社労士の労働基準法(労基法)の勉強方法は?労働基準法の対策や出題傾向まとめ!【最新版】

社労士の労働基準法(労基法)の勉強方法は?

※本記事には広告・プロモーション(通信講座の紹介や書籍プレゼントの案内)が含まれます。

「社労士試験の労働基準法(労基法)って、何から勉強すればいいんだろう?」「条文が多すぎて、どこが出るのか見当もつかない」――社会保険労務士(社労士)の勉強を始めると、多くの人がまず労働基準法でつまずきますよね。

労基法は、社労士試験の“入口”にあたる科目です。テキストの最初のほうに登場し、択一式でも選択式でも問われる基幹科目でもあります。しかも社労士試験は各科目に基準点(いわゆる足切り)が設けられているため、「労基だけは苦手だから捨てる」という戦法が通用しません。だからこそ、最初の科目でつまずくと、その後の学習全体が重く感じられてしまうのです。

そこで先に結論をお伝えします。労基法は『労働条件の最低基準を定めた法律』という幹をつかむことが、すべての出発点です。 そのうえで、労働時間・休憩・休日・割増賃金・年次有給休暇・解雇予告・就業規則といった頻出テーマを“数字と例外”でおさえ、過去問で実際の問われ方に慣れていく。これが、遠回りに見えて着実に力がつく王道の進め方です。

この記事では、まず労基法が社労士試験全体でどう位置づけられているか(出題形式・配点・足切り)を整理し、次に必ず押さえたい頻出論点を具体的に挙げます。そのうえで、暗記が苦手な人でも回せる効率的な勉強法、択一式・選択式それぞれの対策、そして独学が不安なときの講座活用までを、いま労基法を勉強しているあなたの目線で一つずつ整理していきます。

なお、労働時間や割増賃金率、年次有給休暇の日数といった数値は、法改正で変わることがあります。本記事でも目安としてお示ししますが、実際の学習や実務では、厚生労働省などの最新情報をあわせて確認してください。

社労士という資格の全体像から先に確認したい方は、社労士|資格の全体像と学習ロードマップもあわせてどうぞ。

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目次

結論|労基法は“最低基準”の幹をつかみ、数字と例外で攻める

まず全体像をおさえましょう。労基法の学習でいちばん大事なのは、最初に「これは労働条件の最低基準を定めた法律だ」という幹をつかむことです。この一言が、バラバラに見える論点をつなぐ背骨になります。

  • 労基法は労働条件の最低基準を定める法律……労働時間・賃金・休日などについて、使用者が最低限守らなければならないラインを決めています。「最低基準だから、これを下回る約束は無効になる」という考え方が、多くの論点に通底します。
  • 択一・選択の両方で問われる基幹科目……労基法は社労士試験で択一式・選択式のどちらでも出題されます。学習量も多く、ここが固まると後続の科目が理解しやすくなります。
  • 各科目に基準点があるから捨てられない……社労士試験は科目ごとに足切りがあるため、労基法を落とすと総得点が良くても不合格になりかねません。「苦手科目を作れない」のが社労士試験の核です。

労基法は範囲が広く、最初は「覚えることが多すぎる」と感じるかもしれません。でも、攻め方には決まった“型”があります。幹(最低基準という考え方)→頻出テーマ(数字と例外)→過去問(問われ方)という順番です。この型さえ持っていれば、新しい論点が出てきても「これは幹の話か、例外の話か、問われ方の話か」と自分で位置づけられます。丸暗記ではなく、この“位置づける力”こそが、足切りのある社労士試験を最後まで支える武器になります。この記事を読み終えるころには、「労基法は何から手をつければいいか」が、あなた自身の言葉で見えてくるはずです。

社労士試験における労働基準法の位置づけ|出題形式・配点・足切り

労基法の勉強法に入る前に、「労基法が社労士試験全体のどこに位置するのか」を確認しておきましょう。ここを押さえておくと、なぜ労基法を落とせないのかが腹落ちします。

社労士試験は、選択式択一式の2つの形式で行われます。

  • 選択式……8科目で出題され、各科目5点満点です。原則として各科目3点以上が基準点(足切り)となります(年度や科目によっては救済で2点以上に緩和されることがあります)。
  • 択一式……7科目で出題され、各科目10点満点です。原則として各科目4点以上が基準点(足切り)です(科目により救済で3点以上となる年もあります)。

そして合格するには、総得点の合格基準点を満たすことに加えて、各科目の基準点をすべて満たすことが必要です。1科目でも基準点を下回ると、総得点が高くても不合格になります。これが「苦手科目を作れない」と言われるゆえんで、科目別の勉強法を考えるうえでいちばん大事な前提です。

直近の合格率も見ておきましょう。第57回(2025年・令和7年)社会保険労務士試験の合格率は約5.5%でした。合格率は年度によって変動するため、あくまで目安としてとらえてください。いずれにせよ、合格率が一桁の難関であり、足切りのある試験だからこそ、労基法のような基幹科目でしっかり得点しておく必要があります。

労基法そのものは、試験では次のように問われます。

  • 択一式……労基法は、労働安全衛生法(安衛法)と合わせて1科目(計10点)として出題されるのが通例です。つまり労基法だけで点を取りこぼすと、安衛法と合わせた科目の足切りに直結します。
  • 選択式……労基法は労働安全衛生法と合わせて1科目(5点満点)として出題されます。選択式は1問の取りこぼしが基準点割れに直結しやすく、特に注意が必要です。

社労士試験は、法律・分野としては10前後に分けて学ぶことが多い一方、試験上は選択式8科目・択一式7科目という区分で扱われます(労基と安衛のように、複数の法律が1科目にまとめられるためです)。労基法を含めた科目全体の出題像を俯瞰したい方は、社労士試験の科目を横断的に整理した記事もあわせて確認すると、労基法の立ち位置がよりはっきりします。

なお、上記の配点・基準点・合格率は制度として定められた数値・実績ですが、救済措置の有無や合格基準は年度ごとに変わります。受験する年の正確な情報は、社会保険労務士試験オフィシャルサイトで必ず確認してください。

労働基準法とは?|“労働条件の最低基準”という幹を最初につかむ

ここからは労基法の中身に入っていきます。最初にお伝えしたとおり、労基法を理解する鍵は、「労働条件の最低基準を定めた法律」という幹をつかむことです。

労基法は、使用者(雇う側)が守らなければならない労働条件の最低ラインを定めています。労働時間、賃金、休憩、休日、解雇など、働くうえで土台となるルールがここに集約されています。冒頭の総則には「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」という労働条件の原則が掲げられており、この理念が条文全体を貫いています。

学習の最初の段階では、次の骨格を押さえておくと、その後の細かい論点が頭に入りやすくなります。

  • 労働者・使用者の定義……「誰が労働者か」「誰が使用者か」は、すべての論点の前提です。定義のずれは失点に直結するので、最初に正確に押さえましょう。
  • 労働契約と労働条件の明示……労働契約の締結時に、使用者が何を明示しなければならないか、契約期間(有期契約)にどんな制限があるかは頻出です。雇用の入口にあたる基本的な項目なので、前借金との相殺禁止など「禁止される契約」もセットで覚えましょう。労基法はこうした規定で労働者を保護しているわけです。
  • 就業規則……作成義務、記載事項、労働条件との関係(就業規則は法令・労働協約に反してはならない等)は、択一・選択の両方で問われます。

そして労基法を学ぶうえで何より大切なのが、「最低基準だから、これを下回る約束は無効になる」という強行法規としての性質です。たとえば「残業代は出さない」という契約を結んでも、労基法を下回る部分は無効になります。この“最低基準=下回れない”という発想が、多くの論点の判断基準になります。

もうひとつ、原則だけでなく適用除外も頻出です。家事使用人や、いわゆる管理監督者など、労働時間などの規定が一部適用されない人たちがいます。労基法は「原則→例外(適用除外)」をセットで問われやすいので、原則を覚えたら必ず例外も一緒に確認するクセをつけましょう。

ちなみに「労働基準法に違反したらどこに相談すればいいの?」という疑問を持つ方もいますが、実際の相談先は労働基準監督署や総合労働相談コーナーなどです。ただ、社労士試験で問われるのは“相談先”そのものより、条文の要件・効果・例外です。学習では、まず条文の中身を正確に押さえることを優先しましょう。

労働基準法の頻出論点|ここを落とすと合格が遠のく7テーマ

労基法は範囲が広いものの、試験で繰り返し問われる“頻出テーマ”はある程度決まっています。まずは次の7テーマを軸に学習を組み立てると、効率よく得点力を伸ばせます。それぞれ「原則」と「注意点(例外・数字)」をセットで押さえるのがコツです。

まず全体像を、早見表で確認しましょう。

頻出テーマ 原則(基本ルール) 注意点(例外・数字・改正)
労働時間・休憩・休日 1日8時間・週40時間が原則。休憩は労働時間6時間超で45分、8時間超で1時間以上。休日は週1日または4週4日 変形労働時間制・適用除外など例外が多い
割増賃金・平均賃金 時間外・休日・深夜の労働には割増賃金。平均賃金は手当などの計算の基礎 割増率は最新を要確認。割増の重複や端数処理も問われる
年次有給休暇 一定期間勤続した労働者に付与。付与日数は勤続年数で増える 年5日の確実な取得義務など改正論点に注意
変形労働時間制等 一定期間で労働時間を平均して調整する制度。フレックスタイム制やみなし労働時間制も 制度ごとに要件・手続が異なり混同しやすい
解雇予告・解雇制限 解雇は原則30日前の予告、または予告手当が必要 解雇制限(業務上負傷・産前産後など)と区別する
賃金支払い5原則 通貨・直接・全額・毎月1回以上・一定期日 例外(控除協定など)とセットで覚える
労使協定・就業規則・罰則 36協定など労使協定で例外的取り扱いが可能。就業規則の作成義務 どの違反にどの罰則かが問われる

試験では、こうした原則そのものより「原則を1か所だけずらしたひっかけ」で問われがちです。たとえば「休憩は労働時間が6時間ちょうどでも与えなければならない」(正しくは6時間“超”で必要)、「解雇予告は14日前でよい」(正しくは原則30日前)、「割増賃金は休日労働には発生しない」(正しくは発生する)といった具合です。原則の数字を覚えるときは、こうした“1か所ずらし”が来ることを前提に、境界(〜を超える/〜以上)の言い回しまで正確に押さえておきましょう。

ここから、特に重要な論点を補足します。

  • ①労働時間・休憩・休日……労働時間は原則1日8時間・週40時間です。休憩は労働時間が6時間を超える場合に45分以上、8時間を超える場合に1時間以上与える必要があります。休日は週1日、または4週間で4日以上が原則です。法定の労働時間を超えて働かせるには、36協定などの手続が必要になります。
  • ②割増賃金・平均賃金……法定労働時間を超える時間外労働や、休日労働・深夜労働には割増賃金が必要です。割増率には時間外・休日・深夜で異なる定めがあり、一定時間を超える時間外労働にはより高い割増率が適用されます。割増率の具体的な数値は法改正で変わることがあるため、学習時点の最新の率を厚生労働省の資料などで確認してください。平均賃金は、解雇予告手当や休業手当などの計算の基礎になる重要概念です。
  • ③年次有給休暇……勤続期間や出勤率の要件を満たした労働者に付与され、付与日数は勤続年数に応じて増えていきます。近年は「年5日の年次有給休暇の確実な取得」が使用者に義務づけられた点が大きな改正論点です(年10日以上付与される労働者が対象)。改正がからむテーマなので、最新の制度内容を確認しておきましょう。
  • ④変形労働時間制・フレックスタイム制・みなし労働時間制……いずれも労働時間の柔軟な取り扱いを認める制度ですが、要件や手続が異なり、受験生が混同しやすいところです。「どの制度に何の手続が必要か」を表にして整理すると効果的です。
  • ⑤解雇予告・解雇制限……解雇は原則として30日前の予告、または30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)が必要です。これと、業務上の負傷・産前産後など一定期間は解雇できないという「解雇制限」を混同しないよう、区別して覚えましょう。
  • ⑥賃金支払い5原則……通貨で・直接労働者に・全額を・毎月1回以上・一定の期日に支払う、という5つの原則です。それぞれに例外があり、例外とセットで問われます。
  • ⑦労使協定・就業規則・罰則……36協定をはじめとする労使協定の役割、就業規則の作成・届出義務、そして「どの違反にどんな罰則が科されるか」も出題されます。たとえば事業場外労働のみなし労働時間制(外回りの営業など労働時間の算定が難しい場合の扱い)や、36協定なしの時間外労働といった論点は、要件を1つずらした“ひっかけ”で問われがちです。罰則についても、「何条違反にどの罰則か」を結びつけて覚えておくと、択一の細かい肢で迷いません。

なお、労基法は択一式で労働安全衛生法と合わせて1科目になります。安衛法の論点も並行して押さえておくと得点が安定します。安衛法の学習については、労働安全衛生法の勉強法をまとめた記事もあわせてどうぞ。

これらの数値(労働時間・割増率・年休の取得義務・解雇予告日数など)は法改正で更新されることがあります。本記事の数値は目安としてとらえ、必ず厚生労働省などの最新情報で確認してください。

労働基準法の効率的な勉強法|暗記が苦手でも回せる手順

「条文が頭に入らない」「数字が覚えられない」――労基法の勉強でいちばん多い悩みですよね。実は、やみくもに暗記しようとするほど、労基法は頭に残りにくくなります。 暗記が苦手な人ほど、次の順番を意識してみてください。

  1. まずテキストで“最低基準”の幹と全体像をつかむ……いきなり細部を暗記しようとせず、最初は「労基法は労働条件の最低基準を定めた法律だ」という幹と、労働時間・賃金・休日といった大きな構造を押さえます。全体像があると、細かい論点が“どこの話か”わかるようになります。
  2. 数字は語呂や表でまとめて反復する……労働時間(8時間・40時間)、休憩(45分・1時間)、割増、年休、解雇予告(30日)など、数字は単独で覚えるより、表にまとめて何度も見返すほうが定着します。前章の早見表のように、自分用の“数字まとめ表”を作るのもおすすめです。
  3. 条文は「原則→例外→趣旨」のセットで理解する……条文を丸暗記するのではなく、「原則はこう、例外はこういう場合、なぜそうなっているか(趣旨)」という3点セットで理解すると、忘れにくく応用も利きます。要件・効果・例外を分けて読むクセをつけましょう。
  4. 過去問を早い段階から回す……ある程度インプットしたら、すぐに過去問へ。労基法は同じ論点が言い回しを変えて繰り返し問われます。早めに過去問に触れることで、「どう問われるか(ひっかけのパターン)」が体に入ります。
  5. 判例・通達は過去問で問われた範囲を中心に……判例や通達・行政解釈(ガイドライン)は深入りするとキリがありません。まずは過去問で問われた範囲を押さえ、そこから少しずつ広げるのが効率的です。

この5ステップは、暗記が苦手な人ほど効果を実感しやすい基本的な勉強方法です。労使協定(36協定など)で出てくる「過半数代表者」のように紛らわしい項目も、テキストの解説で趣旨まで理解しておくと、過去問で問われたときに迷わず答えられます。自分に合うやり方に少しずつアレンジしていきましょう。

迷ったときは、「原則の数字 → その例外 → なぜそうなっているか(趣旨)」のどこで自分がつまずいているかを切り分けるのがコツです。数字が出てこないのか、例外を取り違えているのか、趣旨を理解せず丸暗記して崩れているのか――つまずきの場所が分かれば、戻る先(テキストか過去問か)も自然に決まります。これが、労基法を“感覚”でなく“仕組み”で攻略する判断軸になります。

今日からできる最初の一歩はシンプルです。まずテキストの労基法の章をざっと通読し、前章の早見表をノートに書き写して「自分用の数字まとめ表」を1枚作ること。これだけで、以降の過去問演習で「あれ、何時間だっけ」と手が止まる回数がぐっと減ります。完璧な暗記は後回しでかまいません。最初の1枚が、労基法を“線”でつなぐ土台になります。

教材選びに迷ったら、市販の社労士テキストと過去問題集の組み合わせが基本です。「労働基準法 勉強 本」や「労働基準法 勉強アプリ」を探している方も多いと思いますが、アプリやスキマ時間用の教材は“補助”と割り切り、メインはテキストと過去問に置くのがおすすめです。条文の原文を確認したいときは、厚生労働省の「知って役立つ労働法」のような公式資料も、無料で使える信頼できる情報源として活用できます。

労基法だけでなく社労士試験全体の勉強の進め方を知りたい方は、社労士試験の勉強法をまとめたハブ記事が役立ちます。合格までの全体スケジュールを描きたい方は、社労士|資格の全体像と学習ロードマップもあわせてどうぞ。

なお、勉強法はあくまで一般的な目安です。最適な進め方は、人によって、また使う教材によっても変わります。自分に合うやり方を見つける手がかりとして読んでいただければと思います。

択一式の対策|過去問の反復で“問われ方”に慣れる

労基法は、択一式では労働安全衛生法と合わせて1科目(計10点)として出題されます。つまり労基法で取りこぼすと、安衛法と合算した科目の基準点(足切り)に直結します。ここでは、択一式に向けた対策を整理します。

  • 過去問を繰り返す……択一式対策の中心は過去問の反復です。労基法は頻出論点が決まっているため、過去問を回すことで「よく出る論点」と「細かい数字・要件のひっかけ」が見えてきます。
  • 間違えた肢は条文・趣旨に戻る……ただ正誤を覚えるのではなく、「なぜこの肢は誤りなのか」を条文や趣旨に戻って言語化しましょう。理由まで説明できれば、表現を変えて出題されても対応できます。
  • 得点源を意識する……労働時間・割増賃金・年次有給休暇・解雇といったテーマは出題頻度が高く、得点源にしやすい傾向があります(あくまで傾向であり、年度によって変わります)。ここを固めると、科目全体の安定につながります。

労基法と同じ「労働科目」のグループには、労働安全衛生法のほか、労働者災害補償保険法(労災保険法)や労働保険の保険料の徴収等に関する法律(徴収法)といった労働保険系の科目があります。これらは内容がつながっているため、横断的に学習すると効率的です。関連科目として、労災保険法の勉強法をまとめた記事や、労働保険徴収法の勉強法をまとめた記事もあわせて確認すると、労働科目全体の見通しが立ちます。

選択式の対策|キーワードと条文の言い回しを正確に押さえる

選択式は、1科目5点満点で、原則3点以上が基準点(足切り)です。1問の取りこぼしが基準点割れに直結しやすく、択一式以上に“1点の重み”が大きい形式です。労基法は選択式では労働安全衛生法と合わせて1科目として問われます。

選択式対策のポイントは次のとおりです。

  • 条文・判例の“正確なキーワード”を押さえる……選択式は空欄に当てはまる語句を選ぶ形式です。「だいたいの意味」では正解できないため、目的条文や定義、原則の数値などを正確に再現できるよう精度を上げましょう。
  • 目的条文・定義・原則の数値が狙われやすい……労基法では、目的条文や、労働時間・休憩などの原則的な数値が選択式で問われる傾向があります(傾向であり、年度で変わります)。頻出キーワードは、声に出す・書くなどして体に染み込ませると安心です。
  • “守りの1点”の意識を持つ……難問が出た年でも、基準点割れだけは避ける――この“守り”の発想が選択式では重要です。確実に取れる問題を落とさないことが、足切り回避の最短ルートになります。

選択式は、知識の正確さがそのまま点数に表れる形式です。択一式の演習で得た理解を、「正確な言葉で再現できるか」という観点でもう一度確認しておきましょう。

独学が不安なら通信講座も選択肢|労基法でつまずかないために

ここまで労基法の勉強法を見てきましたが、「独学で本当に大丈夫だろうか」と不安を感じる方もいるはずです。労基法は範囲が広く、原則と例外の整理でつまずきやすい科目だからこそ、学習スタイルの選択は大切です。

  • 独学のメリットと限界……独学は費用を抑えられ、自分のペースで進められるのが魅力です。一方で、労基法の例外や改正論点をどこまで深掘りするかの“さじ加減”が難しく、つまずいたときに自力で抜け出しにくいという面もあります。
  • 通信講座という選択肢……通信講座は、テキスト・講義・問題演習が体系化されており、労基法のような論点の多い科目を効率よく回せます。改正点も講座側で反映してくれるため、情報のアップデートに追われにくいのが利点です。
  • 正解は人によって違う……大事なのは「独学か通信か」という二択ではなく、自分の学習スタイル・使える時間・予算に合うかどうかです。どちらが優れているという話ではありません。

自分に合う講座を探したい方は、社労士の通信講座を比較したおすすめ記事が参考になります。各講座の特徴を比較して、無理なく続けられそうなものを選んでみてください。

また、勉強の“型”そのものを知りたい方には、クレアールが無料でプレゼントしている書籍『非常識合格法』も一つの手がかりになります。短期合格を目指す学習の考え方がまとまっているので、独学・通信どちらの方にも参考になるはずです。

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まとめ|労基法は“幹→頻出→過去問”の順で攻めれば怖くない

最後に、この記事の要点を整理します。労基法は範囲が広く最初は身構えてしまいますが、攻め方の順番さえ間違えなければ、得点源にしやすい科目です。

  • 労基法は労働条件の最低基準を定めた法律……この幹をつかめば、バラバラに見える論点が線でつながります。
  • 頻出7テーマを“数字と例外”で固める……労働時間・割増賃金・年次有給休暇・解雇予告などを、原則と例外をセットで押さえましょう。
  • 択一は過去問の反復、選択は正確なキーワードで足切りを回避……形式ごとに対策のポイントが異なります。各科目に基準点がある以上、労基法を落とすわけにはいきません。
  • 数値・改正点は最新を確認しながら過去問中心に回す……労働時間や割増率、年休の取得義務などは改正されることがあります。最新情報を確認しつつ、過去問を軸に学習を進めましょう。

最後に、読者の方からよくいただく疑問をまとめておきます。

Q. 社労士試験で労働基準法は出題されますか? A. はい。労基法は社労士試験の基幹科目で、択一式・選択式の両方で出題されます(いずれも労働安全衛生法と合わせて1科目として問われるのが通例です)。

Q. 社労士の勉強は何から始めればいいですか? A. 多くの受験生は労基法から学習を始めます。まず「労働条件の最低基準」という幹と全体像をつかみ、頻出テーマを押さえてから過去問に進む流れがおすすめです。

Q. 1日何時間まで働かせてよいのですか? A. 労基法では原則として1日8時間・週40時間が上限(法定労働時間)です。これを超えて働かせるには36協定などの手続が必要で、割増賃金も発生します(詳細・最新の取り扱いは厚生労働省の情報をご確認ください)。

Q. 労働法について相談したいときはどこへ? A. 実務上は労働基準監督署や総合労働相談コーナーなどが相談先になります。ただし試験対策としては、相談先よりも条文の要件・効果・例外を正確に押さえることを優先しましょう。

労基法でつまずきそうになったら、まず「最低基準の幹」に立ち返ってみてください。社労士試験全体の勉強の進め方は社労士試験の勉強法ハブで、科目全体の関係は科目の横断整理で確認できます。あなたの労基法対策が、合格への確かな一歩になりますように。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。中小企業を中心に270社超を支援し、研修・セミナーへの登壇は250回を超える。現在は、生成AI・ITを経営や業務に生かす実践的な方法と、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験などの学習法・過去問解説を発信している。著書に『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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