプトとAIエージェント用のプロンプトの違いが出ます。普通のプロンプトは「この文章を要約して」のように1回の出力を求めることが多いです。AIエージェント用のプロンプトは、役割、目的、手順、判断基準、使う情報、出力形式、停止条件まで含めて、継続的な動作を支えます。

ここで、私の実感を一つ添えます。文章を書くのが苦手でも大丈夫です。手順書の執筆そのものを、AIに手伝ってもらえます。

やり方は簡単です。まず目的を伝え、頭に浮かぶ範囲でよいので手順を箇条書きで洗い出す。それをAIに読んでもらい、「わからない部分は質問してください」と伝えます。AIはあなたの会社の業務を知りませんから、新人社員と同じように質問してきます。「わからないことは詳しく聞いてください」と添えれば、なおよしです。

この問答を繰り返すだけで、自分では当たり前すぎて洗い出せなかった業務手順が、きちんと言葉になってまとまります。私が本サイトの記事生成を多段のAIエージェントに任せられているのも、この地道な言語化が土台になっています。

自社で使うAIエージェントのテンプレートは、最初は複雑にしなくて大丈夫です。次の項目を埋めるだけでも、プロンプトの質は安定しやすくなります。

  • 役割:あなたは何の担当者か
  • 目的:何を達成するか
  • 入力:ユーザーから何を受け取るか
  • 参照情報:どのデータや資料を見るか
  • 手順:どの順番で処理するか
  • 判断基準:どんな場合に分類・保留・確認するか
  • 出力形式:表、箇条書き、メール文など
  • 禁止事項:推測で断定しない、社外秘を出さないなど
  • 確認ポイント:人間に確認を依頼する条件

この形を使うと、AIエージェントのプロンプトの書き方が「気の利いた文章を書くこと」ではなく、「業務の手順をAIに渡すこと」だと理解しやすくなります。自社のノウハウは、プロンプトの中に少しずつ移していくイメージです。

ステップ3:ツールを選ぶ

手順書ができたら、自社に合うツールを選びます。ここでいきなりPythonやAWSで開発する必要があるとは限りません。初心者は、まずノーコードや既存の生成AIサービスから始めるほうが、短い時間で動作確認できます。

選び方の軸は、社内で使っているサービス、扱うデータ、必要な連携、管理者の運用負荷です。Microsoft 365中心ならCopilot、Google Workspace中心ならGemini、柔軟にGPTを作りたいならChatGPT(GPTs)が候補になります。ClaudeやDify、AWS、Pythonでの構築は、要件が明確になってから検討しても遅くありません。

見るべきポイントは、機能の多さだけではありません。誰が管理するか、社内データをどこまで接続するか、ユーザーごとの権限をどう扱うか、ログを残せるか。中小企業では、この運用面が後から効いてきます。

ステップ4:小さく試作する

ツールを選んだら、自社の実データに近いサンプルで試作します。最初から全社員に展開するのではなく、1人から3人程度の実務担当でテストすると、改善点が見つけやすくなります。

試作では、入力例を5〜10個用意します。うまくいく例だけでなく、曖昧な質問、情報不足、例外パターンも入れてください。AIエージェントは、きれいなデータだけでなく、現場の揺れにどこまで対応できるかを見ることが大切です。

評価項目は、正確さ、時間短縮、確認しやすさ、現場の使いやすさの4つで十分です。あなたが社長なら、「担当者が安心して修正できる出力か」を見るとよいでしょう。完璧な自動化より、業務の途中で役に立つ補助線を作るほうが現実的です。

ステップ5:運用ルールを決める

最後に、社内で誰が使い、誰が直し、どのタイミングで改善するかを決めます。AIエージェントは作って終わりではなく、業務の変化に合わせて育てるシステムです。

運用ルールには、利用範囲、禁止データ、確認者、ログの見方、改善会議の頻度を入れます。たとえば「最初の1か月は回答案作成まで」「顧客への送信は担当者が確認」「週1回、失敗例を3件見直す」という形です。

「自作するにはどうすればいいですか?」という質問への答えは、まずこの5ステップを自社の1業務に当てはめることです。ノーコードで試作し、足りない部分だけローコードや開発に広げる。この順番なら、無理なく学びを積み上げられます。

ツール別の入口(Copilot/Gemini/ChatGPT)

社内でMicrosoft 365を日常的に使っているなら、Copilotを入口にする考え方があります。Teams、Outlook、Word、Excelなどの業務導線に近いため、社内資料や会議メモとつなげたAIエージェント活用を考えやすいからです。具体的な進め方は、CopilotでAIエージェントを作る方法で整理しています。

Google Workspaceが中心の会社なら、Geminiを候補にできます。Gmail、Googleドライブ、スプレッドシート、ドキュメントを使った情報整理や下書き作成と相性があります。Google環境でのAIエージェントの作り方は、GeminiでAIエージェントを作る方法を参照してください。

ChatGPT(GPTs)は、用途特化のエージェントを作りやすい入口です。たとえば、営業メール作成、記事構成、FAQ回答、研修用の質問対応など、自社独自のテンプレートを持たせやすいのが特徴です。GPTを使った作成手順は、ChatGPT(GPTs)でAIエージェントを作る方法で詳しく扱います。

AWSやPythonでAIエージェントを作る方法もあります。社内システムとの統合、複雑な外部API連携、大量データ処理が必要な企業では選択肢になります。ただし初心者は、いきなりフルコード開発へ進むより、ノーコードで目的と手順を検証してから開発範囲を決めるほうが判断しやすいです。

スマホだけで試せる範囲もあります。たとえば、ChatGPTやGeminiのアプリでプロンプトテンプレートを使い、議事録要約やメール文案作成を試すことは可能です。一方で、権限管理や社内データ連携を含む運用は、PCと管理画面を使って設計するほうが安全に進めやすいです。

初心者はどれを選べばよいか

迷ったときの結論はシンプルです。新しいツールを探すのではなく、いま社内で毎日使っている業務環境から選んでください

Microsoft 365が中心の会社ならCopilot Studio、Google Workspaceが中心ならGemini EnterpriseのAgent Designer、特定の環境に縛られず柔軟な対話型で試したいならChatGPTのGPTsが入口になります。ただし、いずれも契約プランや管理者による有効化が前提になる場合があります。着手前に、自社の契約状況と管理者設定を必ず確認してください。

すでに使っている環境を入口にすると、アカウント追加も社内説明も少なく済み、試作の途中で止まりにくくなります。

下の表は、その判断材料を一覧にしたものです。なお、各製品の現行機能・提供プラン・料金は改定されることがあるため、導入前に公式サイトでご確認ください。

なお、ここで並べるのは「ブランド名」ではなく「実際にエージェントを作る製品名」です。同じブランドでも、製品や契約、管理者設定によってできることが変わるためです。

製品名 試作できるもの ノーコード/ローコード/開発 主な前提 公式確認先
Microsoft Copilot Studio エージェントとエージェントフロー ローコード(グラフィカルな画面で作成) Microsoft 365 Copilot 一般とは別の製品。単体サブスクのほか、一部のMicrosoft 365サブスクに含まれるTeams向けプランがある Microsoft Learn公式
Gemini Enterprise の Agent Designer ノーコード/ローコードで作るエージェント ノーコード〜ローコード Gemini Enterprise の管理者が「Enable Agent Designer」を有効化する必要がある。Google WorkspaceでGeminiを使っているだけで同じ機能が使えるとは限らない Google Cloud公式
ChatGPT の GPTs(使う) 公開・共有されているGPTの利用 ノーコード 利用できる条件はプランによって異なる OpenAI公式
ChatGPT の GPTs(作る) 用途特化のGPTの作成・編集 ノーコード 作成・編集には有料サブスクリプションが必要(無料アカウントでは作成不可)。管理対象ワークスペースでは設定・権限にも依存 OpenAI公式
Claude(一般の画面/Projects) 対話や資料参照を前提とした下書き・整理 ノーコード 一般の画面とProjectsでは扱える資料や設定の範囲が異なる Anthropic公式
Claude Code/Claude Agent SDK・Platform 開発寄りのエージェント構築 ローコード〜開発 ターミナル操作やコードの知識が必要。同じClaudeでも一般の画面とは必要スキルが異なる Anthropic公式
Dify 複数手順をつないだワークフロー型のエージェント ノーコード(設定項目は多め) ワークフロー設計の考え方が必要。提供形態やプランは公式で確認 提供元公式
Python・AWS等 社内システムと統合する本格的な構築 開発 開発体制とインフラ運用の担当が必要 各サービス公式

表の「ノーコード/ローコード/開発」は、あくまで試作を始めるときの入口の目安です。実際にどこまで自動化できるかは、プランや管理者設定によって変わります。

ツール別の詳しい作り方は、それぞれの記事で扱っています。Copilotで作る手順Geminiで作る手順ChatGPT(GPTs)で作る手順を、あなたの会社の業務環境に合わせて選んでください。

AIエージェントの事例と費用感

イメージしやすいAIエージェントの事例を、業務別に見てみましょう。ここでは大企業の大規模開発ではなく、中小企業でも検討しやすい範囲に絞ります。

1つ目は、問い合わせ一次対応エージェントです。顧客からの質問を読み取り、カテゴリ分類、回答案、担当部署、追加確認事項を出します。問い合わせが属人化している場合、最初の候補になります。

2つ目は、社内ナレッジ検索エージェントです。就業規則、業務マニュアル、商品資料、過去の提案書などを参照し、社員の質問に回答します。新人教育やバックオフィスの問い合わせ削減に役立つ可能性があります。

3つ目は、営業準備エージェントです。商談前に顧客情報、過去履歴、提案候補、想定質問を整理します。営業担当ごとに準備品質の差がある場合、標準化の入口になります。

4つ目は、経理・総務の確認補助エージェントです。請求書の確認項目、申請書の不備チェック、社内規程に沿った回答案作成などに使えます。最終判断は担当者が行いながら、確認作業の抜け漏れを減らす使い方です。

5つ目は、コンテンツ作成エージェントです。記事テーマの整理、構成案、見出し案、校正観点の抽出などを担当します。自社で採用広報やオウンドメディアを運用しているなら、作業工程を分けてAIに任せる考え方が有効です。

実は、このブログの記事も、コンテンツ作成エージェントに任せています。実際に運用してわかったのは、コンテンツ作成は工程が多段階に渡るため、工程ごとに品質をチェックする仕組みを設けないと、どこかで問題が発生するということです。

逆に言えば、作成後の後追いでもよいので、品質をきっちり担保する仕組みさえ組み込めば、エージェントが24時間記事を作り続けることも、複数のエージェントによる並行作業も可能になります。

ただし、24時間動かすには前提があります。動かし続ける実行環境、動作を見張る監視、増え続ける利用料金、そして失敗したときに自動で止める設計の4つです。

止める設計がないまま夜間に走らせると、同じ失敗を朝まで繰り返し、費用だけが積み上がります。まずは日中に手元で回して、止め方を決めてから時間を延ばしてください。

まずは「確認して、修正できる」仕組みを丁寧に作り上げること。成否はここに掛かっています。

費用感は、作り方によってかなり変わります。無料枠や試用枠で小さく試す方法もありますし、既存の月額サービスを使う方法、外部に開発を依頼する方法もあります。「無料でAIエージェントを作る方法はありますか?」への答えは、試作レベルなら無料枠や既存ツールの範囲で始められる場合がある、です。

金額そのものは各社の改定やプラン構成で変わるため、ここでは相対的な高さで押さえてください。おおまかには、既存ツールの無料枠や試用枠で自分で作る方法が最も軽く、次に業務用の月額サービスを契約して使う方法、最も重いのが外部に開発を依頼する方法、という順で費用が上がります。

費用を左右するのは、対象業務の数、連携先システムの数、社内データ整備の手間、可用性やセキュリティの要件、そして保守をどこまで任せるかです。この5つが増えるほど、同じ「AIエージェント」でも金額は跳ね上がります。

逆に言えば、1業務・1エージェントで、連携を絞り、担当者が確認する運用にしておけば、費用は小さく抑えやすいということです。

具体的なサービスの最新価格は、必ず各社の公式サイトでご確認ください。料金レンジの考え方や比較観点は、AIエージェントの価格・料金相場で補足しています。

費用を考えるときは、ツール代だけでなく、設計時間、社内データ整備、担当者教育、運用改善の時間も含めて見てください。

作成費用を抑えたいなら、最初から大きな統合を狙わないことです。1業務で効果と課題を見てから、次の連携や開発に進むほうが、自社に合う投資判断をしやすくなります。

AIエージェント作成でつまずきやすい失敗パターン

AIエージェント作成でよくある失敗は、最初の目的が広すぎることです。「社内のことを何でも答えるAI」を作ろうとすると、参照データも判断基準も広がり、評価が難しくなります。まずは「経費精算ルールだけ」「商品Aの問い合わせだけ」のように狭めてください。

次に多いのは、手順書がないままプロンプトだけで何とかしようとすることです。「いい感じに対応して」と指示しても、AIは社内の暗黙知を知りません。現場のベテランが頭の中でやっている判断を、少しずつ言葉にする必要があります。

3つ目は、データの置き場所と権限を後回しにすることです。社外秘、個人情報、顧客別の契約条件などを扱うなら、誰が何を見られるかを決めておきます。便利さだけを優先すると、後で運用を止める原因になります。

4つ目は、最初から自動実行まで進めることです。慣れるまでは、AIエージェントに「提案」や「下書き」まで任せ、人間が実行する形が扱いやすいです。メール送信、発注、契約変更などは、確認フローを入れてから段階的に広げます。

5つ目は、評価基準がないことです。時間が何分減ったのか、修正がどれくらい必要だったのか、担当者が使いやすいと感じたのか。数字は自慢のためではなく、改善点を見つけるために記録します。

6つ目は、ツール選定が目的化することです。Copilot、Gemini、ChatGPT、Claude、Dify、AWS、Pythonなど選択肢は多くありますが、自社の業務に合わなければ意味がありません。ツール比較の前に、目的、入力、出力、運用者を確認してください。

7つ目は、担当者が孤立することです。AIエージェントはシステム部門だけ、現場だけ、社長だけで進めるとズレが出やすくなります。業務を知る人、判断できる人、ツールを触る人の3者を小さく集めると進めやすくなります。

私自身の苦い思い出も、一つ開示します。本サイトの記事生成エンジンには、工程①で課金して有益な情報を取得し、工程②でその情報を参照して記事の骨格を作る、というフローがありました。ところが、何度書かせても品質が安定しない。調べてみると、なんとエージェントは、せっかく取得した有料情報をまったく使わず、一般的な知識だけで記事を書いていたのです。

人間なら「調べる→書く」という順番であれば、当然「調べた情報を使って書く」と思い込みます。しかし、AIにはそんな思い込みは通用しません。工程と工程をつなぐ意図は、きちんと明示的に指示する必要があります。そして、指示漏れがないかを確認する仕組みまで組み込むこと。多段エージェントの設計は、ここが勘所です。

最後に、「作った後に誰も使わない」という失敗もあります。これはAIの性能だけでなく、現場の導線に入っていないことが原因の場合があります。社内で毎日使うメール、チャット、表計算、社内ポータルのどこに置くかまで考えると、活用が日常業務に近づきます。

よくある質問

AIエージェントの作成費用はいくらかかりますか?

作り方によって大きく変わるため、金額を一律に示すことはできません。

費用の順番としては、既存ツールの無料枠や試用枠で自分で作る方法が最も軽く、業務用の月額サービスを契約する方法、外部に開発を依頼する方法の順に上がります。

金額を左右するのは、対象業務の数、連携先の数、社内データ整備の手間、可用性やセキュリティ要件、保守範囲の5つです。具体的なサービスの最新価格は、各社の公式サイトでご確認ください。

初心者が簡単に作れる方法はありますか?

いま社内で使っている環境のサービスから始めるのが、いちばん簡単です。

Microsoft 365中心ならCopilot、Google Workspace中心ならGemini、環境を問わず試すならChatGPT(GPTs)が入口になります。いずれもノーコードで試作を始められます。

そのうえで、対象を「1業務・1エージェント」に絞ってください。範囲が狭いほど、手順書も評価も改善も簡単になります。

作り方の基本手順を教えてください

目的を1文で決める、業務手順書を作る、ツールを選ぶ、小さく試作する、運用ルールを決める。この5ステップです。

技術ではなく業務設計から入るのが、初心者が挫折しにくい順番です。手順書が設計図になり、そのままプロンプトの中身になります。

手順書づくりに自信がなくても大丈夫です。AIに「わからない部分は質問してください」と伝えて問答すれば、当たり前すぎて言葉にできていなかった手順が形になります。

無料で作れますか?

試作レベルであれば、既存サービスの無料枠や試用枠の範囲で始められる場合があります。

ただし、社内データとの連携、権限管理、ログ保存といった業務利用の要件が入ると、有料プランが必要になることが一般的です。

まずは無料の範囲で効果と課題を確かめ、続ける価値があると判断してから有料プランに進む。この順番が、無駄の少ない進め方です。

関連記事と「AI戦略」に関するご案内

ここまで見てきたように、AIエージェントの作り方は、難しい技術名から始めるよりも、自社の1業務を分解するところから始めると考えやすくなります。目的、手順書、ツール選定、試作、運用の5ステップを順に進めれば、初心者のあなたでも検討の道筋を作れます。

次に読むなら、自社で使っている環境に合わせて、Copilot、Gemini、ChatGPT(GPTs)の個別記事へ進んでください。より広いAI戦略や社内導入の全体像を確認したい場合は、中小企業社長のためのAI戦略活用完全ガイドに戻ると整理しやすくなります。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。中小企業を中心に270社超を支援し、研修・セミナーへの登壇は250回を超える。現在は、生成AI・ITを経営や業務に生かす実践的な方法と、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験などの学習法・過去問解説を発信している。著書に『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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