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ERP・SCM・ブルウィップ効果など生産情報システム【運用管理】

生産情報システムの分類

生産情報システムには多くの種類があります。ここでは、以下の3カテゴリに整理して説明します。

設計関連を支援する情報システム

CAD

CAD(Computer Aided Design)は、「コンピュータ設計支援」と訳され、カンタンに言えば「コンピュータを使って設計やデザインをする」ということです。

たとえば、以前は「航空機や車の設計図」「建築物の設計図」などを手書きで作っていましたが、現在ではCADを使ってコンピュータの画面の中で作成する、などが行われています。

CAM

CAM(Computer Aided Manufacturing)は、「コンピュータ支援製造」と訳され、CADで作成した設計をもとに、工作機械を動かすための制御プログラムを作成するシステムのことです。

CAE

CAE(Computer Aided Engineering)とは、製品などの設計の段階において、コンピューター上でシミュレーションや解析を行うものです。

PDM

PDM(Product Data Management)は「製品データ管理」と訳され、製品情報と開発プロセスを一元的に管理するシステムのことです。

具体的には、製品の図面や部品の構成表、その他各種文書などの製品設計に関連する情報を共有します。

コンカレントエンジニアリング

コンカレントエンジニアリングとは、商品開発・製造方法・生産などを同時並行で進め、商品化の時間短縮を図る方法論のことです。

※コンカレントエンジニナリング・CAD・CAMについて詳しくは、下記動画も参考にしてみてください。

製造・工作関連を支援する情報システム

NC

NC(Numerical Control)は「数値制御」と訳されます。

NC工作機械とは数値制御によりコントロールされ、作業を自動化する工作機械のことです。

CNC

CNC(Computer Numerical Control)は「コンピューター数値制御」と訳されます。

NC工作機械のうち、コンピュータで制御するものがCNCとなります。

DNC

DNC(distributed numerical control)とは、「分散形数値制御」と訳されます。

生産管理コンピュータと数値制御システムとの間で、階層的にデータを分配するNCのことです。複数台のNC工作機械を制御できます。

MC

MC(Machining Center)とは、マシニングセンタのことで、様々な(複数の)加工を1台で連続して行えるNC工作機械のことです。

MCには、ATC(Auto Tool Changer)と呼ばれる自動工具交換装置がついており、カンタンに言えば、

「自働で工具を交換して複数作業が出来るNC工作機械」

ということになります。

FMC

FMC(Flexible Manufacturing Cell)は「フレキシブル加工セル」とも呼ばれ、各工程を自動化するために、NC工作機械や産業用ロボットなど、複数の機械を組み合わせたものです。

FMS

FMS( Flexible Manufacturing System)は「フレキシブル生産システム」と呼ばれ、工程全体を自動化するものです。

具体的には、複数のFMCやロボット、産業用機械などをコンピュータで制御し、柔軟な生産体制を実現します。

FA

FA(Factory Automation)とは、製造設備の自動化等により工場全体の自動化・無人化をすることです。

FMSをさらに発展させたものといえます。

CIM

CIM(Computer Integrated Manufacturing)は「コンピューター統合生産」と訳され、経営から開発、販売、営業、生産など、企業活動全般に渡ってコンピュータによる合理化と効率化を図ることです。

AGV

AGV(Automatic Guided Vehicle)とは、「無人搬送車」と訳され、生産現場や物流現場で使われる自働(無人)の搬送車や搬送ロボットのことです。

POP

POP(Point Of Production)は「生産時点情報管理システム」と訳されます。

各工程で発生する各種情報(稼働時間、生産数、不良品数など)をそれぞれの現場で収集し、情報を総合して遅延なく生産進捗状況の全体像を把握するためのシステムのことです。

製造業の統合型情報システム

MRP、クローズドMRP、MRPⅡ

MRP(Material Requirements Planning System)とは、資源所要量計画のことです。MRPは、基準生産計画を元に必要な資材量を計算します。

その後、MRPに「基準生産計画へのフィードバック機能」や「生産能力と作業負荷を計算・考慮する機能」を組み入れたクローズドMRPが登場します。

さらに、MRPⅡが登場することで、資材だけでなく、人員・設備といった生産に関わる資源全体をマネジメントする仕組みとして成立し、総合的生産管理システムと呼ばれるようになりました。

ERP

ERPはEnterprise Resource Planningの略であり、MRPⅡの生産管理情報に加え、財務・経理・営業など企業全体の基幹業務プロセスを統一的に管理し、経営支援に利用するシステムのことです。

※ERPについて詳しくは下記動画をチェックしてみてください。

SCM

SCM(Supply Chain Management)は、IT(情報技術)を利用し、供給業者から最終消費者への販売に至るまでの一連の流れ(サプライチェーン)を、企業の枠を超えて共同で実施する管理方法です。

たとえば、小売業者が持つ販売情報を全グループで供給することにより、供給業者や生産メーカーは、すみやかに増産(または減産)行動に移れるなどのメリットがあります。

※SCMについて詳しくは、下記動画を確認してください。

ブルウィップ効果

ブルウィップ効果とは、小売の段階におけるわずかな需要変動が、流通経路の上流へとさかのぼるにつれ増幅されて伝わり、巨大な需要変動として認識されることで、上流メーカーの在庫が積み増される、などの現象をさします。

「ブルウィップ」とは「牛の鞭」のことであり、鞭を振る際の手の動きは小さくても、鞭の先端では大きくしなることに類似している、ということから「ブルウィップ効果」の名称がつけられました。

「ブルウィップ効果」をなくすためには、SCMによる参加企業の情報共有が有効となります。