今回は、ファイナンシャルプランナーの試験科目である「ライフプランニングと資金計画」の概要と勉強法を見ていきます。
ファイナンシャルプランナーの試験科目は、1級~3級のいずれも、以下の6科目となっています。
ご覧のとおり、「ライフプランニングと資金計画」は最初に学習する科目です。ファイナンシャルプランナー試験の中心科目と言っても過言ではありません。
そんな「ライフプランニングと資金計画」ですが、どんな内容で、どんなことに気をつけて勉強すればよいのでしょうか。
一緒に見ていきましょう。
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目次
ライフプランニングと資金計画とは?
まず、ライフプランニングと資金計画の言葉の意味を確認しておきましょう。
ライフプランニング ⇒ ライフプラン(人生設計)を作ること
資金計画 ⇒ ライフプランに必要な資金の計画をすること。ファイナンシャル・プランニングともいう
↑こんな感じです。
さらに、ライフプランは、ライフデザインに基づいて作られることになります。
「最初にライフデザインありき」なんですね。
ライフデザインとライフプランはどう違う?
ライフデザインとライフプランは似たような言葉ですが、ライフデザインとライフプランの定義には違いがありますので、それぞれ何を指しているのかチェックしておきましょう。
ライフデザインは個人の価値観に基づく生き方で、人生の目標や目的を決める元になる
ライフプランは長期間に渡る具体的な生活プランで、個人や家族の長期の人生計画
具体的な例を挙げると・・・・
ライフデザイン:結婚はしたい、子供は2人以上欲しい、老後は夫婦2人でゆっくり等
ライフプラン:結婚は〇歳ごろ、マイホームは〇歳ごろ欲しい、老後の費用は・・・等
・・・と、こんな感じです。
大枠を決定するのがライフデザインで、ライフプランは更に具体的な設計と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
というわけで、最初の話に戻りますが、
「ライフプランニングと資金計画」とは「人生設計と、それに必要なお金の計画」
となるのです。
ライフプランニングと資金計画の具体的な進め方
以下では、実際にどうやってライフプランニングと資金計画を行っていくのか、大まかな流れをまとめてみました。
リフォームや旅行のプラン、子供が独立するタイミングや親の介護リスクが高まる時期など、家族構成に合わせてライフイベントを洗い出す
↓
将来のやりたいことや、やるべきことが整理できた後は、どのくらいのお金が必要なのか将来の収支をシュミレーションする
↓
シュミレーションの結果が想定通りにいくとは限らないため、住宅ローンの組み方の再検討や生活費の見直し(節約)など収支プランを改善する
↓
あなたや家族に不測の事態が引き起こされた場合でも最初に描いたライフプランを実現できるように、万一時のシミュレーションを行う
最初に決めたライフプランニングを適宜修正しながら資金計画を行うことで、将来的に豊かな生活を送ることができます。
ファイナンシャル・プランニングの具体的な方法
前述のとおり、
ファイナンシャル・プランニングとは、「ライフプラン策定のための資金計画」
のことでした。
それでは、ファイナンシャルプランナーは、具体的にどのような仕事(ファイナンシャル・プランニング)をするのか、以下にカンタンに見てみましょう。
個人の収入や今の資産、家族構成や負債に関する様々なデータを集める
↓
個人の要望や目標をヒアリングして現状を分析する
↓
その結果に基づいて、顧客のライフプランの目標を達成するために総合的な資金計画を立てる
自分でライフプランニングを描こうと思っていても、何から始めれば良いのか迷ってしまいますよね。
そのような時に、経済的な側面から顧客のライフプランを実現に導くファイナンシャル・プランニングをしてくれるファイナンシャルプランナーがあなたの味方になってくれるわけです。
リタイアメントプランニングとは?
「ライフプランニングと資金計画」の科目では、リタイアメントプランニングについても学びます。
わかりやすく説明すると、リタイアメントプランニングとは将来的に退職に向けた準備や老後の生活を計画することを指します。
男女の平均寿命が上がって高齢化が進んでいる日本では、リタイアメントプランニングのニーズが高まっています。
現実に目を向けた時に、老後の生活はときめくことばかりではありません。
下記のように、老後をイメージするとあらゆる不安がつきまといます。
65歳にならないと年金を受け取ることができない
どのくらいの貯蓄があれば良いのかわからない
もしかしたら病気で定年まで働けないかもしれない
両親や配偶者の介護が自分にできるのかわからない
人生100年時代をお金の心配なく過ごせるように、現代では老後の将来設計を行うリタイアメントプランニングという考え方が根付いているのです。
50代を超えると、「まだ遠い先のことでしょ?」と思っていた定年や退職が視野に入っていきますので、望み通りのセカンドライフを送りたい方はリタイアメントプランニングを始めてみてください。
FP・ファイナンシャルプランナー試験で出題される「ライフプランニングと資金計画」の出題範囲
ここでは、ファインンシャルプランナーの試験のうち、FP技能士2級と3級で出題される「ライフプランニングと資金計画」の出題範囲をみていきます。
2級/3級については、毎年、1月、5月、9月に試験(検定)が実施されます。
ファイナンシャルプランナー(FP)の試験には、FP技能士1級~3級の他、AFP/CFPなどもあります。
ファイナンシャルプランナー(FP)の試験で出題される「ライフプランニングと資金計画」の出題範囲は、以下の一覧のとおりです。
- ファイナンシャル・プランニングと倫理
- ファイナンシャル・プランニングと関連法規
- ライフプランニングの考え方・手法
- 社会保険
- 公的年金
- 企業年金・個人年金等
- 年金と税金
- ライフプラン策定上の資金計画
- 中小法人の資金計画
- ローンとカード
- ライフプランニングと資金計画の最新の動向
以上のうち、赤字の「⑨中小法人の資金計画」は2級のみ出題範囲となっています。それ以外は、2級と3級、共通の試験範囲です。
基本的なファイナンシャル・プランニングの倫理や手法に加えて、社会保険関連(公的年金・健康保険・労災保険・雇用保険)やライフイベント表・キャッシュフロー表の作成など、幅広い知識を身につける必要があります。
ライフプランニングと資金計画の難易度
ファイナンシャルプランナーの学科試験のライフプランニングと資金計画は、次のように3級と2級で対策の方法が変わります。
FP3級の学科試験:基礎的な知識がわかりやすい記述で出題される
FP2級の学科試験:2級よりも応用的な知識が出題され、記述も複雑になる
よく、
「2級と3級は出題範囲があまり変わらないから、そんなに難易度も変わらないのでは?」
と聞かれることがありますが、そんなことは決してありません。
たとえば、3級の学科試験では〇×(2択)か3択のマークシート方式ですが、2級の学科試験はすべて4択です。
また、3級の実技試験は3択のマークシート方式ですが、2級の実技試験は記述式です。
つまり、範囲があまり変わらなくても、問われる深さが全く違うのです。
そのため、FP技能士は2級でないと、企業などには評価されにくくなっています。
就職や転職が目的でファイナンシャルプランナー(FP)の2級に合格したいのであれば、問題文や選択肢を正しく読み解くスキルの習得を目指しましょう。
ライフプランニングと資金計画の正しい勉強方法や勉強のコツ
ファイナンシャルプランナーの試験に合格するために、ここではライフプランニングと資金計画の正しい勉強方法やコツについて説明していきます。
勉強方法が間違っていると、「FP2級の試験に落ちる」「学習時間が無駄に長くなる」といった原因になりますので注意しましょう。
まずは何と言っても、FP技能士試験は、非常に試験範囲が広範なので、「100点を取ってやろう」などとは決して考えないでください。
2級も3級も、60点を取れば合格です。
つまり、頻出範囲を中心としてメリハリをつけた学習が必須です。
以下を参考にしてください。
全ての項目をマスターするには時間が足りないため、「関連法規」「ライフプランニングの考え方」「資金計画」「社会保険制度」「公的年金」「企業年金・個人年金」「年金と税金」を重点的に学習する
公的年金(国民年金と厚生年金)や社会保険制度に関しては、給付の条件になる年齢や金額の数字を覚える
ライフプラン策定時の資金計画では、提案書を作成するトレーニングを行う
中でも、特に出題の多い範囲が
・公的年金
・社会保険
・ライフプランニングの考え方・手法
・ライフプラン策定上の資金計画
の4つとなります。
これらについては、他の論点の1.5~2倍は入念に学習するぐらいで取り組みましょう。
なお、FP3級検定(試験)では、基本的ことしか出題されませんが、FP2級にでは、一歩踏み込んだ応用的な内容が出題されます。
また、どんなに時間がなくても、過去問だけはやっておきましょう。テキストを読むだけでは、出題の形式になれることができず、本番で失敗を招く可能性が高いです。
2球では捻った出題もされるため、「どのようなことが問われているのか」、しっかり整理しつつ問題集や過去問を解いていくのがよいでしょう。
ライフプランニングと資金計画はファイナンシャルプランナーの試験の土台になる部分ですので、しっかりと対策してください。
まとめ
以上のように、ファイナンシャルプランナーの試験で出題されるライフプランニングと資金計画についてまとめました。
ファイナンシャル・プランニングを考える上で、ライフプランニングと資金計画は切り離すことができません。
ぜひ、中心科目の「ライフプランニングと資金計画」を攻略して、ファイナンシャルプランナーの資格の取得を実現させてください。