令和6年 ITパスポート「業務分析」講義まとめ
YouTube 無料講座「#04 業務分析」を、ほぼ原文のままブログ用に整形しました。図表を想像しながら読み進めてください。
YouTube動画でご視聴されたい場合は以下をご覧ください。
目次
はじめに
今回は、さまざまな場面で使われる業務分析の図や表を中心に解説します。ITパスポート試験では説明文だけで図を選ばせる出題もあるため、図そのものを思い浮かべられるようにしておきましょう。
パレート図
件数の多い順に並べた棒グラフと、総件数に対する累積比率を示す折れ線グラフを重ねた図。
例として、たこ焼き・たい焼き・チーズたこ焼きの売上個数を棒グラフにし、上位からの累積比率を折れ線で示します。棒と線を重ねたものがパレート図です。
ABC分析
パレート図を発展させ、累積比率で重要度をランク付けします。
上位 70% を A 群
71〜90% を B 群
残り 10% を C 群
累積比率を基準に A・B・C を振り分ける手法が ABC分析です。
特性要因図(フィッシュボーンチャート)
特性(結果) を実現するための 要因(施策) を魚の骨の形で整理します。
「売上アップ」を特性とし、
来店客数アップ:駅前チラシ配布、クーポン配布
売上金額アップ:セット商品、ドリンク充実
といった要因を骨に沿って配置します。
管理図
中央線と上下の限界線を引き、特性値を折れ線でプロットして工程の異常を検出します。
冷凍たこ焼き 200 g パックを例に、±2 g の範囲に収まっているかを確認。全体が上側に寄れば充填量ズレを疑えます。
系統図(ロジックツリー)
目的を達成するまで「どうするか」を繰り返し分解する手法。
「売上アップ」→
お客様を増やす → チラシ配布・キャンペーン
客単価を上げる → プレミアム商品・景品プレゼント
――というように枝を伸ばして道筋を明確にします.
散布図
2 つの要素をマッピングし相関関係を探る図。
日々の気温(横軸)とソフトクリームの売れた数(縦軸)を打点で示すと、気温が上がるほど売上も増える傾向が確認できます。
回帰分析
説明変数(原因)と 目的変数(結果)の関係を統計的に分析。
気温を説明変数、ソフトクリーム売上を目的変数とし、「今日は 25 °C だから多く売れそう」といった予測やシミュレーションに利用します。
相関係数
相関の強さを +1 〜 −1 で表す数値。
先の散布図は正の相関で +1 に近い値。逆に気温とホットコーヒー売上なら負の相関で −1 に近づくかもしれません。
擬似相関
因果関係のない 2 事象が、関係あるように見える現象。
「プールで溺れる人が多い日はソフトクリームも売れる」は、両方とも気温が隠れた要因。データの因果関係を鵜呑みにしない注意が必要です。
マトリックス図
縦軸と横軸に項目を並べ、交点に関係性や結果を書く表形式の図。商品の種類 × 詳細項目で作れば商品の一覧表になります。
箱ひげ図
データのばらつきを「箱」と「ひげ」で示します。
箱内に全体データの 50% が収まり、上下のひげ先が最高値と最低値。株価チャートでおなじみです。
ヒートマップ
2 次元の各座標値を色の濃淡で表現。
Web マーケティングではクリックの多い箇所ほど濃く表示され、ユーザー行動を視覚的に把握できます。
レーダーチャート
中心から放射状に伸びる軸で複数項目を同時に可視化。全体バランスや項目間比較に便利です。
ヒストグラム
測定値の範囲を区間に分け、各区間の度数を棒で示す図。
例:イベント入場者を年代別に区切り、人数を棒グラフ化。
コンセプトマップ(概念マップ)
概念同士を線で結び、関係性を示す図。
「東京都」→「特別区」→「杉並区」「中央区」など、概念を階層的に整理できます。
モザイク図
棒グラフの幅と高さで 2 つの観点を同時表現。
例:幅で商品の販売構成、高さで購入者の男女比を示すと、商品ごとの男女比が一目で分かります。
まとめ
業務分析では特に散布図とパレート図が頻出ですが、他の図表も試験に出ます。各図の目的と読み取り方をしっかりイメージできるよう復習しましょう。
お疲れさまでした!