こんにちは、トシゾーです。
今回は、中小企業診断士二次試験の参考書として、業界内でも有名な「ふぞろいな合格答案」について、説明します。
「ふぞろいな合格答案」は、ただ有名なだけでなく、「中小企業診断士2次試験対策のバイブル」とも呼ばれています。
とはいえ、まだ中小企業診断士の勉強を始めたばかりで「ふぞろいな合格答案」のことを良く知らない方には、何がすごいのか分からないですよね。
そこで、この記事では、そんな「ふぞろいな合格答案」について、
「なぜ、そんなに高評価なのか」
「どのように活用すれば効果がでるのか」
ということを、「ふぞろいな合格答案」をよく知らない方でも分かるように説明していきます。
ぜひ、「ふぞろいな合格答案」の素晴らしさ・活用方法をマスターして、二次試験対策を効果的に実施して頂きたいと思います。
目次
「ふぞろいな合格答案」のポイント
そもそも、なぜ「ふぞろいな合格答案」は、「中小企業診断士二次試験のバイブル」とまで言われるほど評価が高いのでしょうか?
そのポイントについて見て行きましょう。
大量の再現答案を収集して分析したり、合格者と不合格者の評価付きの再現答案を掲載したりしている
中小企業診断士二次試験は採点方法や模範解答が公開されていないため、記述式の問題をどう解答すれば合格できるのかわからないのが難点です。
これは、各予備校が公表する模範解答も同じで、それぞれの予備校が作成する二次試験の模範解答は「各予備校の解法(メソッド)で作成した解答」であり、予備校ごとに内容が全く異なります。
どの予備校が作成した模範解答が、中小企業診断協会の正解(未公表)に近いのか、すべては闇の中なのです。
そこで登場するのが「ふぞろいな合格答案」。
「ふぞろいな合格答案」では毎年、執筆メンバーが前年の受験生から再現答案を集めまくって、それらを分析したり、第2次試験の合格者と不合格者の再現答案を掲載したりしています。
※ちなみに2020年試験対策書籍に向けては、2019年度試験の再現答案が290名分あつまたのだとか・・・。半端ない数字ですね(汗)。
以下、「ふそろいな合格答案 公式ブログ」からの引用です。
今回はなんと昨年度を大きく上回る290名の再現答案が届いております。
皆さんの血と汗と涙の結晶ともいえる再現答案ですので、心を込めて分析させていただきます。
そして、その中で今回残念ながら不合格だった方々には、私たちの分析結果をもとにして再現答案に採点・コメントし、フィードバックいたしますので、お楽しみに!
このように「ふぞろいな合格答案」では、合格者と不合格者の両方の再現答案を大量に集めてデータを分析しているため、そこから見えてくる傾向を把握できるわけです。
中小企業診断士の第2次試験を受けた受験生の生のデータや情報の収集は、各予備校の模範解答解説集を購入しても得られませんから、世の中に未公表の中小企業診断士二次試験の正解に近づくための、唯一無二の参考書といってよいでしょう。
過去問を研究して合格者答案と不合格者答案の違いを押さえたり、たくさんの再現解答に触れて多面的な考え方を身につけたりできる・・・ふぞろいな合格答案は、そのような非常に強力な参考書になっています。
再現答案には評価がついているため、どの程度の答案が合格レベルなのかイメージしやすい
中小企業診断士二次試験を受験して不合格だった場合、不合格通知と共に、事例ⅠからⅣまでの科目毎の成績区分が「A・B・C・D」の4段階で通知されます。
「ふぞろいな合格答案」に掲載される再現答案には、こうした評価情報(成績区分)も記載されています(記載していないものもあります)。
そのため、たとえば再現答案を見ながら「この答案はBだから、合格まであと一歩のレベルなのか」など、自分で採点イメージを持ちながら再現答案を分析することができるのです。
これはかなり重要なことで、
「どんな答案を書いたら合格できるのか分からない」と
「合格のために必要な水準がある程度イメージできている」
では、後者の方が技術的・精神的に圧倒的に取り組みやすいものです。
このように、現実の合格レベルの答案がイメージできるだけでも、「ふぞろいな合格答案」を購入する価値は高いと考えています。
解答の採点をキーワード方式で行っている
「ふぞろいな合格答案」では、キーワード方式の採点を行っており、これも同書のウリの1つでしょう。
繰り返しになりますが、中小企業診断士の第2次試験は正解がなく、解きっぱなしの状態になりがちです。
他の参考書や予備校の模範解答を見ても、「まぁまぁ近いから80点くらい?」「ちょっと違うから赤点?」と、ファジーなイメージしか思い浮かばず、何を改善すれば良いのか見えてこない場合が多々あります。
一方でふぞろいな合格答案は、合格者が多く利用したキーワードに加点するキーワードベースの評価方式を採用しているのが特徴です。
採点基準に入ってくるキーワードを使うほど高得点になりますので、下記のように自分の解答が正しいのか誤っているのかある程度の指針になるでしょう。
- 採点してみて40点になる人はキーワードが不足している
- 採点してみて70点~80点の人は内容的には問題ないが、一方で情報を盛り込み過ぎて読みにくい文章になっていないかチェックが必要
もちろん、中小企業診断士の第2次試験は単純にキーワードで採点されているわけではなく、事例企業の経営課題を把握して解決できる内容の記述をしているのかどうかが重要です。
そのため、試験対策でふぞろいな合格答案を使う時は、「どのようなキーワードを抽出すれば良かったのか?」と参考程度に留める必要があります。
とはいえ、キーワード採点方式により、自分の書いた答案に対して多少なりとも客観的評価を下せることは、類書にはない大きなメリットです。
試験本番で現実的な解答を作れる
中小企業診断士の第2次試験の本番で、現実的な解答を作れるのはふぞろいな合格答案の大きなメリットです。
他の参考書や予備校の模範解答を見て、「レベル高すぎ君!」「凄すぎて自分には書くことができない・・・」と悩んでいる方は少なくありません。
確かに、各予備校のエース講師が何人も集まって喧々諤々、徹底的に知恵と時間をかけて、あたかも芸術作品かのような研ぎ澄まされた模範解答を作っていますので、現実味がないのは仕方がないですね。
しかし、ふぞろいな合格答案で採点基準を作るのに使われている第2次試験の解答はすべて一般の受験者が本番の試験に書いたもの(の再現答案)。
受験者が本番で作成した答案にはリアリティがありますので、ふぞろいな合格答案の解答はお手本にしやすいのです。
「ふぞろいな合格答案」シリーズの種類 ~どれを選べばよいの?
「ふぞろいな合格答案」は同友館から出版されていますが、実は複数のシリーズで構成されています。
「どのシリーズで中小企業診断士の第2次試験対策をすれば良いのかわからない」と迷っている方のために、それぞれのポイントをまとめてみました。
ふぞろいな合格答案 エピソード16 (2023年版)
「ふぞろいな合格答案」シリーズのメインとなる書籍です。毎年6月頃出版され、以下のような構成となっています。
- 前年試験(1年分)の過去問と模範解答・解説(「ふぞろいな答案分析」と呼ばれている)
- 受験生が実際に回答したふぞろいな再現答案(試験の80分間ドキュメントを含みます)
- 学習方法のポイントの特集記事
一点、注意が必要なのは、毎年6月に発売された後、1次試験が終わった後の8月中旬には売り切れてしまうこと。
仮に再販されたとしても、2次試験直前ギリギリになることが多く、結構な機会損失です。
発売されたらすぐに購入しましょう(2021年版のエピソード14は6月21日発売です)
というより、すぐにアマゾンで予約してください、という感じです!
ふぞろいな答案分析 6
メインとなる「ふぞろいな合格答案」から、「1年分の過去問+模範解答+詳しい解説」の答案分析を複数年分抜き出しています。
この「ふぞろいな答案分析」は毎年発売されるものではなく、最新版の「ふぞろいな答案分析 5」は2020年4月24日に発売されています。
本書には、2018年版、2019年版の答案分析編が掲載されており、 2年間で合計なんと450枚以上もの答案を分析した結果から見えてきたキーワードや、推定される模範解答などが解説されています。
ふぞろいな再現答案 6
メインとなる「ふぞろいな合格答案」から、実際の,解答や試験問題への取り組み方に関する再現答案を複数年分抜き出しています。
こちらも毎年発売されるものではなく、2020年4月24日に最新版が発売されています。このなかでは過去2年分の再現答案編、具体的には合格者の合計12名分の再現答案などを掲載しています。
ふぞろいな合格答案10年データブック
メインとなる「ふぞろいな合格答案」から「ふぞろいな答案分析」を10年分抜き出して1冊にまとめています。
また過去10年間の本試験問題の内容やキーワードを確認することができます。
で結局、どれを買えばよいの?
あくまで個人的なおすすめですが、やはり過去複数年分は分析したいので、最新の「ふぞろいな合格答案エピソード14」、2020年版の「同エピソード13(再販の在庫があれば)」、そして「ふぞろいな答案分析5」の合計3冊は欲しいところです。
時間のある方は、それ以上の過去分析(データブック)や過去の再現答案(ふぞろいな再現答案5)を購入してもよいと思います。
ふぞろいな合格答案の正しい使い方についてまとめてみた
どれだけ質の高い参考書やテキストでも、正しい使い方で勉強しないと効率良く中小企業診断士の試験対策に繋がりません。
ここでは中小企業診断士の第2次試験に合格するために、ふぞろいな合格答案の正しい使い方について説明していきます。
- 中小企業診断協会や予備校のホームページから第2次試験の過去問や解答用紙をダウンロードする
- 設問文を読み、「聞かれていること」「制約条件」「回答の字数制限や配点」を確認する
- 設問の内容を押さえながら、与件文を読む
- キーワードを列挙したり文章構成を考えたりしながら回答を作成していく
- ふぞろいな合格答案でキーワード採点を行い、合計点まで算出する
- 回答に盛り込めなかったキーワードをなぜ書けなかったのか振り返って復習する
ふぞろいな合格答案の使い方は、特に難しいことはありません。
ふぞろいな合格答案の中に掲載されている過去問を実際に解いてみて、「採点する」⇒「振り返る」という繰り返しが大切です。
そうすると中小企業診断士の第2次試験に合格するための知識やテクニックを習得できますので、是非一度試してみてください。
ふぞろいな合格答案の口コミやレビュー
以下では、「ふぞろいな合格答案」に対するネット上の口コミやレビューをいくつか紹介します。
忖度なしで言うと、私は受験生時代ふぞろいのセミナーが一番学びになりました。
合格した2年目は通信講座での一から学び直しに手一杯でなかなか機会がありませんでしたが、1年目にふぞ13メンバーに頂いたお土産資料は最後まで何度も読み返しました!#中小企業診断士試験 https://t.co/JBm6UN5Y7t
— まぁしぃ@中小企業診断士 (@masashik0715) July 5, 2022
こう考えると、確実に書くべき要素をふぞろいで習得し、簡単な問題で高得点をとる戦略が重要だ。多分、難問は更に難問化するだろう。 https://t.co/fw4Vhv8zOE
— シ ゲ ル ・・診断士2次挑戦中 (@Roundupup2) July 3, 2022
Twitter見ててスタディング使って診断士勉強している人は親近感を覚えます。笑
1次「スタディング+TAC過去問5年」
2次「スタディング+ふぞろい」
で合格できたので「どこのテキストが良いか」よりもコレと決めたものをきちんとやり込むことが大事だと個人的には思います。😀#診断士— タキプロ13期しょー@(登録予定)中小企業診断士 (@shota08121) June 20, 2022
ふぞろいな合格答案は同友館が発行
ふぞろいな合格答案は同友館から出版・発売されています。
同友館といえば、中小企業診断士と縁の深い出版社。
テーマ別(ヨコ解き)の過去問題集である「過去問完全マスター」シリーズをはじめ、多くの中小企業診断士試験向けの書籍を出しています。
それだけではありません。中小企業診断協会の会員に毎月送られる会誌「企業診断ニュース」を編集・発行しているのも同友館なのです。
それぐらい、中小企業診断士と同友館はズボズボの蜜月関係なのです(笑)。いや、決して悪いことしている訳ではないのですが、外からは「中小企業診断士ご用達」っぽく見えちゃいますよね。
ちなみに、中小企業診断士になってできるだけ早く書籍を出版したい方は、以下の2つのルートのいずれかがおすすめです。
- 中小企業診断協会に入会し、チームで書籍出版を計画している先輩を見つけて参加したい旨お願いしたり、出版社の編集者の紹介をお願いしたりする
- 「企業診断ニュース」に原稿や企画を送って同友館の編集者と知り合いになり、信頼を得たところで、書籍の企画書を送る
特におすすめは後者で、「企業診断ニュース」は常に企画やネタに困っている印象があります。読者は中小企業診断士だけですし、忙しい人が多いので、慢性的に原稿不足のよう。
一般の雑誌と比較すれば、企業診断ニュースに原稿や企画が採用される確率は非常に高いです(かくいう私も、仲間と一緒に考えた企画が、以前特集記事として掲載されたことがあります)。
ここまで敷居が低いと、あとは一歩踏み出すか、踏み出さないのか、それだけの違いですね。
受験生のみなさん、中小企業診断士になった暁には、ぜひ自分の名前が入った書籍を出版してくださいね!
※「企業診断ニュース」「過去問完全マスター」「中小企業診断協会」については、下記の各記事も参考にしてください。
まとめ
以上のように、中小企業診断士の第2次試験対策のバイブルとも言われる参考書「ふぞろいな合格答案」についてまとめました。
ふぞろいな合格答案は多くの再現答案を分析したり、合格者と不合格者の試験解答の両方を参考にしたりできるので、正しい解き方やテクニックを身につけられます。
中小企業診断士の第2次試験は合格率が低いので、ふぞろいな合格答案を徹底活用した試験対策を行ってみてください。
「ふぞろいの合格答案」を含む、中小企業診断士のおすすめテキストについては、下記も参考にしてください。
2次試験の対策や勉強法については、以下の記事もどうぞ。