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意匠権~中小企業診断士経営法務・知的財産権

意匠権

意匠とは?

意匠法において、意匠とは第2条1号で以下のように規定されています。

物品(物品の部分を含む。以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。(中略))であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。

引用:意匠法(e-Gov法令検索)

カンタンに言えば、意匠とはデザインのことです。

また、上記の「物品」とは、有体物で流通や運搬可能な動産のことを表しています。

意匠法の目的

意匠法の目的については、法第1条に以下のように定められています。

この法律は、意匠の保護及び利用を図ることにより、意匠の創作を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。

引用:意匠法(e-Gov法令検索)

意匠権の存続期間

意匠権の存続期間は25年とされています。

意匠権登録までの流れ

意匠権の登録までの流れは次のとおりです。

  1. 出願
  2. 方式審査
  3. 実体審査
  4. 登録査定
  5. 登録料納付
  6. 登録

意匠権の登録までの流れは、特許権の権利取得までの流れと似ていますが、意匠権の登録までの流れには「出願公開制度」や「審査請求制度」はありません。

原則として、出願したものはすべて審査されることになります。

意匠登録の要件

意匠権の登録要件は次のとおりです。

工業上の利用可能性

特許権では「産業上の利用可能性」であるのに対し、意匠権では「工業上の利用可能性」と範囲が狭くなっています。

たとえば、農業や商業は工業ではないので対象外です。

また、工業上利用可能ということは量産可能であることが求められます。

新規性

意匠の登録出願の前に国内外で公然と知られたものは、新規性の要件を満たすことができません。

また、出版物やインターネット上で公開されたものも同様です。

創作非容易性

他人が簡単にマネできるものではならない、ということです。

先願主義

同一または類似の意匠について2つ以上の出願があった場合は、最先の意匠登録出願のみが登録されます。

不登録事由に該当しないこと

法第5条には、不登録となる事由について次のように記載があります。

  • 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠
  • 他人の業務に係る物品、建築物又は画像と混同を生ずるおそれがある意匠
  • 物品の機能を確保するために不可欠な形状若しくは建築物の用途にとつて不可欠な形状のみからなる意匠又は画像の用途にとつて不可欠な表示のみからなる意匠

引用:意匠法(e-Gov法令検索)

意匠権の特殊な諸制度

部分意匠制度

物品の一部にも独立した意匠権を認める制度です。

組物意匠制度

2個以上の物品の組み合わせ(セットとなるもの)を1つの意匠権として認めるものです。

関連意匠制度

もととなる意匠(本意匠)とそれに類似した関連意匠をすべて1つの意匠権登録するものです。

秘密意匠制度

秘密意匠制度では、登録から最長3年間、意匠公報にて公開することを控えることができます。

意匠は模倣しやすいものであるため、この制度により、当面、秘密として模倣をされにくくすることができます。

 

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参考:意匠法(e-Gov法令検索)