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ITパスポートはITを活用する全ての職業人が共通して持つべき知識を学びます。
ほとんどの社会人は企業と関係し、そうでなくても何らかの形で企業とかかわりを持つことがあるでしょう。
そのため企業活動はしっかり本質から押さえるべきものです。
今回の講座では企業活動について詳しく説明しながらも一方でよく出る論点というものは決まっています。
そうした論点を明らかにしながらメリハリをつけて説明していきますので最後までチェックしてみてください。
目次
株式会社
株式会社とは、株主からの出資を元にして事業を行う会社のことです。
日本中には株式会社以外に合名会社、合資会社、合同会社、計4つの会社の組織があります。
しかしほとんどが株式会社でかつ重要なのは株式会社になります。
ですのでITパスポートでは株式会社を中心に学習していきます。
さて、株主からの出資とありますがこの出資とは株主に金銭を払い込んでもらう代わりに株主に株券を渡すその株主から払い込んでもらった金銭が資本金です。
資本金のことを自己資本と言ったりします。一方で株式会社が金融機関から借りてきた金利が支払われた金銭は負債と言いますがこの負債は他人資本と言ったりもします。
金融機関から借りてきた金銭、融資が他人資本で株主から振り込まれた金銭資本金が自己資本これはなぜでしょうか?
これは株主から出資された資本金は基本的に返す必要がないからです。
返す必要がないということは株主が資本金を払ってそれを預かって株式会社は運営していきますが
不況にも会社がうまくいかずに潰れてしまったその際には株式は紙切れとなって株主は損をするそういった仕組みなんですね。
このように資本金は返す必要がないので自己資本と言うわけです。
では株主は損をするだけなのでしょうか?そんなことはありません。株主は会社にお金を払うわけですから会社は株主の所有物だという風に考えられます。
株主総会
そこで搭乗するのが株主総会。こちら株主も出席する会議ですがこれが株式会社の最高意思決定機関になります。
株式会社の会議と言うと経営会議とか取締役会議などが一番重要な会議と思われがちですが実は経営会議や取締役会よりもこの株主総会の方が一番重要です。
株主総会では重要な決定事項を決めて社長始め役員取締役の選任任免を決定したりするわけです。
株式会社のしくみ
それでは株式会社の仕組みをもう少し詳しく見ていきましょう。ポイントは2つあります。1つ目は株式会社は株主の持ち物
先ほど見た通り株主が出席する株主総会が一番大事です。
- 会社の中身はヒト・モノ・カネ・情報(=経営資源)
- 株主への報告が重要(=説明責任/情報公開)
- 株主から株を買い取れば企業買収(=M&A)
経営者には株主への説明責任アカウンタビリティそして情報公開ディスクロージャーが求められています。
株主から株を買い取れば企業買収いわゆるM&Aになります。
そしてポイントの2つ目、株式会社には様々な義務があります。会社には法令を守る義務があります。会社には社会的責任があります。
この法令遵守のことをコンプライアンスと言います。会社には社会的責任があるこれをコーポレートソーシャルレスポンシビリティ略してCSRと言います。
会社の事を法人と言ったりしますが実は会社は法律上では人格を与えられた存在です。
我々人間の事を法律では自然人と言ったりしますが会社は法律で人格権利義務を与えられた法人なんですね。
そのため法令を守る義務そして社会的責任も果たすわけです。
ちなみに会社は株主の所有物でありながら一方で人格も持つこれは一般の人間ではありえないことです。
なぜなら人間は他人の持ち物にはなりません。他人の持ち物になるということは奴隷になるということです。
ですから自然人では当然人権があるので他人の所有物にはならない、と言うことは当たり前なのですが会社の場合は法人で人格がある。
なのに一方で株主の所有物でもあるヒトでもありモノでもあるんですね。これが会社の少し面白いところですがこうした部分は試験出ませんのであ、そういうことなんだな不思議な存在だなと言うのを頭の片隅においてもらえれば良いです。
ステークホルダー
続きましてステークホルダーの説明をします。企業の利害関係者のこと。株主、従業員、顧客、取引先、債権者、地域住民などです。
会社は株主の持ち物という話をしましたがだからと言って株主は会社を好きにして良い一方で会社は株主の言うことだけを聞けば良いというものではありません。
会社は法人人格を持った存在ですから利害関係者様々な関係者株主以外も従業員顧客取引先債権者地域住民地域社会などときちんと調和していく必要がある求められています。
社会的責任なわけです。このステークホルダーという言葉も非常に重要ですのでチェックしておいてください。
ディスクロージャー
続きましてディスクロージャー。これは先ほども出てきました情報公開です。企業が財務状況をはじめ様々な情報を公開すること
有価証券報告書上場企業に課された義務となる書類で毎年、証券取引所に財務諸表などの経営関係書類を提出します。
この財務諸表ですが今回は詳しく説明しませんが今後の財務会計の講義で損益計算書貸借対照表そしてキャッシュフロー計算書この3つを学習します。
ITパスポートで学習する損益計算書貸借対照表キャッシュフロー計算書この3つは非常に重要な書類なのでまた財務会計でしっかり学習しましょう。
CSR
CSR、これはコーポレートソーシャルレスポンシビリティの略です。企業の社会的責任と訳します。
企業も社会的存在として法令遵守はもちろん社会や文化福祉環境などに貢献しなければならないという考え方です。
このCSRも非常に良く出ます。企業も社会的責任として法令遵守コンプライアンスはもちろん社会や文化福祉環境などに貢献しなければならないという考え方です。
このCSRには3つのレベルがあります。まず最低限の法令遵守=コンプライアンス。このコンプライアンスという言葉も良く出ますので必ずチェックしてください。法令を守れない会社に経営活動を行う権利はありません。
続いて一般的なCSR。これは寄付だったり納税だったり地域社会の貢献企業であればまあ当たり前にやるべきだねと言うですねことですね。
そしてより上位のCSR。これはできれば良いことの方が望ましい逆に言えば余裕がないとなかなかできません。社会活動これは貧しい国へ援助したりあるいは文化活動音楽などのコンサートを開いたりこの辺は余裕のある企業が社会により貢献する、そういった目的で実施します。
コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンス。企業統治と言われる株主等が取締役会を監督・監査するなどして、企業活動の健全性を守るしくみのこと。独立性の高い社外取締役を活用することも、コーポレートガバナンスの実現に有効です。
簡単に言えば社長や役員を監督監視するなどして企業活動の健全性を守る仕組みです。一般的に上場企業などの場合は一部のオーナー社長を除き株主と経営者は分離しています。
経営者は雇われている人が多いわけですね。しかし株主は毎日会社にいるわけではありません。一方で毎日会社にいる経営者や役員はあくまで雇われているだけなので会社のものは自分の物ではありません。
そこで株主がちゃんと見てないと会社の資産や財産などを用いて経営者や役員が私腹を肥やしたり何か悪いことをねするのではないか?そういったねチェックしておく必要があるんですね。
コンプライアンス
そしてコンプライアンス。独立性の高い社外取締役を活用することもコーポレートガバナンスの実現に有効ですがこれは会社の取締役会取締役会のなかに社長等役員の仲が良い人たちばかりだと決託して株主が知らないところで悪いことをする可能性があります。
そこで独立性の高い、言うなれば社長や役員とは縁が遠い、できれば株主が信頼している社外取締役を何人も送ることによって会社の運営が健全に保たれる、そういった効果があるわけです。
コーポレートガバナンスを機能させるためには独立性の高い社外取締役を活用することが有効。→このことはしっかりと押さえてください。
そしてコンプライアンス先ほども出てきましたが、法令遵守。このコンプライアンスも非常にね良く問われます。
法律だけではく社内規則や社会通念慣習業界ガイドラインなどを遵守して企業活動を行うことが求められています。
社会的責任投資SRI
続きまして社会的責任投資SRIです。ソーシャルレスポンシブルインベストメントの略。CSRを実施している企業などに投資することで、間接的に社会貢献に寄与すると同時に、長期的には投資のリターンも大きくなると考えられます。
ESG投資
ESG投資。Environment環境、Social社会、Governanceガバナンスの頭文字をとったものです。
財務情報だけではなく、環境や社会に配慮し適切に企業統治をしている会社に投資することです。
グリーンIT
グリーンITとは、情報通信機器の省エネルギー活用や資源の有効利用、そういった機器の活用により社会全体の省エネルギーを推進したり環境保護を進めていく考え方のことです。
このグリーンITは農業だったり自然だったりそういうのと少し違います。社会全体の省エネルギーを推進というところが1番のポイントですので引っ掛け問題に引っかからないようにしてください。
ダイバーシティ
続きましてダイバーシティ。外国人や企業を退職した高齢者など、さまざまな背景を持つ多様な人材を採用し、活躍してもらうことで組織の活性化につなげる考え方。
SDGs
続きましてSDGs。Sustainable Development Goalsの略で持続可能な開発目標と言われる国際的な目標。
環境保護・不平等や貧困撲滅など17の目標解決を目指す国際的な目標ということで様々な国際会議でこのSDGsは話題になっていますので皆さんもきっと聞いたことがあるでしょう。
PDCA
続きまして企業の経営管理PDCA。プラン計画、Do実行、Check評価、Act見直し・改善のサイクルを繰り返し、継続的な改善を行う手法
このPDCAは企業活動や皆さん一人一人の個人的な活動まで全てにおいて有効な管理方法です。ITパスポートの試験では今回のストラテジー分野以外にもテクノロジー分野などでも出てきます。
基本的な考え方なのでしっかり押さえおきましょう。そしてもう1つOODA。Observe観察、Orient方向付け、Decide意思決定、Act行動の頭文字をとったもの、読み方は「ウーダ」。PDCAサイクルに似ているが、より変化の激しい状況に対応するため、現状分析に重点をおいた手法です。
PDCAはプラン計画に重きをおいているのに対し、OODAはより変化の激しい状況に対応する為しっかり観察するといった現状分析に重点をおいてる点がポイントです。
BCP
続きましてBCP。これはビジネスコンティニュイティプラン事業継続計画と言われます。災害や事故などが発生しても、事業が止まらないように、あらかじめ計画を立てておくこと
例えば東京本社だけではく東京本社と大阪本社分けてそれぞれ重要なデータはどちらにも保管する。そうすると東京で地震が起きて東京本社が止まっても事業は大阪本社で続けられます。
こういった計画もBCPの1つになります。そしてBCMビジネスコンティニュイティマネジメント事業継続管理こちらはBCPをマネジメント管理していくことになります。
適切にマネジメント管理していくことになります。
はい、続きまして企業や我々の日々の行動を取り巻く社会全体のIT化について説明します。
Society5.0
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的問題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のこと。政府(内閣府)が「第5期科学技術基本計画」で定義したもの。
政府内閣府が第5期科学技術基本計画で定義した物になります。
データ駆動社会
現実空間のさまざまなデータをITなどを活用して可視化し、社会の問題点を発見したり将来予測につなげたりして、より良い社会になろうとする社会の考え方。
そういったデータ分析の結果をエビデンスとして社会の問題を発見したり将来の予測につなげてより良い社会を作っていこう
といった社会の考え方になります。
国家戦略特区
法規制改革や国・自治体がデータ活用などを推進することで、よりよい未来都市を先行的実現するための法律。スーパーシティ法とも呼ばれる
はい、これは例えば空飛ぶ車人間が乗れるドローンこういったものがタクシーとして開発されました。しかしそれが一時に日本中で飛び出すとどんな事故が起きるか分かりません。
ちゃんと法整備をしたり安全に飛べるようにする必要があるのですがそれを全国でするはなかなか難しいです。そこで先駆的に実証実験を行う地域や自治体を決めてまずはそこだけで空飛ぶタクシーを運行してみよう、そしてうまくいったらそれをきちんとした法律にして全国に広げよう、・・・こういったことが国家戦略特区の中身になります。
まとめ
今回は企業活動と経営管理ということで説明してきました。特に株式会社の仕組みが重要で株式会社は株主の持ち物である一方で法人として人格を与えられ様々な義務があるその義務の中でも法令を守るコンプライアンス。そして社会的責任コーポレートソーシャルレスポンシビリティ。
このような部分に関する用語は非常に良く出ます。
後は株主が会社をコントロールするコーポレートガバナンス、こちらは社外取締役の登用などが非常に有効でしたね。
こういった点もよく出ますので、今回私が重要と申し上げた点を中心によく復習しておいてください。