経営者・管理者行動の概要
企業が大きくなればなるほど、経営者以外にも、様々な管理者が登場することになります。
当たり前ですが、一人の経営者が、何十人・何百人という従業員を管理することは難しいでしょう。
スパン・オブ・コントロール(管理できる範囲)は限られているのです。
経営者行動と管理者行動は、2つを総合して管理行動と呼ばれることがあります。それぞれの内容を確認していきましょう。
経営者行動
経営目的の設定や経営戦略の策定をして、組織のイノベーションを進めていく行動となります。社長・会長や取締役、役員など、トップマネジメントと呼ばれる人々の実施すべき活動です。
管理者行動
トップマネジメントから下ろされた経営戦略にしたがい、管理者自身の権限の範囲内において計画の策定や組織化を行います。その結果、作業者の行動をマネジメントして行くものです。
管理者の行動と役割
管理者は、企業の中における各部門のリーダーであることが一般的です。
その管理者のパワー(権力)は、どこから来るのでしょうか? そのパワーは組織の中で公式に与えられた権限がベースとなっています。つまり、企業(法人)そのものからトップマネジメントを経由して、公式に影響力を発揮することが期待されていると言えるでしょう。
一般的に、管理者の役割は組織のヒエラルキーの中でどの立場にいるかによって大きく変わります。
階層が下の管理者は、作業者に対する監督的な業務が多くなります。逆に、階層が上になるほど、意思決定に関わる業務が多くなります。
また、リーダーシップの記事でみたとおり、管理者は自部門の中での対人関係において、リーダーシップを発揮していく必要があります。
とは言え、リーダーシップを適切に発揮できるようになるためには、それ相応の訓練が必要です。
辞令1枚で管理者になることはできても、リーダーシップの育成には相応の研鑽が必要となります。
一方で、リーダーシップは管理者に求められる機能のうち一部でしかありません。他にも、組織内の経営資源を有効活用したり、組織外部との調整、或いは対人的なネットワークを通して組織内に散在する経営資源を有機的に構成させるなどの、多くの役割を期待される存在なのです。
管理者には、リーダーシップ以外にも、配下の組織メンバーのモチベーションを管理するなど、様々な役割を期待されているのです。
※リーダーシップに関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
経営者・管理者行動(企業経営理論-組織論)~中小企業診断士試験 <まとめ>
この記事では、経営者行動・管理者行動ついて見ていきました。
前述のとおり、階層が下の管理者は、作業者に対する監督的な業務が多くなります。逆に、階層が上になるほど、意思決定に関わる業務が多くなります。
管理者の役割は組織のヒエラルキーの中において、どの立場にいるかによって大きく変わりますから、その立場に応じて、最適な役割を果たす必要があるのです。
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