この記事では、FP技能士の試験科目の一つ「金融資産運用」の概要や勉強法について説明します。
FP技能士の試験科目は、1級~3級のすべてにおいて、以下の一覧にある6科目から出題されます
「金融資産運用」では、債券投資、投資信託、株式投資をはじめ、様々な金融商品が登場します。
これまで、投資経験のある方には敷居の低い一方、投資経験のない方にとっては馴染みにくい、苦手意識を持ちやすい科目です。
しかし、金融資産運用の知識は、個人の資産を安全に増やしていくためには決して欠かすことのできないものです。
この「金融資産運用」の科目について、内容の説明や勉強するうえでの留意点などをチェックしていきましょう。
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目次
FP・ファイナンシャルプランナー試験で出題される金融資産運用とは
先に触れたとおり、金融資産運用では、様々な金融商品の種類やそれぞれの特徴まで、幅広い内容を理解することになります。
それだけではありません。それぞれの金融商品の知識や情報の前に、経済、金融全体の仕組みや制度・動向など、つまりマーケット全体についても学習します。
具体的には、
- 国内総生産(GDP)、経済成長率などの経済指標
- マーケットの変動要因(例:景気と金利の関係、物価と金利の関係、など)
- 日本銀行の金融政策
などです。
このようなマーケット全体の知識は、金融商品を選ぶ際の前提知識となります。
つまり、マーケット全体を見通す知識がないと、
「間違えて価格の下落方向にある株価を買ってしまった」
などの原因になりかねません。
これでは、恐ろしくて金融商品の取り扱いをするどころじゃないですよね。
他にも、金融商品を取り扱う際の税金の扱いや、金融商品の取り扱いに関する法律などについても学びます。
FP・ファイナンシャルプランナー試験で出題される金融資産運用の出題範囲(出題内容)は
ファイナンシャルプランナー(FP)の試験で出題される「金融資産運用」の出題範囲は、以下のとおりです。
- マーケット環境の理解
- 預金および貯金・金融類似商品等
- 投資信託
- 債券投資
- 株式投資
- 外貨建て商品
- 保険商品
- 金融派生商品
- ポートフォリオ運用
- 金融商品と税金
- セーフティネット
- 関連法規
- 金融資産運用の最新の動向
金融資産運用においては、2級と3級の出題範囲の分類はまったく同じです。
上記のとおり、様々な金融商品がありますが、単なる暗記だけでなく、
- 預貯金や債券の利回り計算
- 株式の投資指標の計算(例:配当性向、PERなど)
などの計算問題も出題されます。
普段あまり電卓を使うことのない方は、電卓になれておくことも必要です。
FP・ファイナンシャルプランナー試験で出題される金融資産運用の勉強方法や勉強のポイント(コツ)
FP技能士試験をクリアするため、金融資産運用の効果的な勉強方法やポイント(コツ)について見ていきましょう。
特に苦手意識のある方におすすめしたいのが、
少額でもよいので、自分で投資をやってみる
ことです。
実は、一部の証券会社では、「100円から始められる投資信託商品」を扱っているところもあります。
わずか缶コーヒー一杯分の値段から投資を始められますので、これならどなたでも大丈夫でしょう。
わずか100円でも投資を始めると、
絶対に損をしたくない!
と意識が働いて、苦手なマーケット環境の知識などにも、自然と興味が出てくるのです。
まだ投資を始めたことのない方は、だまされたと思って、ぜひ少額で投資を始めてみてください。
FP・ファイナンシャルプランナー試験で出題される金融資産運用の頻出論点は?
金融資産運用も、出題範囲は非常に広い分野です。
当然、この分野でも「満点ではなく、60点を確実に狙う戦略」を取るべきです。
まずは、2級・3級共通の頻出の論点を見てみましょう。
- マーケット環境の理解
- 投資信託
- 債券投資
- 株式投資
以上に加え、2級では「ポートフォリオ運用」と「金融商品と税金」が頻出であり、3級では「関連法規」が頻出となっています。
となっています。
これらについては、他の論点の1.5倍以上は学習するつもりで取り組みましょう。
なお、テキストを読むインプット学習だけでなく、過去問や問題集を使ったアウトプット学習も必ず実施しましょう。
インプット時より、アウトプット学習をした時のほうが「しっかりと解答を暗記できる」というのは脳科学で証明されています。また、過去問を使って本番試験での出題形式に馴れておくのも重要ですよ。
金融資産運用の勉強は、少しでも興味を持つとグッとラクになります。
さきほど紹介した少額投資など、自分自身で工夫してみてください。
まとめ
以上のように、ファイナンシャルプランナーの試験で出題される金融資産運用についてまとめました。
顧客のファイナンシャル・プランニングを成功させる上で、金融資産運用の知識は欠かすことはできません。
ぜひ、「金融資産運用」を攻略して、顧客にとって頼りがいのあるファイナンシャルプランナーを目指してください。