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ITパスポート/情報処理

ITパスポート令和5年問86 過去問解説【ハイブリッド暗号方式】

今回はハイブリッド暗号方式の過去問解説、令和5年問86を見ていきましょう。

このハイブリッド暗号方式は、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式、これらを組み合わせた、そのためハイブリッド暗号方式と呼ばれます。そして、このハイブリッド暗号方式、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の両方のいいとこ取りの方式です。そのため、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式のメリットとデメリットを理解していれば、きちんと理論でハイブリッド暗号方式の問題は解けるようになります。ぜひしっかりマスターしてください。

ITパスポート試験令和5年問86 過去問解説

問題【86】

ハイブリッド暗号方式を用いてメッセージを送信したい。メッセージと復号用の鍵の暗号化手順を表した図において、メッセージの暗号化に使用する鍵を1とし、1の暗号化に使用する鍵を2とした時、図のa、bに入る字句の適切な組み合わせはどれか。

解説

1はメッセージの暗号化に使用する鍵。メッセージを暗号化する際には、ここに1=aの鍵を使います。

続いて、1の暗号化に使用する鍵、つまりメッセージを暗号化する鍵を暗号化する鍵を2とすると、2段階の暗号となります。つまり、まずメッセージを暗号化するのにa鍵を使い、さらにa鍵を暗号化するのにb鍵を使うことになります。

ここで、ハイブリッド暗号方式の大前提を確認しておきます。

  1. 共通鍵暗号方式は、公開鍵暗号方式より処理が圧倒的にはやい
  2. 共通鍵暗号方式は、鍵の受け渡しが危険

上記2点のハイブリッド方式の大前提ですが、ここでは共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式のそれぞれのメリットデメリットに関するこの2点だけ押さえれば、確実にハイブリッド暗号方式の問題は解けるようになります。

まず、1番目、共通鍵暗号方式は公開鍵暗号方式より処理速度が圧倒的に速い。そのため、基本的にメッセージの暗号化は共通鍵暗号方式で行います。

そして2番目、共通鍵暗号方式は鍵の受け渡しが危険です。共通鍵暗号方式は暗号化する人と、それを復号する人が同じ鍵を使いますから、基本的に暗号化したものを送る時に、共通鍵も送らなければなりません。そこで相手に共通鍵を送る時には、ネット上に復号するための鍵を流さなくてもよい公開鍵方式を使って、共通鍵を暗号化し、相手に送ります。

つまりメッセージの暗号化復号は共通鍵で行い、そして使用する共通鍵の送受信に対して公開鍵暗号方式を利用する。これを理屈で覚えてもらえれば、ハイブリッド暗号方式の問題は全く迷いません。

ここまでの流れを踏まえて、まずメッセージを暗号化するa、これは共通鍵です。よってaには「共通」が入ります。そして、メッセージを暗号化して送ると同時に、この共通鍵も暗号化して送るんですが、この共通鍵を暗号化する際、公開鍵暗号方式を使いますよね。そして、この公開鍵暗号方式で暗号化する場合、受信者の公開鍵を使います。よって、bには「公開」が入ります。正解はアですね。aが「共通」、bが「公開」、正解アとなります。

まとめ

このようにハイブリッド暗号方式は共通鍵暗号方式と公開鍵暗号式のメリットデメリットを前提とした2つの要素を押さえるだけで確実に解けるようになります。

しっかり復習して得点源にしてください。はい、お疲れ様でした。