今回は、生産管理概論における生産形態のうち、「生産数と品種のボリューム」の切り口による分類についてお伝えします。
具体的には、以下4つの分類です。
- 多品種少量生産
- 少品種大量生産
- 中品種中量生産
- 変種変量生産
たとえば、注文住宅の建築は多品種少量生産、全国の小売店に出荷するスナック菓子の生産は少品種大量生産となります。
詳細は以下で説明しますが、それぞれの生産形態が全く異なることはイメージできると思います。
これまで生産管理に縁が無かった方にも分かりやすく説明しますので、ぜひ参考にしてください。
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なお、生産形態というと難解なイメージがありますが、次の3つの切り口で分類することができます。そして、この切り口さえ押さえることにより、すっきりと理解することができるのです。
- 注文の時期
- 生産数と品種のボリューム
- 仕事の流し方(生産方式)
それぞれの切り口の概要や関係性については、下記の記事を参考にしてください。
この記事は、中小企業診断士試験の「運営管理」科目に関するものです。運営管理についてくわしくは、下記記事をご覧ください。
多品種少量生産
多品種少量生産とは、多くの種類の製品を少量ずつ生産する形態のことです。この記事の冒頭で例示した「注文住宅の建築」は、多品種少量生産となります。
生産する製品の生産方法・納期・生産順序などが様々であるため、同じ工場内で多品種少量生産を行う場合、動線が錯綜するなど全体として管理が難しくなります。
また見込生産よりも受注を取ってから生産に入ることが多く、受注の過多により、工場の繁閑に変化が起きやすい(生産量や生産品種が変動しやすい)のも特徴です。
多品種少量生産の場合、生産方式としては個別生産方式やロット生産方式が取られることが一般的です。
少品種大量生産とは?
少品種大量生産とは、種類(品種)の少ないの製品(商品)を、大量に生産する方式のことです。この記事の冒頭で例示した「全国の小売店に出荷するスナック菓子の生産」などは、典型的な少品種大量生産になります。
少ない品種を大量に生産するため、工場内のモノの動きは安定します。
また、注文を取ってからよりも、需要の予測をして見込みで生産することが多い形態です。
同じモノを大量に作るため、従業員には高度な能力よりも、単純な作業の繰り返しを求められることが多くなります。そのため従業員のモチベーションが上がりにくくなるなどの弊害も発生しやすくなります。
少品種大量生産では、連続生産方式やロット生産方式が取られることが一般的です。
中品種中量生産
少品種大量生産と多品種少量生産の中間の形態です。ロット生産が多くなりますが、個別生産や連続生産が行われることもあります。
変種変量生産
社会・経済の状況が目まぐるしく変わる現在、工場で生産する製品の品種やボリュームなども、以前と比べ変動することが高くなっています。
「変種変量生産」は、そんな現状のニーズに合わせて対応すべき生産形態です。とは言え、まったく新しい生産形態というわけではなく、「少品種大量生産」において、さらにユーザーからの要望に柔軟に対応していくイメージだと考えればよいでしょう。
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著者情報 | |
氏名 | 西俊明 |
保有資格 | 中小企業診断士 |
所属 | 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション |