この記事はYouTubeで配信中の「【令和6年】ITパスポート1番わかるオンライン講座」を記事にしたものです。動画でご覧になりたい方は、下記からご確認ください。
※前回の記事(#52 システムの信頼性設計、経済性)はこちら
今回は、令和6年ITパスポート1番わかるオンライン講座
第53回「システムの信頼性(計算問題)」をお伝えします。
MTBF(平均故障間隔)とMTTR(平均修復時間)について詳しく説明し、稼働率の計算方法を紹介します。
計算問題を苦手とする方は多いですが、用語の暗記と違い、一度理解すれば安定した得点源になります。
がんばって学習しましょう
MTBF
まず、MTBFについてです。
MTBFとは、Mean Time Between Failureの略で、システムが故障せずに動いている時間の平均値を表します。
MTBFの数字が大きいほど、システムの信頼性が高いことを意味します。
例えば、あるサーバが1000時間動作していて、その間に5回の故障が発生した場合、MTBFは1000時間を5回の故障で割って、200時間となります。
MTTR
次に、MTTRについて説明します。MTTRとは、Mean Time To Repairの略で、システムが故障した際に修復にかかる時間の平均値を表します。
MTTRの数字が小さいほど、システムが迅速に修理されることを意味します。
例えば、あるシステムが故障して修理に合計10時間かかり、それが5回発生した場合、MTTRは10時間を5回で割って、2時間となります。
MTBFとMTTRの覚え方
MTBFは『Between Failure』、つまり故障と故障の間の時間を指します。
MTTRは『To Repair』、つまり修復までの時間です。
このようにして覚えると、混乱せずに区別することができます。
システムの稼働率
次に、システムの稼働率について説明します。
稼働率とは、システムがどの程度正常に稼働しているかを表す割合のことです。
具体的には、『実際に動いた時間』を『本来動くことを期待されていた時間』で割って求めます。
稼働率の計算式は、MTBFをMTBFとMTTRの合計で割ることで求められます。
直列接続の場合のシステムの稼働率
まず、直列接続の場合のシステムの稼働率について考えます。
2つのシステムがどちらも稼働していることが必要な場合、単純に2つのシステムの稼働率を掛け合わせます。
例えば、システムAの稼働率が0.9、システムBの稼働率が0.8の場合、直列接続の稼働率は0.9×0.8=0.72となります。
並列接続の場合のシステムの稼働率
次に、並列接続の場合について説明します。
2つのシステムが両方とも故障した場合のみシステム全体が停止する場合、以下のように計算します。
システムAが停止する確率は1-0.9=0.1、システムBが停止する確率は1-0.8=0.2となります。この2つを掛け合わせると、0.1×0.2=0.02となります。
これを1から引くことで、並列接続の稼働率は1-0.02=0.98となります。
まとめ
計算問題を苦手とする方は多いですが、丁寧に見て行けば決して難しくないことが理解できたのではないでしょうか。
ぜひしっかりマスターして得点源にしてください。
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