目次
CFPはファイナンシャルプランナー(FP)の民間資格!
ファイナンシャルプランナーと一口に言っても、次の国家資格と民間資格にわけられます。
- 国家資格のFP技能士1級・FP技能士2級・FP技能士3級
- 民間資格のAFP(Affiliated Financial Planner)とCFP(Certified Financial Planner)
CFPは、ファイナンシャルプランナーの民間資格です。
日本でファイナンシャルプランナーを目指す場合、多くの方はFP3級やFP2級を目指しますね。
しかし、CFPは北米やアジア、ヨーロッパを中心とする世界24ヵ国で導入されている世界が認めるプロフェッショナルFPの証です。
各国のCFP資格は、次の4Eを認定要件としています。
- Education(教育):所定のFP教育カリキュラムを修了してライセンスの維持のために単位を取得する
- Examination(試験):ファイナンシャル・プランニングの内容を実務で活かせるのか試験を受けて証明する
- Experience(経験):試験に合格してからCFPエントリー研修を修了し、経験要件3年の申請で認定される
- Ethics(倫理):日本FP協会が定めている会員倫理規程の順守に関する約定書に署名する
CFPの認定者は高度な知識と経験を持つ何よりの証明になりますので、日本でも目指す方は増えました。
【おすすめFP講座】
CFP資格試験の難易度はどれぐらい高い?
「CFPの資格を取得したいけど難易度はどれぐらい高いの?」と思っている方もいるのではないでしょうか。
CFPになるには、CFP資格審査試験に合格する必要があります。
結論から言うと、CFP資格審査試験はかなり難易度の高い試験です。
FP技能士3級とは違い、簡単に取得できる資格ではありません。
このページでは、CFP資格試験の難易度が高い理由について解説していきます。
1級のFP技能士と同等の水準
民間資格のAFPとCFPは、次の国家資格と同等の水準です。
- AFPはFP技能士2級と同等
- CFPはFP技能士1級と同等
FP技能士の中でも、1級は最上級の資格になります。
そのファイナンシャルプランナー1級とCFPはほぼ同じ水準ですので、難易度が高いことがおわかり頂けるのではないでしょうか。
多くの方は最初にAFPを取得し、その後にCFPを目指す流れになりますよ。
ファイナンシャルプランナーの資格を活かした業務に携わりたい方は、最上位のCFPを目指してみてください。
6種類の試験科目の全てに合格しないといけない
CFP資格審査試験では、以下の6種類の試験科目全てに合格しないといけません。
- 金融資産運用設計(個別商品の内容や損益計算、コンサルティングに活かせる内容など幅広い知識が問われる)
- 不動産運用設計(不動産の売買や賃貸借を中心に具体的な課題の解決に活用できる応用力も求められる)
- ライフプランニング・リタイアメントプランニング(FPの実務に関する知識やアドバイスする能力が求められる)
- リスクと保険(基本的な商品や保険税務知識に加えて、コンサルティングスキルを要求される)
- タックスプランニング(法人税や所得税を中心に税に関する総合的な知識が求められる)
- 相続・事業承継設計(相続税や贈与税の仕組みと計算方法、事業継承に関する知識が問われる)
試験科目は3級や2級と変わりません。
しかし、世界が認めるプロフェッショナルFPの証だけあって、試験内容も細かい部分まで問われます。
一度に6科目全てに合格しないといけないわけではありません。
それぞれの科目の合格に有効期限はないため、数年間をかけて全ての科目合格を目指す形になります。
競争試験の形式が採用されている
CFP資格審査試験は、あらかじめ取得すべき点数が決められているわけではありません。
他の受験者との点数の比較で合否が決まる競争試験の形式が採用されていますので、CFP資格審査試験の難易度は、年を追うごとに難易度が上がっていると想定できます。
合格基準点が決まっている試験であれば、「○○点くらい取れれば大丈夫だろう」と学習を進めることが可能です。
しかし、CFP資格審査試験の場合は忍耐強く勉強を行い、他の受験者よりも少しでも多くの点数を取る努力をしないといけません。
試験の合格率が低い
CFP資格審査試験の難易度の高さは、合格率を見ればわかります。
以下では、CFP資格審査試験の科目別でどのくらいの合格率なのかまとめてみました。
試験科目 | 金融資産運用設計 | 不動産運用設計 | ライフプランニング・リタイアメントプランニング | リスクと保険 | タックスプランニング | 相続・事業承継設計 |
---|---|---|---|---|---|---|
2013年11月 | 38.16% | 37.14% | 36.72% | 38.96% | 39.08% | 39.52% |
2014年6月 | 35.76% | 36.46% | 34.74% | 36.11% | 37.68% | 38.10% |
2014年11月 | 35.45% | 39.86% | 37.04% | 33.94% | 36.95% | 37.92% |
2015年6月 | 36.78% | 37.60% | 38.10% | 36.87% | 35.89% | 38.68% |
2015年11月 | 34.76% | 36.64% | 32.55% | 39.51% | 35.81% | 37.60% |
2016年6月 | 33.85% | 36.36% | 38.22% | 37.58% | 40.50% | 38.08% |
2016年11月 | 33.55% | 34.39% | 36.45% | 38.39% | 36.62% | 38.54% |
2017年6月 | 36.86% | 32.80% | 38.89% | 37.08% | 37.81% | 34.91% |
2017年11月 | 37.35% | 39.86% | 39.98% | 39.18% | 39.52% | 38.22% |
2018年6月 | 37.43% | 38.20% | 37.24% | 39.20% | 38.85% | 36.67% |
2018年11月 | 35.68% | 38.46% | 36.31% | 36.94% | 39.89% | 39.22% |
2019年6月 | 30.97% | 36.86% | 36.26% | 35.22% | 39.96% | 36.83% |
2019年11月 | 29.58% | 36.91% | 34.48% | 35.33% | 36.83% | 35.90% |
1科目の合格率は、30%~40%くらいで推移しています。
しかし、CFPの資格を取得するには6科目全てに合格する必要がありますので、一括合格率は約10%とかなり低くなっています。
更に同じ受験者が全てAFPに合格している実力者と考えると、CFP資格審査試験は、そのような実力者の中で競争に打ち勝たなくてはならないぐらい難易度が高いことが分かります。
偏差値のランキングから見た、CFPの難易度ランキング
以下は、複数の情報を元に当サイトがまとめた資格試験の偏差値一覧です。
ただ、厳密にはCFP含め、資格試験に公式な偏差値はありません。
ただし、多くの資格同士の難易度を比較する際、ある程度参考になりますので、「非公式なもの」と割り切って見て頂ければと思います。
- 偏差値70:「裁判官」
- 偏差値67:「弁護士(予備試験)」
- 偏差値61:「税理士(3科目受験2科目免除)」
- 偏差値60:「社労士」
- 偏差値56:「CFP」
- 偏差値48:「2級FP技能士」
CFP資格審査試験の受験資格
CFPは難易度の高い試験ですが、取得すればファイナンシャルプランナーとしての仕事の幅が広がります。
更に上を目指す人にとって取得しておきたい資格ですが、次の受験資格が設定されている点には注意しないといけません(どちらか一方に該当する必要がある)。
- AFPの資格認定者である
- 所定の大学院で単位を取得する
大学院で単位を取得していない方は、最初にAFPの資格認定を受ける必要があります。
まずは2級のファイナンシャルプランナーと同等のAFPになり、その後にファイナンシャルプランナー1級と同等のCFPを目指すわけです。
CFPを取得するメリットは?
CFPの資格を取得するに当たり、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
- 世界各国で導入されている信頼のおける資格で、高度なファイナンシャルプランナーとしてのスキルをアピールできる
- 就職や転職で有利になるだけではなく、自分で事務所を開いて独立開業する選択肢もある
- 2年間の継続教育期間を定めているため、常に最新の知識を持つことができる
- FPフォーラムに運営側として参加できるため、人脈を広げることができる
CFPの資格を維持するには更新が必要ですので、「勉強が面倒だな~」と感じている方は少なくありません。
その代わりに、常に最新の知識を持つことができますので、CFPの資格があれば顧客の満足度はアップしますよ。
高度なファイナンシャルプランニング・サービスを提供できる何よりの証明になるため、AFPの資格認定者はCFPへのステップアップを検討してみてください。
※CFPの勉強時間や勉強法は以下の記事を参考にしてください。
まとめ
CFPの資格が一体何なのか、どの程度難易度が高いのか、おわかり頂けましたか?
ファイナンシャルプランナーの1級と同等の水準であるCFPは、難易度の高い資格です。
試験の合格率は低いですし、6科目全てに合格しないといけません。
しかし、専門意識を生かして、人気企業に転職できたり、ファイナンシャルプランナーとして独立したりとキャリアプランが大きく広がりますので、FPに関心のある方は、最終的にCFPを目指すことがおすすめです。