社労士試験が近づいてくると、どれだけ勉強を重ねてきた方でも、
「直前期の今、いったい何をすればいいんだろう」
「ラスト1週間の過ごし方で、合否は変わるの?」
と、不安になってしまうものですよね。
先に結論からお伝えします。直前期は「新しいことに手を広げる時期」ではなく、これまで積み上げてきた知識を、確実に得点へ変える時期です。やることを絞り、体調を整え、過去問で基本を固める――この3つを軸に過ごせば、ラスト1週間でも力を大きく伸ばすことは十分にできます。
そこでこの記事では、これから直前期に入るあなたに向けて、
- 体調管理と直前期の勉強計画の立て方
- 合否を分ける過去問の使い方と足切り対策
- 例外的にやってよい横断整理・白書(統計)対策
- 法改正・目的条文・暗記のコツと前日・当日の過ごし方
といった「直前期にやるべきこと」を、順番に整理しました。
なお、試験日程・受験案内・持ち物といった年度によって変わる事項は、必ず社会保険労務士試験オフィシャルサイトで最新の情報をご確認ください。
不安に振り回されず、やるべきことに集中するための「地図」として使ってもらえたら嬉しいです。
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社労士試験の直前期はいつから?ラスト1週間〜直前期の全体像
まず、直前期の全体像をつかんでおきましょう。
「直前期はいつから?」と気になる方も多いと思いますが、明確な決まりがあるわけではありません。一般的には本試験のひと月前後からを「直前期」、その中でも最後の1週間を「ラスト1週間」と意識して過ごす方が多いです(あくまで目安で、人によって学習の進み具合は違います)。
直前期にやること・やらないことを、先に整理しておきます。
- やること:体調を整える/勉強計画を立てる/過去問で基本を固める/苦手項目を潰す
- やらないこと:新しいテキストや問題集に手を広げる/奇問・難問を追いかける
直前期は「あれもこれも」と手を広げるほど不安が増えます。やることを絞るほど、かえって落ち着いて学習できるものです。
なお、「社労士◯◯(年度)の直前対策は?」と年度ごとの情報を探している方は、試験日程・受験案内・持ち物・会場ルールは年度によって変わるため、必ず社会保険労務士試験オフィシャルサイトで、その年の最新情報を確認してください。本記事では年度に左右されない「直前期の過ごし方」の考え方をお伝えします。
また、予備校の直前対策講座を検討する方もいると思いますが、講義の公開時期・受講料(価格)・教材の発送日などは年度ごとに変わります。受講を考える場合は、各スクールの最新案内で公開スケジュールと価格を確認してください(本記事はあくまで「自分で進める直前期の対策」を中心にお伝えします)。
直前期にやるべきことを一言でまとめれば、「体調を整え、計画を立て、過去問で基本を固める」。この3軸を、次の章から一つずつ見ていきましょう。
何よりも「体調管理」が第一|試験当日にピークを持っていく
社労士試験までのラスト1週間は、何といっても体調管理が最優先です。どれだけ知識があっても、当日に実力を出せなければ意味がありません。
まず、睡眠不足には十分気をつけてください。1分でも多く勉強したい気持ちは痛いほど分かりますが、無理をして体調を崩しては元も子もありません。
社労士試験は日中に行われます。これまで夜型だった方は、少しずつ昼型の生活に戻していきましょう。体調のピークを試験当日の時間帯に持っていけるよう、生活リズムを意識した過ごし方が大切です。
理想をいえば、1週間前からは試験当日と同じ時間に起きて、試験時間帯に合わせて勉強するのが望ましいです。
働いている方も多いので、毎日それを実行するのは難しいかもしれません。その場合は、前日や前々日など、休みが取れる日だけでも実行すれば十分に有効です。
また、体調が悪いと、当日の受験そのものに影響が出る場合があります。体調不良の度合いによっては受験を控えるよう案内されることもありますので、受験上の注意は、その年の受験案内(社会保険労務士試験オフィシャルサイト)で必ず確認しておきましょう(会場でのルールは年度によって変わります)。
繰り返しになりますが、直前期は体調を整え、試験当日にピークを持っていく時期。このことを、ぜひ徹底してください。
まずは直前期の勉強計画を立てる|不安に勝つ最短ルート
体調管理の次は、いよいよ勉強……の前に、1つだけ質問させてください。
あなたは、ラスト1週間の勉強計画を立てているでしょうか?
直前期・ラスト1週間は、ただでさえ不安なものです。どんなに勉強していても「本当に大丈夫だろうか」と落ち着かなくなります。
実は、直前期に不安で視野が狭くなると、
- たいして重要でもない「自分が苦手なところ」ばかりに時間を使ってしまう
- 机に向かっていても集中できず、テキストや過去問がまったく進まない
といった状態に陥る方が、本当に多いのです。
これを避けるために、この記事を最後まで読んだうえで、ラスト1週間の勉強計画を立ててみてください。立て方はシンプルです。
- 睡眠・食事・仕事(学業)以外の時間は、すべて勉強時間に設定する
- それぞれの勉強時間に「何をするか」を、あらかじめ決めておく
計画を立ててしまえば、あとは何も考えず、計画どおりに進めていくだけ。「次に何をしよう」と迷う時間がなくなり、不安にのまれにくくなります。
「直前期の勉強時間はどれくらい必要ですか?」とよく聞かれますが、これは生活状況によって幅があります。専業で臨める方とお仕事をしながらの方では、確保できる時間がまったく違うからです。そのため「自分が取れる時間を、できる限り学習に充てる」と考えるのが現実的です(◯時間勉強すれば必ず受かる、という性質のものではありません)。
直前期の不安・悩みに打ち勝つためにも、まずは勉強計画を作ってしまいましょう。
直前対策は過去問が中心|社労士試験は過去問の焼き直しが多い
直前対策の中心は、何といっても過去問です。
これまで使ってきた過去問題集を使い、できれば過去5〜10年分の問題を解き直したいところです。模擬試験を受けていれば、その問題も含めて解いていきましょう。
なぜ過去問対策がそれほど重要なのか。理由はシンプルで、社労士試験には、過去問からの焼き直しが多いといわれているからです。過去問を繰り返すことで、よく問われる論点を網羅的に「思い出せる」状態にしておくわけです。
正直なところ、お仕事をしながら1週間で10年分を解くのは難しいかもしれません。その場合は、択一式を中心に5年分でもかまいません。大切なのは、できるだけ多くの過去問に、本試験と同じスピードで触れることです。
過去問は「本試験の時間内」に解き切る
過去問を解くときに意識してほしいのが、「本試験の制限時間内に解く」ということ。
たとえば1年分の択一式(70問)であれば、210分(3時間30分)の中で解くようにします。
- 210分で70問 = 1問あたり約3分 ⇒ 1肢あたり約30秒で検討!
時間を区切って解くことには、2つの狙いがあります。
- 1週間で多くの過去問を回すには、解くスピードが必要だから
- 本番で問題を解くスピード感に慣れておくため
「正解できたか」より「根拠を説明できるか」
過去問は、ただ◯×が合っていればよい、というものではありません。「なぜその選択肢が正解(不正解)なのか、根拠を説明できるか」を意識して使うと、知識の定着がぐっと深まります。
正解した問題でも、解答・解説を読んで「自分の理解とズレていないか」を確認しておきましょう。とくに択一式は5つの選択肢それぞれについて、なぜ切れるのかを言えるようにしておくと、本番での得点が安定します。
なお、直前期に予想問題集や新しい問題集を何冊も買い足すのは、原則おすすめしません。消化しきれずに終わるくらいなら、使い慣れた過去問題集を繰り返したほうが効果的です。答練や模試も、新しく受けるより「すでに受けたものを復習する」ことを優先しましょう。
過去問演習をさらに固めたい方は、社労士試験の過去問だけで合格できるのかや、社労士試験の過去問題集の選び方もあわせて参考にしてみてください。
とにかく基本事項を押さえる|出題の多くは基本から(傾向)
直前期は、とにかく基本事項を確実に押さえることを徹底してください。
社労士試験は、出題の多く(一般に7〜8割程度といわれます)が基本的な事項から出される傾向があります(割合は年度や見方によって変わるため、あくまで目安です)。逆にいえば、基本をしっかり固めるだけで、合格にぐっと近づけるということです。
一方で、毎年わずかしか出題されない奇問・難問に時間を取られるのは、とてももったいないことです。
「分からない問題があると悔しい」と難問の理解にこだわる方がいますが、あなたの本来の目的は「社労士試験に合格すること」のはず。次の試験でまず出題されないような過去の難問に時間を費やしても、得点には結びつきにくいのです。
過去問を解く回数を増やしていくと、「どれが基本で、どれが捨ててよい難問か」が自然と見分けられるようになります。難問には深入りせず、基本的な問題を確実に取れるようにしていきましょう。
足切りを避ける|苦手な「科目」ではなく苦手な「項目」に集中
社労士試験の合否を語るうえで、避けて通れないのが「足切り(科目ごとの基準点)」です。
社労士試験は、選択式・択一式のそれぞれで「総得点の基準点」と「各科目の基準点」が定められています。全体の出来がどんなに良くても、1科目でも科目の基準点に届かなければ不合格――これが「足切り」と呼ばれるしくみです。
試験の形式を整理しておきましょう。
- 選択式:8科目/各5点満点(科目の基準点はおおむね3点以上が目安)
- 択一式:7科目・計70問/70点満点(科目の基準点はおおむね4点以上が目安)
ただし、総得点の合格基準点や科目の基準点は、年度ごとの難易度に応じて補正(引き下げなどの救済)が行われることがあり、毎年の合格発表時に公表されます。「何点取れば必ず合格」と固定の数字で断定はできませんので、具体的な基準点は必ず社会保険労務士試験オフィシャルサイトでその年の発表を確認してください。
足切りがある以上、苦手分野を放置しておくのは危険です。だからこそ、直前期には苦手対策が欠かせません。
「苦手科目」ではなく「苦手項目」を潰す
よく「徴収法が苦手だから、徴収法を丸ごと復習する」という方がいます。一般的には悪くない考え方ですが、直前期にはちょっともったいない進め方です。
というのも、1つの科目の中にも、あなたにとって「得意な項目」と「苦手な項目」があるはず。科目まるごとではなく、「項目」単位で苦手を潰していくほうが、限られた時間を有効に使えます。
たとえば「労働基準法の中でも、解雇や労働時間まわりの知識が曖昧だ」と感じたら、その部分だけテキストに戻って読み直す。こうしたピンポイントの潰し込みが大切です。
科目を全部見直そうとすると、不安からテキスト全体を読み返したくなり、肝心の過去問演習の時間が足りなくなる……という泥沼にはまりがちです。苦手項目以外は、過去問の解説でインプットするくらいの割り切りでちょうどよいでしょう。
特に択一式は1点ずつ積み上げる意識で、選択式は基準点割れ(足切り)を防ぐことを意識すると、対策の優先順位がつけやすくなります。
なお、複数科目にまたがって知識を整理したいときは、社労士試験の横断整理の進め方も参考になります(次の章でも触れます)。
横断整理と一般常識(白書・統計)対策|「例外的に」やってよいこと
ここまで「直前期は新しいことに手を出さない」とお伝えしてきましたが、実は例外が2つあります。それが「横断整理」と「一般常識(白書・統計)対策」です。
横断整理|科目をまたいで知識を整理する
社労士試験では、各科目間に類似点や共通点が多いという特徴があります。「似ているようで微妙に違う」項目を横並びで整理しておくと、頭の中もすっきりし、記憶が定着しやすくなります。
ただし、直前期の中心はあくまで過去問対策です。横断整理に時間をかけすぎないよう、ポイントを絞った教材やWeb講座などを活用し、短時間で要点を押さえるのがおすすめです。スキマ時間に確認できるものを選ぶのもよいでしょう。
横断整理の具体的な進め方は、社労士試験の横断整理の記事もあわせて参考にしてみてください。
一般常識(白書・統計)対策|過去問では対応しにくい部分
一般常識のうち、最新の白書・統計の内容は、発表時期の関係で市販テキストに載っていないことがあります。資格スクールの講座を受講していればフォローがありますが、独学の方はそうもいきません。
そのため、独学の方は直前期に対策テキストを利用するのも一つの手です。時事に関する問題や、年度ごとに内容が変わるものは過去問では対応しにくいため、時間をかけすぎず、ひととおり浅く広く押さえておくようにしましょう。
最近は、白書・統計や法改正だけを扱う単科の通信講座もあります。配信開始の時期になったら視聴し、講師が「ここが出やすい」と絞ってくれるポイントだけを短時間で押さえる、という使い方なら独学の方にも向いています。受講の対象や配信スケジュールは年度ごとに変わるため、利用する場合は各スクールの最新案内を確認してください(あくまで過去問対策の補助として、時間をかけすぎないことが前提です)。
学習全体の流れや、どの教材から手をつけるか迷ったときは、社労士試験の学習ロードマップも参考になります。
法改正・目的条文・暗記のコツ|直前期に効く「仕上げ」の3点
最後に、直前期の仕上げとして効きやすい3つのポイントを整理します。
① 法改正は「浅く広く」|古い教材に注意
社労士試験において、法改正部分は重要です。古いテキストや過去問題集を使っていると、法改正が反映されていないことがあるので注意してください。
ただし、改正の初年度は、基礎的な事項しか問われない傾向があります(年度によって変わるため、あくまで傾向です)。言い換えれば、得点しやすい問題が多いということ。改正された法律は深追いせず、「どこがどう変わったか」という基礎的事項を浅く広く網羅する意識で押さえましょう。
② 選択式に効く「目的条文」|五感を使って覚える
目的条文とは、各法令の目的が書かれた条文(多くは各法令の第1条)のこと。選択式は「穴埋め問題」ですが、この目的条文の穴を埋める問題は出題頻度が高い傾向があります。
そのため、主要法令の目的条文は一度しっかり読んでおくことをおすすめします。さらに、ただ目で追うだけでなく、声に出して読み、耳でも聞くと効果的です。
- 目で視て、声に出し、耳で聞く──五感を使うほど記憶は定着しやすい
③ 間違えた知識は「テキスト一冊」に集約する
過去問で間違えた箇所や知識が曖昧な箇所は、解説で理解するだけでなく、時間が許す限りテキストの該当部分にあたり、気づいたことを書き込んでいきましょう。
「書く」という行為も五感の一つ(触覚)を使うため、記憶の定着が進みます。さらに、間違えやすい点を1冊に集約しておけば、試験当日はそのテキスト一冊を持参するだけで、自分の弱点が手元にそろっている状態になります。
あなたの弱点・注意が必要な事項は、テキスト一冊に集約するのがセオリーと心得ましょう。
試験前日と当日の過ごし方|持ち物・交通は前日までに確認
いよいよ試験前日。ここでの過ごし方も、当日の実力発揮を大きく左右します。
まず大切なのは、前日は早起きをすること。ただでさえ試験前夜は緊張で寝つきにくいものです。前日に朝寝坊をしてしまうと、夜さらに眠れなくなり、悪循環に陥ります。
そして、試験当日の持ち物・交通手段・移動スケジュールは、前日の早い段階までに確認しておきましょう。当日にバタバタすると、それだけで余計な不安が生まれます。
- 持ち物(受験票・筆記用具・時計など)を前日のうちにそろえる
- 会場までの交通手段・所要時間・出発時刻を確認しておく
- 当日の休憩時間に見直すもの(集約したテキスト・苦手項目メモなど)を決めておく
なお、持ち物・受験票・会場でのルールは年度によって変わることがあります。必ず、その年の受験案内(社会保険労務士試験オフィシャルサイト)で最新の内容を確認してください。
不安なこと・不確定なことはできる限り潰し、「試験に集中できる環境」を整えることが、前日・当日の最大のテーマです。
「直前に見た問題が出た!」は偶然ではない|直前対策の効果を信じる
合格者の体験記やSNSを見ていると、
「試験直前に見直した部分が、そのまま出題された。神様のご加護かと思った」
といった声を、よく見かけます。
果たして、これは単なる偶然でしょうか。
前述のとおり、社労士試験は過去問の焼き直しが多いといわれる試験です。過去問を5〜10年分も復習していれば、その中から似たような問題が出題されるのは、むしろ自然なこと。
つまり、直前対策を真面目にやった人ほど「直前に見た内容がそのまま出た」と感じやすいのです(もちろん感じ方には個人差があり、「この方法なら必ず的中する」という性質のものではありません)。
直前対策のみで本試験に臨む方も、考え方は同じです。独学の方は使い慣れた過去問の復習+公式情報の確認を、通信講座や予備校をご利用の方は受けた模試や答練の復習を軸にすれば、限られた時間でもやるべきことは見えてきます。なお「直前対策のみ」をうたう専用の直前パックを検討する場合は、その講座がどんな人を対象にしているか(初学者向けか経験者向けか)を確認してから申し込むと、ミスマッチを防げます。経験者の方は、前年に失点した科目・項目を直前期に重点的に潰すのが効果的です。
やるべきことに集中すれば、直前期は確実に力が伸びます。最後まで、自分を信じて過ごしてください。
まとめ|直前期は「絞る・整える・過去問で固める」に集中
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 直前期はやることを絞り、体調を整え、過去問で基本を固める──この3軸に集中する
- 足切り対策は「苦手項目」をピンポイントで。横断整理・白書対策は例外的に「浅く広く」
- 法改正・目的条文・テキストへの集約で、直前期の仕上げを行う
- 試験日程・持ち物など年度で変わる事項は、必ず公式オフィシャルサイトで最新を確認する
直前期は不安になりやすい時期ですが、不安は「やるべきことに集中する」ことでしか消えません。新しいことに手を広げるのではなく、これまで積み上げてきた力を、確実に得点へ変えていきましょう。
学習全体の流れを見直したい方は社労士試験の学習ロードマップを、過去問演習をさらに固めたい方は過去問だけで合格できるのか・過去問題集の選び方・横断整理の各記事もあわせて参考にしてください。
あなたが社労士試験に合格されることを、心から応援しています。
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