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中小企業診断士試験

中小企業診断士試験の過去問について|近年の傾向と活用方法!

中小企業診断士の過去問

中小企業診断士試験の過去問について

中小企業診断士試験にクリアするには過去問の有効活用は必須です。

「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」。

何かと戦う時、戦わなくてもなにかに取り組む時に必ず引かれるこのフレーズは、中小企業診断士試験にも当てはまります。

他の資格試験や大学入試、特に難関試験と言われる試験では、試験対策のなかでの過去問の重要性はより大きなものとなってきます。

中小企業診断士試験においても過去問は、学習を進めていく上で中心に据えておくべき位置づけと言っていいでしょう。

過去問を知っておくこと、過去問で覚えることの重要性をお話したいと思います。

過去問を知らなければ効率的な学習はできない

中小企業診断士1次試験各科目の問題数と試験時間は以下のようになっています。

経済学・経済政策   25問   1時間
財務・会計              25問   1時間
企業経営理論          40問前後   1時間30分
運営管理                 40〜45問前後   1時間30分
経営法務                 20〜25問   1時間
経営情報システム   25問   1時間
中小企業経営・中小企業政策   40問強   1時間30分

各科目ともに1問解くのにかけられる時間は3分以下です。

その問題を解くのに

「時間をかけていいのか」 or 「捨てるべき問題なのか」

を判断しながら試験時間を使っていく必要があります。

中小企業診断士試験の各科目の問題のうち2割ぐらい

つまり、1時間の試験では4〜5問、1時間30分の試験では8〜9問ぐらいはほとんどの受験生が解けない難問で、残りの8割が過去に出題されたことのある問題といわれています。

中小企業診断士試験において時間をかけて解くべきはこの8割の問題で、2割の他の人も解けない問題に引っかかって時間を無駄に使っている暇はありません。

「過去問を知る」ということはこういうこと

〜財務・会計(ファイナンス分野)の例〜

その8割の問題の中身を財務・会計科目、ファイナンス分野の2017年度から過去5年の問題を例に見てみます。

経営指標分析、キャッシュフロー計算、CAPM理論とβ値などは毎年、WACCの計算は2014年以外毎年、MM理論は2013年と2016年を除く毎年出ている問題です。これらの問題については最重要論点として、理解しなければならない理論や公式を覚え、どんな問われ方をするのかを知っておく必要があります。

正味現在価値は2015年と2016年、差異分析は2015〜2017年、CVP分析は2013〜2015年にそれぞれ出題されています。これらは2次試験にも活用しなければならない論点なので着実に解答できるようにしておかなければならないところです。

為替・オプション取引は2013、2014、2017年に出題されています。金融関係のバックグラウンドがある人以外にとっては仕組みの理解と価格を当てはめた時の計算がやっかいだと思います。中小企業診断士試験の2次試験にも出たことがあるので、マスターするに越したことはないのですが、これまでの出題頻度からすると、簿記の知識があるなど制度会計のほうで得点できる自信があれば、前に上げた論点よりは少し優先順位は下がるかなといった感じです。

・他の人も解けない2割の問題の例のひとつをあげてみると、2016年第15問ポートフォリオ理論の問題が典型的な例です。
投資案A、B、Cの収益パターンが示され設問1で投資案A、Bの共分散と相関係数の値の組み合わせ、設問2で投資案A、Cの予想収益率について分散、相関係数、期待値、標準偏差についての正誤を選ぶという問題です。
テキスト、問題集で分散、共分散、標準偏差、相関係数を求める手順を学習するので、この問題も一見するとそれぞれの数値を求めることが頭に浮かびます。
設問から計算は可能なのですが、乗数やルートの計算が入り計算過程も複雑なため普通の人が3分で計算するのはまず不可能です。
解答は、設問1は投資案AとBの収益パターンが逆であることに着目し、共分散と相関係数のプラス・マイナスから選択肢を選ぶことができ、設問2では期待値のみの簡単な計算をして、他の選択肢は分散、標準偏差の性質、相関係数の範囲から消去法で選ぶことができるという内容でした。
この種の問題は他の人も解けないので後回しにして、解答にたどり着けなかったらヤマ感でマークだけしておくのが正しい戦略です。

・中小企業診断士試験に毎年出題される経営指標分析ですが、インスタントカバレッジレシオという指標が2015年に登場し、2017年にも出題されています。経営指標分析で覚える公式は十数個ぐらいありますが、その一つにインスタントカバレッジレシオも加えておくべきでしょう。

中小企業診断士試験の財務・会計の科目を一例に取りましたが、他の科目も同様で、それぞれの論点で出題頻度に差があり、過去問を遡ることで傾向の変化も把握できます。

こういった情報は、中小企業診断士資格予備校の講座でも提供されると思いますし、中小企業診断士の業界誌、「企業診断」で各年度の本試験の講評が毎年同じ時期に掲載されるので、傾向を掴んでおくことは重要です。

無論、最新年度版のテキストや問題集は、出題傾向を把握した上で構成されているはずなので、すべて学習することは大切です。

しかし、すべての論点を平面的に学習するのは若干効率が悪いのは確かです。

大手予備校TAC、大原では受講生の中小企業診断士・1次試験の自己採点の結果を収集して、年度ごとの1次試験の各問題の正答率を算出しています(他の大手でもやっていると思われます)。

これらの予備校は中小企業診断士試験1次試験の各科目ごとに過去5年間分を収録し、解説を加えた過去問集を発売していて、各問題それぞれに正答率が高い順にA〜Eのランク付けが示されています。

この問題ランクを基準として学習の力の入れ具合を調整することができます。

試験範囲を立体的にとらえることで、自分の理解度と合わせて、覚えなければならない論点をより明確にすることにつながります。

中小企業診断士・1次試験の過去問集としておすすめなのが同友館の「過去問完全マスター」です。

各科目ごとの過去問10年分を論点別に分類し並べ替えた、いわゆる「ヨコ解き」ができる問題集です。

こちらも問題ごとにランクがつけられていますが正答率ではなく、出題頻度によりランクづけされています。

「ヨコ解き」というのは、例えば前にあげた財務・会計であれば、キャッシュフローの問題だけをまとめて解くということです。

年度ごとの過去問集では同じ論点の問題にたどり着くにはページをひっくり返さないとならないのですが、「過去問完全マスター」ではキャッシュフローの問題がまとまって連続して掲載してあるので、この論点がどういう問われ方をするのかということがより比較しやすくなっています。

しかも中小企業診断士試験の「過去問10年分」というのもおすすめポイント。

次項では、「過去問完全マスター」について詳しく説明したいと思います。

※年度別を「ヨコ解き」、論点別を「タテ解き」称しているところもあるようで混乱するのですが、ここでは「論点別にまとめて問題を解くこと」を「ヨコ解き」とします。

中小企業診断士試験の過去問題集は、過去問完全マスター(同友館)を利用する

前述のとおり、「ヨコ解き」に対応した過去問題集として、同友館出版の過去問完全マスターがおすすめです。


 

過去問完全マスターは、中小企業診断士の受験生や合格者からの評判の良い過去問題集です。

中小企業診断士の第1次試験において、これまで10年分もの過去問題(平成23~令和2年度)が論点別・重要度順に編集されています。

「数多くの過去問の中でも、過去問完全マスターは最も勉強しやすい中小企業診断士試験1次問題集」と言っても過言ではありません。

以下では、過去問完全マスターの魅力や強みを詳しく説明していきます。

論点別に過去問が解ける

繰り返しになりますが、中小企業診断士を目指す人が効率良く勉強できるように、論点別(いわゆる”ヨコ解き”)で過去問を解くことができる点が、過去問完全マスターの最大のポイントです。

勉強進捗によって学んだ論点の過去問を解き、インプットとアウトプットの両方を確立する勉強法に取り組めるのが過去問完全マスターのメリットです。

出題傾向や重要な論点を把握するには、中小企業診断士の過去問題を複数年度に渡って確認しないといけません。

今までは受験生自身が過去問題を出題項目ごとに並べ替えて独自のツールを作成する必要がありましたが、過去問完全マスターは次のように編集しています。

  1. 平成23年度から令和2年度までの1次試験過去問題から、頻出度や重要度を選別する
  2. 中小企業診断協会の1次試験出題要項を参考にして並び替える
  3. 受験生は短期間で繰り返し問題を解き、苦手な論点と分野を徹底的に克服できる

今までの傾向から出題頻度の高い順番で掲載されていますので、過去問完全マスターは頻出論点を重点的に学ぶスタイルにピッタリです。

中小企業診断士の試験は100点満点を目指すのではなく、合格点の60点を超えるのが目的ですので、効率良く勉強したい人に過去問完全マスターは向いています。

10年分の中小企業診断士の過去問をカバーしている

上記でも軽く説明しましたが、過去問完全マスターは10年分の中小企業診断士の過去問をカバーしています。

TACの過去問が5年分なのに対して、過去問完全マスターは10年分と2倍です。

これだけの量をカバーしていれば、過去問完全マスターを使って試験対策をしてほぼ全ての頻出問題の問われ方のパターンに対応できますね。

ただし、中小企業診断士の第1次試験の問題は、5年~7年ぐらい前に掲載されているものをリバイバルして出題されやすいのが特徴です。

短期間で中小企業診断士の資格合格を目指す方は、あまり古い問題ではなく、最近の過去問を中心に繰り返し解く勉強法が良いでしょう。

一問一答形式で出題されている

一問一答形式で出題されているのは、過去問完全マスターの大きな強みです。

電車の中や仕事の休憩時間など、スキマ時間を使って中小企業診断士の試験対策ができます。

仕事をしながら中小企業診断士の資格取得を目指すサラリーマンで、「中々勉強の時間を確保できない」と悩んでいる方は少なくありません。

限られた時間を有効に活用して試験に合格するには、一問一答形式でサっと解ける過去問完全マスターがコア教材として役立ちます。

過去問完全マスターの使い方で押さえておきたいポイント

論点別で何度も過去問を繰り返していると、重要なポイントや傾向を読み取って中小企業診断士の試験の効果的な対策ができます。

しかも、一問一答形式の過去問完全マスターは、細切れ時間の有効活用が可能です。

しかし、使い方が間違っていると過去問の良さを最大限に活かすことができませんので、どうやって過去問完全マスターを使って試験対策に取り組めば良いのか見ていきましょう。

  1. 巻末に添付されている「出題範囲と過去問題の出題実績対比」に目を通して頻出論点を把握する
  2. 頻出かつ重要な部分から取り組む(参考書を読んで自分が苦手だと感じる部分は一覧表をマーカーでマークする)
  3. 各章の冒頭部分の「出題項目のポイント」を読み、頻出論点の内容と傾向を把握する
  4. 各章の論点別に問題を解き、冒頭部分の解説や説明を読んで理解を深める
  5. 解説を読んでわからない部分は参考書で調べて繰り返し復習をする
  6. 各章の冒頭部分に挿入されている「取組状況チェックリスト」を活用し、自分が苦手な論点をメモする

過去問完全マスターに掲載されている問題は、次の3種類にランク付けされています。

  • 3回以上出題されている、または重要度が高いと判断した問題はA
  • 2回以上出題されている、または重要度がAよりも低いと判断した問題はB
  • 1回しか出題されていない、または重要度が低い問題はC

「Aの問題」⇒「Bの問題」⇒「Cの問題」という順番で解くと、効率良く中小企業診断士の試験の得点水準を高められるのです。

過去問を解き始める時期は、暗記系の科目であれば授業やテキストを1周した段階で早めに取り組みましょう。

一単元を学習してすぐに過去問をチェックすると、効率良く記憶に残すことができます。

これから中小企業診断士の資格合格を目指す方は、正しい使い方で過去問完全マスターを解いて実力アップを図ってみてください。

中小企業診断士「過去問で覚える」ヨコ解きのメリット

ここでは、中小企業診断士1次試験の過去問を「ヨコ解き」するメリットがわかる具体例をあげたいと思います。

企業経営理論の2015年の第1問、2016年、2017年の第2問にPPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)の問題が出題されています。

5択の文章から正しいものを選ぶ問題です。

中小企業診断士1次試験企業経営理論は「国語の問題」と言われたりするほど選択肢の文章が難解で、言葉の引っかけが仕組んであったりするので、文章を正確に読み取る力が必要とされます。

PPMのテキストの解説を見ると、SBU(問題児、花形、金のなる木、負け犬)ごとに、相対市場占有率、資金流入、市場成長率、PLC(プロダクトライフサイクル)、資金流出のそれぞれの特徴を箇条書きにしてあります。

スッキリしていてわかりやすいのですが、試験問題として順番入り乱れて文章化されると、とたんにめんどくさいことになってきます。

【2017年第2問 選択肢ア】

『衰退期に入った業界の「金になる木」事業と「負け犬」事業は可及的速やかに撤退し、〜』

→衰退期=撤退とイメージしてしまうが、「金のなる木」はキャッシュフローを獲得している事業なので撤退は間違い。

→「負け犬」も撤退のイメージが結びつくが、資金流入が少ないと同時に資金流出も少ないため一概に撤退(可及的速やかに)とは言えない。

『〜、成長率の鈍化した業界の「花形事業」の再活性化〜』

→長いタイムスパンで見れば「花形事業」の成長率が鈍化することもありそう。しかし、そもそも成長率が高い事業が「花形」なので再活性化の必要などない。

選択肢をひとつだけ取り上げてみても、テキストで理解している段階と、試験問題として文章化された時の違いが分かるのではないでしょうか。

中小企業診断士試験(2015〜2017年)の3年分、5択の選択肢の15の文章の記述から多面的に理解することで、PPMの全体像が知識として身についてきます。

過去問の学習は中小企業診断士試験の王道

中小企業診断士試験に挑戦するにあたり、

「同じ問題は出ないから過去問をやっても無意味」

「選択肢を覚えてしまうので、過去問を繰り返しやっても効果はない」

ということを言う人もいますが、中小企業診断士試験についてこれは当てはまりません。

前述のとおり、中小企業診断士試験(一次試験)の問題の8割は、過去に出題されたテーマを繰り返して出題したものです。

「過去に出されたテーマの繰り返し」とは、言い換えれば、基本的な論点。一次試験は、どの科目も6割正解すれば合格ですから、過去に出題されたことのない難問のことは気にせず、基本的な論点をきっちり抑えるだけで、必ず合格できます。

自分の理解度をはっきりさせて、効率的に学習を進めていく上で、中小企業診断士試験の過去問は必須の学習アイテムと断言します。

過去問には、出来るだけ早く取り組む

あなたは、どのタイミングで過去問に取り組むべき、と思っていますか?

もしかして、「テキストの内容を出来るだけ覚えてから、最後に過去問で仕上げよう」

なんて考えていませんか?

その考えは大間違いです。正解は、

「各論点についてテキストをざっと読んだら、すぐに過去問を解いてみる」

ということです。

たとえば、企業経営理論の「競争戦略」の単元のテキストを読んだら、すぐに「競争戦略」に関する過去問を解きます。

もちろん、ヨコ解きの問題集を使うことで、過去5~10年分の「競争戦略」に関する過去問をすべて抑えることができます。

このようにすれば、「競争戦略の単元は、どのような問題が出題されるか」を理解できます。

繰り返しになりますが、「過去に何度も出題された論点」に関する問題を解くだけで合格できます。

もはや過去問は「問題集」というより、良質かつ最高のテキスト、と言えるでしょう。

さらに、過去問を解いて、答え合わせをする際にもポイントがあります。

それは、

「〇か×をつけるだけでなく、答えが〇でも、解答に迷ったものには△をつけておく」

ということ。

つまり、自信をもって解答できたものだけに〇をつけ、しばらく日を空けてから、今度は△と×の印をつけた過去問だけを解いていく・・・すべての過去問に〇がつくまで、これを繰り返します。

こうすることで、問題を解く時間を短縮しながら、理解が不十分な点を確実につぶせます。

一次試験の勉強においては、すべての科目において、以上のように過去問中心の学習を行ってください。

必ず、合格できる力が養成されるはずです。

以上、本記事では、過去問の傾向と活用方法について説明していました。

なお、中小企業診断士のテキストについては、以下もご参考ください。

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著者情報
氏名 西俊明
保有資格 中小企業診断士
所属 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション