こんにちは、トシゾーです。
この記事では宅建試験における5問免除(5点免除)に関して説明します。
そもそも、宅建試験には受験資格はありません。年齢・学歴・国籍などの制限がなく、誰でも受験できる公平な試験です。
一方、宅建業者の従事者の場合、一般の方よりも有利に試験を受験できる制度があります。
それが、今回説明する5問免除です。
5問免除を受けるためには、あらかじめ決められた講習を修了しておく必要がありますが、非常に大きなメリットがあります。
よく、宅建業の従事者で無い方が、「5問免除はずるい!」と言ったりしていますが、そんなことはありません。
そもそも、宅建資格とは、宅建業に従事するためのライセンスですので、それに該当する方が優遇されるのは、ある意味当然と言えるでしょう。
ぜひ、宅建業に従事されている方は、胸を張って5点免除を申請して欲しいと思います。
ただ一方で、5問免除を受ける際には、注意すべき事項もあります。
それらについて、この記事では、分かりやすく説明していきます。
もし、あなたが宅建業者の従事者か、あるいは、宅建業者に勤務予定がある方でしたら、
ぜひ、この記事を読んで5問免除を活用し、宅建の受験をを有利に進めて欲しいと思います。
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目次
宅建の5点免除はずるい? まずは制度の概要を知ろう
宅建試験の5問免除の概要は次のとおりです。
<誰が対象?>
宅建業に従事する方
<どうすれば?(条件)>
登録講習機関(※)より実施される「登録講習」を修了すること
※国土交通大臣による登録
<どうなる?(免除の内容)>
宅建試験の50問のうち、5問分が免除されます。正解したとして扱われ、受験するのは45問のみになります。
つづいて、詳細を見ていきましょう。
5問免除となる試験範囲
5問免除となる試験の範囲です。
「登録講習」を修了した方が宅建試験で免除となる科目は、宅地建物取引業法施行規則第8条の第1号と第5号に記載されている内容です。
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること(宅地建物取引業法施行規則第8条第1号)
- 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること(宅地建物取引業法施行規則第8条第5号)
一般的には、宅建試験の4分野(民法等、宅建業法、法令上の制限、税・その他)のうち、「その他」にあたる部分であり、
試験問題50問のなかの問45~問50の部分が免除されます。出題内容は次のとおりです。
問46 住宅金融支援機構
問47 景品表示法
問48 統計
問49 土地
問50 建物
登録講習とは
登録講習とは、正式名称を「宅建登録講習」といいます。
宅建業法の第16条第3項に基づく講習でして、宅地建物取引業に従事する者を対象にしています。
登録講習の目的は以下のとおりです。
<目的>
宅地建物取引業に関する実用的な知識および紛争の防止に関して必要な知識を習得し、宅地建物取引業に関する業務の適正化および資質の向上を図ること
登録講習機関
登録講習機関とは、宅建業法の第16条第3項に基づく機関(組織)です。国土交通大臣からの登録を受けたうえで、登録講習を実施します。
登録講習機関の一覧は、国土交通省のWebサイトに掲載されています。
大手では、TAC・LEC・大原・日建学院などが登録されています。
登録講習の内容(カリキュラム)
登録講習の内容(カリキュラム)は、いずれの登録講習機関においても、おおむね、次のとおりです。
①通信教育の受講:約2か月
②スクーリング(講義):2日程度
③修了試験
登録講習の修了は、宅建本試験の申し込み前に完了しておくことが必要です。
というのも、試験の一部を免除されるためには、登録講習修了試験に合格し、講習修了者証明書を取得後に試験に申し込む必要があるからです。
そのため、いずれの登録講習機関も、6月までには修了試験が終わるようなスケジュールを組んでいます(修了試験は、スクーリング最終日に実施することが一般的です)。
つまり、通信教育の受講は、遅くとも4月ぐらいまでに始めることが必要です。
登録講習を受ける予定の方は、余裕を持って、登録講習機関に申し込んでください。
なお、登録講習について、詳細は下記記事にて説明しています。よかったら参考にしてください。
【参考】宅建試験の関係では大きく3種類の講習がある!
宅建資格の関連では、多くの講習が存在します。
この記事で説明している「登録講習(宅建登録講習)」以外にも、「実務講習(登録実務講習)」「法定講習」などの講習があります。
それぞれをカンタンに説明しておきます。
●登録講習(宅建登録講習):宅建業に従事するものが、5点免除を受けるための講習です。
●実務講習(登録実務講習):宅建試験に合格した後、2年の実務経験のない方が、都道府県知事に資格登録する前に受けなければならない講習です。
●法定講習:宅地建物取引士証を5年ごとに更新するたびに、受講が義務付けられている講習です。
なお、法定講習に関する詳細は、下記をご覧ください。
5問免除となる要件(条件)
前述のとおり、5問免除で試験を受けるためには、登録講習の修了が必要です。
また、登録講習を受講するには、宅建業への従事が条件になっています。
宅建業に従事している方は、宅地建物取引業法第48条による「従業者証明書」を所持することになっています。
それぞれの登録講習機関では、登録講習の申し込み時や修了試験時に、従業者証明書の確認やコピーの提出を求めることにより、宅建業の従事者であることを確認しています。
5問免除者の合格率
以下、直近5年間における、宅建試験の全受験者に対する合格率と、5問免除の合格率を比較しました。
5問免除のほうが5~7ポイント程度、合格率が高いことが分かります。
<全体の合格率等>
年度 合格点 合格率
平成26年度 32点 17.5%
平成27年度 31点 15.4%
平成28年度 35点 15.4%
平成29年度 35点 15.6%
平成30年度 37点 15.6%
・
<5問免除者の合格率等>
年度 合格点 合格率
平成26年度 27点 24.9%
平成27年度 26点 20.2%
平成28年度 30点 20.0%
平成29年度 30点 19.9%
平成30年度 32点 20.6%
5問免除のメリットとデメリット
メリットは落ちる可能性が減ること、試験範囲が小さくなること
前述のとおり、一般の受験生と比べた場合、5問免除された方のほうが明らかに合格率が高くなり、落ちる可能性は減ります。そのため、5問免除を受けるメリットは大きいといえます。
その他にも、免除科目の勉強はしなくてよいわけですから、勉強時間を短縮したり、他の科目にしっかり力を入れたりすることもできます。
5問免除の対象となるような、宅建業の従事者の方は多忙だと思いますので、試験範囲が少なくなるメリットも大きいでしょう。
デメリットは登録講習の費用ぐらい
一方のデメリットですが、こちらは登録講習の費用として1万5,000円~2万円程度かかること、スクーリングで2日間必要なことぐらいでしょうか。
いずれにしても、デメリットよりメリットのほうが、かなり大きいと考えられますので、5問免除の対象となる方は、登録講習の受講をおすすめします。
本当に5問免除はずるいのか?
一方で、5問免除を利用できない、つまり宅建業に従事していない受験者からすれば、5問免除にはほとんどメリットがありませんから羨ましく感じるでしょう。
それでは、5問免除は本当にズルいのでしょうか?
実際、何人かの宅建の受験生にこの質問をしたところ、なんと半分以上の方が
「別に仕方ないんじゃない?」「ずるいとは思わない」
という解答でした。私の周りだけでしょうか。あなたはどう思いますか?
実は私も、現役の受験者だったころ、羨ましくはありましたが「まぁ仕方ないなぁ」と思っていました。
何故ならば、宅建は「宅建業を行うための資格」です。つまり、不動産会社や株式会社の不動産の会社など、宅建の業界においては資格保有者を喉から手が出るほど欲しがっているところは本当に多くあります。
今現在、真面目に仕事として宅建業を営んでおり、場合によっては資格保有者が足りないと最悪廃業になるかも知れないのです。
そんな会社に従事している正社員、パート、アルバイトの方が多少なりとも優先されるのは、ある意味仕方がないと思いませんか。
羨ましく思う時間があったら、「満点を取ってやる」と挑戦する心で過去問を何度も回したり、模試を受験したりするほうが建設的だと考えています。
まぁ、私自身も満点で受かるつもりで挑戦したのですが、結果はあと1点足りなかったら危うく不合格・・・という危ういものでした(泣)
もちろん、そう簡単に満点なんて取れるものでもありませんよね。。。毎年、宅建の合格発表の時期になると、今でもあの時の凍り付く様な感情が甦りますw
5問免除に関する注意事項
5点免除の有効期限~2回目・3回目の受験も可能
登録講習の有効期限ですが、修了試験合格日より3年以内の宅建試験で、5問免除が受けられます。すなわち、最大3回の宅建受験が可能です。
それ以降は、再度、登録講習の受講が必要になりますので、気を付けてください。
なお、修了試験に合格後は、宅建業に従事していなくても、5問免除での本試験申し込みは可能です。
※宅建業に従事していることを確認されるのは、登録講習受講期間の間だけ、ということです。
宅建試験の申し込みの前までに、登録講習の修了が必要!
前述のとおり、登録講習の修了は、宅建本試験の申し込み前に完了しておくことが必要です。
登録講習受講中では、5問免除での本試験申し込みはできませんので、注意してください。
宅建試験 5問免除になる登録講習とは? 合格率やメリット、デメリットについて <まとめ>
ここまで、宅建試験の5問免除の内容や、登録講習の概要を見てきました。
宅建業に従事している方なら、5問免除にはメリットしかありません。
該当する方は、宅建試験の受験前に、ぜひ登録講習の受講を前向きに考えてみてください。
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