行政書士の勉強時間の目安は500~800時間!科目別の配分は?【最新版】

行政書士の勉強時間

行政書士の試験は、試験範囲が広く、かつ難易度が高い試験です。

そのため、特に初めて学習する方は

「合格するまでに、いったい何時間ぐらい勉強すればいいのだろう?」

と、まず勉強時間が気になりますよね。

結論から言うと、行政書士の合格に必要な勉強時間の一般的な目安は500~800時間です。ただし、これはあくまで目安で、法律の予備知識があるか、独学か通信講座かによって大きく変わります。

  • 独学で行政書士に合格するまでの目安は600時間~800時間
  • 予備校や通信講座を利用する場合の目安は500時間前後

そして、行政書士試験は300点満点で、合格するには「①法令等科目122点以上」「②基礎知識科目24点以上」「③総得点180点以上」という3つの基準をすべて満たす必要があります(1つでも欠けると足切りで不合格)。つまり、限られた勉強時間をどの科目に振り分けるかが合否を分けるのです。

この記事では、

「行政書士の勉強時間は、具体的に何時間が目安なのか」

「科目別に、どの科目へ何時間かければいいのか」

「勉強はいつ頃始めて、1日どれくらい確保すればいいのか」

といった疑問に、読者であるあなたが「自分の場合は何時間・いつから始めればいいか」を判断できるよう、一つずつお答えしていきます。

なお、勉強時間や合格率は年度や個人差によって変わるものですから、本記事の数値はあくまで目安としてお読みください。

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結論|行政書士の勉強時間の目安は500~800時間。配分は行政法・民法が中心

最初に、この記事の結論を整理しておきましょう。

行政書士の勉強時間と、その配分の考え方は次のとおりです。

  • 合格の目安は500~800時間(独学なら600~800時間、通信講座なら500時間前後が一般的な目安)
  • 法律の予備知識があるかどうかで、必要な時間は変わる(あくまで目安)
  • 科目別の時間配分は、配点の大きい行政法・民法に厚く割くのが基本

ポイントは、勉強時間を「ただの総量」ではなく、合格点(180点)に届くための配分の問題として捉えることです。

行政書士試験は配点に大きな偏りがあり、行政法と民法だけで合格基準点に届くほどの比重があります。だからこそ、やみくもに時間を積み上げるのではなく、「どの科目に何時間かけるか」を最初に決めておくことが、遠回りしないコツになります。

この記事では、以下の順番で「あなたの勉強計画」を組み立てていきます。

  • 500~800時間という目安の根拠と、独学/通信・予備知識による違い
  • 配点から逆算する、科目別の勉強時間の配分
  • 最短合格は何時間で可能か(条件付きの例外)
  • 勉強の開始時期と、1日あたりの勉強時間の作り方
  • 合格率の傾向と、長期戦の乗り切り方

それでは、一つずつ見ていきましょう。

行政書士の勉強時間は何時間?500~800時間が目安となる理由

それでは、なぜ「500~800時間」という目安になるのか、もう少し具体的に見ていきましょう。

まず、行政書士の勉強時間を、関係の深い他の難関国家資格と比べてみると、難易度のイメージがつかみやすくなります。

  • 予備試験(司法試験):約6,000時間
  • 司法書士:約3,000時間
  • 社労士:約1,000時間
  • 行政書士:約500~800時間
  • 宅建士:約400時間

※いずれも一般的に言われている目安で、人によって変動します。

こうして並べてみると、行政書士は「法律系試験の登竜門」と言われることもあり、弁護士や司法書士と比べれば短い時間で目指せそうに見えます。

とはいえ、500~800時間といえば、1日3時間勉強したとして約5~9か月かかる計算です(800時間なら約9か月)。決して易しい試験ではありません。

独学か通信講座かで、必要な勉強時間は変わる

同じ行政書士試験でも、独学なのか、予備校(通学・通信講座)を利用するのかで、勉強時間の目安は変わってきます。

  • 独学の場合:600時間~800時間が目安
  • 予備校・通信講座の場合:500時間前後が目安

独学の場合は、テキスト選びから自分で行う必要があり、「自分の選んだ教材がベスト」という保証はありません。むしろ回り道をしたり、試行錯誤で学習したりするぶん、時間がかかりやすい傾向があります。特に法律をはじめて学ぶ独学者の場合は、800~1,000時間以上かかったというケースも珍しくありません。働きながら挑戦する人ほど、こうした“ブレ幅”を見込んで余裕のある計画にしておくと、途中で挫折しにくくなります。

一方、予備校や通信講座では、講師の分かりやすい講義や解説(通信なら講義動画)を受けられ、実績のあるカリキュラムに沿って効率的に学べるため、最短コースを進みやすくなります。なお行政書士試験に受験資格はなく、年齢・学歴を問わず誰でも挑戦できる国家資格です。なお独学のデメリットとしては、次のような点が挙げられます。

  • スケジュール管理をすべて自分でこなさなければならない
  • やり方が間違っていても気づきにくく、合格が遠のくことがある
  • 長期化するほど教材費などの費用負担が大きくなりやすい
  • 勉強の質と効率を、自力で上げ続ける必要がある

こうした点を踏まえると、特に法律をはじめて学ぶ方は、通信講座などのサポートを活用したほうが、結果的に勉強時間を圧縮しやすいと言えるでしょう。

法律の予備知識の有無でも変わる(タイプ別の目安)

勉強時間は、法律に関する予備知識の有無によっても変わります。タイプ別の目安を整理すると、おおよそ次のようなイメージです。

  • 完全な初学者・法律未経験:厚めに見積もり、800時間前後を視野に入れる
  • 法学部出身・法律を学んだ経験がある:500~700時間が一つの目安
  • 宅建合格者・公務員試験経験者:民法や行政法の下地を活かせる可能性がある

ただし、これらはあくまで目安です。「法学部だから必ず短い」「初学者だから必ず長い」と決まっているわけではなく、確保できる学習時間や勉強の質によって、実際の必要時間は前後します。自分の現状を踏まえて、無理のない目安に調整して考えるのがおすすめです。

なお、具体的な月別のスケジュールに落とし込みたい方は、行政書士の学習スケジュールの立て方もあわせて参考にしてみてください。

目次

行政書士の科目別の勉強時間の配分|配点の大きい行政法・民法に厚く

ここからが、この記事の核心です。

行政書士の試験範囲は幅広いため、合格するには効率良く時間を配分することがポイントになります。そして配分を考えるうえで、もっとも重要なのが各科目の配点です。

まず試験の全体像(300点満点・配点)を押さえる

行政書士試験は300点満点で、大きく「法令等科目(244点・46問)」と「基礎知識科目(56点・14問)」に分かれています。

出題形式と配点を整理すると、次のとおりです。

  • 5肢択一式:1問4点
  • 多肢選択式:1問8点
  • 記述式:1問20点(全3問=合計60点。行政法1問・民法2問)

記述式が60点と大きな比重を占めている点は、見落とせないポイントです。

そして、法令等科目の科目別の配点は、以下のようになっています。

<法令等科目(244点)>

  • 基礎法学:8点
  • 憲法:28点
  • 民法:76点
  • 行政法:112点
  • 商法・会社法:20点

<基礎知識科目(56点)>

  • 政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解、行政書士業務と関連する諸法令 など(全14問・56点)

なお、この「基礎知識科目」は、2024年度の制度改正で旧「一般知識等科目」から名称が変更されたものです。出題数14問・56点という枠は変わっていませんが、行政書士業務に関連する諸法令などが出題範囲に加わりました。古い情報では「一般知識等」と表記されていることがあるので、最新の名称で押さえておきましょう。

合格基準は「3つの要件をすべて満たす」こと

配点を頭に入れたうえで、合格基準を正確に確認しておきましょう。行政書士試験は、次の3つの基準をすべて満たしてはじめて合格となります。

  • 法令等科目で122点以上(満点244点の50%)
  • 基礎知識科目で24点以上(満点56点)
  • 総得点で180点以上(満点300点の60%)

重要なのは、1つでも基準に届かなければ足切りで不合格になるという点です。総得点が180点を超えていても、基礎知識が24点に届かなければ合格できません。逆に言えば、「基礎知識は足切り(24点)を確実にクリアしつつ、得点源の法令等で稼ぐ」というのが基本戦略になります。

勉強時間の大半は「行政法」と「民法」に費やす

ここで、もう一度科目別の配点を見てください。気づくことがあるはずです。それは——

  • 「行政法(112点)」と「民法(76点)」の配点が圧倒的に大きく、この2科目だけで188点=合格基準の180点を超える

という事実です。

つまり、この2科目を得点源にできるかどうかが、合否を大きく左右します。だからこそ、科目別の勉強時間も「行政法」「民法」に大きく割くべきです。

ただし、これは「この2科目だけ勉強すれば合格できる」という意味ではありません。前述のとおり基礎知識科目で24点の足切りがあるため、行政法・民法に重点を置きつつも、他の科目も合格ラインを割らない程度には押さえる必要があります。あくまで“時間の重みづけ”として、配点の大きい2科目に厚く配分する、と理解してください。

時間配分の目安としては、たとえば全体の勉強時間を600時間とする場合、次のようなイメージになります(あくまで目安です)。

  • 行政法・民法:350~400時間程度(全体の約6割)
  • 憲法:80時間程度
  • 基礎法学・商法/会社法・基礎知識:あわせて70時間程度
  • 総まとめ・模試・記述対策:50~100時間程度

なかでも最重要科目である民法は、知識だけでは解けない事例問題が出題される傾向があり、過去問対策だけでなく「知識を使いこなせるレベル」まで理解を深める必要があります。民法の具体的な進め方については、行政書士・民法の勉強法で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

一方で、基礎知識科目は足切り(24点)の回避を最優先に、早めに過去問で出題傾向をつかみ、文章理解や情報通信などで取りこぼさないようにするのがポイントです。深追いしすぎず、合格ラインを確保する意識で取り組みましょう。

最短の勉強時間で合格できる?|250時間合格は「条件付きの例外」

「もっと短い時間で合格できないの?」と気になる方もいるでしょう。

実は、最短250時間ほどで合格したという体験談も見かけます。たとえば、直前期に集中して勉強を始め、その年の試験に合格した、というケースです(あくまで個人の一例で、再現性を保証するものではありません)。

ただし、こうした短期合格例には、たいてい大きな前提があります。

  • もともと宅建などの法律系資格を持っており、民法の下地があった
  • 試験までの期間、1日に何時間も確保できる環境にあった
  • 通信講座を倍速で回し、あとはひたすら過去問を解くなど効率を徹底した

つまり、250時間合格は「誰でも再現できる時間」ではなく、民法の下地があり、かつ短期間に大量の時間を投下できた人の例外的なケースです。

予備知識ゼロの初学者が、いきなり「250時間で受かるはず」と計画を立てると、間に合わずに苦しくなりがちです。最短記録はうのみにせず、あなたの場合は500~800時間を基準に、確保できる時間から現実的に見積もり直すことをおすすめします。

社会人受験生が、実際にどのように時間をやりくりして合格したのかは、40代で行政書士に合格した体験記がリアルな参考になります。

勉強の開始時期と1日あたりの勉強時間の作り方

必要な総時間がイメージできたら、次は「いつ始めて、1日どれくらい確保するか」です。

行政書士試験は毎年11月の第2日曜日に、年1回だけ実施されます。チャンスを逃すと、また1年待たなければなりません。だからこそ、開始時期は意外と大事です。

確保できる時間から逆算して開始時期を決める

たとえば必要な勉強時間を500時間とすると、1日あたりの時間によって、必要な期間はこれだけ変わります(目安)。

  • 1日1時間のペース:約16か月かかる ⇒ 前年の夏前には開始
  • 1日2時間のペース:約8か月かかる ⇒ 2~3月頃に開始
  • 1日3時間のペース:約5~6か月かかる ⇒ 5月頃に開始

このように、「確保できる1日の時間」から逆算して開始時期を決めるのが、無理のない計画の立て方です。

社会人がスキマ時間を積み上げる方法

働きながら勉強時間を確保するには、まとまった時間を待つのではなく、スキマ時間を積み上げる発想が欠かせません。

  • まず1週間の生活時間を棚卸しし、勉強に回せる時間を洗い出す
  • 通勤・昼休み・待ち時間などのスキマ時間に、過去問や講義動画を進める
  • 寝る直前は暗記や復習に向いている時間として活用する
  • 家族や職場に受験予定を共有し、勉強しやすい環境を整える

また、勉強スケジュールを詰め込みすぎると、仕事の繁忙期や体調不良で一度崩れたときに、軌道修正が難しくなります。あらかじめ予備日を見込み、余裕を持った計画にしておくのがおすすめです。

開始時期や月別の配分をもう少し具体的に決めたい方は、行政書士の学習スケジュールも参考に、自分の受験年度に合わせて落とし込んでみてください。

行政書士試験の合格率と勉強時間の関係|長期戦をどう乗り切るか

500~800時間という長期戦に挑むうえで、合格率も気になるところですよね。

行政書士試験の合格率は、近年はおおむね10%前後で推移しています。ただし、合格率は年度によって変動するため、最新の数値は行政書士試験研究センターの公式発表で確認することをおすすめします。

参考までに、過去の合格率の推移をまとめておきます。下表は過去の年度のデータであり、最新の合格率ではありません。直近の数値や傾向は、必ず行政書士試験研究センターの公式発表でご確認ください(あくまで過去の推移を見るための参考表です)。

試験年度 受験者数 合格者数 合格率
平成27年度 44,366名 5,820名 13.1%
平成28年度 41,053名 4,084名 9.95%
平成29年度 40,449名 6,360名 15.7%
平成30年度 39,105名 4,968名 12.7%

合格率の数字だけを見て「最近は受かりやすくなった」と考えるのは早計です。試験問題の難化が指摘される年度もあり、合格率が上がっても試験が易しくなったとは限りません。

大切なのは、合格率という“他人の平均”に一喜一憂することではなく、「総得点180点・足切り回避」という合格ラインから逆算して、自分の勉強時間の質を上げることです。なお合格率は年度によって推移が異なり、受験資格が不要なぶん多様な層が挑戦するため、数字の解釈には注意が必要です。

勉強時間を「量」だけで見ない(長く勉強しても伸びない原因)

長く勉強しているのに伸びない、という人には共通の落とし穴があります。

  • 講義を聞くだけ・テキストを読むだけで満足してしまう(インプット過多)
  • 復習の間隔が空きすぎて、せっかくの知識が定着しない
  • 満点を狙って、配点の低い分野に時間を使いすぎる
  • 過去問・模試・記述対策の開始が遅く、本番形式に慣れていない

こうした「勉強時間のワナ」を避けるには、早めにアウトプット(過去問・記述)へ移り、月ごとの到達目標を置いて進捗を確認するのが効果的です。自分のレベルや理解度を模試で客観的に把握し、弱点に合わせて学習計画を柔軟に調整・対応していくことが、知識の定着につながります。長期戦だからこそ、計画・スキマ時間・講座のサポートを上手に使い、モチベーションを維持して走り切りましょう。

よくある質問|行政書士の勉強時間に関するQ&A

最後に、行政書士の勉強時間に関するよくある質問をまとめます(回答はいずれも目安です)。

行政書士は何時間勉強すれば受かりますか?

一般的な目安は500~800時間です。予備知識の有無や独学か通信講座かによって変動するため、自分の条件に合わせて見積もりましょう。

独学だと何時間くらい必要ですか?

独学の場合は600~800時間が目安です。完全な初学者の場合は、さらに時間がかかることもあります。テキスト選びやスケジュール管理を自分で行うぶん、効率の差が出やすい点に注意しましょう。

行政書士は何ヶ月で取れますか?

1日3時間のペースなら約5~9か月が一つの目安です(500時間で約5.5か月、800時間で約9か月)。確保できる1日の勉強時間から逆算して、受験年度と開始時期を決めるのがおすすめです。なお、有名人の「1日◯時間」という勉強時間は環境が特殊なことも多いので、参考程度にとどめ、自分の可処分時間を基準に計画しましょう。

一番時間をかけるべき科目はどれですか?

配点の大きい行政法(112点)と民法(76点)です。この2科目で合計188点と、合格基準の180点を上回る配点があるため、勉強時間も優先的に割り当てましょう。

まとめ|500~800時間を「配点で配分」すれば行政書士合格は見えてくる

最後に、この記事のポイントを整理します。

  • 勉強時間の目安は500~800時間。独学なら600~800時間、通信講座なら500時間前後が一般的な目安(予備知識で変動)
  • 科目配分は行政法・民法に厚く。300点満点・180点・足切り(法令等122点/基礎知識24点)から逆算する
  • 開始時期は確保できる1日の時間から逆算。余裕を持った計画でスキマ時間を積み上げる
  • 合格率(近年10%前後)は年度変動するため、最新は公式で確認し、量より合格ラインから逆算した質を重視する

行政書士の勉強時間は、ただ「長くやればいい」というものではありません。配点の大きい科目から逆算して、限られた時間を賢く配分すること——それが、遠回りせずに合格へ近づくいちばんのコツです。

次の一歩として、自分の受験年度に合わせた具体的な計画に落とし込んでいきましょう。

独学に不安がある方は、効率よく学べる通信講座を比較検討するのも一つの手です。スキマ時間にスマホで学習できる講座を、行政書士の通信講座おすすめ比較でチェックしてみてください。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。中小企業を中心に270社超を支援し、研修・セミナーへの登壇は250回を超える。現在は、生成AI・ITを経営や業務に生かす実践的な方法と、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験などの学習法・過去問解説を発信している。著書に『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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