組織のコンティンジェンシー理論とは?
どんな状況に対しても、最適な組織というものは存在しません。
そこで、有効な組織形態は状況に依存する、という考え方が「組織のコンティンジェンシー理論」です。オープンシステムとして組織を捉えて、外部環境との相互作用に着目した理論です。
この記事では、組織のコンティンジェンシー理論に関する、様々な実証的研究を見ていきましょう。
サウス・エセックス研究
技術と組織構造の相性(適合のよさ)に関する研究であり、ウッドワードにより提唱されました。
まず、大量生産には機械的組織が適合するとしました。
機械的組織とは、指揮命令系統が明確なピラミッド型組織、官僚型組織が該当します。
また、個別生産やプロセス生産(装置生産)には有機的組織が適合すると主張しました。
プロセス生産とは、化学系プラント、あるいはお酒の醸造のように、化学的反応を利用する自動生産方式のことです。
また、有機的組織とは、動的に対応しやすい組織のことであり、変化に柔軟に対応できるネットワーク型組織、水平型分業などが該当します。
バーンズとストーカーの研究
バーンズとストーカーは、組織構造を機械的組織と有機的組織に分けたうえで、安定した環境や産業においては機械的組織が適合しやすく、不安定な状態においては有機的組織が適合しやすいと主張しました。
ローレンスとロッシュの研究
ハーバード大学のローレンスとロッシュの両教授は、環境の不確実性の程度により、組織における有効な分化/統合の程度に相違があることを主張しました。
両教授によると、不確実性の高い環境に適合する企業の組織分化の程度は高くなる傾向にあり、さらに、組織分化から生じるコンフリクト(葛藤)を解決するため、部門統合を実行するための仕組みを保持している、と主張しました。
まとめ
以上、組織のコンティンジェンシー理論の解説でした。
今回の「組織のコンティンジェンシー理論」の元ネタは、中小企業診断士試験委員の著書です。くわしくは以下の記事で説明しています。関心のある方はどうぞ!