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企業が経営戦略を実行するには、自社の戦略に合った組織づくりと、四大経営資源の中でも特別な存在である人をどう活かすかが鍵です。
まずは組織形態の類型から見ていきましょう。
組織形態
職能別(機能別)組織
営業・人事・開発などの専門機能ごとに部門を分ける方式。専門性が高まり効率的になる反面、部門間の壁ができやすく「売れないのは別部門のせい」と責任転嫁が起こりがちです。
プロジェクト組織
特定課題を解決するために、各部門から専門家を一時的に集めて活動する組織。プロジェクト解散後はメンバーが本来の部門に戻り、部門間の架け橋として機能するメリットがあります。
事業部制組織
顧客・製品・地域などの単位で事業部を編成し、大きな権限と責任を委譲。独立性が高まる一方、同じ機能が事業部ごとに重複し無駄が生じることがあります。
カンパニー制
事業部制をさらに進め、社内カンパニーとして独立採算に近い運営を行う形態です。
持株会社制
事業部を完全に別会社化し、親会社が株式を保有して統括する方式。独立性は最大ですが、自社事業同士で顧客を奪い合う**カニバリゼーション(共食い)**が起こる恐れがあります。
マトリックス組織
社員が職能部門と事業部門の両方に所属するワンマンツーボス方式。情報共有に優れる反面、上司二人から異なる指示が出ると混乱の原因になります。
CXO(最高責任者)一覧
CEO(Chief Executive Officer)
企業の最高経営責任者。経営全般を統括します。
CIO(Chief Information Officer)
企業の最高情報責任者。情報システム戦略を担います。
COO(Chief Operating Officer)
企業の最高執行責任者。日常業務の執行を監督します。
CTO(Chief Technology Officer)
企業の最高技術責任者。技術戦略や研究開発を統括します。
CFO(Chief Financial Officer)
企業の最高財務責任者。財務戦略や資金調達を担当します。
人事・HRMキーワード
HRM(ヒューマンリソースマネジメント)
人材を特別な経営資源と位置づけ、戦略的に管理・育成する考え方。
HR Tech
採用・育成・評価・給与などにAIやクラウド、ビッグデータを活用する手法。フィンテックの人事版と捉えると理解しやすいでしょう.
OJT(On‑the‑Job Training)
実務を通じて知識やスキルを習得する教育方法。先輩社員が新人に直接指導するたこ焼き屋の例などが典型です。
Off‑JT(Off‑the‑Job Training)
実務を離れた集合研修で体系的に学ぶ方法。OJTに比べ実践性は低いが全体像を整理しやすい利点があります。
eラーニング
PCやモバイル端末で、場所を選ばず学習できる仕組み。Off‑JTの一種です。
アダプティブラーニング
学習履歴をAIが分析し、受講者ごとに最適な学習シナリオを提供。eラーニングとの相性が抜群です。
CDP(Career Development Program)
長期視点で従業員の能力開発を計画・実行する仕組み。
コーチング
コミュニケーション型サポートで、主に職業上の成長を支援します。
メンタリング
経験豊富なメンターが若手に対し、職業も含めた人生全体のキャリアを支援する制度。
ワークライフバランス
仕事と生活の調和を図り、安心して働ける環境を実現する考え方。
メンタルヘルス
従業員の精神的健康を保つ取り組み全般。
タレントマネジメント
スキル・資格・適性を一元管理し、戦略的に適材適所を図る手法。
リテンション
報酬、働きやすさ、やりがいの三方向から離職を防ぐ取り組み。
ゲーミフィケーション
ゲーム要素を仕事やサービスに取り入れ、集中力とモチベーションを高める方法。
MBO—二つのまったく異なる意味
MBO(目標管理制度:Management by Objectives)
上司と部下が共同で目標を設定し、達成度を人事評価に反映。部下自身が目標設定に関与するため、高いモチベーションを引き出せます。
MBO(マネジメント・バイアウト:Management Buy‑Out)
経営陣が資金を調達し、株主から会社株式を買い取ってオーナーとなるM&A手法。目標管理制度とはまったく別概念なので注意が必要です。
まとめ
組織形態の選択と人材マネジメントは、企業戦略を実現する両輪です。
とくに“人”は特別な資源。HRMやHR Techを駆使し、組織と人材の両面から価値を最大化しましょう。