書店に行くと、色々な種類の行政書士のテキスト(教科書)が置かれています。
行政書士試験は半年~1年以上学習が必要な難易度の高い国家資格ですから決して簡単ではなく、あなたに合ったテキストを使用して学習を進めることが必須です。
しかし、初めて行政書士を学ぶ方にとって、
どのテキスト(教科書)が自分に最適なのか?
ということを判断するのは、非常に難しいと思います。
そこで、今回は、行政書士試験を独学で勉強される方向けに、最適なテキストをランキング形式で紹介します。
このランキングは、管理人の主観も入っていますので、もしかすると、あなたに最適なテキストとは微妙に違う点もあるかも知れません。
しかし、ランキングに登場する各テキストを選んだ理由や、そのテキストが向く方なども記載していますので、
そちらを参考にすれば、あなたに合うテキストが必ず見つかるはずです。
ぜひ、ランキングを参考にして、あなたに最適な独学向けテキストを見つけて欲しいと思います。
なお、試験勉強のテキスト(参考書)については本記事でご紹介しますが、行政書士試験における「最短勉強法」について、難関資格の通信予備校のクレアールが、受験ノウハウ本(市販の書籍)を無料【タダ】でプレゼント中です。
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目次
行政書士の独学テキスト 選び方と使い方
まず、テキストの選び方・選んだ後の効果的な使い方について説明します。
入門テキストと基本テキスト、問題集は、同じシリーズを選ぶ
行政書士試験は難関であるため、各出版社とも、基本テキスト・問題集以外に、薄い入門書も販売しています。
これらは、それぞれの関連ページ番号を記載してあるなど、リンクしているため、同じシリーズで揃えた方が、時間短縮になります。変なストレスを感じることもありません。
そして、肝心なことは「どのシリーズを選ぶか」ということですが、
あなたに一番合う「基本テキスト」のシリーズを選ぶ
というのが正解です。
当然といえば当然のことなのですが、時々、「入門テキストが読みやすかった」という理由でシリーズを選んだ結果、そのシリーズの基本テキストが合わなかった、という方もいます。
その場合、基本テキストを買いなおすなど、費用や時間のロスが発生してしまいますので、
必ず、基本テキストをチェックしてから使うシリーズを決めるようにしましょう。
最新版のテキストを利用する(特に独学では重要)
メルカリなどのフリマアプリなどで、過去のテキストや問題集が売られているのをよく見かけます。
行政書士のテキスト・問題集は決して安くはないので、メルカリなどで安く売られているのを見ると、「これで良いかな?」と思ってしまうかも知れません。
しかし、行政書士試験では、最新のテキスト等を利用するのが鉄則です。
というのも、行政書士試験では、法改正した箇所がよく問われます。
当然ですが、最新の市販のテキスト・参考書では、そうした法改正にも、きちんと対応しています。
過去年度のテキストでは法改正に対応できていないため、そうしたもので勉強していると、まちがった知識で覚えてしまう場合があります。
特に独学では、あなたが間違えて覚えてしまった知識を、誰も正してはくれません。
必ず、最新のテキストを利用してください。
択一式と一問一答【あしべつ】では、どちらがよい?
行政書士試験の市販の過去問題集は、「5肢択一式」と「一問一答(あしべつ)」のいずれかがほとんどです。
試験の形式に慣れる、という意味では「5肢択一式」が良いように思うかも知れませんが、実は「5肢択一式」には落とし穴があります。
それは、「5肢択一式だと、ある問題で正解が分かってしまうと、残りの問題を流してしまう」ようなことが起こりやすいのです。
もちろん、本番試験であれば「時間を有効に使う」という観点から、そのようなテクニックは必要かも知れません。しかし、試験勉強においては違います。
「正解が分かったから残りの問題は流そう」「消去法で正解を選ぼう」など、正解を選べたらそれでよい訳ではありません。
前項のとおり、「すべての問題が、なぜ正しいのか(間違っているのか)が理解する」ことの方が何倍も重要です。
実際、問題演習で間違うことには何の問題もありません。むしろ、不確実な知識で正解を選んでしまうよりも、間違えた結果、復習して知識が正確に身に付くのであれば、そちらの方が望ましいです。
以上、5肢択一式には陥りがちなワナがありますので、慣れるまでは一問一答(あしべつ)の方が正しい勉強習慣をつけやすいと思います。
もちろん、一問一問しっかりチェックできる方は、どちらの形式の問題集でも大丈夫でしょう。
スキマ時間を利用して確実に合格したいなら、通信講座の利用も検討する
ここまで、行政書士の独学で市販のテキストを使う理由を見てきました。
現在販売されている市販のテキストは、どれも工夫されています。
今回のランキングを参考に、あなたに最適なテキストを選び、きちんと勉強すれば、独学でも合格することはできるでしょう。
ただ、管理人の場合、市販のテキストを使った独学は、途中で諦めてしまったんですね。
実は、途中から、スマホ動画対応の通信講座へと、教材を変更したのです。
というのも、管理人は、初めての行政書士試験の挑戦だったのですが、法律に関しては全くの初学者で勉強がはかどらず、
テキストを使った独学だと、どうしても本番までに間に合わない、と思ったからです。
スマホ動画対応通信講座では、専門講師の先生が、分かりやすい話し言葉で、かみ砕いて説明してくれます。
また、テキストを開けないような満員電車の通勤中でも、スマホを使って動画を見ることは可能です。
このように、スマホ対応の通信講座なら、スキマ時間を徹底的に使い倒すこともできます。
合格率も、一般の率に比べ各スクールが発表している率のほうが高いケースが多く、安心して受講が可能でしょう。
価格もこなれてきており、3万円台から購入できるので、もし、あなたが
市販のテキストを使うよりも、もっと早く試験勉強も仕上げたい
と思うのであれば、スマホ動画対応の通信講座も検討してみてください。
スマホ動画対応通信講座を選ぶポイントとしては、気になる価格だけではなく、
- オンラインまたはダウンロードして、すべての動画講義をアプリで視聴できる
- テキストや問題集もアプリで読める
- ゲーム感覚で楽しめてモチベーションが続く一問一答機能などがある
- アプリならではの学習スケジュールや横断検索機能などが充実している
などの機能が揃っているかどうかをチェックすべきです。
具体的には、「フォーサイト」や「スタディング」のオンライン通信講座が、上記のポイントを網羅しており、おすすめです。
※フォーサイトもスタディングも、一つのパッケージに「PCで学習するWeb版」も同梱されていますので、スマホだけでしか勉強できない訳ではありません。
値段は4~5万円程度と、独学よりは費用がかかりますが、「本気で合格を狙っている」なら、こうした高品質なスマホ対応通信講座も検討してみてください。
※フォーサイトの口コミ・評判やスタディングの口コミ・評判については、以下の記事をチェックしてみてください。
また、上記を含めた行政書士通信講座のランキングの確認は以下からどうぞ。
行政書士試験 独学テキストを活用した勉強時間
それでは、独学の場合と資格スクール(通信・通学)を活用した場合、勉強時間にどれぐらいの差が出てくるのでしょうか?
あくまで一般論ですが、行政書士試験にチャレンジする場合、独学なのか予備校(通信講座)を利用するのかで、以下のように必要な勉強時間は違ってきます。
- 独学で行政書士の試験に合格するまでは600時間~800時間
- 予備校や通信講座の利用で行政書士の試験に合格するまでは500時間
特に初学者が独学で合格するには約800時間、期間に換算すると8か月~1年間程度はかかると心得ておいた方が良いでしょう。
かなりの長期間に渡って勉強を継続しないといけないため、多くの受験生は専門学校や通信講座を利用して行政書士の勉強を始めています。
独学とは違ってあらかじめカリキュラムや勉強方法が決まっていますので、行政書士に合格するまでの時間を短縮できるわけです。
※なお、行政書士の勉強時間について詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
行政書士試験の独学テキスト ランキング
それでは、管理人の選ぶ、行政書士試験 独学用テキストのランキングの一覧を見ていきましょう。
行政書士独学テキスト 第1位:合格革命 行政書士シリーズ(早稲田経営出版)
合格革命 行政書士シリーズの基本テキストは、はやくからフルカラー対応し、ネットの口コミなどでも高い評価を得ている、人気のテキストです。
管理人も実際に購入して中身をチェックしましたが、一番の評価ポイントは
本文において、理解させるべき説明部分と暗記で済ませる部分のバランスが一番よい
という点です。
行政書士試験は法律の試験であり、本来は「法の精神や考え方」を、きちんと理解して覚えるのが一番よいのです。
ただし、実際問題として、法律の考え方すべてを理解させようとすると、テキストが難解かつ分量も多くなってしまいます。
一方、図解やイラストを多くして見やすくしたり文字の量を少ないようにすると、理解する部分を捨てて、暗記中心のテキストになってしまいます。
合格革命のテキストは、両者のバランスが非常によいのです。
おそらく本書のメインターゲットは「法律の初学者」だと思いますが、そのような初学者に対し、必要な部分はしっかり理解し記憶してもらえるように本文を執筆しています。
一方、ある程度以上の細かい論点は、図などでまとめ、暗記で対応するように構成されています。
もちろん、フルカラーで見やすい、ということもありますが、現在では各社フルカラーのテキストを用意してきているので、カラーかモノクロかだけでは差別化ポイントにはなりません。
初学者が途中で投げ出さない程度に、「できるだけ法律の考え方を理解してもらおう」と、著者が考えて構成・編集されている
ということが伝わってくる、非常にバランスのよい基本テキストです。
以上が、「合格革命 行政書士シリーズ」をランキング1位とした理由です。
昨年からハンディな「別冊六法」も付属!
一昨年までの「合格革命」で唯一残念な点が、ハンディ六法(コンパクト六法)の付属が無いことでした。
現在、行政書士の基本テキストにおいては、本体から切り離し可能なハンディ六法が付属するのがトレンドになっています。
行政書士試験においては、本格的な六法全書は不要ですが、関連する法規だけ掲載されたハンディ六法があると気軽に条文にあたることができ、非常に有益です。
以下の第2位~第5位の基本テキストには、以前からすべてハンディ六法が付属していましたが、第1位の合格革命だけには付属していませんでした。
しかし昨年度版より「合格革命」にもハンディな六法が付属するようになりました。
以上より、「合格革命」は隙のない、どなたにでもお勧めできる基本テキストになったと言えるでしょう。
行政書士独学テキスト 第2位:うかる!行政書士 シリーズ(伊藤塾)
第2位は、法律系資格スクールとして有名な伊藤塾の「うかる!行政書士シリーズ」です。
この「うかる!行政書士シリーズ」の基本テキストは、司法試験など法律に強い実績のある伊藤塾が出しているだけあって、その説明の詳細さはNo.1。
憲法・民法・行政法のいずれも、しっかり理解させることを目的に、本文で細かく説明しています。
よって、法学経験者などが行政書士試験の勉強を始めるのであれば、一番おすすめなのですが、
対象を法学初心者と考えると、「途中で脱落するのでは・・・」という危惧が残ります。
よって、ランキングでは2位にしました。
ただ、初学者でも「徹底的に行政書士の試験勉強をして、必ず合格する!」という強い意志をお持ちの方は、一度、書店で「うかる!行政書士シリーズ」の基本テキストの内容をチェックしてみてください。
2019年版から、本テキストもフルカラー化され、見やすさはアップしています。
間違いなく、「行政書士試験向けの市販テキスト」のなかでは、一番の本格派と思いますが、その分、ボリュームも大きいので、
自分の勉強スタイルに合うどうか
をチェックしてから選ぶようにしてください。
行政書士独学テキスト 第3位:出る順行政書士シリーズ(LEC)
大手資格スクールであるLEC(東京リーガルマインド)の行政書士試験向けテキストです。
本書は2色刷りで、見開き2ページで1つの論点を説明するように構成されています。
フルカラーでないことは必ずしもマイナスポイントではないと思いますが(人によっては、単色の方が落ち着いて勉強できる人もいるでしょう)、
見開きで完結する構成だと、どうしても無理にページ内に説明を収める必要があります。
実際、「もう少し詳しく書いた方がよいのではないか」と感じる場所も散見されました。
基本的には、LECの通学コースで講義に利用しているテキストなので、決して出来は悪くないのですが、上記の点を改善できれば、もっと分かりやすくなると感じました。
行政書士独学テキスト 第4位:みんなが欲しかった!行政書士シリーズ(TAC出版)
資格スクール大手のTACの行政書士試験向けテキストです。
こちらの基本テキストもフルカラーで、図やイラストも多く、非常に見やすいです。
また、こちらの基本テキストは5分冊になっており、持ち運びにも重宝します。
さすがTACだけあり、受験生のことを考えた最新のテキスト構成と言えるでしょう。
ただし、肝心の本文には疑問が残ります。
図やイラストを多用して見やすいのは良いのですが、その分、文章のボリュームが減っています。
その結果、「法律の考え方」など、理解すべき部分が記述されず、整理された図表で暗記する、という体裁が多くなっています。
そのため、「暗記中心で、時短で勉強したい」という方には良いかも知れませんが、
本当に、法律初学者に理解させなくてよいのか?
という懸念を感じます。
逆に、ある程度、法律を理解している再受験者などには良いのかも知れません。
行政書士独学テキスト 第5位: 行政書士 合格のトリセツ シリーズ(LEC)
2020版より新たに発売された、LECの新シリーズです。
これまでLECは、良くも悪くも「いわゆるテキストらしい、本格派の2色テキスト」である「出る順行政書士シリーズ」を販売して来ました。
その「出る順~」に加え、最近のトレンドである「フルカラー」「分冊」「ハンディ六法付属」の新シリーズとして提供を始めたのが本書です。
内容的には、TACの「みんなが欲しかった!」基本テキストと同様に、図解が中心の構成です。
一方、「みんなが欲しかった!」と異なる点は、「みんな~」が解説の分量を抑え気味なのに対し、こちらは欄外の注釈を充実させることで「図解も文章説明も妥協しない」という姿勢が伺える点です。
個人的には「図解と文章説明」の両方とも削らないことで、紙面が見にくいと感じました。
ただ、前述のとおり新シリーズのため、今後、ブラッシュアップして更に良くなる可能性はあると思います。
行政書士独学テキスト 第6位:スッキリわかる行政書士(TAC出版)
こちらは、「みんなが欲しかった!行政書士シリーズ」と同じTAC出版が発売しているテキストです。
「みんなが欲しかったシリーズ」が最新のシリーズなのに対し、この「スッキリわかる行政書士」は以前からあったシリーズのため、2色刷り・分冊無しなど、良くも悪くも昔からのテキストといった構成。
本テキストのコンセプトは
「本試験の合格ラインである「6割」を取るために無駄なことをすべて省いた書籍」
ということですが、実際に内容をチェックしてみると、「本当にこの内容で、確実に6割を取れるのか」という疑念が残ります。
少なくとも、初学者の方の独学には、おすすめできないと感じました。
逆に、学習経験者が行政書士試験に再チャレンジする際に、基本的な内容を復習し、その後、過去問演習を中心に行う使い方ならアリかな、と考えられます。
行政書士独学テキスト 第7位:ケータイ行政書士(三省堂)
持ち運びに便利なケータイサイズの要点整理&一問一答のテキストです。
空いた時間に手軽に知識確認ができる点は良いのですが、基本書(基本テキスト)として考えると、かなり説明が端折られているため、初学者には向きません。
一方で、受験経験者などが知識の再確認のために使うのには向いています。
初学者の方でも、自宅では一般的な基本テキストで勉強し、通勤・通学などのスキマ時間に本書で勉強するのは良いでしょう。
六法・判例集・補助テキストについて(基本テキスト以外)
ここでは、基本テキスト以外の「六法」「判例集」「補助テキスト」について説明します。
行政書士独学用の六法について
個人的には、独学の場合、六法は有った方が良いと思っています。
とは言え、分厚い六法を購入する必要はありません。
前述の基本テキストのうち、第1位~第5位のすべてに「ハンディ六法(コンパクト六法)」が付属していますから、それらのテキストを使う方は付属のハンディ六法で充分です。
それ以外のテキストを使う方は、下記の記事に「行政書士試験用のおすすめ六法」をご紹介してありますので、チェックしてください。
※下記記事には、「なぜ行政書士の独学に六法が必要か」という私の見解も詳しく説明してあります。
行政書士独学用の判例集について
行政書士試験においては
- 憲法の人権分野
- 行政法の国家賠償法全般、および行政事件訴訟法の一部
- 民法の債権分野
など、主要な部分で判例から多く出題されるため、特に独学においては、判例集を参照すべきと考えています。
おすすめ判例集ですが、結論から言えば、TACの「みんなが欲しかった! 行政書士の判例集 2024年度」が、初学者の方には一番向いています。
※TACの回し者ではありませんw 理由は下記記事を参考にしてください。
行政書士独学用の補助テキストについて
元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術[改訂第4版]
法律の初学者が、法律そのものを学ぶ前に、まず読んでおきたい本です。
法律はただ覚えるのではなく、法律が実現しようとする価値や、どのように実現するのか(方法)をしっかり理解することが必要です。
あわせて、未経験者には理解できない条文の読み方についてもレクチャーしてくれます。
何と言っても、身近な例が多用され、読み物として面白く読むことができるのが、本書の最もすぐれたところでしょう。
国家試験受験のためのよくわかる行政法
行政法は行政書士試験の中で、最大の配点を占める最重要科目です。
一方で、初学者の方は「これまで行政法なんて聞いたことがない!」という方も多いでしょう。
実際、「行政法」という法律があるわけではなく、無数の法律の集合体であるうえ、法律自体も抽象的な部分が多く、苦手とする受験生も多い科目です。
本書では、読みやすい文章で、具体的なたとえに基づいて行政法を説明しています。
行政法に苦手意識を持つ方は、一度チェックしてみてください。
行政書士試験 独学のメリットとデメリット
行政書士を独学で勉強するメリット
行政書士の勉強を独学で行うメリットは次の3つです。
- 余計な費用やコストをかけずに済む(最低限の参考書代やテキスト代だけでOK)
- 空いている時間を見つけてマイペースで勉強を続けられる
- いつでもどこでも、時間と場所の制限なく学習できる
予備校や通信講座を利用する場合、それなりの費用を負担しないといけません。
しかし、独学であれば金銭的な負担を抑えて行政書士の勉強や学習に取り組むことができます。
行政書士を独学で勉強するデメリット
行政書士を独学で勉強するのはお金がかからない代わりに、以下のデメリットやリスクがありますので注意しましょう。
- 教材や参考書を自分で選ばないといけない(選び方が間違っていると効率良く勉強できない)
- 何か疑問点や不安点が浮かんだ時に質問ができない
- 勉強が捗らないとやる気やモチベーションが低下しやすい
- 日常生活に追われて勉強の時間を確保できないケースも多い
プロの講師による指導を受けながら行政書士の勉強を続けたいのであれば、予備校や通信講座を利用すべきです。
なお、行政書士試験を独学で目指すメリットとデメリットについては、下記記事にも詳しく書いてあります。よろしければ参考にしてください。
https://gyousei-fight.com/dokugaku-meritt-demeritt/
独学を成功させる勉強法のポイント
しっかりと勉強時間を確保する
多くの不合格者に話を伺った結果、試験に落ちた理由のNO.1は「勉強時間が足りなかった」ことです。
当初は、十分な時間をかけて勉強しようと考えていても、仕事をしながらの受験生が多いため、計画したとおりに勉強時間が取れないことが良くあります。
それに加え、独学では専門の講師による講義やサポートを受けられないため、時間をロスしてしまうことも多いのです。
行政書士の合格までに800時間を費やすと仮定すると、1日に3時間の勉強で1ヵ月に90時間、トータルで9ヵ月はかかります。
平日に仕事をしながら1日3時間の勉強時間を確保するのは意外と大変ですので、もっと長い期間を見積もっておいた方が良いでしょう。
独学で行政書士の資格を取得したいのであれば、しっかりと勉強時間と期間を確保するのが大事ですよ。
学習の順番を戦略的に考えよう
行政書士の勉強時間の目安は、法律の知識が何もない人で800時間、他資格の取得者で500時間です。
しかし、勉強のやり方が間違っていると余計に時間がかかりやすくなります。法令科目のおすすめは下記の順番ですので、参考にしてください。
- 身近な法律の民法について学習する
- 全ての法律の基本になる憲法を学ぶ
- 得点源の行政法の知識を身につける
- 商法と会社法は時間を掛け過ぎない
- 基礎法学は過去問を中心に最低限
行政法や民法を重点的に勉強しよう
行政書士の試験では、行政法や民法を重点的に勉強しましょう。
行政法と民法を重点的に学習した方が良い理由は以下のとおり。
- 法律系の科目に対する理解度が最も重視される
- 行政法と民法の2つの配点が大きい
ちなみに、行政法の配点は以下のとおり。
- 基礎法学(8点)
- 憲法(28点)
- 民法(76点)
- 行政法(112点)
- 商法(20点)
- 政治・経済・社会(28点)
- 情報通信・個人情報保護(16点)
- 文章理解(12点)
行政法と民法を合わせて配点は188点にも上りますので、この分野の出来具合で行政書士の合格不合格が決まると言っても過言ではありません。
行政法や民法の勉強法について、くわしくは下記の記事を参考にしてください。
憲法の人権分野は判例を中心に
行政法・民法に続いて配点が大きいのが憲法です。とはいえ、憲法の配点は28点。全体の10%以下です。
そのため、憲法の勉強では効率的に時間を使い、6割程度得点できれば良しとするような割り切りも必要です。
わずか103条しかない憲法は、「総論」「人権」「統治」の3分野に分かれています。このうち出題は人権と統治の2分野からがほとんど。人権分野では判例がよく問われ、逆に統治分野では条文がよく問われます。
判例の面白さにハマってしまう人のなかには、判例集を全部読もうと頑張る方も多いですが、試験対策上、それは効率的といえません。
あくまで判例は出題の多い分野を中心に押さえておくことにしましょう。知らない判例が出題されても、文脈と選択肢から正答を絞り込むことができる場合も多いです。
それよりも、条文中心の出題の分野で頻出条文を押さえておかないことの方がよほどリスクが高いものです。ぜひ、分野ごとに戦略的に学習を進めてください。
※憲法の勉強法について、くわしくは下記の記事を参考にしてください。
商法・会社法は最低限の対策をする
商法・会社法は、わずか20点しか配点はありません。
そのため、捨てる、という選択肢もありますが、多少なりとも時間が許すのであれば、頻出論点に絞って学習することがおすすめ。頻出論点は以下のとろおりです。
商法
「商法総則・商行為」からの出題が多いので、こちらを中心に学習する
会社法
会社法は、「株式」「機関」「設立」からの出題が多くなっている。ただし、「機関設計」のところは難しい論点が多くあるため、比較的取り組みやすい「設立」「株式」「株主総会」「取締役会」で得点を狙うようにする
商法・会社法の勉強法について、くわしくは下記の記事を参考にしてください。
一般知識は足切りを回避する
一般知識の対策としては、足切り回避を前提とし、あまり時間をかけるのは得策ではありません。
前述のとおり、一般知識には「政治・経済・社会」「情報通信・個人情報保護」「文章理解」の3分野あります。
このうち、政治・経済・社会はとても全体を網羅する余裕もなければ必要もありません。当該分野の知識を総合として保有していないと高得点は難しいイメージです。
重要な用語を完全に覚えようなどと考えず、普段から該当するニュースを見て全体像を掴んだり、直前に時事本をチェックするなど、限られた時間で取れる問題だけでも正しく解答するようにしましょう。
一方、情報の関係は出題範囲が限られており、時間をかけなくても適切な勉強をすることで高得点を目指せるのが特徴です。情報のなかで頻出なのは暗号化やセキュリティ、個人情報保護法など。AIやIoTなど最新のIT用語も出題されやすく、ITパスポート試験のテキストなどをチェックすれば必要なことの多くは網羅されています。
文章理解も得点しやすい分野です。出題形式が決まってますので、過去問で必ず概要を抑えることが大切です。
模試(予想模試)などを使って効率よく勉強するのも一つの手といえるでしょう。予想模試は各出版社(スクール)が威信をかけて厳選されたオリジナルの問題を提供するので、本試験に類似の問題が出ることも多いのです。
一般知識の勉強法について、くわしくは下記の記事を参考にしてください。
過去問を繰り返し解く
他の資格試験にも該当しますが、独学で行政書士の合格を目指すに当たって過去問は必須アイテムです。
ここでは参考書やテキストに加えて、過去問を使って行政書士試験の対策を行うべき理由をいくつか挙げていきます。
- 過去問をベースとして新しい問題が作成されることが多い
- 試験で頻出する問題や論点を把握できるようになる
- 一問一答式の過去問はスキマ時間を有効活用して学習できる
過去問で問われた趣旨や論点を理解していれば、角度を変えて出題されたとしてもしっかりと対応できます。
インプットで基本的知識を固めた後は、問題をどんどん解くアウトプットに切り替えて行政書士の試験対策を行いましょう。
もちろん、過去問を解いて理解できなかった部分は、参考書やテキストに戻って復習すべきですね。
過去問の使い方について詳しくは、下記の記事も参考にしてください。
記述式の試験の対策をしよう
法令等の試験科目からは、選択式の問題だけではなく記述式の問題も出題されます。
複数の選択肢から当てはまる項目を選ぶ問題とは違い、行政書士の記述式の問題は40文字程度の文章を作成しないといけません。
そこで、記述式の問題の対策として、「問題文を読解するスキルを身につける」「法律に触れて正しく内容を理解する」「完璧になるまで何度も解く」という3つを押さえておきましょう。
記述式の問題の対策や勉強法については、下記記事も参考にしてください。
また、独学勉強法の全般については、下記記事をチェックしてみてください。
https://gyousei-fight.com/gyousei-syoshi-dokugaku/
独学の方は、ブログやSNSなどを通じて他の受験生と繋がる
市販のテキストや通信教育の教材を使って独学をしている方は、学習のペースが乱れたりモチベーションが下がったりしがちです。
そんな時は、ブログやSNSを通じて他の受験生と繋がるのがおすすめです。
過度にブログやSNSに依存するのは逆効果ですが、息抜き程度に他の受験生のブログやSNSなどを読むと、「自分も頑張ろう!」と良い刺激になりますよ。
毎日勉強したことを、自分でブログやSNSに発信してもよいですし、頑張っている他の受験生を応援する意味で、相手のブログなどにコメントを残してあげるのもよいですね。
行政書士試験は合格枠が決まった相対試験ではありません。
合格基準を満たせば誰もが合格できる絶対評価の試験です。
他の受験生は全員が仲間だと思い、お互い応援し合いながら、モチベーションを高めて合格まで突き進みましょう。
行政書士のテキスト ~独学向けテキスト、おすすめランキング(初心者向け・独学用)【令和6年/2024年度 最新版】 <まとめ>
ここまで、管理人のおすすめする独学向けテキストを見てきました。
冒頭に書いたように、本文を読んで頂ければ分かるように、一口に「おすすめ」と言っても、それぞれコンセプトが全く異なりますので、万人にとってNO.1のテキストは存在しません。
ぜひ、あなたの性格や勉強法にあった最適な一冊を選んで欲しいと思います。
また、テキストによる学習が難しければ、スタディングのようなスマホ動画対応通信講座もぜひ試してみてください。
無料登録で、初回講座の視聴や特典ももらえますので、まずは試してみるのが宜しいかと。
それでは、行政書士試験において、ぜひ合格を掴みとって欲しいと思います。