宅建とマンション管理士は、どちらも不動産に関連する著名な資格ですから、「宅建に合格したら、次はマンション管理士を目指そう!」と考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし結論から言えば、宅建とマンション管理士のダブルライセンスは誰にでもおすすめできるものではありません。
実は、マンション管理士は難易度の高い資格の割には、あまり需要は大きくありません。
宅建とのダブルライセンスを狙う資格として、あなたにとって本当にマンション管理士が最適なのか、慎重に検討することが必要です。
その理由については・・・・この記事の本文で詳しく説明していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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目次
宅建とマンション管理士の資格の違い
不動産と関連する資格として、宅建とマンション管理士は代表的です。
この2つの資格は似ているようで大きな違いがあります。
不動産と関連する資格 | 宅建士 | マンション管理士 |
---|---|---|
主な業務 | 不動産の賃貸や売買の仲介 | マンションの維持や管理(管理組合の業務やサポート)、コンサルティング業務 |
平成30年度の合格率 | 15.6% | 7.9% |
合格までの勉強時間 | 300時間程度 | 600時間程度 |
独占業務 | 〇(有り) | ×(なし) |
マンション管理士と比べてみると、宅建士は難易度は低いですが、実際の需要は宅建士のほうが圧倒的に大きいです。
これは、宅建士のみ可能な独占業務がある点が大きいでしょう。
このような理由から、宅建士の資格は毎年20万人以上が受験するほどの人気になっているのです。
ただ、宅建の業務は不動産の取引が主であり、マンション管理の業務やコンサルティング全般の仕事ができるわけではありません。一言で言えば、業務の方向性が違うのです。
管理のサポートが必要な集合住宅は全国各地にあるため、マンション管理士の道を進む、というキャリアの選択もあるのではないでしょうか。
宅建とマンション管理士、ダブルライセンスはおすすめ? メリットは?
不動産業界への就職や転職を目指すに当たり、宅建を取得するのかマンション管理士を目指すのか迷っている方は多いのではないでしょうか。
どちらも魅力的な資格ですが、前述のとおり、宅建に比べマンション管理士の資格取得の難易度は高いため、まずは宅建の資格取得がおすすめ。
そのうえで、本当に宅建とマンション管理士のダブルライセンスが必要かどうかは検討する余地があります。
その結果、必要と判断したならば、まずは比較的短時間で取得できて宅建業で即戦力となれる宅建士を取得し、そのからマンション管理士へ挑戦が妥当かと。
以下では、宅建とマンション管理士のダブルライセンス取得のメリットについて、まとめてみました。
試験範囲が重複している
宅建とマンション管理士の試験範囲は、民法と区分所有法が重複しています。
つまり、宅建の資格を取得した後であれば、マンション管理士の勉強にも大いに活かせるわけです。
法律の初学者と比較してみると、短時間で資格の取得を目指すことが可能。
働きながらダブルライセンスを目指す場合は勉強の時間が限られますが、宅建の資格を取得した後の方が遥かにマンション管理士の試験に合格しやすいのです。
宅建はマンション管理士だけではなく管理業務主任者とも試験範囲が重複していますので、今後のキャリアプランを見据えてどの資格が自分に合っているのか考えてみてください。
※宅建と管理業務主任者のダブルライセンスについては、こちらのページで解説しています。
不動産業界の専門性を高められる
宅建士とマンション管理士のダブルライセンスを目指す方が多いのは、不動産業界における専門性を今以上に高められます。
それぞれの資格単体よりも、2つの資格を持っていた方が活動範囲が広がります。
マンション管理士の業務は、マンション管理組合の運営の支援です。具体的には以下の5つです。
- 大規模修繕における計画書の立案
- 共有設備/機器の定期メンテナンス
- 建物保全の実施
- 区分所有者同士の争いの仲裁
- マンションの管理に関するコンサルティング全般
宅建士の方がマンション管理士の資格を取得すると、不動産の仲介や売買などの取引だけでなく、マンション管理分野まで専門性を高められます。
マンション管理士も宅建と同じ不動産系の国家資格ですので、ダブルライセンスで業務の幅を広げることが可能です。
独立開業する際に役立つ
就職や転職ではなく、将来的に不動産業で独立開業する目的で宅建士の資格を取得する方は少なくありません。
宅建士が不動産業で独立するメリットは次の3つです。
- 年収がアップしてサラリーマン時代よりも稼げる可能性がある
- 自分が社長になって組織のしがらみから解放されるため、仕事の自由度が高くなる
- 自宅が宅建士であれば、他に専任の宅建士を雇用する必要がない(全社員が5名以下の場合)
不動産業で独立開業した場合、不動産取引だけではなく、物件の管理業務にまで進出すれば、毎月決まった管理業務報酬が得られることになり、会社の経営が安定します。
その場合、宅建士とマンション管理士のダブルライセンスが活用できます。
業務の幅が広がることになるため、収入を増やせるのも大きなメリットです。
ただし、管理業務を行う場合、管理業者として「管理業務主任者」の資格も必要です。
宅建・マンション管理士・管理業務主任者の3つを併せて「不動産3大資格」などとも言われますが、この3つがあれば、不動産取引から管理業務まで、高い専門性を持ちつつワンストップのサービスを提供できます。
宅建とマンション管理士で試験の難易度が高いのはどっち?
宅建とマンション管理士のどっちの難易度が高いのか、気になっている方はいませんか?
宅建試験と比べた場合、マンション管理士試験の方が難しいといえます。
先にも書いた通り、最初に難易度が低い資格を取得し、その後に難易度の高い資格の勉強をしてダブルライセンスを目指すのが一般的です。
宅建士よりもマンション管理士の方がどの程度難しいのか、試験の合格率で比較してみました。
試験の年度 | 宅建士の合格率 | マンション管理士の合格率 |
---|---|---|
平成26年度 | 17.5% | 8.4% |
平成27年度 | 15.4% | 8.2% |
平成28年度 | 15.4% | 8.0% |
平成29年度 | 15.6% | 9.0% |
平成30年度 | 15.6% | 7.9% |
宅建の試験の合格率は平均して15%前後なのに対して、マンション管理士の試験の合格率は8%~9%程度です。
試験の合格者数も宅建士は3万人を超えていますが、マンション管理士は1,000人程度しかいません。
このデータから宅建士よりもマンション管理士の方が難しいことがわかります。
「宅建士の資格を持っているけれど、マンション管理の業務もできるようになりたい!」という明確な目的のある方は、マンション管理士とのダブルライセンスを検討してみてください。
宅建とマンション管理士を勉強時間で比較してみた
資格試験に合格するまでの時間は、勉強方法によって大きく変わります。
全て独学で取り組むよりも、専門のスクールに通ったり通信講座を利用したりした方が短い時間で試験に合格できる理由は何となくおわかり頂けるのではないでしょうか。
そのため、単純に比較するのは難しいのですが、宅建士よりもマンション管理士の方が勉強時間が長くなる傾向があります。
宅建士に合格するまでの勉強時間の目安が300時間である一方、マンション管理士の勉強時間の目安は600時間です。
マンション管理士に合格するまでの勉強時間の方が遥かに長く、合格率が低い原因とも言えます。
しかし、宅建の資格を持っている方は民法や区分所有法に関する知識を持っていますので、もっと短い時間でマンション管理士の試験に合格するのは不可能ではありません。
それでも、宅建士と比べると試験では難しい問題が出題される傾向がありますので、スムーズに勉強を進めるために通学講座や通信講座を利用するのも1つの手です。
宅建とマンション管理士の資格を同時に取得できる?
「試験範囲が重なっている点があるのだから、2つの資格を同時期に取れば効率的!」と考えている人も居るでしょう。
宅建の試験日は毎年10月中旬、マンション管理士の試験日は毎年11月下旬です。
要領の良い人であれば、2つの資格の勉強を並行して取り組んで資格を同時取得できるでしょう。
しかし、両方とも中途半端な学習になり、「宅建士もマンション管理士も落ちてしまった…」という事態は十分に考えられます。
宅建士もマンション管理士も簡単に取得できる国家資格ではありませんので、一般的には試験の受験時期を1年間ずらす方法がおすすめです。
最初に不動産業界で役立つ宅建士の資格を取得し、次の1年間でマンション管理士を目指した方が合格率がアップします。
仮にマンション管理士の試験に落ちてしまっても、宅建の資格を持っているだけで不動産業界への就職や転職で大いに役立つのです。
マンション管理士は年齢や学歴に関係なく誰でも受験できる国家資格ですので、「早く合格しなければ…」と焦る必要はありませんね。
まとめ
同じ不動産関連の資格でも、宅建士とマンション管理士には大きな違いがあります。
それでも、不動産取引だけでなく、マンション管理士業務の専門性を高めたいのであればダブルライセンスはおすすめです。
ただし、マンション管理士は難易度の高い資格の割には、あまり需要は大きくありません。
宅建とのダブルライセンスを狙う資格として、あなたにとって本当にマンション管理士が最適なのか、慎重に検討してみてください。
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