ITパスポート試験の令和7年公開問題より、問1~問5(ストラテジ系)の解答解説を掲載します。
テキストではなく、動画解説を希望される方は下記YouTubeをご覧ください。
【問1】偽装請負とみなされる状態 -法務
問題
A社がB社に作業の一部を請負契約で委託している。作業形態a~cのうち、いわゆる偽装請負とみなされる状態だけを全て挙げたものはどれか。
a B社の従業員が、A社内において、A社の責任者の指揮命令の下で、請負契約で取り決めた作業を行っている。
b B社の従業員が、A社内において、B社の責任者の指揮命令の下で、請負契約で取り決めた作業を行っている。
c B社の従業員が、B社内において、A社の責任者の指揮命令の下で、請負契約で取り決めた作業を行っている。
ア a
イ a, b
ウ a, c
エ b, c
▶ 解答・解説を見る
正解:ウ
解説
請負契約では、委託元(発注者)が受託側の従業員に直接指揮命令をしてはいけません。これに反して委託元が指揮命令している状態が「偽装請負」とみなされます。
a A社(委託元)の責任者が指揮命令している → 偽装請負にあたる
b B社(受託側)の責任者が指揮命令している → 適正(偽装請負ではない)
c A社(委託元)の責任者が指揮命令している → 偽装請負にあたる
したがって、偽装請負にあたるのは a と c なので、正解は「ウ a, c」です。
なお請負契約とは、請負者の責任において成果物を期限までに完成・引き渡す契約で、発注者が作業に指示をしてはなりません。完成物に不都合があった場合は契約不適合責任を問われることがあります。
【問2】クラウド向け情報セキュリティのガイドライン規格 -セキュリティ
問題
従来の情報セキュリティマネジメントシステム規格を基礎に追加で制定されたもので、クラウドサービスに対応した情報セキュリティ管理体制を構築するためのガイドライン規格として、最も適切なものはどれか。
ア ISO 14001
イ JIS Q 15001
ウ ISO/IEC 27017
エ ISO 9001
▶ 解答・解説を見る
正解:ウ
解説
ISO/IEC 27017 は、クラウドサービス向けの情報セキュリティ管理を対象とした国際的なガイドライン規格です。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の規格を基礎に、クラウド特有の管理策を追加したものです。
他の選択肢
ア ISO 14001 … 環境マネジメントの国際規格
イ JIS Q 15001 … 個人情報保護マネジメント(PMS)の国内規格。Pマークの基準
エ ISO 9001 … 品質マネジメントシステムの国際規格
【問3】官民データを所有している組織体 -法務
問題
政府は、官民データ活用推進基本法に定められた“官民データ活用推進基本計画”を策定し、官民データの公開や活用の促進に取り組んでいる。次の組織体のうち、官民データを所有しているものだけを全て挙げたものはどれか。
a 県庁
b 大学
c 電力事業者
d 独立行政法人
ア a, b, c
イ a, b, c, d
ウ a, b, d
エ a, c, d
▶ 解答・解説を見る
正解:イ
解説
官民データ活用推進基本法における「官民データ」とは、公的主体(国・地方公共団体・独立行政法人など)でも民間事業者でも、業務の中で扱う電子的な情報であれば広く含まれます(ただし国家の安全や公共の安全を脅かす情報は除外されます)。
県庁・大学・電力事業者・独立行政法人は、いずれも業務の中で電子的な情報を扱っており、官民データを所有しています。したがって a, b, c, d すべてが該当し、正解は「イ」です。
【問4】経営資源を分析する手法(VRIO分析) -経営戦略
問題
投資の優先度などの経営の戦略を策定するために、経済価値、希少性、模倣困難性 及び組織の四つの要素で評価することによって、自社のもつ資源を分析する手法として、最も適切なものはどれか。
ア 4P
イ PPM
ウ SWOT分析
エ VRIO分析
▶ 解答・解説を見る
正解:エ
解説
VRIO分析は、経済的価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Imitability)、組織(Organization)の頭文字をとった、自社の経営資源を分析する手法です。問題文の四つの要素と一致するため、正解は「エ」です。
他の選択肢
ア 4P … 「商品(Product)」「価格(Price)」「流通・場所(Place)」「販売促進(Promotion)」というマーケティング上で重要な4つの要素
イ PPM … 複数の商品や事業を市場シェアと市場成長率の観点から4つのエリアに分類し、どれに投資するのか/撤退するのかなど、最適な経営判断を行う手法
ウ SWOT分析 … 会社を取り巻く経営環境を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つに分けて分析する手法
【問5】仕入単価が上昇する局面での期末棚卸高と売上原価 -会計・財務
問題
A社ではB商品の仕入れと販売を行っている。ある期のB商品の仕入単価は期首から上昇し続け、期末が最も高くなった。当該期の売上原価を“期首棚卸高+当期商品仕入高-期末棚卸高”で計算するとき、期末棚卸高の計算に期末の仕入単価を用いると、B商品の期末棚卸高及び売上原価は、期中の仕入単価の平均値を用いる場合に比べてどのようになるか。
ア 期末棚卸高、売上原価ともに上がる。
イ 期末棚卸高、売上原価ともに変わらない。
ウ 期末棚卸高は上がり、売上原価は下がる。
エ 期末棚卸高は下がり、売上原価は上がる。
▶ 解答・解説を見る
正解:ウ
解説
仕入単価は期末が最も高くなっています。期末棚卸高(期末に残った在庫の金額)の計算に「期末の仕入単価」を用いると、期中平均の単価を用いる場合に比べて期末棚卸高は上がります。
売上原価は「期首棚卸高+当期商品仕入高-期末棚卸高」で計算するため、期末棚卸高が上がると、差し引かれる金額が大きくなり売上原価は下がります。
したがって「期末棚卸高は上がり、売上原価は下がる」ので、正解は「ウ」です。
▼ストラテジ系の解答解説一覧
●問1~問5 /
●問6~問10 /
●問11~問15 /
●問16~問20 /
●問21~問25 /
●問26~問30 /
●問31~問35
