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中小企業診断士試験

2次試験事例2(マーケティング・流通の事例)の対策と勉強方法!

中小企業診断士の2次試験事例Ⅱ

こんにちは、トシゾーです。

今回は、中小企業診断士の二次試験 事例Ⅱ(事例2)の勉強法や試験対策、解法のポイントについて説明します。

事例Ⅱは、「マーケティングや流通を中心とする経営戦略および管理に関する事例」のことで、略して「マーケティング・流通の事例」といわれます。

マーケティングといえば、

「宣伝・広告などにより集客をして、売上拡大をはかる」

というイメージがあるからでしょうか、多くの人が事例Ⅱを

「取り組みやすい=得意科目である」

と考えているようです。

実際に、事例Ⅱの与件文は読みやすく、イメージしやすいです。

それでは、事例Ⅱは、他の事例(Ⅰ、Ⅲ、Ⅳ)に比べて、高得点が狙いやすいのでしょうか。

そんなことはありません。事例Ⅱは、「取り組みやすい」というよりも、「一見、取り組みやすく見えるだけ」と考えた方がよいでしょう。

ポイントを押さえた解答を心掛けないと、大きく得点を落としてしまいかねない危険性をはらんでおり、受験生によって得点の差がつきやすいのです。

この記事では、そんな事例Ⅱを解くにあたり、押さえておくべきポイント、勉強法や試験対策を説明していきます。

二次試験 事例Ⅱ 押さえておくべきポイント

前述のとおり、事例Ⅱはマーケティングの事例です。

つまり、売上向上・差別化・集客・顧客との関係性強化などがテーマになりやすいのですが、このような施策は、受験生それぞれの過去の経験などから、様々なアイデアをひねり出すことができます。

つまり、与件の内容や、与件企業の規模感に合わない施策を、つい思いついてしまい、それを解答として記述してしまう方が非常に多いのです。

そうした解答は、一見、もっともな解答に見えることが多いのですが、それでは中小企業診断士試験には受かりません。

当然ながら、与件文の内容にマッチし、与件企業が十分実施可能な施策を洗い出す必要があります。

あなたが解答欄に書こうとした施策は、

その施策を選んだ根拠は、この与件文のどこに根拠がありますか

その施策は、なぜ与件企業が実施すべきなのですか

という問いに答えることができるでしょうか。

あくまで、「与件文を絶対的な基礎資料として、与件企業に最適な施策を洗い出す」というスタンスを、忘れないでください。

二次試験 事例Ⅱ(マーケティング・流通の事例)の勉強法

これは事例Ⅱに限りませんが、二次試験の勉強法は、何よりも、過去問にあたることが重要です。

以下、平成30年から3年分の過去問を、簡単に振り返ってみましょう。

事例Ⅱ 過去問 平成30年~平成28年の概要

過去3年分の事例Ⅱの概要です。

「事例企業」「与件の概要」「設問」に加え、近年、与件か設問にデータ(グラフや表)が付属するようになりましたので、そちらについても言及します。

事例Ⅱ 平成30年の過去問の概要

<事例企業>

大都市圏から電車で2時間程度の地方都市にある老舗日本旅館

<与件の概要>

今後のターゲットを明確にし、どのような施策を行うべきか

<設問>

問1 3C分析による当社の現状分析

問2 今後のターゲットを明確にし、自社Webサイトで発信すべき情報について述べよ

問3 ネット上の口コミを増やすため、従業員を通じて、顧客とどのような交流を行うべきか

問4 当該都市の夜の活気を取り込んで、当旅館の宿泊需要を生み出すために、どのような施策を行うべきか

<付属データ>

・当該都市におけるインバウンド客数の推移(折れ線グラフ)

事例Ⅱ 平成29年の過去問の概要

<事例企業>

地方都市の商店街にある寝具小売業

<与件の概要>

新社長が事業承継を円滑に行うためには地域の繁栄が必要。そのために取り組むべき課題は何か

<設問>

問1 現在の自社の強みと競合の状況を分析

問2 新たに開催するハンドバックの予約会を成功させるためには、顧客データベースを利用して、どのような施策が有効か

問3 地域内の中小企業と連携しつつ、高齢者層のLTV(顧客の生涯価値)を高めるには、どのような施策が有効か

問4 今後、シルバー世代以外のどのセグメントをメイン・ターゲットにし、どのような施策を行うべきか、図を参考にして答えよ

<付属データ>

・現在の当該都市と全国の年齢別人口構成比(折れ線グラフ)

事例Ⅱ 平成28年の過去問の概要

<事例企業>

江戸時代から続く老舗しょうゆメーカー

<与件の概要>

市場が縮小するなか、生き残りと成長をかけた戦略を模索する

<設問>

問1 これまでの製品戦略について整理

問2

(1)ターゲット顧客を明らかにしたうえで、今後自社が成長するために必要な製品戦略は何であるかを答えよ

(2)想定ターゲット層に訴求するためのプロモーションと販売戦略を記せ

問3 飲食店を直接経営することによるメリットと効果について答えよ

問4

(1)インターネット販売を軌道に乗せるために採るべきブランド戦略について答えよ

(2)インターネット販売を利用する顧客にリピートしてもらうために、ネットで実施すべきコミュニケーション手法(マーケティング観点)について記せ

<付属データ>

(1)しょうゆ関連データの推移(出荷数量、世帯当たり支出金額等、表)

(2)しょうゆ及びしょうゆ関連製品の出荷数量の推移(指数、折れ線グラフ)

過去問の構成を読み解く

過去問の構成を見ると、第1問においては、現在または従来の状況を分析させる、という設問が多く見られます。

その後、ターゲットを明確にして戦略や施策を検討する、という流れになります。

このような流れの中で、付属データの解読が大きなポイントを占めることとなります。

たとえば、平成30年度の付属データからは、当該市場において、特にここ数年、インバウンド客数が大きく伸長していることが読み取れます。

そういった情報を加味して、今後のターゲットをインバウンド顧客と設定することが、出題者が求める解答に近づくことになります。

もちろん、別のセグメントをターゲットに定めることが必ずしも不正解とは言えませんが、全体として、論理的に整合性がとれた解答を作ることは、かなり難しくなるでしょう。

二次試験 事例Ⅱ(マーケティング・流通の事例)の試験対策

解答のレベル感を意識する

前述のとおり、事例Ⅱでは、ターゲットを特定させたうえで、具体的な戦略や施策を問われることが多くあります。

その際、特に気をつけるべきなのが、解答のレベル感を意識することです。

たとえば、その問いでは、

「成長戦略(=企業全体の方向性)レベルを問われているのか」

「事業戦略(=事業単位の方向性)のレベルを問われているのか」

「機能戦略(=実施する具体的な施策)のレベルを問われているのか」

以上のようなレベル感を確実に押さえることが必要です。

これらのレベル感を考慮しない場合、各設問で似たような解答ばかり書いてしまうことにもなりかねません。

ぜひ、問われているレベル感を確認して解答を作成してください。

与件に与えられた情報と一次試験の知識をバランスよく活用する

繰り返しになりますが、マーケティングに関する施策は、様々なアイデアを思いつきやすいものです。

しかし、与件に基づかない施策は、正解とはなり得ません。

必ず、与件情報を根拠にして、そこにつながる施策を、一次試験の知識のなかから採用するようにしてください。

整合性を取り、論理的に一貫した解答とする

事例Ⅱでは、毎回4問程度の設問が出題されます。それぞれの設問に適切に解答することは必要ですが、それだけでは合格できません。

事例Ⅱに限らず、中小企業診断士二次試験は、試験の解答がそのまま、事例企業に対する診断助言として位置づけられています。

つまり、それぞれの設問で適切な解答ができていても、全体として整合性が取れていなければ、事例企業に対する診断助言としては成り立ちません。

必ず、全体の整合性を考慮したうえで、各設問に解答するようにしてください。

解法のポイントと順番

以下は、事例Ⅱだけでなく、その他の事例でも行うべき重要な解法のポイントです。

  • 問題解法の適切な順番を押さえる
  • 設問を読む際に、仮説検証思考で解答の方向性を考える
  • 色付きマーカーをSWOTに使わない
  • 解答を書くために、有効なポイント

上記の詳細は、事例Ⅰの対策と勉強法の記事に掲載していますので、そちらをチェックしてみてください。

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事例Ⅱ(マーケティング・流通の事例)の概要 <まとめ>

ここまで、中小企業診断士 二次試験 事例Ⅱ(マーケティング・流通の事例)の勉強法や試験対策、解法のポイント等の説明をしました。

先に述べたように、事例Ⅱでは、様々な戦略・施策のアイデアを思いつきやすいため、つい与件の内容や、与件企業の規模感に合わない戦略や施策を記述してしまう方が多くいます。

ぜひ、与件の内容をベースとし、そこから論理的に展開できる戦略・施策を解答するようにしてください。

なお、総合的な二次試験の対策と勉強法については、以下の記事を参考にしてください。

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