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社労士の受験資格!中卒や高卒、専門学校の卒業でも大丈夫?

社労士の受験資格

ビジネスマンが取得する国家資格の中でも、社会保険労務士(社労士)は人気です。

年度によって違いがありますが、毎年4万人近くの方が社会保険労務士(社労士)を受験していますね。

社会保険労務士(社労士)が人気なのは、独占業務があったり独立開業が可能だったりという理由です。

しかし、残念ながら社会保険労務士(社労士)は誰でも受験できる試験ではありません。

社会保険労務士(社労士)の試験を受けるには、次の3つのいずれかをクリアする必要があります。

  • 学歴
  • 実務経験
  • 厚生労働大臣の認めた国家試験合格

どれか一つでOKですので、「学歴と実務経験の両方の受験資格が必要」というわけではありません。

ここでは、社会保険労務士(社労士)の試験の受験資格について詳細に説明します。

社会保険労務士(社労士)の試験の受験資格は3つのいずれかをクリアする必要あり!

学歴

社会保険労務士(社労士)試験の受験資格の一つが学歴で、大卒や短大卒の人はそれだけで受けられます。

下記の5つの中から1つをクリアしていれば、社会保険労務士(社労士)の受験資格があると認められるわけです。

  • 学校教育法(昭和22年法律第26号)による大学や短期大学、専門職大学や高等専門学校(5年制)を卒業した者
  • 上記の大学において(短期大学を除く)、62単位以上を修得した者(卒業認定単位以外の単位を除く)
  • 旧高等学校令による高等学校高等科や旧大学令による大学予科を卒業し、または修了した者
  • 厚生労働大臣が認めた学校等を卒業または所定の課程を修了した者
  • 修業年限が2年以上に加えて、課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間(62単位)以上の専修学校の専門課程を修了した者

少々ややこしいのですが、大学や短期大学はもちろんのこと、一定の専修学校(いわゆる専門学校)の卒業者も社会保険労務士(社労士)の試験の受験資格がありますよ。

大学ではなくても、厚生労働大臣が認めた学校を卒業していればOKです。

具体的にどのような学校を卒業していれば、社会保険労務士(社労士)の受験資格をクリアできるのかいくつかの例を見ていきましょう。

  • 保健師学校、同養成所
  • 助産師学校、同養成所
  • 保育士を養成する学校
  • 理学療法士学校、同養成施設
  • 作業療法士学校、同養成施設
  • 美容師養成施設
  • 旧診療エックス線技師学校、同養成所
  • 視能訓練士学校、同養成所
  • 歯科技工士学校、同養成所
  • 社会福祉主事の養成機関
  • 小学校教員養成機関
  • 海上保安大学校本科
  • 旧航空保安職員研修所本科

参考:http://www.sharosi-siken.or.jp/pdf/03/03_01_gakureki.pdf

美容専門学校を卒業している方も、社会保険労務士(社労士)の受験資格があります。

ただし、社会保険労務士(社労士)の試験に申し込むには、卒業証明書などの受験資格を証明する書類が必要です。

実務経験

社会保険労務士(社労士)の実務経験をお持ちの方も、試験の受験資格があります。

全国社会保険労務士会連合会試験センターが定める社会保険労務士(社労士)の実務経験の受験資格は次の5つです。

  • 労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の役員、または従業者として実務経験に従事して通算3年間以上が経過する者
  • 国や地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間が3年以上、または特定独立行政法人や特定地方独立行政法人の職員として行政事務に相当する事務に従事した期間が3年以上の者
  • 社会保険労務士や社会保険労務士法人、または弁護士法人の業務の補助の実務に従事した期間が通算で3年以上の者
  • 労働組合の役員として労働組合の業務に専従した期間が通算で3年以上の者又は会社その他の法人(法人でない社団又は財団を含み、労働組合を除く)の役員として労務を担当した期間が通算して3年以上になる者
  • 労働組合の職員や法人、または事業を営む個人の従業者として労働社会保険諸法令に関する事務に従事した期間が3年間以上の者(特別な判断を要しない単純な事務は除く)

少々内容が難しくてわかりにくいのですが、社労士の事務所や法人で3年以上に渡って実務に従事していた方は、それだけで社会保険労務士(社労士)の受験資格があります。

大卒や専門学校卒など、学歴で社労士の受験資格を満たすことができない際は、こちらで実務経験を積むのも一つの手です。

一般企業に勤めながら勉強時間を確保し、社会保険労務士(社労士)の試験に合格するのは言葉でいうほど簡単ではありません。

しかし、社労士の事務所に勤務して実務経験を積みながら受験資格を得て、社会保険労務士(社労士)の試験の合格を目指すのは効率の良い方法です。

社会保険労務士(社労士)の受験資格の実務経験を証明するには、出願する際に実務経験証明書を提出します。

以下では、実務経験証明書に記載する内容についてまとめてみました。

  • 受験者の氏名や生年月日、住所
  • 雇用形態(正社員・派遣社員・役員・期間契約社員・パート・アルバイト)
  • 勤務形態(常勤、非常勤の別)
  • 所属部署名や従事した事務内容
  • 実務経験に従事した期間

社会保険労務士(社労士)の受験資格は、実際に労働や社会保険関連業務に従事したかどうかで判断されます。

つまり、試験を受けるために作成する実務経験証明書には、なるべく従事した業務の内容について具体的に記載しないといけません。

社会保険労務士(社労士)の受験資格を証明する実務経験証明書のフォーマットは、社会保険労務士試験公式サイトから入手(ダウンロード)してください。

厚生労働大臣の認めた国家試験合格

社会保険労務士(社労士)の受験資格は、学歴と実務経験だけではありません。

厚生労働大臣の認めた国家試験合格、つまり他の国家資格を持つ方はそれだけで試験を受験できます。

社会保険労務士(社労士)の受験資格を満たす条件は次の3つです。

  • 社会保険労務士試験以外で厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者
  • 司法試験予備試験や司法試験の第一次試験、旧司法試験の高等試験予備試験に合格した者
  • 行政書士の資格を有する者

「厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者」の項目で、社会保険労務士(社労士)の受験資格を満たす代表的な資格をいくつか見ていきましょう。

  • 国家公務員採用総合職試験や一般職大学程度試験
  • 労働基準監督官採用試験
  • 自衛官採用試験
  • 自衛隊幹部候補生採用試験
  • 食品衛生監視員採用試験
  • 不動産鑑定士試験
  • 税務職員採用試験
  • 公認会計士試験
  • 土地家屋調査士試験
  • 中小企業診断士試験
  • 情報処理技術者試験
  • 労働安全コンサルタント試験
  • 気象予報士試験

当該試験に合格したことを証する書面や行政書士となる資格を有することを証する書面を提出すると、社会保険労務士(社労士)の試験を受けられます。

学歴で受験資格を満たせない時に実務経験を積むとなると、仕事を見つけてから最低でも3年間は働かないといけません。

社会保険労務士(社労士)の試験に合格するまでに長い期間がかかりますので、他の資格や試験に合格するのは受験資格を得る近道ですよ。

例えば、行政書士や中小企業診断士は社会保険労務士(社労士)と相性の良い資格で、開業した時は顧客へのアプローチ方法が増えます。

ダブルライセンスで更にステップアップできますので、社会保険労務士(社労士)と合わせて他の資格取得も目指してみてください。

中卒や高卒が社会保険労務士(社労士)の試験に合格するには?受験資格はないの?

他の国家資格と違い、社会保険労務士(社労士)の試験に受験資格がある点についておわかり頂けましたか?

学歴の社会保険労務士(社労士)の受験資格は大卒や専門学校卒ですので、残念ながら中卒や高卒の方は今のままでは受けることができません。

この時点で中卒や高卒の人は不利な情勢に立たされますが、上記でも説明したように次の2つの条件のいずれかをクリアしていれば社会保険労務士(社労士)の受験資格を得られます。

  • 社労士事務所や法人で働いて3年間以上の実務経験を積む
  • 厚生労働大臣の認めた国家試験の勉強をして合格する

確実に社会保険労務士(社労士)の受験資格を得たいのであれば実務経験、なるべく早く社会保険労務士(社労士)の試験を受けたいなら他の国家試験合格を目指すべきですね。

「中卒や高卒の自分を雇ってくれるところはあるのか?」と不安を抱えている方は少なくありません。

絶対に働くことができるとは言い切れませんが、未経験でも採用してくれる社会保険労務士事務所や一般法人の社保実務担当者の仕事はあります。

その際にはある程度独学で勉強で知識を身につけて、「社会保険労務士(社労士)の資格取得を考えている」という点をアピールしましょう。

「3年間も働くのはちょっと・・・」と考えている中卒や高卒の方は、ゼロから他の国家資格を取得して社会保険労務士(社労士)の受験資格を得る必要があります。

社会保険労務士(社労士)と相性の良い資格として行政書士が有名ですが、どちらも合格率の低い難関資格だと心得ておいてください。

アルバイトやパートでも社会保険労務士(社労士)の受験資格を得られるの?

正社員ではなくアルバイトやパートの方は、労働時間や従事した業務内容で社会保険労務士(社労士)の実務経験の受験資格を得られるのか決まります。

正社員と同じように、フルタイムで社労士事務所などで働いているのであれば特に問題はありません。

しかし、下記に該当するパートやアルバイトは社会保険労務士(社労士)の受験資格を得るのは難しいでしょう。

  • 1週間の労働時間が正社員と比較して短い
  • 単純な事務作業にしか携わっていない

社会保険労務士(社労士)の実務経験の受験資格は、ただ働いた期間だけではなく、従事した内容とも深く関わってきます。

正社員と比べてみると、パートやアルバイトは受験資格として認められないこともありますので注意してください。

社会保険労務士(社労士)の受験資格の事前確認について

「自分に社会保険労務士(社労士)の試験の受験資格があるのか?」と迷っている方はいませんか?

実務経験の受験資格は学歴のようにわかりやすくないため、不安な点は試験センターに事前確認すべきです。

様式及び送付状に必要事項を記入し、試験センターに送ると社会保険労務士(社労士)の受験資格について問い合わせることができます。

ただし、社会保険労務士(社労士)の受験資格の事前確認を行う前に次の点に同意しないといけません。

  • 事前確認は原則的に試験の受験を申し込む本人に限る
  • 確認事項が受験資格照会なのか免除資格照会なのか明らかにする
  • 証明印は不要だが「会社等の住所」などの項目を漏れなく記入する
  • 事前確認の回答は9時30分~12時、13時~17時30分の間に電話で行われる
  • 通常は書類到着から1週間以内の回答だが、照会内容によっては時間を要する
  • 連絡先電話番号の記入漏れや誤りがある時は連絡できないことがある
  • 照会内容によっては様式及び送付状以外の書類を提出する必要がある
  • FAX送信で発生する通信料や郵送の切手代は照会者の自己負担になる

事前確認の詳細は、社会保険労務士試験オフィシャルサイトに目を通しておいてください。

まとめ

社会保険労務士(社労士)の試験の受験資格についておわかり頂けたでしょうか?

社会保険労務士(社労士)の試験を受けるには、「学歴」「実務経験」「厚生労働大臣の認めた国家試験合格」の3つのいずれかをクリアする必要があります。

実務経験が3年間以上だったり他の資格を取得していたりすれば、中卒や高卒の人でも社会保険労務士(社労士)の受験資格があると認められます。

社会保険労務士(社労士)は将来的に役立つ資格ですので、スキルアップを目指している方は試験学習をスタートしてみてください。