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工場レイアウトの設備配置とSLP

工場レイアウトの設備配置とSLP

工場レイアウトの設備配置

工場内における設備配置には、以下のようまものがあります。

固定型レイアウトとは?

大型の機械(船舶、大型機械、重電機、航空機等)を製造する時に使われる方式です。

このレイアウトは、製品固定型レイアウトとも呼ばれます。

大型で動かしにくい製品の周りに設備や原材料、作業者を配置します。

設計や工程を柔軟に変更できる点がポイントですが、当然ながら大量生産などに向くレイアウトではありません。

機能別レイアウトとは?

たとえば、旋盤・ボール盤・フライス盤のような類似の設備ごとにまとめてレイアウトする方式で、多品種少量生産に向いています。

このレイアウトは、工程別レイアウト、あるいは、ジョブショップ型レイアウト、との別称もあります。

多くの種類の製品(および部材等)を、各々の製造工程に沿った経路をとり、各設備間を移動させます。

そのため製造する製品の数が増えると、仕掛中の製品の移動が錯綜しやすくなります。

製造の流れは複雑になりやすく管理が複雑な一方、一度に多品種の製品が製造できるメリットがあります。

製品別レイアウトとは?

製品別に専用のラインを作るレイアウトで、少品種大量生産向きです。

当レイアウトは、フローショップ型レイアウトの別称もあります。

製造のフローに合わせ、直線的に設備の設置をします。

特定の製品専用のラインで流れもシンプルなため、工程管理や進捗管理がしやすく、短時間に大量の商品を作りやすいのが特徴です。仕掛在庫も少なくなるメリットがあります。

ただし、工程の順序が一緒ではない製品、あるいは別の設備を利用する製品を流す際には、段取り替えが必須です。さらに、一部の機械の故障でライン全体を停止させなければならないことが多く発生します。

このように、変化に弱い側面もあります。

グループ別レイアウトとは?

グループ別レイアウトとは、GT(グループ・テクノロジ)と言われる方法論を活用する方式です。

使用する設備や工程が似ている複数の製品を1つのグループとして、共通ライン化することで流れ作業化を実現します。

製品別レイアウトに近い方式ではあるものの、各製品の流れは全く同一ではないため、製品別レイアウトよりは効率が低下します。

SLP(システマティック・レイアイウト・プランニング)とは?

SLP(システマティック・レイアイウト・プランニング)とは、工場のレイアウトを決定する方法の1つで、戦略的かつ合理的な確定手法です。

SLPでは、「物の動きとアクティビティ」を重視します。

アクティビティとは、「設備・事務所・出入り口・通路」などの工場内に存在する要素(設備)のことであり、適切な設備配置を検討・実践することで、物の流れも適切・シンプルにすることを目指すのです。

以上のような考えを元に、SLPは1961年、にR・ミューサーにより考案されました。

SLPでは、以下の手順で、レイアウト配置を決定します。

  1. P-Q分析
  2. ものの流れ分析
  3. アクティビティ相互関連図表
  4. アクティビティ相互関係ダイヤグラム
  5. スペース相互関係ダイヤグラム
  6. レイアウト案の作成、比較

それぞれを詳しく見ていきましょう。

P-Q分析

「ABC分析」の方式を参考に、横軸に製品(Product)を配置、縦軸には生産量(Quantity)を配置してグラフ化します。

そのうえで、大量に生産する製品、生産量が少数の製品、中間的な生産量の製品、という形式でカテゴリ分けをします。

さらに、大量生産が必要な物は「製品別レイアウト」、少数しか生産しない物は「機能別レイアウト」、さらに、中程度の物は「グループレイアウト」などの考え方をベースに、それぞれのレイアウトを確定します。

ものの流れ分析

続いて、P-Q分析により各製品の生産方式が決定したあと、工場内を材料・部品・仕掛品および製品が移動する際に、どのような流れが最適であるか、検討します。

ものの流れ分析には、単純工程分析・多品種工程分析・フロムツーチャートなどの手法を活用します。

アクティビティ相互関連図表

それぞれのアクティビティにおいて、お互いの連係の強さを明確にする目的で、アクティビティ相互関連図表を活用します。

アクティビティ相互関係ダイヤグラム

アクティビティ相互関係ダイヤグラムとは、「ものの流れ分析」および「アクティビティ相互関連図表」を元に、平面図に展開するツールです。

平面図上に各アクティビティを記号にして、ものの流れを考慮しながら書きこんで行きます。

アクティビティ同士の関係の強弱について、結合する線の太さや線の本数で表します。

関係性の強いアクティビティ同士は、なるべく近接し、さらに物の流れの交差ができるだけ少なくなるように調整します。

スペース相互関係ダイヤグラム(図表)

アクティビティ相互関係ダイヤグラムに、各アクティビティの設置に必須な面積が分かるように視覚化した図表のことです。

レイアウト案の検討・比較

複数のレイアウト案を検討したうえで、それぞれ評価します。