中小企業診断士の科目合格 最強の戦略、教えます!【一次試験】

最強の科目合格

平成18年度から、中小企業診断士第一次試験に科目合格制度が設けられました。

それまでは、1回の受験で7科目合計で6割得点を取れば合格でしたが、不合格の場合、翌年にまた7科目すべて受験しなおす必要がありました。

しかし、科目合格制度では、一次試験が不合格の場合でも、60点以上を取った科目は科目合格となり、翌年から2年間免除申請することができるようになりました。

つまり、単純に考えると、

3年間で7科目合格すればよい

ということで、非常に合格しやすい仕組みになったような気がしますが、実は、落とし穴もあります。

どんな落とし穴があるのか、そして、その落とし穴を避けて合格するためのベストな科目合格戦略とは何か、分かりやすく説明します。

なお、科目合格の戦略については本記事で説明しますが、それ以外の診断士試験全体の「最速勉強法」ノウハウについては、現在、資格スクールのクレアールが、市販の受験ノウハウ書籍を無料でプレゼントしています。

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中小企業診断士 一次試験 最強の科目合格の戦略を教えます!

中小企業診断士 一次試験 科目合格制度とは

まず、中小企業診断士第一次試験の合格基準について確認しておきましょう。

中小企業診断士の一次試験の合格基準は、全体の60%の得点を獲得

【合格基準】

①第1次試験の合格基準は、総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。

②科目合格基準は、満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。

一次試験は7科目で各100点満点ですから、700点×60%=420点を取ればよいことになります。ただし、40点未満の科目がないことが条件です。

初めて受験して、この条件を満たせば、一発合格ですから、科目合格とは関係ありません。

しかし、合格できなかった場合(=総合計が420点に足りない場合、または、1科目でも40未満がある場合)には、60点以上の科目は、科目合格となります。

中小企業診断士一次試験 科目合格した科目は、2年間の免除が認められる

前述のとおり、科目合格した科目は、翌年度から2年間、免除申請ができます。

免除申請をした場合、翌年以降の合格基準について、例をあげて考えてみましょう。

たとえば、初年度、7科目合計で420点未満だったが、企業経営理論と財務会計の2科目が60点以上だったとします。

残りの5科目(経済学・経済政策、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策)は60点未満だったとします。

その場合、翌年には、企業経営理論と財務会計を免除申請することができます。

そうすると、翌年受験するのは残り5科目(=前年60点未満だった科目)になり、この5科目で総得点の60%を獲得する必要があります(一科目でも40点未満がないことも必要です)。

この例が、どのようなことを意味しているか、お判りでしょうか?

つまり、

科目合格した科目をすべて免除申請すると、翌年は、前年60%未満だった科目だけで、総得点の60%を取らないといけない

ということです。

合格した科目をすべて免除すると、却って不利になることもある

中小企業診断士の一次試験は、「全科目で60%取ればいい」という考え方なので、得意科目で80点や90点などの高得点を稼げば、不得意科目で60点取れなくても、合計で60%獲得することも可能です。

ただし、得意科目で科目合格して免除申請した場合、当然ですが、翌年の試験では、「得意科目で点を稼ぐ」ということができません。

つまり、苦手科目だけで60%を獲得しないといけなくなるのです。

これでは、却ってハードルが高くなりますよね。

では、「得意科目は免除申請しない」と決めればよいのかというと、それも違います。

その理由は、一次試験の各科目の難易度は、年によってバラバラだからです。

得点を稼ぐつもりで免除申請せずに得意科目を受験したら、その年は難易度が極端に高く、60点を割ってしまった・・・なんてことになれば、目も当てられません。

このように、「科目合格をどのように使いこなすか」という戦略は、非常に難しい部分があり、きちんと検討していく必要があります。

中小企業診断士 一次試験 科目合格制度の戦略の考え方

それでは、どのように科目合格の戦略を考えていけばよいのでしょうか。

まずは全体として、次の2つのポイントを抑える必要があります。

自分の得意科目か不得意科目か

2次試験と関係の深い科目か

それぞれくわしく見ていきましょう。

科目合格の戦略(1) 自分の得意科目か不得意科目か

まずは、自分の得意科目かどうか、という観点から検討します。

前述のとおり、得意科目でも難易度が高くなる場合もありますので、「得意科目であれば、必ず免除申請はしない」というものではありません。

しかし、その得意科目が「絶対の得意科目」の場合は、免除申請はしないほうがよいでしょう。

例えば、銀行員の方にとっても財務・会計だったり、ITエンジニアの方にとっての経営情報システムなどは、多少難易度が変わったところで、高得点を取れる自信があるのではないでしょうか。

そのような場合は、得点を稼ぐ科目として、科目合格しても免除せず、翌年以降も再受験したほうがよいでしょう。

判断が難しいのは、中途半端に得意な科目です。

そのような科目の場合、過去の科目合格率(=その科目の難易度の目安)をチェックしてみましょう。

おおよその傾向として、「科目合格率が低い年の翌年は、科目合格率が回復する」という傾向があります。

このあと、科目ごとの対策の説明で、それぞれ過去5年の科目合格率を載せていますので、参考にしてみてください。

科目合格の戦略(2) 二次試験と関係の深い科目か

科目合格した場合、翌年以降に残りの科目も合格して、その年の二次試験の合格を狙うことになります。

つまり、二次試験に関連のある科目であれば、科目合格により免除をするかどうかに関わらず、翌年以降も勉強する必要があるわけです。

二次試験に関連のある科目とは、具体的には以下の4科目です。

企業経営理論

財務・会計

運営管理

経営情報システム

これらの科目を初年度に科目合格した場合、免除申請しない、という選択肢も検討すべきでしょう。

逆に、二次試験と関係のない以下の3科目を科目合格した場合は、よほど得意科目ではない限り、翌年以降の免除申請がおすすめです。

経済学・経済政策

経営法務

中小企業経営・中小企業政策

中小企業診断士 一次試験 科目別にみる科目合格対策

ここからは、各科目の過去の合格率とともに、それぞれの科目合格対策の考え方を説明します。

経済学・経済政策に対する科目合格対策

経済学・経済政策の過去5年の科目合格率は以下のとおりです。

H26H27H28H29H30
19.4%15.5%29.6%23.4%26.4%

また、前述のとおり、経済学・経済政策は、二次試験との関連が低くなっています。

そのため、よほどの得意科目でない限り、免除申請がおすすめです。

財務・会計に対する科目合格対策

・財務・会計の過去5年の科目合格率は以下のとおりです。

H26H27H28H29H30
6.1%36.9%21.6%25.7%7.3%

また、前述のとおり、財務・会計は、二次試験との関連が高い科目です。

そのため、科目合格しても、免除申請せずに翌年度以降も再受験することも検討する価値があります。

ただし、財務・会計は苦手とする方も多く、その場合は、免除申請をして、二次試験対策に絞るほうがよいでしょう。

企業経営理論に対する科目合格対策

企業経営理論の過去5年の科目合格率は以下のとおりです。

H26H27H28H29H30
13.4%16.7%29.6%9.0%7.1%

企業経営理論も、二次試験との関連が高い科目です。

そのため、この科目を得意とする方は、免除申請せずに翌年度以降も再受験することも検討する価値があります。

運営管理に対する科目合格対策

・運営管理の過去5年の科目合格率は以下のとおりです。

H26H27H28H29H30
17.8%20.5%11.8%3.1%25.8%

運営管理も、二次試験との関連が高い科目です。

そのため、この科目を得意とする方は、免除申請せずに翌年度以降も再受験することを検討してもよいでしょう。

経営法務に対する科目合格対策

経営法務の過去5年の科目合格率は以下のとおりです。

H26H27H28H29H30
10.4%11.4%6.3%8.4%5.1%

経営法務は、前述のとおり、2次試験との関連が低くなっています。

そのため、よほどの得意科目でない限り、免除申請がおすすめです。ただし、平成30年度の経営法務は非常に難易度が高かったので、平成31年度は易化する可能性があります。

※平成30年度の科目合格率は5.1%ですが、実はこれ、「全受験者に8点ほど得点加算した結果」なのです。もし、得点加算しなかった場合、どれほどの合格率だったのでしょうか・・・。

一応、参考までにお伝えしておきます。

経営情報システムに対する科目合格対策

経営情報システムの過去5年の科目合格率は以下のとおりです。

H26H27H28H29H30
15.0%6.4%8.5%26.6%22.9%

経営情報システムは、二次試験との関連が高い科目です。

そのため、この科目を得意とする方は、免除申請せずに翌年度以降も再受験することを検討してもよいでしょう。

中小企業経営・中小企業政策に対する科目合格対策

中小企業経営・中小企業政策の過去5年の科目合格率は以下のとおりです。

H26H27H28H29H30
31.1%12.2%12.5%10.9%23.0%

中小企業経営・中小企業政策は、前述のとおり、二次試験との関連が低くなっています。

また、この科目は7科目の中で唯一、毎年出題内容が大きく変わります。

その理由は、毎年、前年度版の中小企業白書から、多くの問題が出題されるからです。

つまり、免除申請しないということは、「また新しい内容を一から学習する」ということになります。

大変非効率なので、免除することを強くおすすめします。

中小企業診断士 一次試験 科目合格に関する注意点

ここでは、科目合格に関して誤解されやすい注意点を説明します。

科目合格した科目を免除してもらうためには、申請が必要

60点以上獲得して科目合格となった科目は、免除申請しないと免除にはなりません。

具体的には、翌年以降の受験申請の時に免除を申請することになります。

免除申請しなければ受験しなければなりませんし、逆に、免除申請した科目は受験できません。

免除申請しなかった科目が不合格なっても、前年の科目合格は有効

初年度に科目合格した科目は、翌年と翌々年に免除できます。

たとえば、初年度科目合格し、翌年(2年目)、その科目を免除せずに受験したとします。

そして、2年目は60点未満で科目合格できなくても、初年度の科目合格の権利は生きています。

その結果、翌々年(3年目)に、初年度の科目合格の権利で、その科目を免除申請することができます。

中小企業診断士 一次試験 最強の科目合格の戦略 まとめ

ここまで、科目合格の戦略に関して、詳細にチェックしてきました。

一番望ましいのは、初年度の受験で一次試験に合格し、科目合格に関わらないことですが、働きながら受験する人が多いので、なかなか一発合格は難しいものです。

もし一年目の一次試験で一発合格できず、科目合格した科目が出て来た場合は、ぜひ、この記事を参考にして、もっとも効果的な科目合格の戦略を考えてみてください。

その他の試験対策に関連する記事は、下記を参考にしてください。

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