福祉用具貸与・販売のAI活用|最初の一手と人に残す判断

福祉用具貸与・販売のAI活用:貸与中の1台×利用者を単位に、計画・提供期間・モニタリングを1本の貸与台帳に載せる流れ

最終更新日: 2026年9月27日/内容確認日: 2026年9月27日

本記事では、介護保険法の指定を受けて福祉用具貸与を行い、同じ事業所で特定福祉用具販売・介護予防福祉用具貸与・特定介護予防福祉用具販売の指定も併せて受けて一体的に運営し、自社又は委託先で福祉用具の保管・消毒を行う中小の法人を主なモデルとして想定します。これは本記事の設計上の前提で、業界の典型像ではありません。指定を受けない介護用品の販売、住宅改修の工事、介護保険外の自費レンタルは範囲に入れていません。

「居宅基準」は指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準、「予防基準」は指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準で、いずれも国の省令です。事業所に直接かかる基準は、本記事では所在地の都道府県(指定都市・中核市の区域では市)の条例と整理しています(節9)。法令は2026年9月26日に施行されている版で確認しました。

目次

1. 結論:福祉用具貸与・販売なら何から始めるか

福祉用具貸与・販売でAIを使うなら、最初の一手は「貸与中の1台×利用者を単位に、計画・提供期間・モニタリングを1本の貸与台帳に載せること」です。次に「回収した1台ごとに、消毒と点検の状態を持つこと」、その次に「選定の提案を、1件ごとの選定提案記録に載せること」が続きます。

番号は効果の大きさの順位で、実施の順序とは分けています。効果の大きさは、その記録を入力に使う後ろの作業の数(本記事の業務の分解で10・7・5)で比べた業務の構造の物差しで、時間や金額の削減の大きさではありません。実施では、商品台帳を導入前提として先に置きます(節3)。

一方で、選定の提案、計画の確定と利用者の同意、使用を始めてよいか・再び貸与してよいかの判断、モニタリングの結果を踏まえた計画の変更の判断、提供により事故が発生した場合の連絡と措置、苦情への対応は、AIに渡せない領域として残ります(節6)。選択制の対象福祉用具で貸与と販売のどちらにするかを選ぶのは利用者です。原則は「AIは記録の組立てと候補まで、確定は人」です。

2. 業務全体の流れ

本記事のモデルでは、1件の利用は次の順で流れ、4から貸与と販売に分かれます。

  1. 被保険者証で要介護認定(介護予防は要支援認定)の有無と有効期間を確かめる。
  2. 福祉用具専門相談員が身体の状況と住環境を確かめ、選定の相談に応じる。
  3. 居宅介護支援事業者(介護予防は介護予防支援事業者)の側が開催するサービス担当者会議等を通じて心身の状況等の把握に努め、重要事項を説明して同意を得る。
  4. 貸与:相談員が福祉用具貸与計画(介護予防は介護予防福祉用具貸与計画)を作成して利用者と介護支援専門員に交付し、搬入・点検・調整と使い方の指導をする。モニタリングの結果を記録し、介護は居宅サービス計画を作成した指定居宅介護支援事業者、介護予防は介護予防サービス計画を作成した指定介護予防支援事業者に報告する。要らなくなれば回収して消毒・点検し、次の利用者に貸与する。
  5. 販売:相談員が特定福祉用具販売計画(介護予防は特定介護予防福祉用具販売計画。貸与もあれば貸与の計画と一体)を作成して利用者に交付し、点検・調整と使い方の指導をして販売する。販売費用の額の支払を受けたときは、証明書、領収書、パンフレットその他の概要を記載した書面を利用者に交付する。本記事のモデルでは、販売に回収・消毒・再貸与の流れは続きません。

本シリーズではこの仕事を、月をまたいで続く貸与とモニタリング、回収・消毒・点検の反復という周期で動く型とし、依頼や状態の変化、事故・苦情を起点に動く性格も持つものと整理しています。

3. AI導入優先Top3

効果の大きさ 実施の順序
導入前提:商品台帳 — ①
Top1:貸与台帳 最も大きい ②
Top2:個体の状態 2番目 ③
Top3:選定提案記録 3番目 ④(②・③と並行してよい)

導入前提。 取り扱う商品ごとに、告示の種目と条件に照らして人が確かめた結果、選択制の対象福祉用具か、全国平均貸与価格と貸与価格の上限(厚生労働省の公表と照合した値)を台帳にします。厚生労働省の資料は、上限設定等の対象を月平均100件以上の貸与件数がある商品と記載しています。

Top1:貸与中の1台×利用者を単位に、計画・提供期間・モニタリングを1本にする

何をするか。 貸与中の1台(個体)と利用者の組をキーに、計画のモニタリングの時期、提供の開始日と終了日、モニタリングの実施日・記録の確定日・報告の送付日を1行に並べ、物流の納品日と回収日は別の欄にします。

なぜ最初か。 居宅基準では、福祉用具専門相談員は、目標、具体的なサービスの内容、モニタリングを行う時期等を記載した福祉用具貸与計画を作成し、利用者と介護支援専門員に交付します(第199条の2第1項・第4項)。計画の作成後にモニタリングを行い(対象福祉用具に係る貸与では「サービス提供の開始時から六月以内に少なくとも一回」行って継続の必要性を検討)、結果を記録して、居宅サービス計画を作成した指定居宅介護支援事業者に報告します(同条第5項・第6項)。指定福祉用具貸与事業者は、提供の開始日と終了日、種目と品名を、居宅サービス計画を記載した書面又はこれに準ずる書面に記載します(第19条第1項の読替え)。本記事では、これらに納品日と回収日を加えて1台×利用者で結ぶ設計にしました(介護予防の違いは節9)。この記録を入力に使う作業が最も多いと置いています。

どう始めるか。 1つの事業所の貸与中の利用者から20人を選び、1台ごとに1行を作ります。欠けている欄は「要確認」と表示し、AIには時期の計算と欠けの抽出、モニタリングの記録の下書きだけをさせます。本記事の設計では納品日・回収日と提供の開始日・終了日が一致しない場合も想定し、六月以内の計算(対象福祉用具に限る)には提供の開始日を、請求の照合には提供の開始日・終了日を使います。介護予防の利用者は時期と報告先を別の欄にします。記録は福祉用具専門相談員が全件確認して確定し、確定前の下書きは報告に使いません。

何を測るか。 モニタリングの予定日から報告の送付までの日数、予定の時期や六月以内の期間を過ぎた件数、記録の作成時間。

注意。 貸与台帳は照合のための本記事の設計で、計画や提供の記録は基準が定める単位のまま保存します。モニタリングの結果による判断はAIに出させません。

Top2:回収した1台ごとに、消毒と点検の状態を持つ

何をするか。 回収した1台ごとに、受入日、消毒と点検・補修の実施日と実施者、再び貸与してよいかの判断日と判断者、現在の状態(本記事では未消毒・消毒済・点検済・貸出可・廃棄と呼びます)を1行に並べます。

なぜ二番目か。 居宅基準は、指定福祉用具貸与事業者に、回収した福祉用具を「その種類、材質等からみて適切な消毒効果を有する方法により速やかに」消毒し、既に消毒が行われたものと行われていないものとを区分して保管することと(第203条第2項)、常に清潔かつ安全で正常な機能を有する福祉用具を貸与することを求めています(第198条第2項)。保管又は消毒を委託等により他の事業者に行わせる場合は、契約の内容で適切な方法を担保し、業務の実施状況を定期的に確認して結果等を記録します(第203条第3項・第4項。介護予防は予防基準第273条)。本記事では、これを個体の状態として持つ設計にしました。入力に使う作業はTop1に次いで多いと置きました。実施はTop1の納品と回収の記録を使うためTop1の後です。

どう始めるか。 1つの種目(例えば特殊寝台)の在庫と回収品のすべての個体で始め、委託している場合は委託先の報告と自社の確認の記録を別の欄にします。AIには作業記録の組立てと、消毒の記録が無いのに点検済になっているといった欠けの抽出だけをさせ、「貸出可」にはさせません。

何を測るか。 回収から貸出可までの日数、棚卸での状態と現物の不一致の件数、記録の欠けの件数。

Top3:選定の提案を、1件ごとの選定提案記録に載せる

何をするか。 アセスメントの要点、居宅サービス計画の目標、同じ種目で機能や価格帯の異なる複数の候補とその利用料・全国平均貸与価格・上限、対象福祉用具なら選択制の説明と関係者の意見、提案と理由、利用者の選択と同意を1件の記録に並べます。

なぜ三番目か。 居宅基準は、福祉用具専門相談員の行う方針として、目録等の文書を示して機能、使用方法、利用料、全国平均貸与価格等に関する情報を提供し、個別の貸与に係る同意を得ることと(第199条第1号)、同一種目における機能又は価格帯の異なる複数の福祉用具に関する情報を利用者に提供すること(第9号)を定めています。対象福祉用具では、貸与と販売のいずれかを利用者が選択できることを十分に説明し、選択に必要な情報を提供し、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士その他の関係者の意見と身体の状況等を踏まえて提案します(第199条第2号・第214条第2号。介護予防は予防基準第278条・第291条)。本記事では、これを1件の記録で確かめる設計にしました。入力に使う作業は3つの中で最も少ないと置きました。Top1・Top2の出力を材料にしないため、並行して始めてかまいません。

どう始めるか。 選定中と直近に選定した利用者(例えば5人)で欄を埋め、全国平均貸与価格と上限は導入前提で公表と照合した値だけを入れます。要支援・要介護1の者の原則対象外の種目に当たる場合はその旨だけを表示し、例外に当たるかは判定しません(節12)。AIには構造化と候補の比較、説明資料の下書きだけをさせます。

何を測るか。 情報提供の欄の充足率、訪問から計画の交付までの日数、選定が合わず交換した件数。

注意。 AIの候補の順位をそのまま提案にしないでください。提案を決めるのは福祉用具専門相談員で、選択制の対象福祉用具で選ぶのは利用者です。

4. AIに任せやすい仕事

人が確定した記録や値を機械的に並べる仕事です。

  • 形を整える。 納品書・回収伝票・消毒の作業記録を1台×利用者の行へ並べ替える。
  • 照らし合わせる。 人が確定した提供の開始日・終了日と請求明細の日付の対応付け。
  • 違いを見つける。 商品台帳の貸与価格と、公表から人が転記した上限の差。
  • 足りないものを探す。 モニタリングの記録が無い行、消毒の記録が無い個体、選定提案記録の空欄。
  • 下書きを作る。 確定した台帳からの状態ごとの集計表。
  • 探し出す。 計画に記載したモニタリングの時期が近い行。

差や空欄をどう扱うかは人が決めます。

5. AI支援に向く仕事

AIが候補や下書きを作り、人が全件確認してから使う仕事です。確認は品質の設計です。

  • モニタリングの記録と報告の送付文の下書き。 福祉用具専門相談員が確定してから報告します。
  • 選定の材料。 比較表、説明資料、計画の下書き。説明は相談員が行います。
  • 個体の状態の遷移の候補。 作業者が確認し、「貸出可」は再び貸与してよいかを判断する者が付けます。
  • 請求明細とサービス提供票の差異の候補。 担当者が全件確認し、請求は責任者が確定します。算定の方法はAIに推定させません。
  • 苦情・事故の記録の下書き。 連絡の期限をAIに推定させません。

6. 人に残す仕事・判断

線の引き方は「AIが答えを出せるか」ではなく「誰がその答えに責任を持つのか」です。AIの照合がどれだけ当たっていても、再び貸与してよいかは1台ずつ人が決めます。

福祉用具専門相談員。 介護保険法の福祉用具貸与・特定福祉用具販売は、利用者が福祉用具を選定するに当たり、福祉用具専門相談員から専門的知識に基づく助言を受けて行われる貸与・販売です(同法第8条第12項・第13項、介護保険法施行令第4条第1項。介護予防も同じ)。

法令が義務者や役割を定めていること。

  • 選定の提案と計画。 相談・情報提供・提案と、計画の作成・説明・利用者の同意・交付は福祉用具専門相談員が行います(居宅基準第199条・第199条の2。介護予防の計画の作成と交付は予防基準第278条の2)。
  • 使用を始めてよいか、再び貸与してよいか。 常に清潔かつ安全で正常な機能を有する福祉用具を貸与する義務は指定福祉用具貸与事業者にあり(第198条第2項)、点検・調整・使用方法の指導は福祉用具専門相談員の行う方針です(第199条第3号・第4号)。
  • モニタリングの結果。 対象福祉用具に係る貸与での継続の必要性の検討と、結果を踏まえた必要に応じた計画の変更は福祉用具専門相談員が行います(第199条の2第5項・第7項)。
  • 事故と苦情。 利用者に対する提供により事故が発生した場合、市町村、家族、居宅介護支援事業者等に連絡して必要な措置を講じ、状況と処置を記録します(第37条の準用。介護予防の連絡先は節9)。苦情の窓口の設置等の措置と、受け付けた苦情の内容等の記録も事業者が行います(第36条の準用)。

自社の責任者が決めること。 貸与価格・販売価格の設定と改定、個体の購入と廃棄、未収の回収の方針、AIに入れる情報の範囲。

7. Best Practice

到達点は、本記事の整理では「貸与中の1台、回収した1台、1件の選定が、それぞれの単位で記録され、互いに引ける」構造です。

第一に、計画・提供の開始日と終了日・モニタリング・納品と回収が1台×利用者の行に並びます。保存は基準が定める記録として行います。

第二に、再び貸与してよいかの判断を経た個体だけが搬入の候補に出ます。

8. Before / After

Before。本記事が置いた想定です。 計画、モニタリング、納品と回収の記録、請求、回収品の状態が、別々の帳票やシステムに分かれている状態を出発点とします。業界の実態ではありません。

After。到達点として置いた姿です。 モニタリングの時期と記録の欠けが一覧になり、回収品は状態で追え、選定の経緯が残ります。判断は動いていません。

9. 法令・規制・情報管理

以下は本記事の実務上の整理で、条文を確かめた規律だけを挙げており、すべての規律ではありません。法令の条文は2026年9月26日に施行されている版で確認し、それより後に施行される改正の内容は扱っていません。

国の基準と条例。 介護保険法は、指定居宅サービス事業者が事業所ごとに都道府県の条例で定める基準に従い条例で定める員数の従業者を有し、設備と運営の基準も条例で定めるとし、条例を定めるときに省令の基準に「従う」「標準とする」「参酌する」事項を分けています(第74条。介護予防は第115条の4)。指定都市(地方自治法施行令第174条の31の4)と中核市(同令第174条の49の11の2)の区域では、それぞれ指定居宅サービス事業者と指定介護予防サービス事業者に関する都道府県の事務を市が処理します(介護保険法第203条の2、介護保険法施行令第51条の3)。本記事では、事業所に直接かかる基準を所在地の都道府県(指定都市・中核市の区域では市)の条例と整理し、条例の内容は確かめていません。

種目と選択制。 貸与と販売の種目は告示(平成11年厚生省告示第93号・第94号。厚生労働省が掲載するものを2026年9月26日に確認)で定められ、貸与は13種目、販売は9種目です。種目によっては「取付けに際し工事を伴わないものに限る」といった限定が付きます。居宅基準の「対象福祉用具」は、介護保険法第8条第12項の厚生労働大臣が定める福祉用具と同条第13項の特定福祉用具のいずれにも該当する福祉用具で(第199条第2号)、厚生労働省のページは、令和6年4月1日から固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖が対象になったと記載しています(行政の説明で法令ではありません)。

介護と介護予防の違い。 本記事の整理では、介護予防福祉用具貸与・特定介護予防福祉用具販売は介護の側と同じ工程で扱えますが、条文は次の6点で違います。①計画(販売計画を含む)に「サービスの提供を行う期間」を記載する。②計画は介護予防サービス計画に沿い、貸与のモニタリングはサービス提供の開始時から必要に応じて行い(対象福祉用具は六月以内に少なくとも一回)、結果の報告先は指定介護予防支援事業者。③利用者ができる限り要介護状態とならないで自立した日常生活を営むことができるよう支援する目的を常に意識し、能力を最大限活用できる方法での提供に努め、計画に基づき日常生活を営むのに必要な支援を行う。④市町村への通知の事由に「要介護状態になったと認められるとき」を含む。⑤提供により事故が発生した場合の連絡先は、市町村・家族のほか介護予防支援事業者等。⑥購入費の条が違う(介護は介護保険法第44条、介護予防は第56条)。

記録の保存。 居宅基準は、福祉用具貸与計画、保管・消毒の委託先の確認の結果等の記録、事故の状況及び処置の記録など7種を整備し、その完結の日から2年間保存することを求めています(第204条の2第2項。販売は第215条で6種、介護予防は予防基準第275条・第288条)。国の基準の期間で、所在地の条例で確かめてください。

医療機器。 取り扱う商品が医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の医療機器に当たる場合に限り、高度管理医療機器等の販売業・貸与業の許可(第39条)や、管理医療機器(特定保守管理医療機器を除く)を業として販売・貸与する場合のあらかじめの届出(第39条の3)が関わります。どの商品が当たるかは本記事では確かめておらず、商品ごとの表示やメーカーの資料で人が確かめます。

個人情報と、生成AI・クラウドへ出す条件。 個人情報データベース等を事業の用に供している個人情報取扱事業者は、取り扱う個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じ、その取扱いを委託する場合は委託先を監督します(個人情報の保護に関する法律第16条第2項・第23条・第25条)。病歴や、個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の障害があることなどを内容とする記述等が含まれる個人情報は要配慮個人情報で(第2条第3項、同法施行令第2条)、取得には、法令に基づく場合などの例外を除き、あらかじめ本人の同意が要ります(第20条第2項)。アセスメントの項目ごとに当たるかは、本記事では判定していません。

外部へ渡すときは、第三者提供(あらかじめ本人の同意を得るのが原則で、法令に基づく場合などの例外があります。第27条第1項)、利用目的の達成に必要な範囲内の委託に伴う提供(提供先は第三者に当たらず、委託先の監督の対象。同条第5項第1号)、その他のどれに当たるかを、居宅介護支援事業者、保管・消毒や配送の委託先、システムの事業者ごとに人が確かめます。

生成AIやクラウドへ利用者の情報を入れる前に、次の6点を確かめ、組織が利用を承認したサービスに限ります。①入れる情報を必要最小限にする②入力データを学習に利用するか③保存期間と削除の方法④契約上の機密保持とデータの取扱条件⑤アクセス権限と利用ログ⑥再委託や国外保存など、自社の規程上確認が必要な事項。

10. 最初の30日プラン

1週目:測る。 台帳で照合を確かめられない商品、1つの事業所の20人の予定日から報告の送付までの日数と作成時間、1つの種目で状態を確かめられない個体、直近5人の選定で確かめられない情報提供の項目を数えます。管理者1名と福祉用具専門相談員1名で7日間です。

2週目:正本とルールを決める。 最初に商品台帳を作り、次に貸与台帳の様式を決めます。個体の状態の名前と進める条件は社内のルールで決めます。選定提案記録は情報提供の項目を欄として固定し、要支援者の計画の下書きには「サービスの提供を行う期間」の欄を持ちます。

3週目:人が全件確認する小規模試行。 1つの事業所の20人で貸与台帳の組立てと欠けの抽出を試し、記録の下書きは福祉用具専門相談員が全件確認して確定します。並行して選定提案記録を試します。節6の判断には手を付けません。

4週目:比べる。 1週目と同じ項目を測り直し、次に広げるか様式を直すかを決めます。次の候補は個体の状態と、請求明細とサービス提供票の突合です。

11. AI活用成熟度

  • Lv1 人依存。 記録が担当者の記憶と紙で回る。
  • Lv2 台帳化。 記録は表計算等にあるが別々で、同じ利用者と個体を何度も書く。
  • Lv3 一元化。 1台×利用者の記録、個体の状態、選定提案記録が同じ場所にある。
  • Lv4 AI支援。 台帳の欠けや請求の差異などをAIが出し、人が確定する。
  • Lv5 仕組み化。 モニタリングの結果が次の計画の下書きの材料として戻る。

Lv5は、AIが選定や再び貸与してよいかの判断を自動で行う状態ではありません。

12. FAQ

Q. モニタリングは6か月ごとに行えばよいのですか。 A. 「サービス提供の開始時から六月以内に少なくとも一回」行って継続の必要性を検討するのは、対象福祉用具に係る貸与の定めです。モニタリングを行う時期は計画に記載します。介護予防では開始時から必要に応じて行い、対象福祉用具は六月以内に少なくとも一回です(節9)。

Q. 貸与にするか販売にするかは、事業者が決めてよいですか。 A. 選択制の対象福祉用具では、選ぶのは利用者です。福祉用具専門相談員は、選択できることを十分に説明し、必要な情報を提供し、医師等の関係者の意見と身体の状況等を踏まえて提案します。

Q. 要支援や要介護1の利用者に、特殊寝台や車いすを貸与できますか。 A. 厚生労働省の資料は、要支援・要介護1の者(軽度者)に対する車いす・特殊寝台(いずれも付属品を含む)など7種目を原則として給付の対象外とし、告示に該当する対象者について、要介護認定の基本調査結果等に基づく判断があった場合、又は市町村が医師の所見やケアマネジメントの判断等を書面等で確認の上要否を判断した場合には例外的に給付が可能と記載しています。根拠の告示は本記事では確かめておらず、例外に当たるかを事業者の側で判定しない設計です。

Q. 利用者の情報を生成AIに入れてもよいですか。 A. 節9の6点を確かめ、組織が利用を承認したサービスに限ります。AIサービスへの入力が委託・第三者提供のどれに当たるかは、契約と取扱いで人が確かめます。

13. 関連業態・シリーズ導線

訪問介護事業所の記事は、Top1を音声やメモから提供記録の草案を作ることに置いています。本記事の整理では介護そのものを提供する側で、本記事の業態は介護を提供しません。

医療機器卸の記事は、病院・診療所・介護施設等へ医療機器を販売・貸与する卸売事業者を想定し、Top1をシリアル/ロットから納入施設・納入日・現在の状態を逆引きすることに置いています。本記事の整理では、本記事の業態とは、商品が医療機器に当たる場合に限って許可・届出の論点が重なります。

業種別AI活用の一覧はピラーページにまとめています。

14. この記事を自社に当てはめたい方へ

保管・消毒を自社で行うか委託するか、選択制の対象福祉用具をどれだけ扱うかで、最初の一手は変わります。

15. 無料AI戦略診断/AI顧問

AI戦略診断は無料・登録不要です。回答すると、自社のAI活用がいまどの段階にあるかと、最初に取り組むべき領域が分かります。

自社の業務に沿って一緒に設計したい方には、AI顧問サービスがあります。まず話を聞いてみたい方は、お問い合わせから30分の無料リモート面談をご利用ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。中小企業を中心に270社超を支援し、研修・セミナーへの登壇は250回を超える。現在は、生成AI・ITを経営や業務に生かす実践的な方法と、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験などの学習法・過去問解説を発信している。著書に『Webマーケティング最強の1冊目』(千葉テレビ『モーニングこんぱす』で紹介)
『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

目次