社労士の合格率の推移!なぜ合格率は低い?!

社労士の合格率の推移

「社労士って合格率が低いって聞くけど、実際どのくらいなの?」「なぜそんなに難しいの?」――社会保険労務士(社労士)試験に挑もうとすると、まず気になるのがこの“合格率”ですよね。

結論から先にお伝えします。社労士試験の合格率は、おおむね5〜7%前後で推移していて、直近の第57回(2025年度)は約5.5%でした(厚生労働省の合格者発表社会保険労務士試験オフィシャルサイトによる公表値)。受験者43,421人に対して合格者は2,376人。つまり、20人に1人前後しか受からない、国家資格のなかでも難関の部類に入る試験です。

ただ、合格率という“数字”だけを見て、必要以上に怖がる必要はありません。大切なのは、「なぜ合格率が低いのか」という中身を理解することです。理由がわかれば、対策の立てようがありますからね。

社労士試験は、選択式8科目(各5点満点・原則として各3点が基準点)と択一式7科目(各10点満点・原則として各4点が基準点)で構成されています。そして合格には、総得点の合格基準点だけでなく、各科目の基準点も同時に満たす必要があります。1科目でも基準点を割ると、総得点がどれだけ高くても不合格――この“足切り”の仕組みが、合格率を押し下げる最大の要因です。

さらに、合格基準点はその年の難易度に応じて補正(いわゆる救済)されることがあり、年度ごとに合格率が上下します。だからこそ、合格率の数字は「ある一年の結果」として冷静に受け止めることが大切なんですね。

この記事では、まず社労士試験の合格率の推移を整理し、なぜ低いのかを“出題範囲の広さ”と“足切り”の両面から分解します。そのうえで、合格基準点と救済(補正)の仕組み、そして難関を突破するための学習の方向性までを、読者であるあなたの判断材料として一つずつ整理していきます。なお、合格率・受験者数・合格基準点は年度によって変わるため、最新の数字は受験年度の公式発表で確認してくださいね。

社労士という資格の全体像や学習の進め方から確認したい方は、社労士|資格の全体像と学習ロードマップもあわせてどうぞ。

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目次

結論|社労士の合格率はおおむね5〜7%・直近(2025年度)は約5.5%。低さの正体は“足切り”

まず、合格率の数字をどう受け止めればいいのか、その「方針」から先に共有しておきましょう。ここがブレると、合格率の低さに振り回されて、踏み出す前から不安だけが大きくなってしまうからです。

  • 合格率はおおむね5〜7%前後・直近(2025年度)は約5.5%……第57回(令和7年度)は受験者43,421人に対し合格者2,376人で、合格率は5.5%でした。ちなみに前年の第56回(令和6年度)は6.9%。このように、年度によって数字は上下します。
  • 20人に1人前後しか受からない=難関の部類……合格率5〜7%は、数ある国家資格のなかでも低めの水準です。ただし「難関=自分には無理」という意味ではありません。
  • 合格率が低い正体は“出題範囲の広さ”と“足切り”……労働・社会保険の広い範囲が問われるうえに、1科目でも基準点を割ると不合格になる仕組み(足切り)が、合格率を押し下げています。
  • 合格基準点は年度の難易度で補正(救済)される……難しかった科目は基準点が引き下げられることがあり、その結果として合格者数・合格率が年度ごとに変動します。

大事なのは、「合格率が低い」という事実に怯えることではなく、その低さがどこから来ているのかを理解して、対策に落とし込むことです。出題範囲の広さも足切りも、戦い方さえ決まれば打ち手はあります。

この記事を読み終えるころには、合格率の推移、低い理由、合格基準点と救済の仕組み、そして難関を突破するための学習の方向性まで、あなた自身の判断材料として整理できているはずです。

社労士試験の合格率の推移|受験者数・合格者数・合格率を年度ごとに整理

合格率の「いまの数字」だけでなく、どう推移してきたのかをつかんでおくと、過度に一喜一憂せずにすみます。社労士試験の合格率は、年度ごとに次のような傾向で動いています。

  • 合格率はおおむね5〜7%のレンジで推移……長い目で見ると、社労士試験の合格率はこの範囲に収まることが多い試験です。ただし、過去には2〜4%台まで大きく下がった年もあり、年度によって幅があります。
  • 直近の傾向(第57回・2025年度)……受験者数43,421人、合格者数2,376人、合格率5.5%。前年の第56回(令和6年度)は6.9%でしたから、1年で1.4ポイントほど下がったことになります。
  • 合格率が大きく動く理由は“その年の難易度と合格基準点の補正(救済)”……後ほど詳しく説明しますが、難しかった科目の基準点が引き下げられる年は合格者が増えやすく、調整が少ない年は合格者が絞られます。問題の難易度・総得点基準・受験者層なども絡み合って、合格率は毎年変動します。

直近の合格率の動きを、おおまかにつかめるよう整理すると次のようになります。

  • 第57回(令和7年度/2025年)……合格率 約5.5%(受験者43,421人・合格者2,376人)
  • 第56回(令和6年度/2024年)……合格率 約6.9%
  • 第53〜55回(令和3〜5年度)……おおむね合格率6〜7%台で推移
  • 第49回(平成29年度/2017年)……合格率 約6.8%
  • 第48回(平成28年度/2016年)……合格率 約4.4%(合格率が大きく下がった年の例)

このように、合格率はおおむね5〜7%を中心に上下しつつ、難しかった年には4%前後まで下がることもあります。ここに挙げた数値は概数で、第57回(2025年度)の確定値をもとに整理したものです(本記事の数値確認日:2026年6月)。各回の正確な受験者数・合格者数・合格率は、社会保険労務士試験オフィシャルサイトの合格発表ページや、厚生労働省が公表する「受験申込者数・受験者数・合格者数の推移(過去10年)」で必ず確認してください。 年度をまたいで比較するときほど、公式の一次データに当たるのが安全です。

ここでひとつ、数字の“見方の型”を持っておくと迷いません。合格率を見るときは、「①その年の合格率は5〜7%のレンジ内か(外なら難化・易化を疑う)→②受験者数・合格者数のどちらの動きで合格率が変わったか→③選択式の救済(補正)が入った科目はあるか」の順でチェックすると、ニュースの数字を“自分の試験戦略”に翻訳できます。合格率という一つの結果を、この3点に分解して捉えるクセをつけておきましょう。

ここで押さえておきたいのは、合格率という1つの数字だけを見て判断しないことです。合格率は受験者数・合格者数・その年の難易度(と、それに伴う基準点補正)の“結果”として表れる数字にすぎません。たとえば、合格率6.9%の年と5.5%の年で、試験そのものの価値や難しさが激変したわけではないのです。

なお、合格率の推移を見るときは、合格者の合計人数や受験者数全体の動きもあわせて眺めると、その年の試験の“温度感”がつかめます。受験者数が増えても合格者数が絞られれば合格率は下がりますし、その逆もあります。合格率(=合格者数が受験者数に占める割合)は例年5〜7%前後で実施されてきた、という平均的な感覚を頭に入れておくと、ニュースで見た「今年の合格率」が高めなのか低めなのかを冷静に判断できるようになります。

社労士試験の合格率が低い理由|“出題範囲の広さ”と“足切り”の二重ハードル

では、なぜ社労士試験の合格率はここまで低いのでしょうか。理由を分解すると、大きく「出題範囲の広さ」と「足切り」という2つのハードルが見えてきます。

理由①|出題範囲が広い

社労士試験は、学習上は大小あわせておおよそ10科目を扱いますが、試験の得点・基準点の判定上は選択式8科目・択一式7科目に束ねられます。具体的には、労働基準法・労働安全衛生法・労災保険法・雇用保険法(労働保険徴収法を含む)・健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法といった主要科目に加え、労働に関する一般常識(労一)と社会保険に関する一般常識(社一)まで出題されます。徴収法は択一式で雇用保険・労災保険とあわせて問われ、選択式では出題されない――こうした科目ごとの“扱われ方”の違いも、範囲を分かりにくくしている一因です。

つまり、労働・社会保険の広範な法律・法令に加えて、労働経済や人事労務管理の知識(一般常識)まで、幅広い分野を横断的に問われます。条文の知識だけでなく、制度の趣旨や数字(保険料率・給付額など)まで押さえる必要があり、覚える範囲が膨大です。法令や数字は改正・改定されることもあるため、最新情報のフォローも欠かせません。市販テキストや講座の解説で“なぜそうなるのか”まで理解しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。

理由②|各科目に基準点(足切り)がある

合格率を語るうえで一番大事なのがこれです。社労士試験は、総得点の合格基準点を満たすだけでは合格できません。選択式・択一式それぞれで、各科目ごとに定められた基準点も同時に満たす必要があります。たとえ総得点が合格ラインを超えていても、1科目でも基準点を下回れば不合格――これがいわゆる“足切り”です。苦手科目を1つでも残すと、そこで合否が決まってしまうのです。

理由③|選択式は1問の重みが大きい

選択式試験は、1科目あたり5つの空欄(5点満点)で、原則3点が基準点です。問題数が少ないぶん1問の重みが大きく、難しい年は1〜2問の取りこぼしが基準点割れに直結します。知識があっても、見慣れない論点や用語が出れば失点しやすく、“運”の要素も絡む――この読みにくさが、足切りのリスクをさらに高めています。

理由④|十分な勉強時間を確保しにくい

社労士試験は、合格までにおおむね800〜1,000時間程度の学習が必要といわれます(あくまで目安で、人によって幅があります)。受験者には働きながら挑戦する社会人が多く、まとまった勉強時間を確保しづらいことも、合格率が伸びにくい背景にあります。なお、合格者の職業を見ると会社員や公務員、士業事務所の従事者などが幅広く含まれ、本業の仕事と両立しながら合格している人も多く、実務経験の有無が直接合否を決めるわけではありません。

ちなみに、他の国家資格と比べると、社労士は行政書士などと並んで“働きながら目指す難関資格”として語られることが多い試験です。資格取得に必要な学習量や足切りの厳しさを考えると、難易度の高さは数字(合格率)にもよく表れているといえます。

ここまでの理由を整理すると、「合格率が低い=自分には無理」ではないことが見えてきます。出題範囲の広さは優先順位をつけて対策すればよく、足切りは“苦手科目を作らない”という方針で回避できます。次の章で、その足切りの仕組みをもう一段くわしく見ていきましょう。

なお、各科目をどう横断的に整理し、どの順番で固めていくかについては、社労士の勉強法|独学・通信講座の進め方ガイドもあわせて参考にしてください。範囲の広さに飲み込まれないための学習設計が、足切り回避の土台になります。

合格に必要な得点|社労士試験の合格基準点(足切り)の仕組み

合格率の低さを生んでいる“足切り”の正体は、社労士試験の合格基準点の仕組みにあります。ここを正しく理解しておくことが、合格率に惑わされないための土台になります。

社労士試験の合格には、「総得点の合格基準点」と「各科目の基準点」の両方をクリアする必要があります。原則的な配点と基準点は、次のとおりです。

  • 選択式:8科目・各5点満点(合計40点満点)。原則として総得点28点以上かつ各科目3点以上
  • 択一式:7科目・各10点満点(合計70点満点)。原則として総得点49点以上かつ各科目4点以上

つまり、選択式・択一式のどちらも、「合計点で一定ライン以上」かつ「全科目で基準点以上」という2つの条件を同時に満たさなければなりません。ここで効いてくるのが足切りです。

たとえば選択式で、7科目はしっかり点が取れているのに、ある1科目だけ2点(基準点3点に1点足りない)だったとします。このとき総得点が28点を超えていても、その1科目が原因で不合格になります。「全体ではよくできたのに、たった1科目で落ちた」というのが社労士試験でよく起きる現象で、これが合格率を押し下げているのです。

だからこそ、社労士試験の対策は「得意科目で大量得点を稼ぐ」よりも、「すべての科目で基準点を確実にクリアする」ことが優先になります。1科目でも穴があると、そこで合否が決まってしまうからです。苦手科目を放置せず、最低でも基準点ラインに乗せておく――この発想が合格への近道になります。

なお、ここで示した「総得点28点・49点」「各科目3点・4点」はあくまで原則の基準点です。実際には、その年の難易度に応じて基準点が調整される(次の章で説明する救済・補正)ため、正式な合格基準点は合格発表のときに確定します。受験する年の正確な基準点は、必ず公式発表で確認してくださいね。

ちなみに、各科目の基準点は科目ごとに独立して判定されます。「合計点でカバーする」という考え方が通用しないのが社労士試験の厳しさであり、得点科目・苦手科目の差をどうならすかが、合格戦略の核心になります。

合格基準点の補正(救済)とは|合格率が年度で変わる重要な要因

社労士試験の合格率が年度ごとに上下する重要な要因の一つが、この合格基準点の補正(いわゆる救済)です。仕組みを知っておくと、合格率の変動に納得がいくはずです。なお、合格率はこの補正だけで決まるわけではなく、その年の問題の難易度・総得点の合格基準点・受験者層といった複数の要素が組み合わさった“結果”として表れる点も、あわせて押さえておきましょう。

救済(補正)とは、ざっくり言えば「その年に難しすぎた科目の基準点を引き下げる調整」のことです。たとえば、本来は3点が基準点の選択式の科目で、受験者の多くが3点に届かなかった――そんなときに、基準点を2点に引き下げる、といった調整が行われます。これにより、「難問のせいで多くの受験者が足切りになる」事態を緩和しているわけです。

実際に、直近の第57回(令和7年度)でも補正が行われたとされています。報じられている内容では、選択式・択一式の一部の科目で基準点の引き下げがあったとされますが、補正の有無・対象科目・引き下げ幅は年度ごとに異なり、正式な内容は合格発表時の公式資料で確定します。受験する年の正確な補正内容は、必ず厚生労働省や社会保険労務士試験オフィシャルサイトの合格発表資料で確認してください。このように、救済は毎年同じように起きるわけではなく、その年の出題の難易度に応じて対象科目も引き下げ幅も変わります。

ここで大事なポイントが2つあります。

  • 救済は選択式で入りやすい……1問の重みが大きく、難問が出ると足切り者が一気に増える選択式は、補正の対象になりやすい傾向があります。とはいえ、必ず救済されるとは限りません。
  • 救済の有無は合格発表まで分からない……どの科目が補正されるかは、合格発表のときに初めて明らかになります。つまり、「この科目はきっと救済されるはず」と当てにして勉強するのは危険です。

ですから、学習の方針としては「救済を前提にしない」のが鉄則です。どの科目も、最低でも原則の基準点(選択式3点・択一式4点)を自力で確保することを目標にしましょう。救済はあくまで“結果的に助かることもある”セーフティネットであって、戦略の前提に置くものではありません。

そして、この救済(補正)の有無は、合格者数と合格率を年度ごとに動かす要因の一つです。難問が多く救済が広く入った年は合格者がやや増えやすく、調整が少ない年は合格者が絞られやすい傾向があります。合格率の推移が一定でないのは、その年の難易度や基準点補正が毎年異なるから――そう理解しておくと、年ごとの合格率の数字に振り回されずにすみます。

合格基準点の補正(救済)の具体的な中身や、過去にどの科目で救済が入ったのかをくわしく知りたい方は、社労士試験の救済(基準点補正)の仕組みと過去の傾向もあわせてご覧ください。救済の“起こりやすさ”を知っておくと、苦手科目の優先順位づけに役立ちます。

難関の社労士試験を突破するには|合格率に振り回されない学習の方向性

ここまでで、合格率が低い理由は「出題範囲の広さ」と「足切り」にあること、そして合格率は救済(補正)で年度変動することが見えてきました。最後に、その難関をどう突破するか――合格率に振り回されないための学習の方向性を整理します。

考え方をひとことで言えば、「合格率という結果の数字」ではなく「自分がコントロールできる足切り回避」に意識を向けることです。具体的には、次の順番で学習の優先順位を決めると、範囲の広さに飲み込まれずにすみます。

  1. 主要科目で基準点を固める……まず択一式の主要科目(労基・安衛、労災、雇用、健保、厚年、国年)で、各科目4点(原則)を安定して取れる状態をつくる。
  2. 苦手科目を“基準点ライン”まで底上げ……得意科目で稼ぐより、足を引っ張る科目を基準点に乗せることを優先する。
  3. 選択式の取りこぼし対策……1問の重みが大きい選択式は、目的条文・重要語句を重点的に読み込み、3点割れのリスクを下げる。
  4. 直前期に模試で総点検……足切りになりそうな科目と時間配分を、本番形式で最終確認する。

この順番は、「得点の取りやすさ」ではなく「不合格になりやすいポイントをつぶす」発想で並べています。以下、それぞれをもう少しくわしく見ていきましょう。

“足切り回避”を最優先にする

繰り返しになりますが、社労士試験は1科目でも基準点を割ると不合格です。だからこそ、得意科目で高得点を狙うより、すべての科目で基準点を確保することを最優先にしましょう。苦手科目を作らない、作っても基準点ラインには必ず乗せる――この方針が合格率の壁を越えるカギです。

過去問で出題の傾向をつかむ

範囲が広い試験ほど、やみくもに手を広げると時間が足りなくなります。まずは過去問を活用して、どの論点が繰り返し問われているか(傾向)をつかみ、頻出テーマから優先的に固めていきましょう。過去問は「問われ方」を知る最良の教材です。

選択式対策で“1問の取りこぼし”を減らす

足切りが起きやすい選択式は、目的条文や重要語句の読み込みが効きます。条文の“キーワード”を押さえておくと、見慣れない出題でも前後の文脈から正解を導きやすくなり、基準点割れのリスクを下げられます。

直前期は模試で弱点と時間配分を確認する

学習が一周したら、本番形式の模試で実力と弱点を確認しましょう。模試は、足切りになりそうな科目を事前にあぶり出し、時間配分のクセを直すのに役立ちます。直前期の総点検として、社労士の模試|活用法とおすすめの受け方もあわせて参考にしてください。また、試験直前にやるべきことを総ざらいしたい方は、社労士の直前対策|試験直前にやるべきことも役立ちます。

独学が不安なら講座も選択肢に

範囲の取捨選択や、改正・最新情報のフォローに不安があるなら、通信講座や予備校を活用するのも有力な選択肢です。プロが整理した教材で“どこまでやるか”の線引きが明確になり、足切り回避に直結します。講座ごとの特徴を比較したい方は、社労士の通信講座・予備校の選び方とおすすめ比較を参考にしてください。独学にこだわりすぎず、自分に合った学習スタイルを選ぶことが、合格率の壁を越える現実的な一手になります。

合格率という数字は、あくまで“結果”です。やるべきことは、出題範囲に優先順位をつけ、全科目で基準点を確保し、過去問と模試で足切りリスクを下げていくこと。この積み重ねが、合格率5〜7%の試験を突破する地に足のついた道筋です。

まとめ|社労士の合格率はおおむね5〜7%だが、足切りを理解すれば道は開ける

最後に、この記事の要点を整理しておきます。合格率の数字の見方から、突破のための方針まで、ここだけ読み返せば全体像をつかめるようにまとめました。

  • 合格率はおおむね5〜7%・直近(2025年度)は約5.5%……第57回(令和7年度)は受験43,421人・合格2,376人で5.5%。前年は6.9%で、年度によって上下します。難関ではありますが、対策可能な試験です。
  • 低さの正体は“出題範囲の広さ”と“足切り”の二重ハードル……労働・社会保険の広範囲を問われるうえ、1科目でも基準点を割ると不合格になる仕組みが合格率を押し下げています。
  • 合格には総得点基準と各科目基準の両方が必要……選択式8科目(各5点・原則各3点基準)/択一式7科目(各10点・原則各4点基準)で、総得点と全科目の基準点を同時にクリアする必要があります。
  • 救済(補正)で合格率は年度変動する……難しかった科目の基準点が引き下げられることがあり、その有無で合格者数・合格率が動きます。ただし救済は当てにせず、自力で基準点確保を目指すのが鉄則です。
  • 突破のカギは“足切り回避”……苦手科目を作らず、過去問で傾向をつかみ、模試で弱点と時間配分を確認する。独学が不安なら講座も選択肢に入れて、全科目で基準点を取りにいきましょう。

最後に、合格率という数字を“自分ごと”に落とすための捉え方をお伝えします。合格率5.5%は「100人受けて約5人」という全体の結果にすぎません。あなたが見るべきは全体の倍率ではなく、「選択式8科目・択一式7科目のすべてで基準点を取り切れる状態にあるか」という一点です。合格率は他人を含めた平均値ですが、足切り回避はあなた自身でコントロールできる変数だからです。

たとえば学習計画に落とすなら、前半は主要科目の基準点固め、中盤で苦手科目を基準点ラインまで底上げ、直前期は選択式対策と模試で総点検――という大きな流れを置き、月ごとに「基準点を割りそうな科目はどれか」を点検していく。この“足切りになりそうな穴を順につぶす”運用ができれば、合格率という数字は怖さの対象ではなくなります。

合格率5〜7%という数字は、たしかに厳しいものです。でも、その低さの理由が「範囲の広さ」と「足切り」にあると分かれば、打ち手は見えてきます。数字に怯えるのではなく、足切りを構造として理解し、全科目で基準点を確保する――それが、社労士試験という難関を着実に突破していくための、いちばん現実的な道筋です。あなたの挑戦が実を結ぶことを応援しています。

学習全体の進め方をあらためて確認したい方は、社労士の勉強法|独学・通信講座の進め方ガイド社労士|資格の全体像と学習ロードマップもあわせてご活用ください。

よくある質問(FAQ)

  • Q. 社労士試験の合格率は何%ですか?……A. おおむね5〜7%前後で推移しており、直近の第57回(2025年度)は約5.5%でした。年度によって変動するため、最新の数字は公式発表で確認してください。
  • Q. なぜ社労士の合格率はこんなに低いのですか?……A. 出題範囲が広いことに加え、1科目でも基準点を割ると不合格になる“足切り”があるためです。総得点が高くても、苦手科目1つで落ちることがあります。
  • Q. 合格基準点は毎年同じですか?……A. いいえ。原則の基準点(選択式各3点・択一式各4点など)はありますが、その年の難易度に応じて補正(救済)されることがあり、正式な基準点は合格発表時に確定します。
  • Q. 救済(補正)を当てにして勉強してもいいですか?……A. おすすめしません。どの科目が救済されるかは合格発表まで分からないため、すべての科目で自力で基準点を確保する前提で学習しましょう。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験など、情報処理技術者試験の学習法・過去問解説を中心に発信しています。著書に『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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