今回は、中小企業診断士第2次試験のうち、口述試験について説明します。
口述試験は、中小企業診断士第2次試験の筆記試験に合格した方のみ受験できる試験です。
最難関の筆記試験と異なり、口述試験は落とすための試験ではありませんし、そんなに難しいものでもありません。
そのため、必要以上に怖れることはないでしょう。
そうは言っても、100%合格するものでもありませんから、適切な準備や対策は必要です。
今回の記事では口述試験の概要から、「確実に口述試験に合格する」ため準備や対策の仕方まで、中小企業診断士試験の口述試験について、受験する方が知っておくべきことを書いていきたいと思います。
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目次
中小企業診断士 第2次試験 口述試験について
中小企業診断士第2次試験 口述試験の概要
中小企業診断士試験の第2次試験案内に、口述試験の実施方法について、次のように書いてあります。
中小企業の診断及び助言に関する能力について、筆記試験の事例などをもとに、個人ごとに面接の方法により行います。
引用:中小企業診断士第2次試験案内
試験時間は約10分。内容は、2次試験の事例Ⅰ~事例Ⅳから、合計4問程度出題されます。すべての事例から一問ずつ、というよりは、2つ程度の事例から、それぞれ2問出題されることが多いようです。
中小企業診断士第2次試験 口述試験の日程
令和6年度(2024年度)の場合、2次試験以降の日程は以下のとおりです。
| 第2次試験受付期間 | 令和6年8月23日(金)~9月17日(火) |
| 筆記試験実施日 | 令和6年10月27日(日) |
| 筆記試験の結果発表日(口述試験を受ける資格を得た方の発表日) | 令和7年1月15日(水) |
| 口述試験実施日 | 令和7年1月26日(日) |
| 合格発表日 | 令和7年2月5日(水) |
口述試験の会場
口述試験は原則として、筆記試験と同じ地区で受験することになります。実際の会場や開始時間などは、受験者1人ひとりに個別に通知されます。
中小企業診断士第2次試験 口述試験の実施内容と合格率
中小企業診断士第2次試験 口述試験の実施内容
ここでは、私が実際に口述試験を受けた内容(体験談)と、他の受験者からヒアリングした内容を元に説明します。
まず、試験会場に入ると、受験生1名に対し、面接官(試験官)は3名。
私が口述試験を受験したときには、面接官のうち1名は書記のように何かを書いているだけで話をせず、残りの2名から交互に質問をする形式でした。
前述のとおり、面接官は2次試験の事例に関連する質問をしてきます。
このとき、緊張して答えがすぐに分からなくても、焦る必要はありません。
まずは試験官の質問内容について、「~という質問でしょうか」と確認して時間を作りましょう。
その間に答えを考えます。難しく考える必要ありません。「ちょっとシンプルかな」と思うぐらいの端的な回答で十分です。
結論から、ゆっくり話すようにしましょう。
以上の流れは、私が受験した場合のケースですが、これで無事合格しました。
さらに、他の受験生のケースでは、以下のようなケースでも無事に合格しています。
- 間違った回答をしてしまった
- どうしても回答ができず、受験者が素直に「分かりません」と答えたところ、面接官(試験官)の方からヒントを出してくれた
- 同じく分からなかった場合に、面接官が質問を変えてくれるケースもあった
このようなことから、
中小企業診断士の口述試験では、決して試験の回答内容で判断しているわけではない
ということが言えるでしょう。
口述試験が終わった後、合格者は実務補習/実務従事に進むことになりますが、その際、経営者と面談することになります。個人的な推測ですが、口述試験では、その模擬体験として「経営者の前に出せない人はいないだろうか?」とチェックをしてるのではないか、と考えています。
中小企業診断士第2次試験 口述試験の合格率
中小企業診断士第2次試験 口述試験の合格率は99%以上です。
具体的には、年度によって異なりますが、筆記試験の合格者(口述試験を受ける資格を得た方)は、直近では1500~1600名ほどになります。
そのなかで、口述試験に不合格になる方は、毎年数名程度です。全員が合格した年度もあります。
ただし、平成14年度の口述試験のみ、10名以上の不合格者を出しました。
この年は口述試験にて「デファクトスタンダード」について例を挙げて説明してください」という質問が出されました。
「デファクトスタンダード」自体は、1次の経営情報システムで出題されたことのある、どちらかと言えば1次の知識です。
そして、この質問に答えられなかった方が全員不合格とされたのです。
※ちなみに解答例としては「PC用のOSにおけるWindows」「ビデオテープの規格におけるVHS」などですね。
これまでの中小企業診断士の口述試験のなかで唯一の例外です。もちろん、今後、このようなことが起こらないとは断言できませんが、基本的には、
落とすための試験ではなく、常識的な対応ができれば大丈夫。
と考えて問題ありません。
※デファクト・スタンダードとは「事実上の標準」という意味であり、特に法律などで定めたものではないにも関わらず、多数のユーザーの支持を受け、業界標準のように大きなシェアを取るに至った商品や技術、サービスのことです。
【最新版】口述試験の合格率(令和6年度まで)
「口述試験で落ちる可能性が心配…」という声は毎年ありますが、数字で見るとほぼ落ちない試験です。
ただしゼロではありません。だからこそ、最後の最終チェック(無言・欠席・揉めるの回避)だけは押さえておくのが良いです。
| 年度 | 口述試験を受験する資格を得た方(B) | 第2次試験 合格者数 | 差(落ちた人数の目安) |
|---|---|---|---|
| 令和6年度(2024) | 1,517 | 1,516 | 1 |
| 令和5年度(2023年) | 1,557 | 1,555 | 2 |
| 令和4年度(2022) | 1,632 | 1,625 | 7 |
| 令和2年度(2020) | 1,175 | 1,174 | 1 |
ポイントは「難問に正解できるか」ではなく、最低限のコミュニケーションが成立するかです。
筆記の知識(事例Ⅰ〜Ⅳ、特に財務・会計や売上の論点)を“言葉にして説明できる状態”にしておけば、体感としても安心できます。
いずれにしても、落とすための試験ではないことは、明白ですね。
中小企業診断士第2次試験 口述試験の対策
中小企業診断士 口述試験の対策としては、以下のようなものが挙げられます。
口述試験の対策(1) 事例Ⅰ~Ⅳを復習する
口述試験では、第2次試験の事例Ⅰ~Ⅳに関連する内容が出題されます。
参考資料の持ち込みなどは一切不可なので、それら事例の内容や企業(会社)のことを頭に入れておく必要があります。
与件文や設問、解答内容についても、全体概要と流れを抑えておきましょう。
口述試験の対策(2) 模擬面接を受ける
口述試験直前になると、TACやLECなどの大手を中心に、各資格スクールで模擬面接が開催されます。スクールによっては、そのスクールの講座受講生以外にも門戸を開いているところもあります。
特に面接などに緊張する傾向のある方は、模擬面接で慣れておくこともおすすめです。
※ただし、残念ながら全国で開催しているわけではなく、東京・大阪・名古屋の周辺での開催が多いようです。
資格学校各社の口述試験対策セミナーの開催情報などは以下の記事をご覧ください。(TACやLECではオンラインセミナーを発信中。LECでは有料で模擬面接もやっています)
口述試験の対策(3) 想定問答集を読む
資格スクールでは、口述試験前に想定問題集を配布するところもあります(有料または無料)。
想定問題集に目を通すのはよいですが、丸暗記することは、あまりおすすめできません。
というのも、もし実際の口述試験の場で想定外の質問をされた場合、丸暗記に頼り過ぎていると、頭の中が真っ白になってしまうケースがあるからです。
想定問答集の内容は多少参考したりポイントを抑えたりしつつも、「どんな質問が来ても、その場でしっかり考える」ことを肝に銘じておきましょう。
口述試験の対策(4) 自分の声を録音して聞く
スマートフォンの録音機能やボイスレコーダーで、自分が喋っている声を録音して聞いてみることも有効です。
「聞きやすい、ゆっくりした声で話しているか」「あー、えー、など無意味語が多くないか」「結論から話しているか」など、自分の発言を客観的に分析することができます。
口述試験の対策は、いつから始めるべきか?
中小企業診断士の口述試験の対策は、理想を言えば、筆記試験が終わった後から始めるのがよいでしょう。
しかし実際には、1月中旬の筆記試験の合格発表後(口述試験を受ける資格を得た方の発表後)でないと身が入らない、という方も多いでしょう。
しかし、筆記試験の合格発表から口述試験の日まで、わずか10日ほどしかありません。
最も重要な「事例Ⅰ~Ⅳの復習・整理」ぐらいは、筆記試験の合格発表前から実施しておきましょう。
中小企業診断士第2次試験 口述試験で不合格になるケースとは?
「口述試験で落ちた」人に多い3パターン(都市伝説を“現実の対策”に変える)
診断協会が不合格理由を公表しているわけではありません。
ただ受験生の体験談やブログでは、落ちる理由はだいたい3つに整理されています。
- パターン1:会場に来ない(欠席)…寝坊、体調不良、交通遅延など。キャンセル扱いになってしまい、結果として不合格の可能性が高い。
- パターン2:監督員・面接官と揉める…指示に従わない、強い言葉で言い返す、ルール違反(電子機器など)を疑われる。
- パターン3:終始無言になってしまう…「黙ってしまい」沈黙が続くと、面接として成立しません。
ここまで読むと「え、そんなこと?」と思っちゃうかもしれません。
でも、落ちる人は“知識”で落ちるというより、“当日の状態”で落ちることが多いです。
だから、次のH3の切り返しフレーズが効きます。
本番で「黙ってしまいそう」な人へ:使える切り返しフレーズ(丸暗記でOK)
口述試験は、短い時間で「会話ができるか」を見られます。
分からない問題が出たときは、無言のまま固まるのが一番まずい。
逆に言うと、言葉を出せば挽回できるケースがほとんどです。
- 「恐れ入ります、質問の意図を確認してもよろしいでしょうか?」
- 「まず結論から申し上げます。○○です。理由は2点あります。」
- 「与件の記憶があいまいなので、一般論としてお答えします。」
- 「分からない点があるので、分かる範囲で申し上げます。」
- 「今の理解だと○○ですが、もし前提が違うようでしたらご指摘ください。」
この5つを覚えておけば、“無言”だけは回避できます。
練習は、スマホで自分の声を録音→聞き返し(繰り返し)で十分。
文字にすると簡単ですが、やってみると「言えない…」と感じる人がいるので、事前に1回だけでもやると良いです。
服装の話:ジーパンで落ちる?(結論:断定はできないので“無難”が最強)
「服装が原因で落ちる」という話を見かけますが、公式が“服装で落とす”と公表しているわけではありません。
ただ、口述試験は“面談”です。
迷ったら、スーツ or ビジネス寄りの服装(清潔感)に寄せておくと、不安が減ります。
それでは、口述試験の合否の判断基準は、いったいどのようなものでしょうか?
試験実施元の中小企業診断協会から公表されていないため推測になるのですが、
中小企業診断士として活動するために最低限必要な、一般常識やコミュニケーション能力があるか
を確認しているように思われます。
最後まで気を抜かないようにしましょう。
口述試験に落ちたらどうなる?次回の受験と立て直し
「もし落ちたら終わり?」と不安になりますよね。
結論、口述で不合格なら第2次試験は不合格なので、次回は原則として二次筆記からやり直しになります。
ただし救いもあります。制度上、第2次試験は“当該年度または前年度”の第1次試験合格者が受験できるルールです。
つまり、タイミングによっては「次回は一次免除で二次を受けられる」ケースがあります(ここは年度と自分の状態で違うので、必ず公式で確認)。
落ちた直後にやるべきこと(メンタルと実務の両方)
- まず寝る:今日は判断しない。明日になってから整理する。
- 当日の状態をメモ:何を聞かれたか、どこで詰まったか、無言の時間があったか(記憶が薄れる前に)。
- 次回の時期を確認:受験できるか、申し込みの開始、必要書類など。
- 筆記の“落とし穴”を潰す:事例Ⅳ(財務・会計)や、与件把握など、原因を特定して改善する。
「落ちた気がする…」と思ってしまいがちな人へ
口述は手応えがなくても受かることが多いです。
むしろ、手応えが悪い=落ちるとは限りません。
「言わなきゃ良かった」「違うことを言ったかも」と感じても、会話として成立していれば大丈夫な可能性が高い。
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中小企業診断士 口述試験 最強の対策、教えます! まとめ
以上が、中小企業診断士第2次試験 口述試験の内容と対策となります。
合格率99%と、きちんとやるべきことをしておけば、ほぼ合格できる試験と言って間違いありません。
しかし、それだけに慢心は禁物です。
口述試験を受験される方は、今回の記事を参考にして、確実に合格を手にして欲しいと考えています。
