最終更新日: 2026年10月11日/内容確認日: 2026年10月11日
本記事では、店舗ごとに医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」)第26条第1項の店舗販売業の許可を受けた中小の事業者(法人)が、1〜数店舗のドラッグストアで、要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)と一般用医薬品を店舗で対面で販売し、医薬部外品・化粧品・日用品と、容器包装に入れられた常温の加工食品を併せて販売する形を主なモデルとして想定します。店舗管理者は薬剤師で、薬剤師が勤務しない時間がある店舗です。この対象は本記事の設計上の前提で、業界の典型像ではありません。調剤(本記事のモデルは処方箋を受け付けません)、特定販売、受渡委託、医療機器の販売(眼鏡・コンタクトレンズを含みます)、酒類・たばこ、毒物及び劇物、冷凍又は冷蔵を要する食品、店内での調理・加工は、本記事では扱いません。
1. 結論:ドラッグストアなら何から始めるか
AIを使うなら、最初の一手は「品目ごとの医薬品の区分を、人が確認した1つの正本にすること」です。次に「その時間に店舗にいる薬剤師・登録販売者を確かめて、販売できる区分を切り替えること」、その次に「区分ごとの陳列と掲示を規則と照らし合わせ、点検の差を記録につなぐこと」が続きます。
番号は効果の大きさの順位で、そのTopで作る記録を材料に使う別の業務の数(本記事の業務の分解で数えた計算値で14・12・5)で比べました。売上・事故・法令上の重要度の比較ではありません。実施の順序は別で、Top1とTop2は互いの出力を使わないので並行して始め、Top3は両方の出力を使うのでその後に始めます(節3)。
販売の前の確認・情報提供・販売の可否の判断は、薬剤師・登録販売者が購入者と対面して行い、AIには渡しません(節6)。本記事を貫く原則は「AIは候補・照合・下書きまで、確定は人」です。
2. 業務全体の流れ
- 店舗の体制。許可と届出、店舗管理者と資格、開店時・交代時の在勤の確認と区分の切替え。
- 仕入れと入荷。仕入先と購入の記録、検品、区分の確認、貯蔵。
- 売場。区分ごとの陳列と掲示、広告・POP、会員への配信。
- 販売。区分の確認、薬剤師・登録販売者による確認と情報提供、販売の可否の判断、レジ、記録。
- 収益の入口。レジの登録、代金の受領、日次の締めと照合、売上の計上。
- 店舗の管理。期限・不良品・帳簿・棚卸、苦情、研修、防火、個人情報、立入検査、改正の把握。
本シリーズでは、この業態を、購入者1件ごとの購入・相談が起点の「イベント駆動型」を主、毎日の在勤の確認・帳簿・毎年度の研修・許可の更新が暦で回る「周期型」を従と整理しています。
3. AI導入優先Top3
| 業務マップ上の範囲 | 記録の単位 | 実施の順序 | 導入前提 | |
|---|---|---|---|---|
| Top1:品目の区分の正本 | 最も広い(14) | 1品目 | ②(Top2と並行) | 告示の写しの入手と版の管理(①) |
| Top2:在勤と販売できる区分の照合 | 2番目(12) | 1店舗の1日の開店時と交代ごと | ②(Top1と並行) | 店舗管理者の指定と、資格の原本の確認と台帳(①) |
| Top3:陳列と掲示の照合と点検の記録 | 3番目(5) | 1回の点検(区画・棚ごと)と掲示の1版 | ③ | Top1の正本と、Top2の時間帯ごとの表 |
Top1:品目ごとの医薬品の区分を、人が確認した1つの正本にする
何をするか。 品目ごとに、区分(医薬品の区分と、医薬部外品・化粧品・食品・日用品の別)、確認した資料、確認者、確認日、状態(候補/確認済み/保留)を1行にします。AIは容器の表示、仕入先・製造販売業者の情報、告示の写しを照らし、区分の候補と資料の食い違いを出し、人が全件確かめて「確認済み」にした区分だけを正本にします。
なぜ最も広いか。 本記事の分解では、この正本を、陳列と点検、販売の担い手と販売の前の確認・情報提供、相談、回収への協力、広告、レジの止めが使います。区分ごとに販売させる担い手が法令で定められています(節9)。指定濫用防止医薬品には経過措置により容器に「要確認」の字句の無い品がありうるため(節9)、本記事の設計では容器の表示だけで区分を決めません。
どう始めるか。 1つの店舗の、指定濫用防止医薬品を含む医薬品の棚1つの品目から始め、食い違いのある品目と資料の無い品目は保留の棚に移します。本記事の設計では、確認済みでない品目は陳列・販売しません(法令の要件ではなく業務上の止めです)。
何を測るか。 区分の確かめ直しの回数(品目ごと)、保留の品目の数と保留の日数、正本と売場の陳列の食い違いの件数(陳列の点検で数える)。
注意。 AIの候補をそのまま正本にせず、区分を推測で埋めません(個々の品目の指定は本記事では確かめていません)。生成AIに入れるのは個人を含まない情報だけです。
Top2:その時間に店舗にいる薬剤師・登録販売者を確かめて、販売できる区分を切り替える
何をするか。 勤務予定から、時間帯ごとの販売できる区分の表を社内の規則による処理で作ります。開店時と交代時に、店舗管理者がその時間に店舗にいる薬剤師・登録販売者を確かめ、表と違えば販売できる区分を切り替え、販売しない時間は陳列する場所・陳列区画を閉鎖します(節9)。在勤した薬剤師・登録販売者、販売できる区分、閉鎖した区画、確かめた店舗管理者、時刻を記録します。
なぜ2番目か。 本記事の分解では、この切替えの指示を、販売と相談、レジの止め、陳列と掲示の照合、店舗管理者の帳簿と意見、二以上の店舗の確認、届出事項の変更の確認、予定と実績の差の抽出が使います。
どう始めるか。 1つの店舗で表を作り、確認と切替え・閉鎖の記録を始めます。
何を測るか。 切替えの記録の欠けの件数(1日ごと)、予定と実績の差の件数、勤務予定の作成時間。
注意。 表は予定で、在勤の確認の代わりにしません。本記事の設計では、担い手が在勤していない時間はその区分を販売せず、レジでもその時間の登録を止めます。勤務予定と表は従業者の個人データに当たりうるので、生成AIに入れません。
Top3:区分ごとの陳列と掲示を規則と照らし合わせ、点検の差を記録につなぐ
何をするか。 品目の区分の正本と売場の図面から、AIが区分ごとの陳列の規則(節9)と棚割の案を照らし合わせた候補を出します。陳列の後の点検の結果を区画・棚ごとに記録し、前回との差と是正が要る箇所を抜き出します。掲示は、法令が定める掲示の事項(医薬品医療機器等法第29条の4)と台帳から案を作り、掲示した版を記録します。
なぜ3番目か。 本記事の分解では、照合の候補・点検の記録・掲示の案を、陳列と掲示の実施、店舗管理者の帳簿への記載と意見、二以上の店舗の確認が使います。
どう始めるか。 Top1の正本が「確認済み」になった棚から始め、照合にはTop2の時間帯ごとの表も使います(指定濫用防止医薬品の陳列の方法の確認。節9)。
何を測るか。 点検の差の件数(1回の点検ごと)、是正までの日数、掲示の版の更新の漏れの件数。
注意。 照合の候補を確認済みの陳列として扱わず、例外の当てはめは人が確かめます。陳列・点検・掲示は現物で行い、帳簿への記載は店舗管理者が行います。掲示に載せる氏名は社内で差し込み、生成AIに送りません。
4. AIに任せやすい仕事
結果をそのまま次へ渡せる仕事で、欠け・差・止まった件だけを人が見ます。照らし合わせる相手は人が確定した正本や記録で、どれも社内の規則による処理で行い、外部に送りません。
- 形を整える。 在勤・切替え・閉鎖の記録の様式への転記、掲示した版の記録。
- 照らし合わせる。 レジの登録と、区分の正本・区分の切替えの指示。日次の締めでの売上と決済。
- 違いを見つける。 勤務予定と在勤の実績の差、陳列の点検の前回との差。
- 足りないものを探す。 切替えの記録の欠け、要指導医薬品・第一類医薬品の販売の記録の欠け。
- 下書きを作る。 店舗別・区分別の売上の集計表。
- 探し出す。 回収の通知に当たる品目と、使用の期限が近い品・超過した品の、正本と在庫の記録からの抜出し(撤去と協力の範囲は人が決めます)。
5. AI支援に向く仕事
AIが候補や案を作り、人が全件確かめてから使う仕事です。確認を挟むことは手間ではなく、品質の設計です。入力はどれも個人を含まない情報です。
- 品目の区分の候補と資料の食い違い(Top1)
- 棚割と陳列の規則の照合の候補、掲示の内容の案(Top3)
- 要指導医薬品・第一類医薬品の情報提供の書面の準備(添付文書等の注意事項からの抜出し。薬剤師が全件確かめ、情報提供そのものも薬剤師が行います)
- 指定濫用防止医薬品販売等手順書の案(作成は店舗販売業者)
- 広告・POPの案と表現の点検の候補(候補に出なかった表現を問題が無いとは扱いません)
6. 人に残す仕事・判断
線の引き方の原則は「AIが答えを出せるか」ではなく「誰がその答えに責任を持つのか」です。
薬剤師・登録販売者が行う判断。 店舗販売業者は、厚生労働省令で定めるところにより、要指導医薬品と第一類医薬品を薬剤師に、第二類医薬品と第三類医薬品を薬剤師又は登録販売者に販売させなければならず、指定濫用防止医薬品もその品が当たる区分に応じて同じです(節9)。本記事のモデルでは、販売の前の確認、情報提供、相談への対応、販売の可否の判断を、この担い手が購入者と対面して行います。
店舗管理者の職務。 店舗販売業者が指定した店舗管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、従業者を監督し、構造設備と医薬品その他の物品を管理し、店舗の業務につき必要な注意をし(第29条第1項)、店舗販売業者に必要な意見を書面により述べ(同条第2項)、試験検査、不良品の処理その他店舗の管理に関する事項を帳簿に記載します(医薬品医療機器等法施行規則第145条第2項)。本記事の設計では、開店時・交代時の在勤の確認と区分の切替えの指示(Top2)を、この監督の職務として行います。
店舗販売業者の決定。 店舗管理者の指定、指定濫用防止医薬品販売等手順書の作成(同法施行規則第159条の18の7)、意見を受けた措置、取り扱う品目、広告の掲載、会員への配信、外部へ渡す情報の区分の判断です。
AIの照合や候補がどれほど正しく見えても、ここに挙げたものは人が決めます。
7. Best Practice
本シリーズでは、到達点を、品目の区分の正本、店舗管理者が確かめた在勤による区分の切替えと閉鎖、規則と照らし合わせた陳列・掲示と点検の記録の三つが、陳列・販売・レジ・帳簿の前提になっている構造と整理しています。そのうえで、薬剤師・登録販売者が購入者への確認と情報提供に時間を使える状態です。
8. Before / After
Before。本記事が改善の出発点として置いた設計上の比較の基準で、業界の実態の描写ではありません。 品目の区分の確認の結果が1つの正本に無く、陳列・掲示・販売・レジがそれぞれ別の資料で区分を確かめる。勤務予定と、開店時・交代時の在勤の確認・区分の切替え・閉鎖が記録で結ばれていない。棚割と陳列の規則の照合が陳列の前に無く、点検の差と是正が帳簿・店舗管理者の意見に結ばれていない。
After。到達点として置いた姿です。 区分・在勤・陳列が人の確認を経た記録で結ばれ、販売の前の確認・情報提供・販売の可否の判断は、薬剤師・登録販売者に残ったままです。
9. 法令・規制・情報管理
以下は本記事の実務上の整理で、条文を確かめた規律だけを挙げており、すべての規律ではありません。法令は2026年10月10日に確認した、その日に施行されている版によります(医薬品医療機器等法は2026年5月21日施行、医薬品医療機器等法施行規則と個人情報の保護に関する法律は2026年10月1日施行の版)。2026年10月11日の取り直しでも同じ版でした。
区分と販売の担い手。 一般用医薬品は第一類・第二類・第三類医薬品に区分されます。要指導医薬品、第一類医薬品(厚生労働大臣が指定するものなど)、第二類医薬品は厚生労働大臣が指定し、第三類医薬品は第一類・第二類医薬品以外の一般用医薬品です(第4条第5項・第36条の7第1項)。店舗販売業者は、厚生労働省令で定めるところにより、要指導医薬品と第一類医薬品を薬剤師に、第二類医薬品と第三類医薬品を薬剤師又は登録販売者に販売させなければなりません(第36条の5第1項・第36条の9)。
指定濫用防止医薬品。 厚生労働大臣が指定する指定濫用防止医薬品(第36条の11第1項)について、店舗販売業者は、要指導医薬品・第一類医薬品に当たる品は薬剤師に、第二類・第三類医薬品に当たる品は薬剤師又は登録販売者に、あらかじめ他の薬剤又は医薬品の使用の状況その他の事項を確認させ、厚生労働省令で定めるところにより、書面(電磁的記録の表示を含む)を用いて必要な情報を提供させます(薬剤師等に販売するときを除く。第36条の5第1項・第36条の9・第36条の11第1項・第2項)。厚生労働大臣が定める数量を超えて、又は十八歳に満たない者に販売してはなりません。ただし、薬剤師等に販売するとき、又は購入しようとする者が十八歳以上の者か、十八歳に満たない者で数量の範囲内で購入しようとする者である場合に、薬剤師又は登録販売者に対面等により情報の提供を行わせるときは、この限りではありません(同条第3項・同法施行規則第159条の18の6)。数量の値は本記事では確かめていません。容器には「要確認」の字句の記載が求められますが(第50条第9号・同法施行規則第209条の4第1項)、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和七年法律第三十七号。2025年5月21日公布。以下「改正法」)の附則第8条により、第二号施行日(附則第1条第2号の規定の施行の日)に改正前の規定に適合する表示がされていた指定濫用防止医薬品が同日から一年以内に製造販売されたときは、同日から三年間、その表示が続く限り改正後の規定に適合する表示とみなされます。
陳列・閉鎖。 要指導医薬品と第一類医薬品は、それぞれの陳列区画の内部の陳列設備に陳列します(鍵をかけた陳列設備その他購入者等が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合を除く)。指定第二類医薬品は、情報を提供するための設備から七メートル以内の範囲に陳列します(鍵をかけた陳列設備に陳列する場合、又は陳列設備から一・二メートル以内の範囲に購入者等が進入できない措置が採られている場合を除く)。要指導医薬品と一般用医薬品、第一類・第二類・第三類医薬品は混在させません(同法施行規則第218条の3・第218条の4第1項)。指定濫用防止医薬品(第二類・第三類医薬品に限る)は、指定濫用防止医薬品陳列区画の内部の陳列設備に陳列する方法(鍵をかけた陳列設備その他直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合を除く)か、情報を提供するための設備から七メートル以内の範囲に陳列し、その設備にその店舗で薬事に関する実務に従事する薬剤師又は登録販売者を継続的に配置する方法によります(同法施行規則第218条の5)。開店時間のうち、要指導医薬品・一般用医薬品を販売しない時間はそれらを通常陳列し又は交付する場所を、要指導医薬品又は第一類医薬品を販売しない時間はその陳列区画を(鍵をかけた陳列設備に陳列している場合を除き)閉鎖します(同法施行規則第147条)。
個人情報。 個人情報の保護に関する法律では、要配慮個人情報(本人の病歴などの政令で定める記述等が含まれる個人情報。第2条第3項)は、法令に基づく場合など第20条第2項各号の場合を除き、あらかじめ本人の同意を得ないで取得してはなりません。本記事の設計では、購入の履歴・相談の内容・確認事項・副作用等の申出を、要配慮個人情報に当たりうる情報として扱い(当たるかは判断していません)、販売の前の確認事項の内容は記録に残さず、相談の記録に残す場合はあらかじめ本人の同意を得ます。個人データ(個人情報データベース等を構成する個人情報。第16条)の第三者への提供は、法令に基づく場合など第27条第1項各号の場合と同条第2項の手続による場合(要配慮個人情報などを除く)を除き、あらかじめ本人の同意が要ります。利用目的の達成に必要な範囲内において取扱いの全部又は一部を委託することに伴う提供では、提供を受ける者は第三者に当たりません(同条第5項第1号。外部のAI・クラウドへの入力が委託に当たるかは本記事では判断していません)。外国(規則で定める外国を除く)にある第三者(規則で定める基準に適合する体制を整備している者を除く)への提供は、第27条第1項各号の場合を除き、あらかじめ外国にある第三者への提供を認める旨の本人の同意が要ります(第28条第1項。外国にある第三者に当たるかは本記事では判断していません)。
生成AI・クラウドに入れる情報。 本記事の設計では、購入者・使用者の状態(確認事項・症状・現病歴・妊娠と授乳の別など)、相談の内容、副作用等の申出、苦情・問い合わせの内容、会員の情報と購入の履歴、販売の記録の購入者に関わる部分、漏えい等の事実と本人への通知の内容、従業者の氏名・経歴・勤務などの個人データ、カードの番号を、生成AI・外部のAI・クラウドに入れず、社内の規則による処理で扱います。外部の生成AIに入れてよいのは、容器の表示・仕入先の情報・告示の写し・添付文書等の注意事項・広告の案・規程の案・配信する品目と時期など、個人を含まない情報だけです。そのうえで、①入れる情報を必要最小限にする②入力データを学習に利用するか③保存期間と削除の方法④契約上の機密保持とデータの取扱条件⑤アクセス権限と利用ログ⑥再委託や国外保存など自社の規程上確認が必要な事項、の6点を確かめ、組織が利用を承認したサービスに限ります。これは法令の要件ではなく、組織として決める運用です。
施行前の改正。 指定濫用防止医薬品の規定は、e-Govの版では2026年5月1日施行の版で加わっています。改正法の附則第1条第3号の規定は、施行期日を定める政令(令和八年政令第二百九号)により2027年5月20日に施行され、店舗販売業の許可を受けた者が受渡委託(登録受渡業者に登録受渡店舗での受渡しを委託すること)をしようとするときは、あらかじめ都道府県知事の許可を受ける制度などが加わります。同日施行の版でも、第36条の5・第36条の6・第36条の9〜第36条の11は同文です。附則第1条第4号の規定の施行日は「公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」で、確定していません。そのほかの未施行の改正は扱っていません。
10. 最初の30日プラン
1週目:測る。 ①区分の確かめ直しの回数(品目ごと)②保留の品目の数と保留の日数③正本と売場の陳列の食い違いの件数④切替えの記録の欠けの件数(1日ごと)⑤予定と実績の差の件数⑥勤務予定の作成時間⑦点検の差の件数⑧是正までの日数⑨掲示の版の更新の漏れの件数を、AIを使わない手書きか表計算の簡易ログで7日間数えます。1週目の①〜③は、正本の代わりに手元の区分の資料(容器の表示と仕入先の情報)を基準にします(正本は2週目に整えます)。対象は1つの店舗の医薬品の棚1つ(①〜③・⑦〜⑨)と、その店舗の開店時・交代時(④〜⑥)で、④〜⑥は店舗管理者、それ以外は売場の担当者が記録します。
2週目:写し・様式・条件を決める。 告示の写しを入手して版を管理し、正本の項目を決めます(Top1の導入前提)。店舗管理者の指定と資格の台帳を確かめ、切替えと閉鎖の記録の様式を決めます(Top2の導入前提)。生成AIに入れてよい情報の表(節9)と、外部へ渡す前の区分の確認と委託先の監督の手順を決めます。
3週目:候補のまま試す。 Top1とTop2を並行して始め、Top1はAIの候補を人が全件確かめ、Top2は店舗管理者が在勤を確かめて切替えを記録します。Top3は、Top1の正本が「確認済み」になった棚から週の後半に試します。
4週目:比べる。 ①〜⑨を4週目の7日間に同じ方法で測って1週目と比べ、人の確認の手間が増えていないかを⑥と聞き取りで見ます。販売の判断が薬剤師・登録販売者に残り、購入者の状態が生成AIに送られていないことを確かめて、広げるかを決めます。
11. AI活用成熟度
- Lv1 人依存。 区分・在勤・陳列の確認の結果が、確認した人にしか分からない。
- Lv2 台帳化。 台帳はあるが、別々で、販売・レジに結ばれていない。
- Lv3 一元化。 三つの記録が品目・時間帯・区画で結ばれ、販売・レジ・帳簿の入力になっている。
- Lv4 AI支援。 AIが区分の候補・照合の候補・記録の欠けを出し、人が確かめて確定する。生成AIには個人を含まない情報だけを入れる。
- Lv5 仕組み化。 前提が仕組みで整い、薬剤師・登録販売者の時間が購入者への確認と情報提供に使われている。
Lv5は、AIが医薬品の販売を判断する状態ではありません。
12. FAQ
Q. 登録販売者だけが店舗にいる時間に、第一類医薬品を販売してよいですか。 A. 店舗販売業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第一類医薬品を薬剤師に販売させなければなりません(節9)。本記事の設計では、その時間は第一類医薬品を販売せず、レジの登録も止めます。
Q. 会員の購入の履歴から、AIで医薬品のおすすめを配信してよいですか。 A. 店舗販売業者は、医薬品の購入の履歴、ホームページの利用の履歴その他の情報に基づき、自動的に特定の医薬品の購入を勧誘する方法その他医薬品の使用が不適正なものとなるおそれのある方法により、医薬品に関して広告をしてはなりません(医薬品医療機器等法施行規則第147条の6第2項)。本記事の設計では、AIのおすすめを医薬品の広告・配信に使いません。
Q. 指定濫用防止医薬品かどうかは、容器の「要確認」の表示で見分けられますか。 A. 経過措置(節9)があるため、本記事の設計では表示だけでは決めず、仕入先の情報と告示の写しに照らして人が確かめます(Top1)。
Q. 相談の内容や症状をAIに入れて、合う医薬品を聞いてもよいですか。 A. 本記事の設計では、購入者・使用者の状態と相談の内容は生成AIに入れません(節9)。相談への情報提供と販売の可否の判断は、薬剤師・登録販売者が購入者と対面して行います。
13. 関連業態・シリーズ導線
調剤薬局の記事は、処方箋の受付から会計までの流れと在宅を扱っています。本記事は、処方箋を受け付けず調剤を行わない店舗を想定しています。
スーパーマーケットの記事は、店舗内で調理・加工を行うことがある地域スーパーマーケットを想定し、ドラッグストアを範囲外としています。本記事は、医薬品の区分と販売の担い手を起点にしています。
業種別AI活用の一覧はピラーページにまとめています。
14. この記事を自社に当てはめたい方へ
同じドラッグストアでも、店舗の数や勤務の組み方、区分の資料の置き場所で、最初の一手は変わります。
15. 無料AI戦略診断/AI顧問
AI戦略診断は無料・登録不要です。回答すると、自社のAI活用がいまどの段階にあるかと、最初に取り組むべき領域が分かります。
自社の業務に沿って一緒に設計したい方には、AI顧問サービスがあります。まず話を聞いてみたい方は、お問い合わせから30分の無料リモート面談をご利用ください。
