予備校のAI活用|最初の一手と人に残す判断

予備校のAI活用:契約を1契約1行にし、1生徒・1講座・1回の受講と映像授業の視聴の記録につなぐ台帳の流れ

最終更新日: 2026年10月6日/内容確認日: 2026年10月6日

本記事では、大学の入学試験に備える講座を、高校生(現役生)と高等学校の卒業者(既卒生)に、校舎での対面の集団授業を中心に、映像授業(校舎の視聴席と自宅での視聴)・オンラインの授業・自習室・模試・進路面談と組み合わせ、年間のコース(前納の一括・分割)・季節の講習・単科の講座の契約で提供する、1〜数校舎の事業者を主なモデルとして想定します。各種学校の認可を受けている予備校と受けていない予備校の両方を含めます。これは本記事の設計上の前提で、業界の典型像ではありません。中学受験・高校受験や大学院・編入学・留学の講座、寮・下宿は扱いません。

目次

1. 結論:予備校なら何から始めるか

予備校でAIを使うなら、最初の一手は「契約を1契約1行の記録にし、1生徒・1講座・1回の受講と映像授業の視聴の記録につないで、前受金の計上と中途解約の精算の案をそこから組むこと」です。次に「各大学の募集要項を正本にした受験校の台帳で、助言から入学手続の確認までをつなぐこと」、その次に「成績や面談の記録を外部へ渡す前に、どの類型に当たるかと同意を確かめて記録すること」が続きます。

この番号は、Topの記録を材料にする業務のまとまりの数(12・6・5)で比べた業務マップ上の範囲で、法令上の重要度や売上・損失の大きさの比較ではありません。実施はTop1から始め、Top3は並行し、Top2は3週目から始めます(節3)。

一方で、入学の可否、契約の締結、精算額、受験校と日程についての助言、合格実績の数え方と表示、個人情報の取扱いの方針は、AIに渡せない領域として残ります(節6)。本記事を貫く原則は「AIは候補まで、確定は人」です。

2. 業務全体の流れ

本記事のモデルでは、1年度の仕事は次の流れです。

  1. コース・講座・料金・契約の型の設計。
  2. 募集・広告と合格実績の表示。
  3. 入学説明・入学テストと入学の決定。
  4. 契約と書面(契約ごとの照合、契約者と受講者の確認)。
  5. 請求・入金・前受金(お金の流れの入口)。
  6. 授業・映像授業・模試、面談と保護者への報告。
  7. 受験校の台帳と出願の予定の確認、講習の追加。
  8. 合否の報告と合格実績の集計、次年度の計画。

裏側では、解約と苦情、講師の採用と業務委託、個人情報、各種学校の認可と規約が動いています。本シリーズでは、年度の受験の暦と週ごとの授業で動く「周期型」を主、出願・合否・解約の申出などから始まる「イベント駆動型」を従として整理しています。

3. AI導入優先Top3

業務マップ上の範囲 記録の単位 実施の順序
Top1:契約・受講・視聴の記録と前受金・精算の案 最も広い(12) 1契約/1生徒・1講座・1回 ①
Top2:募集要項を正本にした受験校の台帳 2番目(6) 1大学・1選抜区分/1生徒・1大学・1選抜区分 ②(2週目に様式、3週目から)
Top3:外部へ渡す前の確認と同意の記録 3番目(5) 1提供先・1目的/1生徒・1同意の対象 ①と並行してよい

括弧の数は本記事の業務の分解で数えた計算値です。Top1・Top2の記録を外部のAI・クラウドで扱う場合は、そのサービスについてだけTop3の確認を先に記録し、Top3全体の完了は前提にしません。

Top1:契約・受講・視聴の記録を1契約・1回でつなぎ、前受金の計上と中途解約の精算の案を組む

何をするか。 いま有効な契約を1契約1行(年間のコースの前納か分割か・講習・単科の別、期間・回数、費目と総額、照合の状態、書面の受領の日、契約者と受講者、前受金の残高)にし、講習の追加も照合して行を足します。授業と映像授業は1生徒・1講座・1回で記録し、映像授業には視聴の場所(校舎の視聴席か自宅か)と開始・完了を残します。AIは転記と前受金の計上の案、中途解約の申出があれば精算の案を出します。

なぜ最も広いか。 これらの記録は、請求、面談と保護者への報告、講習の案内、精算、苦情、合格実績の照合、採算の集計など12のまとまりの材料になります。特定継続的役務提供に当たる契約では、中途解約の上限が学習塾の項と家庭教師の項で違います(節9)。本記事の設計では、提供された役務の対価を受講・視聴の記録から組みます。

どう始めるか。 3週目と4週目の2週間、いま有効な契約とその週の授業・映像授業で試します。本記事の設計では、照合の状態を「該当(学習塾の項/家庭教師の項)」「対象外と確認済み」「未確認」の3つで持ち、「未確認」は当たる場合と同じく扱います(節9)。

何を測るか。 照合の状態と書面の受領の日が記録された契約の割合、中途解約の申出のうち受付の日時と精算の算定根拠が記録された申出の割合、受講・視聴の記録が1生徒・1講座・1回で残った授業の割合。該当又は「未確認」の契約で概要書面の交付の記録が無いまま締結した件数は0を前提にし、改善の目標にしません。

注意。 照合の状態と精算額をAIに確定させません。照合の状態の確認と精算の案は担当者が全件確認し、精算額・返金額は事業者が確定します。

Top2:募集要項を正本にした受験校の台帳で、助言・出願の予定の確認・合否と入学手続の確認をつなぐ

何をするか。 担任1人の受け持ちの生徒について、発表済みの募集要項から日程表(1大学1選抜区分1行:出願期間・試験日・合格発表・入学手続の期限・入学検定料・照合者・照合日)を作り、1生徒1大学1選抜区分1行の台帳を付けます。AIは抜き出しと日程の重なりの検出を出し、担当者が原本と全件照合します。発表前のものは「未確認」と表示します。

なぜ2番目か。 台帳は、講座の設計、合格の報告、面談と保護者への報告、助言と予定の確認、講習の案内、結果の集計の6つのまとまりの材料になります。令和9年度の大学入学者選抜実施要項(文部科学省から各大学への通知で、法令ではありません)は、各大学が試験期日・出願手続・入学検定料などを記述した募集要項を令和8年12月15日までに発表するとしています。

どう始めるか。 2週目に様式を決め、3週目から発表済みの募集要項で試します。

何を測るか。 台帳の行のうち募集要項と照合した日程の行の割合、入学手続の期限の前の確認が記録された合格の割合。照合していない日程を確定として連絡した件数は0を前提にし、改善の目標にしません。

注意。 本記事の整理では、受験校と出願を決めて出願の手続を行うのは受験生(未成年は保護者を含む)です。助言は担任が確定し、予定の確認の連絡も担任が全件確認して送ります。

Top3:成績・面談の記録を外部へ渡す前に、どの類型に当たるかと同意を確かめて記録する

何をするか。 外部のサービス(模試の実施者・映像配信・学習管理・決済・AI)と保護者への報告を1提供先1目的1行の表にし、渡す情報、類型(委託・第三者提供・外国にある第三者への提供)と根拠、要配慮個人情報に当たりうる情報の有無、学習への利用、保存期間と削除、再委託と国外での保存を記録します。AIは確認項目の候補を並べ、担当者が全件確認します。

なぜ3番目か。 確認の結果と同意の記録は、広告、模試の申込みの取次、保護者との面談と報告、入退室の通知、同意と委託先の監督の5つのまとまりの材料になります。

どう始めるか。 2週目に様式を決めてTop1・Top2で使うサービスから埋め、3週目からいま使っている提供先を埋めます。本記事の設計では、確認できない提供先には渡さず、成人の既卒生の成績などを保護者に伝えるのは本人の同意の記録がある場合に限ります。

何を測るか。 渡す前の確認が記録された提供先の割合、成人の既卒生の保護者への報告のうち本人の同意の記録がある割合。同意の記録が無いまま成人の既卒生の保護者に送った報告は0を前提にし、改善の目標にしません。

注意。 成績などが個人データや要配慮個人情報に当たるか、報告や入力がどの類型に当たるかは本記事では判断しておらず、本記事の設計では当たりうる情報として扱います。

4. AIに任せやすい仕事

結果をそのまま次へ渡せる仕事で、照らし合わせる相手は人が確定した値です。

  • 形を整える。 締結と書面の交付の記録から契約の記録へ、出欠から受講の記録へ、配信の記録から視聴の記録へ。
  • 照らし合わせる。 請求と入金、受験校の台帳と担当者が照合した日程表。
  • 違いを見つける。 契約書と登録の不一致、契約と配信の範囲の不一致。
  • 足りないものを探す。 未入金、書面の受領の日が空欄の契約、合否の報告の無い生徒。
  • 下書きを作る。 確定した記録からのルール計算による請求と前受金の計上の案(生成AIに金額を計算させません)。
  • 探し出す。 見張る先をe-Govなどの公式の情報源に固定した法令の改正の収集。拾ったものは候補で、担当者が定期的に公式の情報と適用の時点を確かめます。

不一致・欠け・異常値だけを人が見ます。

5. AI支援に向く仕事

AIが候補や下書きを作り、人が全件確認してから使う仕事です。確認を挟むことは手間ではなく、品質の設計です。

  • 契約ごとの照合の状態の候補、概要書面と契約書面の案、講習の追加の照合(担当者・教務の責任者)
  • 中途解約の精算の案、クーリング・オフの期間の照合と返還額(担当者)
  • 募集要項からの日程の抜き出し(担当者)、予定の確認の連絡と保護者への報告の案(担任)
  • 外部へ渡す前の確認の候補(担当者)、合格実績の集計表の案(責任者)
  • 広告の表示の点検、教材の入試問題などの出典と許諾の状態の候補

6. 人に残す仕事・判断

線の引き方の原則は「AIが答えを出せるか」ではなく「誰がその答えに責任を持つのか」です。

  • 入学と契約。 入学の可否、契約と講習の締結、教材を購入が必要な商品とするか、精算額・返金額とクーリング・オフに伴う返還、苦情への対応、規約の条項。
  • 受験。 受験校の組合せと日程についての助言の確定(担任)。受験校と出願の決定は、本記事の整理では受験生の行為です。
  • 表示。 合格実績の数え方の定義、広告の公開、表示の管理上の措置。
  • 人と情報。 講師の採用と業務委託、個人情報の取扱いの方針。
  • 各種学校の認可を受けている場合に限るもの。 学則などの変更を行うか(事業の判断)、その変更や校長を定めたことに法令が求める認可の申請・届出の要否と時期(法定の義務)の判断、要件を確かめたうえでの校長の決定(節9)。

AIの照合や候補が9割正しくても、ここに挙げたものは人が全件を決めます。

7. Best Practice

到達点は、1契約と1人の生徒を単位に、契約から精算まで、募集要項の確認から入学手続の確認まで、同じ記録の上で通る構造です。精算は受講・視聴の記録から組まれ、台帳は照合つきの日程表につながり、外へ渡す情報は類型と同意が記録され、合格実績は定義と根拠つきで1件ずつ記録されます。

8. Before / After

Before。本記事が改善の出発点として置いた想定で、業界の実態の描写ではありません。 契約・受講・視聴・前受金の記録が契約書・出欠の表・配信の画面・帳簿に分かれ、精算がその都度の計算になります。日程は担任のメモと各大学のサイトに分かれ、成績や面談の記録は確認の手順なしに外へ渡ることがあります。

After。到達点として置いた姿です。 節7の構造で、判断は人に残ったままです。

9. 法令・規制・情報管理

以下は本記事の実務上の整理で、条文を確かめた規律だけを挙げており、すべての規律ではありません。法令は2026年10月5日に確認した版により、学校教育法と個人情報の保護に関する法律は施行日を併記し、現行法とは断定しません。未施行の改正は扱っていません。

特定継続的役務提供に当たるか。 特定商取引に関する法律(特定商取引法)は、役務提供事業者が、政令で定める役務を政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し、相手方が政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約を締結して行う提供を特定継続的役務提供とし(第41条第1項第1号)、同法施行令は期間を「二月」、金額を「五万円」としています。いわゆる学習塾(別表第四の五の項)は、入学試験(学校(幼稚園及び小学校を除く)・専修学校・各種学校の入学者を選抜するための学力試験)に備えるため又は学校(幼稚園及び大学を除く)の教育の補習のための、学校(幼稚園及び大学を除く)の児童・生徒・学生を対象とした学力の教授で、事業者の事業所など事業者が用意する場所で提供されるものに限り、いわゆる家庭教師(四の項)は、同じ目的の学力の教授で、その場所以外の場所で提供されるものに限ります(施行令第24条・第25条・別表第四)。

消費者庁の解説は、学習塾には浪人生のみを対象にしたコースは対象にならず、高校生と浪人生が両方含まれるコースは全体として対象になるとし、同庁のQ&Aは、家庭教師には役務提供を受ける者の限定はないとしています(行政の解説・解釈です)。既卒生だけの課程、自宅での視聴やオンラインの部分、講習の追加を含め、個々の契約がどれに当たるかは本記事では判断していません。本記事の設計では、「未確認」の契約は当たる場合と同じく書面を交付し、精算も当たる場合の上限の範囲で行います(法令が未確認を該当とみなすという意味ではありません)。

書面。 役務提供事業者は、特定継続的役務提供契約を締結しようとするときは、締結するまでに、主務省令で定めるところにより概要書面を交付し(第42条第1項)、締結したときは、遅滞なく、主務省令で定めるところにより契約書面を交付します(同条第2項)。契約書面には、入学金・授業料・入学のための試験の検定料・購入が必要な商品の価格などの費目ごとの明細と合計、精算方法を含む解除に関する事項を記載します(施行規則第93条・第94条)。政令で定めるところにより承諾を得て、電磁的方法で提供することもできます(第42条第4項)。

クーリング・オフと中途解約。 役務の提供を受ける者は、契約書面(第42条第2項の書面)を受領した日から起算して8日を経過するまで(不実告知による誤認や威迫による困惑で期間内に解除しなかった場合は、解除できる旨を記載して交付した書面を受領した日から8日)、書面又は電磁的記録で解除でき、通知を発した時に効力を生じます。役務提供事業者は損害賠償・違約金も提供済みの役務の対価も請求できず、受領した金銭を速やかに返還します(第48条)。その後は将来に向かって解除でき、役務提供事業者は、損害賠償額の予定や違約金の定めがあっても、提供開始後は提供された役務の対価に、学習塾の項は「二万円又は一月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額」、家庭教師の項は「五万円又は一月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額」を加えた額、提供開始前は学習塾の項「一万一千円」・家庭教師の項「二万円」に、法定利率による遅延損害金を加えた額を超えて請求できません(第49条、施行令第30条・第31条・別表第四)。これは請求できる額の上限で、割賦販売により提供するものには第49条第2項などを適用しない定めがあります(第50条第2項)。

広告。 特定継続的役務提供をする場合の広告では、役務の内容又は効果などについて著しく事実に相違する表示などが禁じられています(第43条)。不当景品類及び不当表示防止法も、事業者が自己の供給する役務の内容を実際のものより著しく優良であると示す表示などで、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるものを禁じています(第5条)。合格実績の表示がこれらに当たるかは本記事では判断していません。

各種学校の認可。 本記事の設計では、自校の認可の状態を「受けている」「受けていない(確認済み)」「未確認」で持ちます。学校教育法(2026年10月5日に確認した版、2026年6月17日施行)では、認可を受けている私立の各種学校の設置者は、収容定員に係る学則の変更について都道府県知事の認可を受け、校長を定めて都道府県知事に届け出、目的・名称・位置・学則(収容定員に係るものを除く)の変更などを都道府県知事に届け出ます(第134条第2項が準用する第4条第1項前段・第10条、同法施行令第23条第1項第12号・第27条の3)。認可を受けている場合、各種学校規程により、校長は教育に関する識見を有し、かつ、教育・学術・文化に関する職又は業務に従事した者でなければならず、教員の要件と数(3人を下ることができない)も定められています(第7条・第8条)。第1条に掲げる学校以外の教育施設は、同条の学校の名称や大学院の名称を用いてはならず(学校教育法第135条第1項)、本記事の設計では、認可の状態が「未確認」の間は学校の名称や各種学校である旨を広告に使いません。

個人情報と、生成AI・クラウドに出す条件。 個人情報の保護に関する法律の2026年10月5日に確認した版(2026年10月1日施行)では、個人情報データベース等を事業の用に供している個人情報取扱事業者は、個人データ(個人情報データベース等を構成する個人情報)の安全管理措置と、従業者・委託先の監督を行います(第16条・第23条〜第25条)。同事業者による個人データの第三者への提供は、第27条第1項各号(法令に基づく場合など)・第2項・第5項に当たる場合を除き、あらかじめ本人の同意を要します。利用目的の達成に必要な範囲内において取扱いの全部又は一部を委託することに伴って提供される場合、提供を受ける者は第三者に当たりません(同条第5項第1号。委託に当たるかは本記事では判断していません)。外国(規則で定める国を除く)にある第三者(規則で定める基準に適合する体制を整備している者を除く)への提供は、第27条第1項各号の場合を除き、あらかじめ外国にある第三者への提供を認める旨の本人の同意を要し、同意を得ようとする場合は、あらかじめその国の制度や提供先の措置などの情報を本人に提供します(第28条第1項・第2項。提供先が外国にある第三者に当たるかは本記事では判断していません)。

成績や面談の記録を生成AIやクラウドへ入れる前には、①入れる情報を必要最小限にする②入力データを学習に利用するか③保存期間と削除の方法④契約上の機密保持とデータの取扱条件⑤アクセス権限と利用ログ⑥再委託や国外保存など自社の規程上確認が必要な事項、の6点を確かめ、組織が利用を承認したサービスに限ります。法令の要件ではなく、組織として決める運用です。

10. 最初の30日プラン

1週目:測る。 いまある記録から7日間で、事務の責任者が①有効な契約のうち照合の状態と書面の受領の日が記録された割合②直近3か月の中途解約・退学の申出のうち受付の日時と精算の算定根拠が記録された割合③直近1か月の授業・映像授業のうち受講・視聴の記録が1生徒・1講座・1回で残っている割合を、教務の責任者が④前年度の受験校の日程の行のうち募集要項と照合した記録がある割合⑤前年度の合格のうち入学手続の期限の前の確認が記録された割合を、個人情報の担当者が⑥いま使っている提供先のうち渡す前の確認の記録がある割合⑦直近1か月に成人の既卒生の保護者へ送った報告の件数と、うち本人の同意の記録がある件数を数えます。

2週目:様式を決める。 契約と受講・視聴の記録(照合の状態に「未確認」の欄)、渡す前の確認と同意の記録、日程表と台帳の様式を決め、止める条件(概要書面の交付の記録が無い該当又は「未確認」の契約は締結しない、未照合の日程を確定として伝えない、確認できない外部へ渡さない)を欄にします。

3週目:小規模に試す。 3週目と4週目を試行期間にし、Top1をいま有効な契約とその週の授業・映像授業で、Top3をいま使っている提供先で、Top2を担任1人の受け持ちの生徒で試します。照合の状態・精算の案・日程表・渡す前の確認は担当者が全件確認し、締結・精算額・助言・取扱いの方針は人が決めます。

4週目:比べる。 試行期間の値で①③④⑥⑦を1週目と比べます。②は試行期間の申出を記録して翌月に、⑤は合格発表の時期(選抜実施要項では、総合型選抜の判定結果の発表は令和8年11月1日以降、個別の試験の合格者の決定発表は令和9年3月31日まで)に比べます。次の候補は合格実績の集計です。

11. AI活用成熟度

  • Lv1 人依存。 照合の状態や受験校の日程が、担当者と担任の記憶とメモで回っている。
  • Lv2 台帳化。 契約・出欠・視聴・日程の一覧が別々にあり、転記がある。
  • Lv3 一元化。 1契約・1人の生徒を単位に、契約・受講と視聴・台帳・同意の記録が1か所に集まっている。
  • Lv4 AI支援。 精算の案、日程の抜き出し、渡す前の確認の候補をAIが出し、人が確認して確定する。
  • Lv5 仕組み化。 前年度の記録と台帳が、次年度の講座の設計と規約の見直しに戻る。

Lv5は、AIが照合の状態・締結・精算額・助言を自動で決める状態ではありません。

12. FAQ

Q. 既卒生だけのコースは、特定商取引法の対象外ですか。 A. 「浪人生のみを対象にしたコースは対象にならない」は消費者庁の学習塾の項についての解説で、同庁のQ&Aは家庭教師には受ける者の限定はないとしています。個々の契約は本記事では判断しておらず、本記事の設計では「未確認」として当たる場合と同じく扱います(節9)。

Q. 入学金は返還しないと規約に書いてよいですか。 A. 消費者庁のQ&Aは、特定継続的役務提供について、学習塾等の入学金は基本的に精算のルールに従って返還すべき性格のもので「入学金(入会金)は返還しない」等の特約は無効になるとしています(行政の解釈)。当たらない契約の条項は、消費者契約法第9条第1項第1号(解除に伴う違約金などのうち平均的な損害の額を超える部分の無効)や第10条に照らすもので、当てはめは本記事では判断していません。

Q. 合格実績は、どう数えればよいですか。 A. 本記事の設計では、数える在籍区分・在籍の期間・延べ人数か実人数かを事業者が決め、担当者が確かめた合格の報告を1件ずつ記録し、表示に定義と期間を併記します。

Q. 成人した既卒生の成績を、保護者に送ってよいですか。 A. 第三者提供に当たるかは本記事では判断していません。本記事の設計では、本人の同意の記録がある場合に限って送ります。

13. 関連業態・シリーズ導線

学習塾の記事は、契約と受講条件の正本づくりをTop1に置いた記事です。本記事の整理では、小中高校生の補習と高校・中学受験の指導を主とするものを学習塾、大学の入学試験に備え既卒生のコースを持つものを予備校としています。

資格学校の記事は、国家資格・公的資格の受験対策の記事で、試験改訂と教材の差分追跡をTop1に置いています。

業種別AI活用の一覧はピラーページにまとめています。

14. この記事を自社に当てはめたい方へ

同じ予備校でも、既卒生の比重や映像授業の割合、各種学校の認可の有無で最初の一手は変わります。整理状況が出発点です。

15. 無料AI戦略診断/AI顧問

AI戦略診断は無料・登録不要です。回答すると、自社のAI活用がいまどの段階にあるかと、最初に取り組むべき領域が分かります。

自社の業務に沿って一緒に設計したい方には、AI顧問サービスがあります。まず話を聞いてみたい方は、お問い合わせから30分の無料リモート面談をご利用ください。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標登録出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。中小企業を中心に270社超を支援し、研修・セミナーへの登壇は250回を超える。現在は、生成AI・ITを経営や業務に生かす実践的な方法と、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験などの学習法・過去問解説を発信している。著書に『Claude AI活用 最強の教科書』(技術評論社・2026年10月刊)、『Webマーケティング最強の1冊目』(千葉テレビ『モーニングこんぱす』で紹介)、『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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