ITパスポート試験の令和6年公開問題より、問61~問65(テクノロジ系)の解答解説を掲載します。
テキストではなく、動画解説を希望される方は下記YouTubeをご覧ください。
目次
問題
cookieを説明したものはどれか。
ア Webサイトが、Webブラウザを通じて訪問者のPCにデータを書き込んで保存する仕組み又は保存されるデータのこと
イ Webブラウザが、アクセスしたWebページをファイルとしてPCのハードディスクに一時的に保存する仕組み又は保存されるファイルのこと
ウ Webページ上で、Webサイトの紹介などを目的に掲載されている画像のこと
エ ブログの機能の一つで、リンクを張った相手に対してその旨を通知する仕組みのこと
解答
ア
解説
イ→キャッシュのこと
ウ→バナー画像またはサムネイルのこと
エ→トラックバックのこと
【問62】擬似言語 -アルゴリズムとプログラミング
問題
関数 convert は, 整数型の配列を一定のルールで文字列に変換するプログラムである。
関数 convert を convert(arrayInput) として呼び出したときの戻り値が“AABAB” になる引数 arrayInput の値はどれか。 ここで, arrayInput の要素数は1以上とし, 配列の要素番号は1から始まる。
[プログラム]
001 ○文字列型: convert (整数型の配列: arrayInput)
002 文字列型: stringOutput ← // 空文字列を格納
003 整数型: i
004 for (i を 1 から arrayInput の要素数 まで 1 ずつ増やす )
005 if (arrayInput[i] が 1 と等しい)
006 stringOutput の末尾に “A” を追加する
007 else
008 stringOutput の末尾に “B” を追加する
009 endif
010 end for
011 return stringOutput
ア {0, 0, 1, 2, 1}
イ {0, 1, 2, 1, 1}
ウ {1, 0, 1, 2, 0}
エ {1, 1, 2, 1, 0}
解答
エ
解説
※プログラム文の行番号は私が便宜的に付けたものです。
行番号001~003は宣言部
行番号004では、繰り返しのfor文があり、「iを1からarrayInputの要素数まで1ずつ増やす」とあります。
問題文より、arrayInputは解答ア~エのいずれかですので、要素数は5となります。
つまり、「iを1から5まで1ずつ増やす」となります。
for文の中はif~else文で、これを5回繰り返します。
if文の条件は「arrayInput[i] が 1 と等しい」となっており、つまり、順番にarrayInputの要素1~5までを、数字の1と等しいかどうか比較します。
その結果、
・arrayInputの要素iが1と等しければ、配列stringOutputの末尾にAを追加、
・等しくなければ、配列stringOutputの末尾にBを追加、
します。
ここで、問題文より
戻り値→配列stringOutputのなかみが“AABAB”となる解答を探せばよいので
要素の1番目と2番目、4番目が1であり、3番目と5番目が1以外である解答を探せばよいことになります。
【問63】セキュアイレース -セキュリティ
問題
SSDの全てのデータを消去し、復元できなくする方法として用いられているものはどれか。
ア SecureErase
イ 磁気消去
ウ セキュアブート
エ データクレンジング
解答
ア
解説
SecureErase(セキュアイレース)はSSDを工場出荷前のまっさらな状態に戻す機能です。
シラバス外の用語ですがチェックしておきましょう。
他の選択肢
イ 磁気消去
→磁気を照射することでHDDなどの磁気記憶装置のデータを消去する方法です。
ウ セキュアブート
→OSやファームウェアなどの起動時に、それらのデジタル署名を検証し、正当であるとみなされた場合にだけそのソフトウェアを実現する技術です。
エ データクレンジング
→欠損値や入力ミスなど、データベースにおける不適切なデータを修正・整理して最適化することです。
【問64】セキュリティ -リスク対応
問題
情報セキュリティのリスクマネジメントにおけるリスクへの対応を、リスク共有、リスク回避、リスク保有及びリスク低減の四つに分類するとき、リスク共有の例として、適切なものはどれか。
ア 災害によるシステムの停止時間を短くするために、遠隔地にバックアップセンターを設置する。
イ 情報漏えいによって発生する損害賠償や事故処理の損失補填のために、サイバー保険に加入する。
ウ 電子メールによる機密ファイルの流出を防ぐために、ファイルを添付した電子メールの送信には上司の許可を必要とする仕組みにする。
エ ノートPCの紛失や盗難による情報漏えいを防ぐために、 HDDを暗号化する。
解答
イ
解説
リスク共有はリスク移転とも呼ばれ、リスクを自社(自組織)以外の別の組織体に移転させたり共有したりすることにより、リスクが顕在化した際の影響を分散させる行為のことです。
なお、イ以外の選択肢はすべてリスク低減です。
【問65】機械学習 -基礎理論
問題
教師あり学習は、正解を付けた学習データを入力することによって、 【 a 】と呼ばれる手法で未知のデータを複数のクラスに分けたり、【 b 】と呼ばれる手法でデータの関係性を見つけたりすることができるようになる学習方法である。
教師なし学習は、正解を付けない学習データを入力することによって、 【 c 】と呼ばれる手法などで次第にデータを正しくグループ分けできるようになる学習方法である。
解答
ウ
解説
a→分ける→分類
b→データの関係性を見つける→回帰
c→グループ分け→クラスタリング(教師なし学習の特徴的な機能)