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ITパスポート/情報処理

【令和6年】ITパスポート1番わかるオンライン講座 #52 システムの信頼性設計、経済性

【令和6年】ITパスポート1番わかるオンライン講座 #52 システムの信頼性設計、経済性

この記事はYouTubeで配信中の「【令和6年】ITパスポート1番わかるオンライン講座」を記事にしたものです。動画でご覧になりたい方は、下記からご確認ください。

今回は、令和6年ITパスポート1番わかるオンライン講座

第52回「システムの信頼性設計、経済性」をお伝えします。

現在のデジタル社会では情報システムの重要性は非常に大きく、トラブルが発生すると社会に大きな被害を与えることもあります。

そのため、システムの信頼性設計について理解しておくことは重要です。

がんばってマスターしていきましょう。

デュアルシステム

まずは信頼性設計を考慮したシステム構成を説明します。

デュアルシステムとは、2系統のシステムを、どちらも完全に二重化して動かすシステム構成です。

それぞれの結果を照合することにより、処理の信頼性もアップさせることができます。

両方のシステムをまったく同じように稼働させます。

もちろんコストはかかってしまいますが、万が一片方のシステムにトラブルが発生しても、もう一方のシステムで問題なく稼働できるため、生命維持装置など決して停止してはならないシステムの運用に向くシステム構成です。

また、2つのシステムでまったく同じ処理を行っているため、定期的に処理結果が同じであるかチェックすることにより、処理結果の信頼性を担保することもできます。

デュプレックスシステム

つづいてデュプレックスシステムです。

システム構成は2重化しているものの、通常は主系だけで処理して、何かあった場合に従系で処理を継続するシステムです。

通常は主系のみメインの仕事をして、従系は別の仕事をしています。

デュアルシステムとは異なり、常に二重化しているわけではありません。通常は2つの仕事ができるので経済的ですが、その分、主系にトラブルが発生した場合、切り替えに多少なりとも時間が発生する点がデメリットです。

セットで覚える「デュプレックスシステム/デュアルシステム」

「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」も定期的に出題されます。どちらも二重化させるシステム構成ですが、違いをしっかりおさえる必要があります。

  •  デュプレックスシステム:片方は待機
  •  デュアルシステム: 2 つがまったく同じ処理。処理結果を照合して高い信頼性

以上より、以下のような覚え方をお勧めします。

  • デュプレックス➡コンプレックス(複雑)➡異なる2つ
  • デュアル➡シンプル➡全く同じ

 

ホットスタンバイとコールドスタンバイ

つづいて、信頼性設計の従系・待機するサーバーの待機状態の種類について説明します。

ホットスタンバイでは、予備のサーバをすぐに動作できる状態で待機させておきます。本番サーバに障害が発生するとすぐに切り替える方式です。

一方、コールドスタンバイは予備のサーバを準備しているものの、電源は落としています。障害が発生した際に運用担当者が予備サーバを立ち上げ、本番サーバから予備サーバへ切り替えます。

システム信頼性設計の考え方

つづいて、信頼性設計の考え方について説明します。

フォールトトレランスは、システムに障害が発生しても停止せずに制御し続ける考え方です。

一方、フォールトアボイダンスは、潜在的な問題や障害を予め徹底的に排除する取り組みや手法を指します。

具体的なフォールトトレランスの手法

ここでは、具体的なフォールトトレランスの考え方を取り入れた手法である次の3つをみていきます。

  • フェールソフト
  • フェールセーフ
  • フールプルーフ

まず、フェールソフトは、システム全体の機能が低下しても継続させる考え方です。例えば、大型ジェット機は4つのエンジンのうち3つが壊れても、残り1つで航行を継続できます。

フェールセーフは、障害が発生した際にシステムをより安全な状態で停止させることです。交差点の信号が障害時に全て赤になるのはその一例です。

フールプルーフは、人間がミスを犯すことを前提にシステムを設計することです。例えば、ワープロソフトが終了時に『文書を保存しますか?』と確認する機能がこれに当たります。

フォールトトレランスの各用語の覚え方

「フェールソフト」「フェールセーフ」「フールプルーフ」はいずれも頻出。どれも似た用語で混乱してしまいますが、見分けるポイントは、それぞれの用語を2 つに区切って理解すること。

たとえば、フェールソフトの場合、フェールとソフトに区切って意味を理解しましょう。フェールは「失敗・障害」で、ソフトは「柔軟」です。つまり、「障害が発生しても、柔軟に対応できるようにしよう」という意味です。

つづいて、フェールセーフ。フェールはさきほどと同じ「障害」で、セーフは「安全な」という意味。つまり、「障害が発生したら安全な状態へ移そう」ということ。

最後のフールプルーフは、フールは「愚者」、プルーフは「耐える」という意味ですので、直訳すると「バカ(な操作)にも耐える」です。

コンピュータの処理時間

ここでは、コンピュータ処理時間の考え方について見ていきましょう。

レスポンスタイムは、純粋にコンピュータが処理をしている時間を指します。

例えば、ウェブページがユーザーのクリックに対して表示されるまでの時間がこれに該当します

一方、ターンアラウンドタイムは、ユーザーが入力を始めてからコンピュータが完全に回答を返し終わるまでの時間です。

入力項目が多いシステムや、プリント完了までに時間のかかる印刷システムだと、コンピュータの純粋な処理時間が短くても、ユーザーにとって利便性が高いとは言えませんよね。

これらの指標は、システムのパフォーマンスを評価するために重要です。

レスポンスタイムだけではなく、ターンアラウンドタイムを意識したシステム設計が重要ということです。

TCO

システム構築の総費用についてです。TCOとは、初期開発費用とその後の運用・保守費用を合わせた総費用を指します。経済性を評価するために重要な指標です。

近年、TCOという用語が注目されています。その理由は、近年、システム総費用において、運用費の占める割合が増大しています。そこで、「初期費用だけじゃなくて運用費もトータルで考えよう」というTCO の考え方が重要視されているのです。

TCO はまさしくシステムのユーザー側が知っておくべき用語なので、出題は今後も増えていくと考えられます。