【生成AIパスポート合格講座 第2回】生成AIのしくみ

生成AIパスポート合格講座「生成AIのしくみ(第2回)」の内容を記事にまとめました。動画で見たい方は下の動画を、要点だけ読みたい方は本文をご覧ください。また、記事末に確認問題(解答・解説つき)があります。

本講座は「生成AIパスポート試験」(一般社団法人 生成AI活用普及協会:GUGA)の合格を目指す全6回シリーズです。本文・図解・確認問題は当講座オリジナルです。

目次

この章で、あなたが「判断できるようになる」こと

ここからが、本書の主役である「生成AI」です。第1章で「AIとは何か」という根っこを固めました。第2章では、その根っこから伸びた生成AIという枝を、じっくり見ていきます。

第2章は、正直に言うと、本書でいちばん用語が多い章です。「GAN」「Transformer」「BERT」「GPT-4o」――アルファベットの略語が次々に出てきて、ここで心が折れそうになる人は本当に多いです。

でも、安心してください。この章には、はっきりしたストーリーの流れがあります。

「コンピュータに、どうやって“新しいものを生み出させる”か」を、人類が少しずつ工夫してきた歴史。

ただし、最初に一つだけ注意があります。ここで扱う技術は、すべてが一本道で「古い技術が新しい技術に順番に置き換わった」という関係ではありません。画像生成、文章生成、系列処理、言語理解などの分野で、複数の技術が並行して発展してきました。

だから、この章では細かい年表を丸暗記するより、次の問いを持って読みましょう。

「この技術は、何を得意にするために生まれたのか」

この視点があると、バラバラの用語が一枚の地図に見えてきます。

この章を読み終えると、あなたは次のことができるようになります。

  • 「生成AI」と、これまでのAIの違いを説明できる
  • ボルツマンマシン、VAE、GAN、RNNLSTM、Transformerの位置づけを区別できる
  • GPTとBERTの違いを、文章生成・文章理解の観点から整理できる
  • ChatGPTがなぜ急に使いやすくなったのか、その仕組みを語れる
  • GPTシリーズの進化(GPT-1からGPT-5まで)を、試験対策の観点で理解できる
  • ChatGPT・GeminiClaudeCopilotの開発企業を混同せずに整理できる

それでは、生成AIが生まれるまでの「モデルの系譜」から始めましょう。

2-1 生成AIの誕生まで――モデルの系譜をたどる

そもそも「生成AI」とは何か

まず、言葉の意味をはっきりさせます。

生成AI(ジェネレーティブAI、Generative AI)とは、文章・画像・音声・動画などの新しいコンテンツを「生み出す」AIのことです。

ここが、これまでのAIとの決定的な違いです。第1章で学んだAIの多くは、「これは犬か猫か」を見分ける(分類する)のが仕事でした。これに対して生成AIは、「犬の絵を描いて」と言えば、新しい犬の絵を創り出します

  • これまでのAI:与えられたものを判断・分類する(識別系)
  • 生成AI:新しいものを創り出す(生成系)

もちろん、実際の生成AIも内部では分類や予測の仕組みを使っています。ただ、利用者から見た役割としては、「判断するAI」から「創り出すAI」へ大きく広がった、と押さえれば十分です。

生成モデルの発展は「一本道」ではない

ここから、生成AIを支えるモデルを見ていきます。ただし、先ほど触れたとおり、次に出てくる技術はすべてが一直線に進化したわけではありません。

ざっくり地図にすると、次のように分けられます。

系統 代表的な技術 主な役割
初期の生成モデル ボルツマンマシン、制約付きボルツマンマシン データの背後にある確率的なパターンを学ぶ
画像・特徴抽出 CNN、VAE、GAN 画像の特徴を捉える、画像などを生成する
系列処理 RNN、LSTM 文章や音声など、順番のあるデータを扱う
現代の言語モデル Transformer、GPT、BERT 長い文脈を扱い、文章生成・文章理解を高精度に行う

試験では、この地図を持っておくと強いです。「VAEとGANは画像生成寄り」「RNNとLSTMは系列処理」「Transformer以降が現在の生成AIの主役」と整理していきましょう。

生成モデルの誕生――ボルツマンマシン

生成AIの古いルーツの一つが、ボルツマンマシンです。

これは、データの背後にある「ありそうなパターン」を確率的に学び、それをもとに新しいデータを生み出そうとした、初期の生成モデルです。名前は物理学者ボルツマンに由来します。仕組みが複雑で、そのままでは計算に時間がかかりすぎるという弱点がありました。

そこで、構造をシンプルに「制約」して使いやすくしたのが制約付きボルツマンマシンです。英語では Restricted Boltzmann Machine といい、略して RBM と呼ばれることもあります。

制約付きボルツマンマシンでは、ニューロンを「見える層」と「隠れ層」の2つに分け、同じ層の中ではつながりを持たせない、という制約をかけます。これにより計算が現実的になり、後のディープラーニング発展につながる一歩となりました。

攻略MEMO ボルツマンマシンと制約付きボルツマンマシンは、「生成モデルの祖先」として名前を押さえれば十分。細かい数式は試験では問われにくい。「初期の生成モデル」「制約付きは計算しやすくした改良版」という関係だけ理解する。

自己回帰モデルとディープラーニング

生成の代表的な考え方の一つが、自己回帰モデルです。

自己回帰モデルとは、「直前までの並び」から「次に来るもの」を予測するやり方です。たとえば「今日は良い___」と来れば、「天気」と予測する。これを次々に繰り返すことで、文章をどんどん生成していきます。

後で出てくるChatGPT(GPT)も、この自己回帰の考え方を土台にしています。もう少し正確に言うと、GPT系モデルの文章生成は、基本的にはここまでの文脈から、次に来る可能性が高いトークンを予測する仕組みを土台にしています。

ここでいうトークンとは、文章をコンピュータが扱いやすい単位に分けたものです。日本語では、単語そのものだけでなく、単語の一部や記号がトークンになることもあります。試験対策では、細かい分割方法まで覚える必要はありません。「文章を小さな単位に分け、次に来るものを予測している」と理解しておけば十分です。

ただし、現在の生成AIは、単純な次トークン予測だけで説明しきれるものではありません。推論、外部ツールの利用、検索、画像理解、音声処理なども組み合わせて使われるようになっています。ここでは、文章生成の基本原理として自己回帰モデルを押さえる、という位置づけで理解しましょう。

CNN(畳み込みニューラルネットワーク)――画像を捉える技術

ここで、画像を扱うための重要な技術を押さえます。CNN(畳み込みニューラルネットワークです。

CNNは、画像認識で大きな力を発揮するニューラルネットワークです。鍵になるのが畳み込みという処理です。

畳み込みとは、小さなフィルター(虫めがねのようなもの)を画像の上で少しずつずらしながら当てていき、「ここに縦線がある」「ここに丸がある」といった特徴を順番に拾い上げていく作業です。この畳み込みのおかげで、CNNは画像の中の特徴を効率よく捉えられます。画像認識だけでなく、後の画像生成AIを理解する土台にもなる技術です。

ここが分かれ目 CNNは「画像を作る技術」そのものというより、まずは画像の特徴をうまく捉える技術として押さえる。キーワードは「畳み込み」「フィルター」「画像の特徴抽出」。

VAE(変分自己符号化器)――圧縮して、また生み出す

次に登場するのが、画像などを生成するためのモデル、VAE(変分自己符号化器)です。

VAEは、3つの部品で理解できます。

  • エンコーダ:入力データ(たとえば顔写真)を、ぎゅっと圧縮して、本質的な情報だけを取り出す部分。
  • 潜在ベクトル:圧縮された結果。データの「特徴のエッセンス」を数字の並びで表したもの。
  • デコーダ:その潜在ベクトルから、元のようなデータを復元・生成する部分。

ポイントは、潜在ベクトルに少しノイズ(ゆらぎ)を加えることです。すると、元のデータとは少しずつ違う、新しいバリエーションを生み出せます。

「圧縮して、少し揺らして、復元する」――この仕組みで、VAEは新しい画像などを生成します。

ここが分かれ目 VAEは「エンコーダ(圧縮)→潜在ベクトル→デコーダ(復元・生成)」の流れで覚える。料理でいえば、料理を「材料リストに分解(エンコーダ)」し、そのリストを少しいじって「別の料理を作り直す(デコーダ)」イメージ。

GAN(敵対的生成ネットワーク)――2つのAIを競わせる

生成AIの歴史で、ひときわ有名なのがGAN(敵対的生成ネットワーク)です。「敵対的」という言葉がポイントです。

GANは、2つのAIを競わせる(敵対させる)ことで、本物そっくりのデータを生み出します。登場するのは次の2人です。

  • 生成器(ジェネレータ):本物そっくりの偽物を作ろうとする「贋作者」。
  • 識別器(ディスクリミネータ):それが本物か偽物かを見抜こうとする「鑑定士」。

贋作者は鑑定士をだまそうと腕を上げ、鑑定士は見破ろうと目を肥やす。このいたちごっこを繰り返すうちに、生成器は少しずつ上達し、最終的に本物と見分けがつかないほどリアルなデータを作れるようになります。実在しない人物の顔写真などは、この技術で作られてきました。

観点 VAE GAN
仕組み 圧縮して、潜在ベクトルから復元・生成する 生成器と識別器を競わせる
主な部品 エンコーダ、潜在ベクトル、デコーダ 生成器、識別器
覚え方 圧縮→少し揺らす→復元 贋作者 vs 鑑定士
試験での狙い目 エンコーダ/デコーダ/潜在ベクトル 生成器/識別器

攻略MEMO GANの核心は「生成器 vs 識別器」の対決構造。「贋作者と鑑定士が競い合って、生成器が上手くなる」とストーリーで覚えると、試験で生成器・識別器の役割を取り違えない。

RNN(回帰型ニューラルネットワーク)――順番のあるデータを扱う

ここからは、文章のように順番が意味を持つデータを扱う技術に移ります。その出発点がRNN(回帰型ニューラルネットワーク)です。

文章や音声、時系列データのように、並び順に意味があるデータシーケンスデータと呼びます。「私はパンを食べた」と「パンは私を食べた」では、単語は同じでも順番で意味がまるで違いますね。この順番を扱うのがRNNです。

RNNの特徴は、前の情報を覚えながら、次の処理に持ち越す点にあります。ネットワークの中の隠れ層(入力でも出力でもない、内部で計算する層)に、リカレント層(前の状態をループさせて受け取る仕組み)を持たせることで、「さっきまでの文脈」を覚えながら次の単語を処理できます。

LSTM(長・短期記憶)――RNNの弱点を克服する

ただし、RNNには弱点がありました。長い文章になると、最初のほうの情報を忘れやすいのです。

この弱点を克服するために使われた代表的な仕組みが、LSTM(長・短期記憶、Long Short-Term Memory)です。LSTMは、「何を覚えておき、何を忘れるか」を調整する仕組みを持ち、長い文脈でも重要な情報を保持しやすくしました。RNNの改良版だと考えてください。

攻略MEMO RNNとLSTMはセットで覚える。RNN=順番のあるデータを扱う。LSTM=RNNの「長い文脈を忘れやすい」弱点を補う。

Transformerモデル――生成AI革命の主役

そして、現在の生成AIを理解するうえで最重要なのが、Transformerモデルです。これは2017年に発表され、自然言語処理と生成AIの発展に大きな影響を与えました。

RNNやLSTMには、「文章を前から順番に処理するので時間がかかる」「長い文脈はやはり苦手」という限界が残っていました。Transformerは、これらの課題を大きく改善しました。

その核心が、Attention Mechanism(注意機構)、とりわけ自己注意力(Self-Attention)という仕組みです。

これは、文章の中のどの単語とどの単語が関係しているかに「注意(Attention)」を向ける仕組みです。たとえば「それを取って」という文の「それ」が、前の文のどの言葉を指すのか。Self-Attentionは、文中の単語同士の関係を一度にまとめて見渡します。順番に一つずつ処理する必要がないので、高速で、しかも長い文脈を扱いやすくなります。この仕組みを担う層をAttention層と呼びます。

ただし、一度に全部を見渡すと、今度は「単語の順番」が分かりにくくなります。そこで位置エンコーディングという工夫で、「この単語は何番目にある」という位置情報を付け加えます。これにより、順番の情報を保ったまま、高速処理を実現しました。

こうした全体の設計・構造のことをアーキテクチャと呼びます。Transformerという新しいアーキテクチャの登場が、生成AIの性能を一気に押し上げたのです。

攻略MEMO Transformerは第2章の最重要項目。試験での狙い目は3つ。 ①自己注意力(Self-Attention)=単語同士の関係に注目する仕組み ②位置エンコーディング=順番の情報を補う工夫 ③ 並列処理ができるので高速で長文に強い 「Transformer=Attention(注意機構)が主役」とセットで覚える。

Transformer登場以後の派生モデルの系譜

Transformerという強力な土台ができると、それを使った様々なモデルが枝分かれしていきました。試験では、大きく2つの系譜を押さえます。

なお、シラバス上の詳細キーワードには「Open AI」と表記されていますが、一般的な企業名表記としてはOpenAIが使われます。本書では、原則として「OpenAI」と書き、試験で「Open AI」と出ても同じ企業を指すものとして読めるようにしておきます。

① GPTモデル(OpenAI)

GPTモデルは、OpenAIが開発してきたモデルです。「GPT」は Generative Pre-trained Transformer の略で、まさにTransformerを土台にしています。文章を生成することに強く、後で詳しく見るChatGPTの中身がこれです。先ほどの自己回帰、つまり「次に来るトークンを予測する」方式を土台に文章を作ります。

② BERTモデル(Google)

BERTモデルは、Google が開発したモデルです。GPTが「前の文脈から次を生成する」ことに強いのに対し、BERTは文章の前後両方を見て、文の意味を深く理解することに長けています。文章生成よりも、検索や文章理解で力を発揮しました。

BERTの学習方法には、特徴的な2つの工夫があります。

  • MLM(Masked Language Model):文章の一部の単語を隠して(マスクして)、「隠れているのは何か」を当てさせる学習方法。穴埋め問題を大量に解かせるイメージです。
  • NSP(Next Sentence Prediction):2つの文を見せて、「この2文は本当に連続しているか」を判定させる学習方法。文と文のつながりを学びます。

そして、BERTをさらに改良したモデルもあります。

  • RoBERTa:BERTの学習方法を見直し、性能を高めた改良版。
  • ALBERT(a Lite BERT):BERTを軽量化したモデル。名前の「Lite(軽い)」のとおり、サイズを抑えつつ性能を保つ工夫がされています。
観点 GPT BERT
主な開発元 OpenAI Google
得意分野 文章生成 文章理解・検索・分類
基本的な見方 前の文脈から次を生成する 前後の文脈を見て意味を理解する
試験でのキーワード GPTモデル、自己回帰、ChatGPT BERTモデル、MLM、NSP、RoBERTa、ALBERT

ここまでの整理 2-1は用語の連続で大変でしたが、地図にすると見通しがよくなります。 ・初期の生成モデル:ボルツマンマシン、制約付きボルツマンマシン ・画像・生成系:CNN、VAE、GAN ・系列処理:RNN、LSTM ・現代の主役:Transformer ・Transformerの派生:GPT、BERT とくにTransformer、GPT、BERTの関係は第2章の山場です。

2-2 ChatGPT――GPTモデルの歴史と仕組み

ここからは、生成AIを一気に身近にした主役、ChatGPTを見ていきます。2-1のTransformer・GPTの知識が、ここで生きてきます。

ChatGPTとは

ChatGPTは、OpenAIが開発した、対話形式で使えるテキスト生成AIです。2022年末に公開されると、その自然な受け答えが世界に衝撃を与え、生成AIブームの引き金になりました。

ChatGPTが扱っているのは、人間が日常で使う言葉です。こうした人間の言葉をコンピュータに処理させる技術分野を、自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)と呼びます。ChatGPTは、自然言語処理の発展を一般の人にも強く印象づけた代表例だと言えます。

では、ChatGPTがここまで使いやすくなるまでに、GPTはどう進化してきたのか。世代を追って見ていきましょう。

GPT-1・GPT-2・GPT-3――規模の拡大

GPTシリーズは、世代を重ねるごとに、主に規模を大きくすることで性能を高めてきました。ここで重要な言葉がパラメータです。

パラメータとは、第1章で学んだ「重み」のような、モデルが学習で調整する値のことです。ざっくり言えば、パラメータが多いほど、モデルは複雑なパターンを表現しやすくなります。

ただし、「パラメータが多ければ必ず賢い」と単純に決まるわけではありません。データセットの質、学習方法、モデルの設計、使い方なども大切です。試験対策では、まず「GPT-1→GPT-2→GPT-3で規模が大きくなった」という流れを押さえましょう。

  • GPT-1(2018年):GPTの最初の世代。Transformerを使った文章生成の出発点。
  • GPT-2(2019年):パラメータが大幅に増え、より自然な文章を生成できるようになった。
  • GPT-3(2020年):パラメータが約1750億個にまで増加。学習に使う大量のデータの集まりであるデータセットも巨大化し、多彩な文章生成が可能になった。

ここまでで、GPTは「文章を作る力」を大きく伸ばしました。しかし、まだ大きな課題が残っていました。人間の指示にうまく従ってくれないのです。

InstructGPT・RLHF・アライメント――「人間の意図に沿わせる」

GPT-3は高性能でしたが、ときに的外れな答えや、人間が望まない答えを返しました。そこで、人間の意図や価値観に、AIの振る舞いを沿わせる工夫が必要になりました。この「AIを人間の意図に合わせること」をアライメント(Alignment)と呼びます。

このアライメントを実現する代表的な手法が、RLHF(Reinforcement Learning from Human Feedback:人間のフィードバックによる強化学習です。

仕組みはこうです。AIにいくつか答えを出させ、人間が「こっちの答えのほうが良い」と評価します。AIはその評価を報酬(ごほうび)として、第1章で学んだ強化学習の要領で「人間に好まれる答え方」を学んでいきます。

このRLHFを使ってGPT-3を「指示に従うように」訓練したモデルがInstructGPTです。そしてこのInstructGPTの流れが、対話に特化したChatGPTへとつながりました。

なお、こうして特定の目的に合わせて、学習済みモデルに追加の訓練を施して専門化させることをファインチューニングと呼びます(第1章の転移学習とも関係する考え方です)。

攻略MEMO 「ChatGPTがなぜ“使える”AIになったのか」と問われたら、RLHFによるアライメントを思い出す。 ・アライメント=AIを人間の意図に沿わせること(目的) ・RLHF=人間の評価を使ってそれを実現する手法(手段) ・InstructGPT=RLHFで指示に従えるようにしたモデル(ChatGPTの前身)

GPT-3.5――ChatGPTの登場

そして2022年11月、GPT-3.5を土台にしたChatGPTが公開されます。GPT-3系のモデルを対話用に磨き上げたこのサービスは、自然な会話のキャッチボールができ、瞬く間に世界中へ広がりました。

ハルシネーション――生成AI最大の注意点

ここで、生成AIを使ううえで絶対に知っておくべき弱点を押さえます。ハルシネーション(Hallucination、幻覚)です。

ハルシネーションとは、AIが、事実でない情報を、もっともらしく自信たっぷりに答えてしまう現象のことです。存在しない本のタイトルや、間違った数字を、あたかも本当のように述べてしまう。これは生成AI利用で特に注意すべきリスクです。

なぜ起きるのか。GPT系モデルは、基本的には「ここまでの文脈から、次に来る可能性が高いトークンを予測する」仕組みを土台にしているからです。もっともらしい文章を作る力と、内容が事実であることを保証する力は、同じではありません。

もちろん、現在の生成AIは、検索、RAG、外部ツール、データベース参照などと組み合わせて、事実確認に近いことを行える場合があります。しかし、そうした仕組みを使っていない限り、出力内容の事実性が自動的に保証されるわけではありません。

実務でひとこと 生成AIの答えは、必ず人間が裏取り(ファクトチェック)する。これは試験でも実務でも鉄則です。とくに、数字・固有名詞・法律・医療など、間違いが許されない場面では、AIの出力をそのまま信じてはいけません。ハルシネーションは第4章のリスクの話にもつながる、最重要キーワードです。

GPT-4とマルチモーダル

GPT-4では、性能がさらに向上しただけでなく、新しい能力が加わりました。マルチモーダルです。

マルチモーダルとは、文章だけでなく、画像など複数の種類(モード)の情報を扱えることを指します。GPT-4では、文章に加えて画像を見て理解する能力が注目されました。たとえば、グラフの画像を見せて「これを説明して」と頼めるようになったのです。

Code Interpreter と GPTs――できることの拡張

GPT-4の時代には、ChatGPTの機能を広げる仕組みも登場しました。

  • Code Interpreter:ChatGPTがプログラム(Pythonコード)を実際に実行し、データ分析やグラフ作成などをこなせる機能。「計算が苦手」という生成AIの弱点を、コードを動かすことで補います。サービス上の表示名やUIは変わることがありますが、シラバスではこの用語を押さえます。
  • GPTs:ユーザーが自分専用にカスタマイズしたChatGPTを作れる仕組み。特定の用途(たとえば「契約書チェック専用」など)に特化したAIを、プログラミングなしで作れるようにしたものです。

GPT-4o――より速く、より自然なマルチモーダルへ

GPT-4oの「o」は「omni(すべて)」を意味します。その名のとおり、文章・画像・音声を、よりなめらかに、ひとつのモデルで一体的に扱えるようになりました。応答も速くなり、音声でリアルタイムに会話することも自然にできるようになっています。

攻略MEMO GPT-4oは「o=omni」と覚える。文章だけでなく、画像や音声を含むマルチモーダル処理を、より自然に扱う方向へ進んだモデル。

GPT-o1・GPT-o3・GPT-o4――「考えてから答える」推論モデル

ここで、GPTの進化に新しい方向性が加わります。o(オー)シリーズと呼ばれる推論モデルです。

ここは表記に注意してください。シラバスでは「GPT-o1」「GPT-o3」「GPT-o4」と表記されています。一方で、一般的な呼び方やOpenAIの公式表記では「o1」「OpenAI o3」「o4-mini」などと表されることがあります。

本書では、試験で見たときに迷わないよう、シラバス表記を優先します。ただし、実務やニュースでは少し違う表記を目にする可能性がある、と覚えておきましょう。

それまでのモデルが「すぐに答える」方向で発展してきたのに対し、oシリーズは答える前に、内部でじっくり考える(推論する)時間を取るのが特徴です。人間が難問を前にして、頭の中で順を追って考えるのに似ています。これにより、数学・コーディング・科学など、論理を積み重ねる難しい問題で力を発揮します。

  • GPT-o1:シラバス上は、「考えてから答える」推論モデルの第一歩として押さえる。
  • GPT-o3/GPT-o4:シラバス上は、推論力をさらに高め、ツール利用なども組み合わせる方向に進んだ世代として押さえる。

攻略MEMO oシリーズの核心は「推論(じっくり考えてから答える)」。「速く答える従来型」と「深く考えるoシリーズ」という2つの方向性が出てきた、という流れを押さえる。

GPT-4.1――長文・コード・指示追従

GPT-4.1は、試験対策では長文・コーディング・指示追従の3点で押さえると整理しやすいモデルです。

  • 長文:一度に扱える文章量(コンテキスト)が大きくなり、長い文書やコードをまとめて扱いやすくなった。
  • コーディング:プログラムの作成・修正・理解の能力が強化された。
  • 指示追従:ユーザーの細かな指示に、より忠実に従いやすくなった。

元原稿では「長い文章を扱える」と整理していましたが、それだけだと少し狭いです。試験では、GPT-4.1を見たら「長文・コード・指示追従」とセットで思い出しましょう。

GPT-5――シラバス上の重要な到達点

GPT-5は、2026年2月適用シラバスで扱われるGPTシリーズの重要モデルです。ここでは「いま一番新しいモデル」と覚えるより、シラバス上の到達点として押さえるのが安全です。生成AIの世界ではモデル名や最新版がすぐに変わるため、試験対策ではシラバス語を優先します。

GPT-5の特徴は、「速く答えるモデル」と「深く考えるモデル」を自動で使い分ける点にあります。内部に「振り分け役(ルーター)」があり、簡単な質問にはサッと答え、難しい質問にはじっくり考えるモデルを呼び出す。利用者が細かくモデルを選ばなくても、内容に応じて適した処理が選ばれる、というイメージです。

つまり、これまで別々に発展してきた「会話力」と「推論力」を、利用者から見てより自然に使えるよう統合したモデルとして押さえます。

流れ 代表モデル・機能 覚えるポイント
規模の拡大 GPT-1、GPT-2、GPT-3 パラメータ・データセットの拡大
人間への適合 InstructGPT、RLHF、ChatGPT 指示に従いやすくする、アライメント
マルチモーダル化 GPT-4、GPT-4o 画像・音声など複数モードへ
推論強化 GPT-o1、GPT-o3、GPT-o4 考えてから答える
長文・コード・指示追従 GPT-4.1 長文、コーディング、指示追従
統合 GPT-5 速い応答と深い推論を使い分ける

Sora・Operator・Codex・Image Generation――広がる生成AIの領域

GPTシリーズの周辺では、文章以外にも生成AIの活躍の場が広がっています。シラバスに挙げられた4つを押さえましょう。

  • Sora:テキストの指示から、動画を生成するAI。文章だけでなく、映像を生み出す生成AIとして押さえます。
  • Operator:人間に代わって、ブラウザなどを操作してタスクをこなすAIエージェント。Webサイトで手続きする、情報を集める、といった「行動するAI」の方向性を示します(第3章のAIエージェントにつながります)。
  • Codexプログラミング(コーディング)を支援するAI。コードを書いたり、修正したり、コードベースについて質問に答えたりする開発者向けのAIです。
  • Image Generation(画像生成):テキストから画像を生成する機能。ChatGPT上で「こんなイラストを描いて」と頼むと絵を作ってくれる、あの機能です。

ここまでの整理 GPTの進化は、3つの軸で捉えると見通しがよくなります。 ①規模の拡大(GPT-1→2→3、パラメータ増加) ②人間への適合(RLHF・アライメント・ChatGPT登場) ③能力の多様化(マルチモーダル、推論oシリーズ、動画Sora・画像・コードCodex・操作Operator) さらにGPT-4.1は「長文・コード・指示追従」、GPT-5は「速い応答と深い推論の使い分け」と押さえる。

2-3 その他の主要生成AI――ChatGPTだけではない

最後に、ChatGPT以外の主要なテキスト生成AIを押さえます。2025年10月のシラバス改訂で、ここに3つのAIが正式に加わりました。試験でも問われるので、「どの会社の、何のAIか」をセットで覚えましょう。

Gemini(Google)

Gemini(ジェミニ)は、Google が開発した生成AIです。Googleの検索、スマートフォン、各種サービスとの連携がイメージしやすいAIです。試験対策では、まず「Gemini=Google」と覚えます。

Geminiは、文章だけでなく画像・音声・動画などを扱うマルチモーダルなAIとして語られることが多い点も押さえておきましょう。

Claude(Anthropic)

Claude(クロード)は、Anthropic(アンソロピック)という会社が開発した生成AIです。安全性や、AIの振る舞いを適切に保つこと(アライメント)を重視している点が特徴として語られます。

長い文章の読み込みや、丁寧な文章作成などで使われることも多いですが、試験対策ではまず「Claude=Anthropic」を確実に覚えましょう。

Copilot(Microsoft)

Copilot(コパイロット)は、Microsoft が提供する生成AIアシスタントです。「Copilot(副操縦士)」という名のとおり、WordやExcelなどのMicrosoft製品に組み込まれ、書類作成や表計算などの仕事を隣でサポートしてくれるイメージです。

なお、CopilotはOpenAIの技術を土台に活用しているサービスとして理解すると、ChatGPTとの関係も整理しやすくなります。ただし、試験でまず問われやすいのは「Copilot=Microsoft」です。

生成AI・サービス 主な開発・提供元 試験での覚え方
ChatGPT OpenAI 対話型テキスト生成AIの代表
Sora OpenAI 動画生成
Operator OpenAI ブラウザ操作などを行うAIエージェント
Codex OpenAI コーディング支援
Gemini Google Googleの生成AI
Claude Anthropic Anthropicの生成AI、安全性・アライメント重視
Copilot Microsoft Microsoft製品と連携するAIアシスタント

攻略MEMO 主要生成AIは「会社名とセット」で覚えるのが鉄則。 ・ChatGPT・Sora・Operator・Codex・Image Generation → OpenAIGemini → GoogleClaude → AnthropicCopilot → Microsoft 「Geminiを開発したのはどこか」のような出題に、即答できるようにしておく。

第2章のまとめ

おつかれさまでした。用語の多い章でしたが、地図にすると意外とシンプルです。最後に全体を振り返りましょう。

  • 生成AIとは:判断・分類するAIではなく、新しいコンテンツを創り出すAI。
  • 生成モデルの発展:一本道ではなく、初期生成モデル、画像系、系列処理、言語モデル系が並行して発展してきた。
  • ボルツマンマシン:初期の生成モデル。制約付きボルツマンマシンは計算しやすくした改良版。
  • 自己回帰モデル:前の文脈から次に来るものを予測する。GPT系の文章生成の土台。
  • CNN:畳み込みにより画像の特徴を効率よく捉える。
  • VAEとGAN:VAEは「エンコーダ→潜在ベクトル→デコーダ」、GANは「生成器 vs 識別器」の対決。
  • RNNとLSTM:RNNは順番のあるデータを扱い、LSTMは長い文脈を忘れやすい弱点を補う。
  • Transformer:自己注意力(Self-Attention)と位置エンコーディングにより、高速で長文に強い。現在の生成AI理解の主役。
  • GPTとBERT:GPTは文章生成に強く、BERTは文章理解に強い。BERTの派生にRoBERTa・ALBERT。
  • ChatGPTの進化:規模拡大(パラメータ)→RLHFによるアライメント(InstructGPT)→ChatGPT(GPT-3.5)→マルチモーダル(GPT-4/4o)→推論(oシリーズ)→長文・コード・指示追従(GPT-4.1)→統合(GPT-5)。
  • 最大の弱点:事実でないことをもっともらしく答えるハルシネーション。人間の裏取りが必須。
  • 広がる領域:動画のSora、操作のOperator、コードのCodex、画像生成。
  • 主要生成AI:ChatGPT(OpenAI)、Gemini(Google)、Claude(Anthropic)、Copilot(Microsoft)。

第1章で「AIとは何か」、第2章で「生成AIとは何か・どう進化したか」を押さえました。次の第3章では、いま現在、生成AIで実際に何ができるのか――画像・音声・動画生成、ディープフェイク、そしてRAGやAIエージェントといった最新の動向に進みます。

重要用語整理

用語 試験対策での押さえ方
生成AI(ジェネレーティブAI) 文章・画像・音声・動画など、新しいコンテンツを生成するAI
ボルツマンマシン 確率的にデータのパターンを学ぶ初期の生成モデル
制約付きボルツマンマシン ボルツマンマシンを計算しやすくした改良版。RBMとも呼ばれる
自己回帰モデル 直前までの並びから、次に来るものを予測するモデル
CNN 画像認識で活躍するニューラルネットワーク。畳み込みが鍵
畳み込み 小さなフィルターで画像の特徴を拾う処理
VAE エンコーダで圧縮し、潜在ベクトルからデコーダで復元・生成するモデル
ノイズ 生成のバリエーションを生むために加えるゆらぎ
エンコーダ 入力データを圧縮し、本質的な特徴に変換する部分
デコーダ 圧縮された特徴からデータを復元・生成する部分
潜在ベクトル データの特徴のエッセンスを表す数字の並び
GAN 生成器と識別器を競わせて、本物らしいデータを生成するモデル
生成器 GANで偽物を作る側
識別器 GANで本物か偽物かを見抜く側
RNN 順番のあるデータを扱うニューラルネットワーク
隠れ層 入力と出力の間で内部計算を行う層
リカレント層 前の状態を次の処理に持ち越す仕組み
シーケンスデータ 文章・音声・時系列など、順番に意味があるデータ
LSTM RNNの弱点を補い、長い文脈を扱いやすくした仕組み
Transformerモデル Attentionを中心にした、現代の生成AIの土台となるモデル
Attention層 単語同士の関係に注目する層
自己注意力(Self-Attention) 文中の単語同士の関係を見る仕組み
Attention Mechanism 必要な情報に注意を向ける仕組み
位置エンコーディング 単語の順番情報をモデルに加える工夫
アーキテクチャ モデル全体の設計・構造
GPTモデル OpenAI系の、文章生成に強いTransformerベースのモデル
BERTモデル Google系の、文章理解に強いTransformerベースのモデル
MLM 文章の一部を隠し、穴埋めさせるBERTの学習方法
NSP 2文が連続しているかを判定させるBERTの学習方法
RoBERTa BERTの学習方法を見直して性能を高めた改良版
ALBERT BERTを軽量化したモデル
ChatGPT OpenAIが開発した対話形式のテキスト生成AI
自然言語処理(NLP) 人間の言葉をコンピュータで処理する技術分野
パラメータ モデルが学習で調整する値。重みのようなもの
データセット 学習に使うデータの集まり
InstructGPT GPT-3を指示に従いやすく訓練したモデル。ChatGPTの前身として押さえる
RLHF 人間の評価を使う強化学習。アライメントの代表手法
アライメント AIの振る舞いを人間の意図に沿わせること
ファインチューニング 学習済みモデルを特定目的に合わせて追加訓練すること
ハルシネーション 事実でない情報をもっともらしく出力する現象
マルチモーダル 文章・画像・音声など複数種類の情報を扱えること
Code Interpreter ChatGPTがコードを実行し、計算や分析を行う機能として押さえる
GPTs ユーザーが用途別にカスタマイズできるChatGPT
GPT-4o omniのo。文章・画像・音声をより自然に扱うマルチモーダルモデル
GPT-o1/GPT-o3/GPT-o4 シラバス上のoシリーズ表記。推論モデルとして押さえる
GPT-4.1 長文・コーディング・指示追従で整理する
GPT-5 速い応答と深い推論を使い分ける、シラバス上の重要な到達点
Sora 動画生成AI
Operator ブラウザ操作などを行うAIエージェント
Codex コーディング支援AI
Image Generation 画像生成機能
Gemini Googleの生成AI
Claude Anthropicの生成AI
Copilot Microsoftの生成AIアシスタント

確認問題

まずは答えを隠して挑戦してみましょう。

問1 生成AI(ジェネレーティブAI)の説明として最も適切なものはどれか。

  • A. データを分類・識別することだけに特化したAI
  • B. 文章・画像・音声などの新しいコンテンツを生成するAI
  • C. ルールベースのみで動作するAI
  • D. 学習を一切行わないAI
問1 の解答を見る

正解:B

生成AIは、判断・分類(A)だけでなく、新しいコンテンツを「生み出す」AIです。これが従来のAIとの大きな違いです。

問2 ボルツマンマシンに関する説明として最も適切なものはどれか。

  • A. 画像の畳み込みだけを行うモデル
  • B. 確率的にデータのパターンを学ぶ初期の生成モデル
  • C. 文章の前後関係だけを判定するモデル
  • D. ユーザーが作るカスタムChatGPT
問2 の解答を見る

正解:B

ボルツマンマシンは、確率的にデータのパターンを学ぶ初期の生成モデルです。「生成モデルの祖先」として押さえましょう。

問3 制約付きボルツマンマシンの説明として適切なものはどれか。

  • A. ボルツマンマシンの構造に制約を加え、計算しやすくしたもの
  • B. GANから識別器を取り除いたもの
  • C. BERTを軽量化したもの
  • D. GPT-4oの別名
問3 の解答を見る

正解:A

制約付きボルツマンマシンは、ボルツマンマシンに構造上の制約を加え、計算しやすくした改良版です。

問4 自己回帰モデルの考え方として最も適切なものはどれか。

  • A. 生成器と識別器を競わせる
  • B. 直前までの並びから、次に来るものを予測する
  • C. 単語を隠して穴埋めさせる
  • D. 画像にフィルターをかけて特徴を抽出する
問4 の解答を見る

正解:B

自己回帰モデルは、「直前までの並び」から「次に来るもの」を予測します。GPT系の文章生成の基本原理として押さえます。

問5 CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の説明として正しいものはどれか。

  • A. 画像の特徴を畳み込みによって効率よく捉える
  • B. 文章の前後両方を見て意味を理解する
  • C. 生成器と識別器を競わせる
  • D. 長い文脈を保持するためのRNNの改良版
問5 の解答を見る

正解:A

CNNは、畳み込みによって画像の特徴を効率よく捉えるニューラルネットワークです。

問6 VAE(変分自己符号化器)に関する説明として正しいものはどれか。

  • A. 生成器と識別器を競わせて学習する
  • B. エンコーダで圧縮し、潜在ベクトルを通してデコーダで復元・生成する
  • C. ブラウザを操作してタスクを実行する
  • D. 単語を隠して穴埋め学習を行う
問6 の解答を見る

正解:B

VAEは、エンコーダで圧縮し、潜在ベクトルを通して、デコーダで復元・生成する流れで理解します。

問7 GAN(敵対的生成ネットワーク)を構成する2つの要素の組み合わせとして正しいものはどれか。

  • A. エンコーダとデコーダ
  • B. 生成器と識別器
  • C. 隠れ層とリカレント層
  • D. MLMとNSP
問7 の解答を見る

正解:B(生成器と識別器)

GANは、偽物を作る「生成器」と、本物か見抜く「識別器」を競わせます。AはVAE、CはRNN、DはBERTに関係します。

問8 RNN(回帰型ニューラルネットワーク)が得意とするデータとして最も適切なものはどれか。

  • A. 順番に意味があるシーケンスデータ
  • B. 会社名とサービス名の対応表だけ
  • C. 著作権法の条文だけ
  • D. ランダムに並べ替えた画像ファイル名だけ
問8 の解答を見る

正解:A

RNNは、文章・音声・時系列データのような、順番に意味があるシーケンスデータを扱うためのモデルです。

問9 LSTMに関する説明として正しいものはどれか。

  • A. RNNの長い文脈を扱いにくい弱点を補う仕組み
  • B. BERTを軽量化したモデル
  • C. OpenAIの動画生成AI
  • D. Code Interpreterの別名
問9 の解答を見る

正解:A

LSTMは、RNNの「長い文脈を忘れやすい」という弱点を補う仕組みです。

問10 Transformerモデルの中核となる、単語同士の関係に注目する仕組みは何か。

  • A. 畳み込み
  • B. 位置エンコーディングのみ
  • C. 自己注意力(Self-Attention)
  • D. リカレント層
問10 の解答を見る

正解:C(自己注意力)

Transformerの核心は、自己注意力(Self-Attention)です。文中の単語同士の関係に注目します。

問11 Transformerにおける位置エンコーディングの役割として最も適切なものはどれか。

  • A. 単語の順番情報を補う
  • B. 画像を高解像度にする
  • C. 人間の評価を報酬として与える
  • D. ブラウザ操作を自動化する
問11 の解答を見る

正解:A

位置エンコーディングは、Transformerに単語の順番情報を補うための工夫です。

問12 GPTモデルとBERTモデルの説明として最も適切なものはどれか。

  • A. GPTは文章生成に強く、BERTは文章理解に強い
  • B. GPTはGoogle、BERTはOpenAIが開発した
  • C. GPTは画像専用、BERTは音声専用である
  • D. どちらもルールベースのみで動く
問12 の解答を見る

正解:A

GPTは文章生成に強く、BERTは文章理解に強い、と整理します。開発元はGPTがOpenAI、BERTがGoogleです。

問13 BERTモデルの学習に用いられる手法の組み合わせとして正しいものはどれか。

  • A. MLM(Masked Language Model)とNSP(Next Sentence Prediction)
  • B. 生成器と識別器
  • C. エンコーダとデコーダ
  • D. 探索と推論
問13 の解答を見る

正解:A

BERTは、単語を隠して当てさせるMLMと、2文の連続性を判定するNSPで学習します。

問14 RoBERTaとALBERTに関する説明として適切なものはどれか。

  • A. どちらもBERTの派生・改良モデルとして押さえる
  • B. どちらもGANの生成器である
  • C. RoBERTaは動画生成、ALBERTはブラウザ操作である
  • D. どちらもGPT-5の別名である
問14 の解答を見る

正解:A

RoBERTaとALBERTは、どちらもBERTの派生・改良モデルとして押さえます。ALBERTは軽量化がキーワードです。

問15 ChatGPTを「人間の指示に従いやすく」するために重要だった、人間の評価を使った学習手法は何か。

  • A. クラスタリング
  • B. RLHF(人間のフィードバックによる強化学習)
  • C. 次元削減
  • D. 畳み込み
問15 の解答を見る

正解:B(RLHF)

人間の評価を報酬として学ばせるRLHFにより、AIは人間の指示に沿った答え方(アライメント)を身につけました。

問16 生成AIが、事実でない情報をもっともらしく出力してしまう現象を何と呼ぶか。

  • A. アライメント
  • B. ファインチューニング
  • C. ハルシネーション
  • D. マルチモーダル
問16 の解答を見る

正解:C(ハルシネーション)

事実でない内容をもっともらしく答える現象がハルシネーションです。生成AI利用時に必ず注意すべき弱点です。

問17 文章だけでなく画像や音声など複数種類の情報を扱える性質を何と呼ぶか。

  • A. マルチモーダル
  • B. シーケンスデータ
  • C. 潜在ベクトル
  • D. パラメータ
問17 の解答を見る

正解:A(マルチモーダル)

複数の種類(モード)の情報を扱える性質をマルチモーダルと呼びます。

問18 Code Interpreterの説明として最も適切なものはどれか。

  • A. ChatGPTがコードを実行し、計算やデータ分析などを行う機能
  • B. BERTの穴埋め学習のこと
  • C. GANの識別器のこと
  • D. 生成AIの幻覚のこと
問18 の解答を見る

正解:A

Code Interpreterは、ChatGPTがコードを実行し、計算やデータ分析などを行う機能として押さえます。

問19 GPTsの説明として最も適切なものはどれか。

  • A. ユーザーが用途に応じてカスタマイズできるChatGPT
  • B. Googleが開発した文章理解モデル
  • C. 動画生成AIの総称
  • D. 位置エンコーディングの別名
問19 の解答を見る

正解:A

GPTsは、ユーザーが用途別にカスタマイズできるChatGPTです。

問20 GPT-o1/GPT-o3/GPT-o4の説明として最も適切なものはどれか。

  • A. 「考えてから答える」推論モデルとして押さえる
  • B. BERTの軽量版として押さえる
  • C. 画像の畳み込みだけを行うモデルとして押さえる
  • D. ハルシネーションの別名として押さえる
問20 の解答を見る

正解:A

GPT-o1/GPT-o3/GPT-o4は、シラバス上は「考えてから答える」推論モデルとして押さえます。

問21 GPT-4.1の試験対策上の整理として最も適切なものはどれか。

  • A. 長文・コーディング・指示追従
  • B. 生成器・識別器・敵対
  • C. MLM・NSP・軽量化のみ
  • D. 探索・推論・AIの冬
問21 の解答を見る

正解:A

GPT-4.1は、試験対策では「長文・コーディング・指示追従」の3点で整理します。

問22 GPT-5の特徴として最も適切なものはどれか。

  • A. 画像をいっさい扱えない
  • B. 速く答えるモデルと深く考えるモデルを自動で使い分ける
  • C. RLHFを初めて導入したモデルである
  • D. パラメータを持たない
問22 の解答を見る

正解:B

GPT-5は、速く答えるモデルと深く考えるモデルを自動で使い分ける統合型として押さえます。RLHFを初めて導入したモデルではありません。

問23 Soraの説明として最も適切なものはどれか。

  • A. 動画生成AI
  • B. BERTの軽量版
  • C. Microsoftの表計算ソフト
  • D. 自己回帰モデルの別名
問23 の解答を見る

正解:A

Soraは、テキストの指示などから動画を生成するAIとして押さえます。

問24 Operatorの説明として最も適切なものはどれか。

  • A. ブラウザ操作などを行うAIエージェント
  • B. 画像のノイズを取り除くだけの処理
  • C. BERTの穴埋め学習
  • D. 潜在ベクトルの別名
問24 の解答を見る

正解:A

Operatorは、ブラウザ操作などを行うAIエージェントとして押さえます。第3章のAIエージェントにもつながる用語です。

問25 生成AIサービスと開発・提供企業の組み合わせとして誤っているものはどれか。

  • A. Gemini ― Google
  • B. Claude ― Anthropic
  • C. Copilot ― Microsoft
  • D. Sora ― Google
問25 の解答を見る

正解:D(誤り)

Soraを開発したのはGoogleではなくOpenAIです。A・B・Cの組み合わせは正しいので、「誤っているもの」を選ぶ本問の答えはDです。

次の章へ ここまでで、生成AIの「仕組み」と「進化の歴史」を押さえました。第3章では視点を変えて、いま実際に使える生成AIサービスと、その最新動向――画像・音楽・音声・動画の生成、ディープフェイクの危険性、そして注目のRAG・AIエージェントへと進みます。Operatorで少し触れた「行動するAI」の話が、いよいよ本格化します。

▶ 第3回 現在の生成AIの動向 へ

▼生成AIパスポート合格講座(全6回)

紹介動画 / 第1回 / 第2回 / 第3回 / 第4回 / 第5回

▶ 全6回を通しで見たい方へ

紹介〜第5回をまとめた完全版(約1時間43分)を1本の動画で視聴できます。生成AIパスポート合格講座 完全版(全6本)を見る

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。中小企業を中心に270社超を支援し、研修・セミナーへの登壇は250回を超える。現在は、生成AI・ITを経営や業務に生かす実践的な方法と、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験などの学習法・過去問解説を発信している。著書に『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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