運営管理では、製造業や小売業の具体的なオペレーションについて学びます。
私たちに身近な存在である小売業のオペレーションは「店舗・販売管理」の科目で学習し、製造業のオペレーションは「生産管理」で学習します。
小売業は私たちに非常に身近な存在ですので、店舗・販売管理の科目は、比較的イメージしやすいでしょう。
一方、製造業の生産管理は、その業種で勤務した経験のある人以外はイメージしにくい部分があり、なかなか理解が進まないかも知れません。
そのような方にも効率的に学べるような勉強法について説明します。
なお、運営管理の勉強法については本記事で説明しますが、診断士試験全体の「最速勉強法」ノウハウについては、現在、資格スクールのクレアールが、市販の受験ノウハウ書籍を無料でプレゼントしています。
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運営管理 勉強法や勉強時間、難易度など
Contents
運営管理 科目設置の目的
(科目設置の目的)
中小企業の経営において、工場や店舗における生産や販売に係る運営管理は大きな位置を占めており、また、近年の情報通信技術の進展により情報システムを活用した効率的な事業運営に係るコンサルティングニーズも高まっている。このため、生産に関わるオペレーションの管理や小売業・卸売業・サービス業のオペレーションの管理に関する全般的な知識について、以下の内容を中心に判定する。
工場や店舗といった製造業・小売業は、我が国中小企業の代表的な存在です。そのため、それら企業のオペレーションノウハウである生産管理や店舗・販売管理の科目を学ぶことは、中小企業診断士になる人にとって必須と言えるでしょう。
運営管理 科目の内容
運営管理の分野(その1) 生産管理
試験案内に書かれた出題内容は、以下のとおりです。
- 生産管理概論
- 生産のプラニング
- 生産のオペレーション
- その他生産管理に関する事項
生産管理では、「QCDを実現すること」を目的としています。Qとは品質(クオリティ)、Cはコスト、Dは納期(デリバリー)のことです。
この目的を達成するために、各種生産方法(受注生産、見込生産など)や設備の配置などのオペレーション方法が問われます。
また、生産計画や在庫管理の計画手法等についても問われることになります。
運営管理の分野(その2) 店舗・販売管理
試験案内に書かれた出題内容は、以下のとおりです。
- 店舗・商業集積
- 商品仕入・販売(マーチャンダイジング)
- 商品補充・物流
- 流通情報システム
- その他店舗・販売管理に関する事項
店舗の立地条件から商圏分析、店舗の外装、店内の陳列や照明、プロモーションまで、小売業の経営に必要なオペレーション全般が問われます。
また、ショッピングセンターや商店街などの商業集積地に関する事項や、店舗施設に関する法律知識も知っておく必要があります。
試験時間と配点
科目 | 試験時間 | 配点 |
経済学・経済政策 | 60分 | 100点 |
財務・会計 | 60分 | 100点 |
企業経営理論 | 90分 | 100点 |
運営管理 | 90分 | 100点 |
経営法務 | 60分 | 100点 |
経営情報システム | 60分 | 100点 |
中小企業経営・政策 | 90分 | 100点 |
運営管理 科目免除
運営管理には、科目合格による科目免除があります。
科目合格による免除
前年または前々年に運営管理の科目を受験して合格している場合、科目免除を申請することができます。
※科目合格による科目免除について詳しくは、下記記事を参考にしてください。

他資格等保有による免除
運営管理には他の国家資格を保有していることによる科目免除はありません。
運営管理の勉強方法
前述のとおり、店舗・販売管理の科目は多くの人にとってイメージしやすいと思いますが、生産管理の科目は、業務経験者以外はイメージしにくいと思います。
生産管理は2次試験でも出題される重要な科目ですから、中小企業診断士のテキストで分かりにくければ、運営管理に特化した参考書を活用したり、通学講座や通信講座の講義を聴いたりすることも検討しましょう。
運営管理に特化した参考書
運営管理に特化した参考書としては、「中小企業診断士試験 ロジックで理解する運営管理」がおすすめです。
「中小企業診断士試験 ロジックで理解する運営管理」
※本書は現在販売終了し、Amazonでは中古品のみの扱いとなっています。
こちらは私も受験時代に使いました。かなりボリュームがある書籍ですが、見開き単位で1単元が構成されており、必要な項目だけ読んで理解を深めるようにしました。
生産管理の各手法が、それぞれ図入りで詳しく説明されているので、しっかりイメージできるようになります。
2次試験との関連が低い科目であれば暗記だけで乗り切ることもできますが、生産管理については、しっかり理解するようにします。
都市計画法が分かりにくければ、宅建のテキストがおすすめ!
店舗・販売管理のほうは、生産管理に比べて、まだ消費者の立場からイメージしやすく、取り組みやすいと思います。
ただ、店舗・販売管理の頻出事項である「まちづくり三法(大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法、都市計画法)」については、苦手としている方も多いのではないでしょうか?
何を隠そう、この私がそうでした(笑)。なかでも都市計画法が非常に分かりにくく、いきなり「区域区分」とか「市街化調整区域」「非線引き区域」などの専門用語のテキストが出てきて「???」という感じでした。
中小企業診断士のテキストでは、まちづくり三法や都市計画法ばかり詳しく書くわけにもいかないので、説明が簡略化されていることも、理解しにくい理由の1つです。
そんな方は、「宅建」のテキストを一読してみることが、実はとても有効です。
宅建の「法令上の制限」という科目では、「都市計画法」および関連する「建築基準法」が出題されるため、これらについて非常に丁寧に説明しているテキストが多いです。
そもそも、宅建試験は年間20万人が受験する超人気試験(診断士の10倍規模)ですので、テキストの販売競争が激しく、その結果、どのテキストも分かりやすさのレベルが非常に高くなっています。
都市計画法が苦手な人は、一度立ち読みでもよいので、宅建テキストの該当部分を読んでみてください。
なお、数ある宅建テキストの中でも、私のおすすめは以下です。
※書籍画像をクリックすると、Amazonのページに移ります。
通信教育でお馴染みのユーキャンの市販テキストです。ぶっちゃけ、ユーキャンの通信講座は、今時オンライン講義に対応しておらず、個人的には非常に評価が低いのですが、テキストとなると話は別です。
冊子テキスト主体の通信教育が本業のユーキャンですので、そのノウハウを活かしているようで、数ある宅建テキストのなかでも分かりやすさはトップクラスと思います。
都市計画法が苦手な方は、ぜひチェックしてみてください。
運営管理の勉強時間
運営管理は生産管理と店舗・販売管理の2科目からなるため、かなりボリュームがある科目です。
そのため、科目として学習時間は多めに設定する必要があります。勉強時間は150時間ほどが目安になるでしょう。
特に生産管理については、業種経験者以外はしっかり時間を取ってでも、理解を深めるようにしましょう。
なお、中小企業診断士試験の勉強時間全般については、下記の記事を参考にしてください。
科目別・一次/二次試験別など、目安となる勉強時間を分かりやすく説明しています。
また合わせて、
「中小企業診断士の試験科目の勉強する順番」
「中小企業診断士の勉強は、いつ頃始めるのがよいのか」
など、中小企業診断士の資格に興味のある方が気になる点についても、お伝えしています。

運営管理の難易度(1次試験)
運営管理の過去7年の科目合格率は以下のとおりです。
H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 |
10.5% | 17.8% | 20.5% | 11.8% | 3.1% | 25.8% | 22.8% | 9.4% |
従来は、中小企業診断士試験の7科目の中では、「試験範囲は広いが、しっかり勉強すれば点数が取れる科目」という評価でしたが、平成29年度は、非常に難易度が上がりました。
その一方で、平成30年度・令和元年度は、合格率が大きく回復しました。
今後も難易度の上下があると思いますが、1次・2次ともに必要な科目であるため、あまり難易度の変化に気を取られることなく、しっかり学習することが大切です。
運営管理 勉強のポイント、留意事項
1次試験の運営管理と、2次試験との関連
2次試験の事例2「マーケティング・流通の事例」には、店舗・販売管理が関連します。
事例3「生産・技術の事例」には、生産管理が関連します。
繰り返しになりますが、運営管理は、1次試験・2次試験ともに大きく関連しますので、中小企業診断士の学習科目の中でも、中核的な科目の1つとなっています。
中小企業診断士1次試験 各科目共通の勉強方法
ここでは、一次試験の各科目に共通する勉強方法についてお伝えします。
満点を狙わず、基本事項・頻出事項に絞って70点を狙う
もっとも効率的に合格するという観点から、70点を確実に得点する戦略を実行すべきです。
満点を取る必要はなく、基本事項や頻出事項に絞り、確実に得点しなければならない部分、捨ててもよい部分などを明確に意識して、勉強を進めていきましょう。
そして、基本事項や頻出事項を確実に押さえるためには、アウトプット学習や過去問対策が必要となります。
アウトプット学習を優先する
受験勉強を始めると、ずっとテキストを精読している人がいます。
もちろん、テキストを読むのは悪いことではありませんが、その方法は効率的ではありません。おすすめは、
まずは、テキストにざっと目を通す
実際に過去問に取り組む
というのがアウトプット中心学習です。
過去問を徹底活用する
アウトプット学習の中心は過去問の活用です。
具体的には、どのように過去問を使えばよいのでしょうか?
まず、テキストの1周目はざっと読み、2周目からはテキストを少し進めたら、そのたびに必ず過去問に挑戦するようにします。
なにより過去問を解いていくことで、自分の理解が足りない部分が明らかになります。
また、テキストだけをじっと読み続けても、なかなか頭に入らないもの。
テキスト→過去問→テキスト→過去問・・・この繰り返しこそが、合格への王道だと心得てください。
詳しくは、以下の要領で進めていきましょう。
①テキストをざっと読む(1周目)→全体像をつかむ
まずは、テキストをざっと読みます。
いわゆる1周目、というやつですね。この目的は、出題分野の全体像をつかむこと。
分からないことがあっても、とにかく短時間でテキスト一冊読み終えましょう。
②テキストを1単元ずつ読み、その単元に関係する過去問をやる
テキストの2周目です。
今回は1周目よりも少し丁寧に読みます。そして一単元を読み終わったら、関連する過去問を解きます。
そのため、「年度別過去問題集」よりも「論点別(テーマ別、ヨコ解き)過去問題集」を使うことをおすすめします。
一般的には、過去5~10年分ぐらいのものがおすすめです。
③間違えた問題などに印をつけ、テキストの関連部分を読み込む
問題を解いた際、「自信を持って正解した問題」「迷ったけど正解した問題」「間違えた問題」などが出てくると思います。ここで
・正解したけれど自信がなかった問題 → △
・間違えた問題 → ×
というように印をつけ、それらについてはテキストの関連部分を読み込むようにします。
④過去問を一通り終わったら、×と△だけ繰り返す
以上のような進め方で、テキストと問題集を終わらせます。
その後、今度は過去問題集だけ使って、冒頭から×と△の問題だけを解くようにします。
⑤×と△がなくなるまで、何度も繰り返す
×と△がなくなるまで、過去問を何周も繰り返します。
以上のような流れで取り組めば、理解が足りないところだけを効率的かつ確実に仕上げることができます。
過去問題集は「過去問完全マスター」(同友館)がおすすめ!
前述のとおり、おすすめの過去問は「論点別(テーマ別、ヨコ解き)」に対応したものですが、こちらに該当するのが、同友館から出版されている「過去問完全マスター」となります。
書店で販売されている中小企業診断士試験の過去問題集は「年度別」に編集されたものも多いですが、年度別だとアウトプット学習に適さないので、論点別に対応した過去問完全マスターをおすすめします。

また、中小企業診断士の独学用テキストについては、以下の記事を参考にしてください。

時短のために通信講座(オンライン講座)の利用も検討する
独学の場合でも、できればテキストではなく、スタディングのようなスマホ動画であれば、倍速再生で見ることができますので、一番効率的です。
独学と変わらない費用で、かつ、独学よりも時間を有効活用できる「スタディング」はこちら
また、過去問を解くときは、難しくて分からない場合、あまり時間をかけて考えるのは得策ではありません。分からなければ解説を読む。そして理解できれば、次の問題に取り組みましょう。
分からなかった問題にはチェックマークをつけておき、後日、分からなかった問題だけ改めて取り組むのが効率的な方法です。
<スマホ動画対応の通信講座における、問題集の絞り込み機能について>
一般的なe-ラーニングや、スマホ動画対応の通信講座では、「問題集はPDFで提供」というケースが多いです。
しかし、前述のスタディングでは、学習システムのなかに「問題集/過去問の絞り込み機能」が搭載されています。
この「問題集/過去問の絞り込み機能」を使えば、間違えた問題・繰り返し解きたい問題だけを選択して取り組むことができるので、講義だけでなく、問題演習もスマホ一台で完結することができます。
スマホ動画対応の通信講座を選択する場合は、上記のような学習システム(e-ラーニング環境)も比較されることをおすすめします。
運営管理 まとめ
ここまで見たように、運営管理は非常に範囲も広く、かつ、重要性も高い科目です。
この科目をきちんとマスターするのは大変だと思いますが、しっかり抑えておけば、将来の中小企業診断士の活動で大きな武器となります。
ぜひ、頑張って欲しいと思います。
なお、その他の試験対策に関連する記事は、以下を参考にしてください。
<一次試験の対策(総合)>
- 一次試験 勉強法と試験対策 完全マニュアル【おすすめ】【人気!】
- 過去問の傾向と活用方法(一次試験)
- 過去問題集は論点別の「過去問完全マスター」がおすすめ
- 2年間で合格を目指す具体的な戦略
- 一次試験 当日の持ち物
<一次試験 各科目の勉強法や勉強時間、難易度など>
<一次試験の科目合格・科目免除について>
<二次試験の対策>
- 二次筆記試験の対策と勉強法【おすすめ】
- 事例Ⅰ(組織・人事の事例)の勉強法・試験対策
- 事例Ⅱ(マーケティング・流通の事例)の勉強方法・試験対策
- 試験当日の持ち物・注意事項
- 口述試験の対策
- 情報開示請求(自分の得点を知る)方法
<中小企業診断士試験 総合>
■
その他、中小企業診断士に関する記事は、下記も参考にしてください。
<中小企業診断士 資格の関連>
<中小企業診断士としての活動>
<資格の更新関連>
<お金と仕事>
- 中小企業診断士の年収【おすすめ】
- 中小企業診断士の副業【人気!】
- 中小企業診断士と転職
- 中小企業診断士とダブルライセンス【おすすめ】
- 独立して成功するポイント【人気!】
- 中小企業診断士としての求人の探し方
<その他>