中小企業診断士の経営法務の勉強方法を教えます!どれぐらい難しい?

中小企業診断士の経営法務

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こんにちは、トシゾーです。

中小企業診断士1次試験の「経営法務」は、法律に明るくない受験者ほど苦手意識を持ちやすい科目です。

理由はシンプルで、診断士の設問独特の言い回しに、さらに法律ならではの言い回しが重なるからです。テキストを開いても、最初は頭に入ってこない——そんな声をよく聞きます。

ですが、結論から言えば心配いりません。経営法務は、会社法・知的財産権・民法の「頻出」を効率よく周回し、法改正は時点で追う——この型さえ押さえれば、安定して得点源にできる科目です。英文問題やマニアックな論点は、思い切って捨て問と割り切ってOKです。

この記事では、法律が苦手な人でも経営法務を効率的に学習できる方法を、出題範囲・難易度の見方・勉強法・暗記のコツ・法改正の追い方までまとめてお伝えします。

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目次

中小企業診断士「経営法務」とは|科目の目的と出題範囲

経営法務は、企業経営に関わる実務的な法律知識を問う1次科目です。

ねらいは、経営者の相談相手として、法律が絡む問題が起きたときに、弁護士・弁理士・司法書士などの専門家へ適切に橋渡しできる「最低限の知識」を身につけること。法律の細部まですべてを極める必要はありません。

(科目設置の目的)創業者、中小企業経営者に助言を行う際に、企業経営に関係する法律、諸制度、手続等に関する実務的な知識を身につける必要がある。また、さらに専門的な内容に関しては、経営支援において必要に応じて弁護士等の有資格者を活用することが想定されることから、有資格者に橋渡しするための最低限の実務知識を有していることが求められる。

※上記は中小企業診断協会の第1次試験案内に基づく科目設置の目的です。出題範囲・配点の最新は、各年度の公式受験案内でご確認ください。

経営法務の出題範囲は「4本柱」で整理する

試験案内の出題範囲は、大きく次の4分野に整理できます。まずはこの全体像を頭に入れましょう。

  • ①会社法:会社設立・定款の作成、機関設計、株主総会の手続き、組織再編(合併・買収・分割)、倒産・事業再生など
  • ②知的財産権:特許権・実用新案権・意匠権・商標権(=産業財産権)、著作権、営業秘密など、企業の競争力の源泉を守る分野
  • ③民法・取引:契約の種類(売買・請負・委任など)、物権・債権、手形・小切手といった取引に必要な知識
  • ④資本市場・コーポレートガバナンス:資金調達、金融商品取引法など

このうち、出題のボリュームが大きいのは①会社法と②知的財産権です。ここを軸に据えると、学習の優先順位がはっきりします。

出題形式は1次のマークシート

経営法務は1次試験のマークシート方式(100点満点)で出題されます。

近年は、海外取引に関する英文問題が毎年数問出る傾向があります(出題傾向は年により変わるため、最新は受験案内でご確認ください)。英文問題への向き合い方は、後ほど「捨て問の判断」で解説します。

中小企業診断士の経営法務は難しい?合格率と難易度の見方

経営法務は、1次の中でも年によって難易度が大きく振れる科目です。易しい年と難しい年が交互に来ることもあり、「合格率が安定しにくい」のが特徴です。

過去の経営法務の科目合格率は、次のとおりです(平成25年度〜令和2年度の参考例。直近年度の合格率は中小企業診断協会の公式発表でご確認ください)。

H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2
21.1% 10.4% 11.4% 6.3% 8.4% 5.1% 10.1% 12.0%

このように、科目合格率はおおむね5〜21%の幅で動いてきました(年により大きく変動します)。特に難化した平成30年度の合格率5.1%は、受験者全員に8点ほど加算する得点調整が入った結果です。それでもこの数字、というのが経営法務の手ごわさを物語っています。

ただ、ここで大事なのは単年の数字に振り回されないことです。直近年の合格率や難易度は、各年の公式発表でご確認ください。

経営法務の難易度がどうであれ、1次試験の合格基準は総点の60%以上(おおむね420点/700点)を取り、かつ1科目でも一定基準(おおむね40%)を下回らないことです(足切りに注意。基準の詳細は公式受験案内でご確認ください)。1科目で高得点を狙うより、「基本的な問題を確実に取る」ほうが現実的です。

中小企業診断士1次試験全体の難易度の見方も、あわせて参考にしてください。

なお、よく検索される「経営士と中小企業診断士ではどちらが難しいか」については、資格の難しさは出題範囲の広さと必要な学習量で見るのが基本です。受験者数や試験制度が異なるため一概には比較できませんが、中小企業診断士は7科目の1次に2次(筆記4事例)が続く、学習量の多い試験です。

中小企業診断士 経営法務の勉強法|苦手でも進む3ステップ

経営法務は、「テキストを最初から通読する」やり方だと、なかなか進みません。法律用語でつまずき、先に進めなくなるからです。

そこで、苦手な人ほど効果が出るのが、次の3ステップです。

ステップ① 単元を細かく分けて「テキスト→過去問→解説」を周回する

単元を小さく区切り、テキストを少し読んだら、その単元の過去問をすぐ解く。これを繰り返します。

最初は過去問が解けなくて当然です。一度自分の頭で考え、それから解説を読む。この往復を続けるうちに、設問の意図が見えてきます。正解の肢だけでなく、「なぜ他の肢が誤りなのか」まで確認すると、知識が一気に定着します。

ステップ② 苦手な単元は講義動画で補強する

文章だけで理解しにくい経営法務は、講義を「聴く」ことで一気に分かりやすくなることがあります。

たとえば「スタディング」のようなオンライン講座の講義動画は、苦手単元の理解を助けてくれます(もちろん通学講座でもOKです)。講座選びの参考に、スタディング中小企業診断士の評判・口コミを診断士が検証した記事もどうぞ。

ステップ③ 頻出論点に集中し、捨て論点を決める

経営法務は範囲が広いので、全部を完璧にしようとしないのがコツです。

会社法・知的財産権の頻出論点を厚く押さえ、英文問題やマニアックな論点は思い切って捨てる。「取れる問題で確実に取る」という割り切りが、限られた時間で合格点に届く近道です。

経営法務の勉強時間の目安

1次試験7科目全体で800〜1,000時間とすると、経営法務は100時間以内に抑えたいところです(あくまで目安で、得意・不得意により変わります)。

そのためにも、講義動画を使う・「テキスト→過去問→テキスト」の周回でスムーズに理解を進める、といった工夫が効いてきます。

試験時間と配点

科目 試験時間 配点
経済学・経済政策 60分 100点
財務・会計 60分 100点
企業経営理論 90分 100点
運営管理 90分 100点
経営法務 60分 100点
経営情報システム 60分 100点
中小企業経営・政策 90分 100点

科目ごとの配分や勉強の順番、いつ始めるべきかは、中小企業診断士の科目別 勉強時間の目安でくわしく解説しています。

経営法務の暗記の進め方|「理解」と「割り切り暗記」の線引き

経営法務でつまずく人の多くは、「法律の考え方をすべてマスターしよう」と意気込みすぎています。

法学部の学生ならそれもアリですが、診断士の受験勉強でそれをやると、時間がいくらあっても足りません。重要論点は理解、細目は割り切って暗記——この線引きが合否を分けます。

暗記で割り切ってよい領域

次のような「表で覚えられるもの」は、趣旨を軽く押さえたうえでポイントを暗記するのが効率的です。

  • 会社法:機関設計の組み合わせや要件
  • 知的財産権:特許・実用新案・意匠・商標など、権利ごとの存続期間や要件
  • 民法:契約類型(売買・請負・委任など)の違い

テキストの図表は、よほど重大なもの以外はメリハリをつけて暗記しましょう。

深入りしすぎない|上位目的は「1次合格」

法令系の学問は、学べば学ぶほど面白くなり、つい深入りしがちです。「民法や会社法を極めたい」と感じる人もいるでしょう。

ですが、本来の目的は「中小企業診断士試験に合格すること」。経営法務にばかり時間を割いて他科目をおろそかにするのは本末転倒です。法律の深掘りは、合格後のご褒美に取っておきましょう。

なお、「先にビジネス実務法務検定を取ってから」と考える人もいますが、経営法務とは出題範囲がきれいに重ならないため、合格が目的なら遠回りになりがちです。最初から経営法務にトライするほうが効率的だと考えます。

経営法務は法改正に注意|最新を公式・e-Govで追う

経営法務は法律の試験なので、試験範囲の法律に法改正が入ることがあります。

ここで一番大切なのは、古い法律のまま暗記しないことです。会社法・知的財産権・民法などは改正が入ることがあるため、論点の最新の取り扱いは、e-Gov法令検索や中小企業庁などの公式情報で確認しましょう(条文や制度は時点で変わります)。

法改正は「1〜2年前のもの」が狙われやすい

出題には少しクセがあります。試験直前の改正は、その年の1次試験には出にくいのです。問題はかなり前から作成されているためです。

経験的には、その試験の1〜2年前に実施された改正の論点が狙われやすい傾向があります(あくまで傾向で、年により異なります)。改正論点は出題されやすいので押さえておきたいところですが、施行時点は受験年度の試験案内・出題範囲やe-Gov法令検索で必ず確認しましょう。

過去問は「市販の論点別」を使う

協会から無料ダウンロードできる公式過去問は、実際の問題形式や出題のクセを確認するには有用です。

ただし、経営法務に関しては、ダウンロード版は法改正で古くなった部分の訂正や注記が入っていない点に注意が必要です。古い年度の問題は、市販の過去問題集(出版社が訂正・注記を反映)や正誤表、最新法令で補正しながら使うと安心です。

おすすめは、テーマ別(論点別・ヨコ解き)の問題集です。過去問の使い方は中小企業診断士の試験対策に過去問が役立つ理由で、過去問全般の進め方は中小企業診断士 過去問ハブでまとめています。

経営法務の科目免除と2次試験との関係

最後に、受験前に押さえておきたい「科目免除」と「2次試験との関係」を整理します。

経営法務の科目免除は2種類

経営法務の科目免除には、①他の国家資格などの保有による免除と、②科目合格による免除の2系統があります。

①他資格等による免除の主な対象は、次のとおりです。

  • 弁護士、司法試験合格者、旧司法試験第2次試験合格者 など

②科目合格による免除は、前年または前々年に経営法務に科目合格している場合に申請できます(科目合格は翌年度から2年間有効)。免除の申請要件や手続きは年度により変わるため、最新は公式の受験案内でご確認ください。

科目合格を活かした戦略は、中小企業診断士「科目合格狙い」戦略でくわしく解説しています。

2次試験との関係|経営法務は1次のみ

経営法務は1次のみの科目で、2次試験で法知識そのものが直接問われることはありません。

ただし、2次試験の事例で事業承継などのテーマが出ることはあります。法律論として問われるわけではありませんが、現在の中小企業経営でホットなテーマには、普段からアンテナを張っておくと役立ちます。

なお、令和8年度(2026年度)から、第2次試験の口述試験は廃止され、2次試験は筆記4事例(事例I〜IV)のみとなる旨が公表されています。「2次=筆記+口述」という古い情報には注意が必要です。適用年度・経過措置の有無を含む最新の制度は、中小企業診断協会の受験案内で必ずご確認ください。

英文問題は深追いしない

毎年数問出る海外取引の英文問題は、簡単に解けるものもあれば、マニアックな論点も出ます。

ざっと読んで意味が取れなければ捨て問とし、その分を他の問題に回すほうが得点効率は上がります。英文問題に特効薬はありません。過去問を何度か解いて、出題の傾向に慣れておく程度で十分です。

まとめ|経営法務は「苦手でも頻出周回+法改正は時点確認」で乗り切る

経営法務は、法律に縁のない人にとって最初の敷居は高い科目です。ですが、勉強すればするだけ、安定して力をつけられる科目でもあります。

要点を振り返りましょう。

  • 会社法・知的財産権の頻出を厚く押さえ、英文やマニアックな論点は捨て問と割り切る
  • 単元を細かく分けて「テキスト→過去問→解説」を周回し、苦手単元は講義動画で補強する
  • 重要論点は理解、細目は割り切り暗記——深入りして他科目を犠牲にしない
  • 法改正は旧法のまま覚えず、最新を公式・e-Govで時点確認。過去問は市販の論点別を使う

平成30年度のように合格率が極端に低い年もありましたが、必要以上に恐れることはありません。基本的な問題を取りこぼさないことを目標に、効率よく学習を進めていきましょう。

次の一歩につながる記事もあわせてどうぞ。

※本記事の制度・年度・料金・統計等の情報は、各公式サイト・公的機関の一次情報で確認しています(確認日:2026年6月30日)。最新は 中小企業診断協会(試験・制度) 等でご確認ください。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。中小企業を中心に270社超を支援し、研修・セミナーへの登壇は250回を超える。現在は、生成AI・ITを経営や業務に生かす実践的な方法と、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験などの学習法・過去問解説を発信している。著書に『Webマーケティング最強の1冊目』(千葉テレビ『モーニングこんぱす』で紹介)
『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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