今回は、労働基準法の対策や勉強方法について、お伝えします。
労働基準法は労働・社会保険関連法規の基礎となる法律です。そのため、社労士試験では重要な科目ですが、一方で、社会人の受験生にとっては馴染みの深い論点も多く、取り組みやすい科目といえるでしょう。
ただし、近年の社労士試験では労働基準法の難易度は上昇しています。というのも、労働基準法そのものに加え、施行規則や通達・判例からも出題されるようになったり、問題文自体が長文化するなどの傾向が出てきたからです。
このように重要かつ難易度が上がっている労働基準法に対し、どのような対策や勉強法をすればよいのか、詳しく説明したいと思います。
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目次
社会保険労務士(社労士)の試験科目の労働基準法について
社会保険労務士(社労士)の試験は、以下のとおり全部で10科目ですので、かなり範囲が広くなっています。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法
- 雇用保険法
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
- 労務管理その他の労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
- 健康保険法
- 国民年金法
- 厚生年金保険法
この10科目の中でも、労働基準法は全体の基礎となる科目であり、欠かせない存在です。
また、前述のとおり、社会保険労務士(社労士)の試験において、労働基準法は難易度が以前から徐々に高くなっている傾向があります。
つまり、社会保険労務士(社労士)の試験に合格して資格を取得するに当たり、労働基準法の対策をしっかり練らないといけないわけです。
社会保険労務士(社労士)の試験科目!労働基準法の内容は?
労働基準法は労働関係法令の基礎になりますので、社会保険労務士(社労士)の受験生の多くが最初に取り掛かる科目です。
社会保険労務士(社労士)の初学者で、「法律特有の言い回しが難しい」と感じている方はいませんか?
確かに、最初は戸惑ってしまうことも多いのですが、内容的には会社勤めの方には身近なテーマばかりなので、他の法令と比較してみると取り組みやすいのが特徴です。
まずは社会保険労務士(社労士)の試験の労働基準法がどのような内容なのか簡単に見ていきましょう。
- 労働基準法の原則:労働基準法の基本的な考え方や労働者の定義
- 採用:社員を採用する際の手続きや契約内容の制限
- 解雇と退職:社員を解雇する際の手続きや解雇が制限されるケース
- 賃金:従業員への賃金の支払い方法や平均賃金の計算方法
- 残業:残業を命じられる条件や残業手当の計算方法
- 労働時間:労働時間の原則的なルールや特殊な労働時間の制度
- 有給休暇:社員の有給休暇の付与日数や与え方
- 休憩と休日:休憩や休日の基準、休日の与え方
- 年少者:18歳未満の年少者を働かせることができる条件
- 女性(妊産婦):妊娠中や産後1年以内の女性への保護
- 就業規則:就業規則の作成義務や就業規則の位置付け
- 労働基準法違反:労働基準法違反に対する罰則や労働基準監督署の権限
- 災害補償:仕事が原因で従業員が怪我をした際に会社が補償する内容
- 職業訓練:職業訓練をしている場合の特例や徒弟制度の悪弊の排除
- 寄宿舎:寄宿舎の設備の基準や寄宿舎規則の作成
- その他:労働基準法に関連する雑多な内容
これらの労働基準法は労働条件の最低基準を定めた法律で、労働者を保護する目的で作られました。
法律で制定された水準を下回る労働契約は無効で、合意の必要なく労働基準法で定める条件に置き換えないといけません。
労働条件とは、「労働時間」「休憩」「休日」「有給休暇」「賃金」「残業手当」など様々ですね。
従業員が働く上での待遇が具体的に一つひとつ定められていますので、会社はしっかりと基準をクリアする必要があります。
社会保険労務士(社労士)は企業の労務管理や従業員の雇用や退職で発生する社会保険の手続きを行う専門家ですので、労働基準法に関する知識を兼ね備えておかないといけない理由はおわかり頂けるのではないでしょうか。
試験勉強で培った知識は、当然のように社会保険労務士(社労士)の資格を取得した後の業務でも役立ちます。
社会保険労務士(社労士)の試験科目!労働基準法の出題傾向とは?
社会保険労務士(社労士)の試験科目の労働基準法は、私たちと馴染みの深い働く上でのルールの原則です。
社会保険労務士(社労士)の資格取得を目指す方の多くは社会人ですので、「意外と簡単かも」「取り組みやすいかも」と感じている方は少なくありません。
他の法令と比べると遥かにイメージしやすいのですが、油断していると労働基準法の試験科目の得点を落とす恐れがあります。
しっかりと社会保険労務士(社労士)の試験対策をして合格を目指すには、科目ごとの出題傾向を掴むのが大事ですね。
以下では、社会保険労務士(社労士)の試験科目の労働基準法の出題傾向をいくつか挙げてみました。
- 択一式試験は全部で7問、労働安全衛生法の3問と合わせて合計で10問が出題される
- 選択式試験では労働安全衛生法と合わせて5問中3問が出題される
- 条文以外にも通達や判例からの出題が多いため、選択肢の絞り込みが難しい
- 労働基準法の選択式試験は長文の問題が出題されやすい
一昔前までの社会保険労務士(社労士)の労働基準法の試験科目は、割と解きやすい問題が占めていました。
近年では解きやすいようで意外と解きにくい難問が多く、「労働基準法の難易度が上がった!」と噂される理由です。
難易度の高さは大きなネックですので、社会保険労務士(社労士)の労働基準法を得点源にするには、基礎固めから応用対策まで幅広く取り組んで学習しましょう。
社会保険労務士(社労士)の試験科目!労働基準法の正しい勉強法はこれだ!
社会保険労務士(社労士)の試験科目の労働基準法でしっかりと得点を取るには、日頃からの対策が必須だと言っても過言ではありません。
私たちにとって身近なルールで取り組みやすいからと油断をしていると、思わぬ落とし穴が待っています。
ここでは社会保険労務士(社労士)の労働基準法の正しい勉強法について解説していますので、どうやって学習すれば良いのか悩んでいる方は参考にしてみてください。
実際の規定を理解することから始める
社会保険労務士(社労士)の試験科目の労働基準法は、最初に条文を理解するのが学習のポイントです。
条文を読むというと、「すごくボリュームがありそう!」と思うかも知れませんが、実は、労働基準法の条文は140程度、労働基準法施行規則の条文は70程度しかありません。
そのため、あまり細かいことは気にせず、ざっと読んでしまうだけなら、そんなに時間はかからないのです。
法律の条文に慣れていない人にとってはハードルが高いのですが、「誰が」「何を」といった箇所を意識すると頭に入ってきますよ。
あまり細かい部分に拘らずに、条文の趣旨や内容を正しくインプットして確認を進めるのが効果的な勉強法です。
その後、何度も過去問を回すことで、労働基準法の規定でどのような規制がされているのか正確に理解して記憶できるようになります。
また、労働基準法はこまめに法改正が行われていますので、忘れずにチェックして間違った知識で覚えないようにしましょう。
頻出する項目を中心に勉強する
社会保険労務士(社労士)の試験科目の労働基準法の中でも、下記の項目は実際の試験で頻出します。
- 労働基準法の総則
- 労働契約
- 賃金
- 労働時間や休憩(休日)
- 年次有給休暇
- 就業規則
毎年の社会保険労務士(社労士)の試験でほぼ出題される項目と言っても過言ではありません。
試験に出にくい部分の勉強に時間をかけるのは非効率ですので、社会保険労務士(社労士)のテキストや問題集でこれらの項目を優先的に学習すべきです。
罰則規定の項目を押さえておく
上記では記載していませんが、労働基準法の罰則規定の項目は社会保険労務士(社労士)の試験に頻出します。
罰則規定に違反すると会社に罰が与えられますので、社会保険労務士(社労士)の資格保有者が兼ね備えておかないといけない項目です。
労働基準法の罰則規定は、次のパターンについて頭に入れておきましょう。
- 誰が誰に対してどのようなことをする義務があるのか
- 誰が誰に対してどのような権利を主張できるのか
- 義務の不作為や不利な作為に対する罰則規定はあるのか
- 義務はあるものの罰則規定のない場合はどのようなケースなのか
社会保険労務士(社労士)の専門分野の労務管理を理解するには、労働基準法の罰則規定の解釈が欠かせません。
条文理解に加えて通達も確認する
社会保険労務士(社労士)の労働基準法の試験対策では、条文理解に加えて通達も確認すべきです。
通達や判例を元にして実例での取り扱いを題材にした設問も、労働基準法の試験科目では出題されます。
具体的にどのようなやり方で社会保険労務士(社労士)の試験勉強をすれば良いのか見ていきましょう。
- 法律上の不明確な部分を補う施行規則は、事務的にインプットして記憶に定着させる
- 労働基準法の基本知識を元にした法解釈を要する行政解釈は、正しく読み込んで理解する
数ある通達の中から出題ポイントを絞り込むのは困難ですが、テキストなどで紹介されている代表的な通達は押さえておくようにしましょう。
過去問を繰り返し解く
この点に関しては社会保険労務士(社労士)の労働基準法の試験科目に限った話ではありませんが、過去問を繰り返し解くのは絶対に取り組むべき勉強法です。
毎年角度を変えて似たような問題が出題されることが多いため、労働基準法の出題傾向を掴むには過去問が役立ちます。
※過去問を使って社会保険労務士(社労士)の試験対策を行うべき理由はこちらのページをチェック!
https://syaroushi-ganba.com/syaroushi-kakomon/
ここでは、社会保険労務士(社労士)の労働基準法に関する過去問の例を挙げていきます。
問題:労働基準法第3条は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、労働条件について差別することを禁じているが、これは雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制限する規定ではないとするのが、最高裁判所の判例である。
解答:〇問題:いわゆる一年単位の変形労働時間制においては、隔日勤務のタクシー運転者等暫定措置の対象とされているものを除き、1日の労働時間の限度は10時間、1週間の労働時間の限度は54時間とされている。
解答:×問題:労働基準法では、使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならないと規定しているが、解雇予告期間中に業務上負傷し又は疾病にかかりその療養のために休業した場合には、この解雇制限はかからないものと解されている。
解答:×
条文を具体的な事例に落とし込んで検討する問題は、社会保険労務士(社労士)の試験で出やすい傾向があります。
そのため、とにかく過去問をやり込んで問題の解き方に慣れて、間違った部分はすぐにテキストや参考書に戻って復習しましょう。
まとめ
社会保険労務士(社労士)の重要な試験科目の労働基準法の内容や出題傾向、勉強法についておわかり頂けましたか?
いずれの法律も細かいルールが定められていますが、基本的な考え方は労働基準法に準じています。
つまり、社会保険労務士(社労士)の試験に合格するに当たり、労働基準法の勉強は欠かせません。
労働の大原則を定める労働基準法をしっかりと理解し、労災保険法や雇用保険法などの関連法令が派生するイメージだと捉えておくと、スムーズに頭の中に入ってきます。
独学にしても通信講座を利用するにしても、社会保険労務士(社労士)のテキスト(参考書)や過去問を使って徹底した試験対策を行ってください。
※労働基準法の概要については下記動画でも説明してあります。