日本国憲法 前文の覚え方!ふりがな付きも紹介、憲法前文の意味や子供向けの解説!【2026年最新】

憲法前文の覚え方!

「日本国憲法の前文って、漢字も言い回しも難しくて、なかなか覚えられない…」「できればふりがな付きで、意味も理解しながら暗記したい」――憲法前文を覚えようとして、こんな壁にぶつかっていませんか。

結論から先にお伝えします。憲法前文は、いきなり“丸暗記”しようとすると、ほとんどの人が途中で挫折します。長くて、しかも昭和の格調高い言い回しなので、意味がわからないまま唱えても頭に残らないんですよね。

そこでおすすめしたいのが、次の順番で攻めることです。

  1. 読めない漢字をふりがなで確認し、「音」から入れる
  2. 段落ごとに「意味」をつかむ(前文は4つの段落から成り、憲法の三大原則=国民主権・基本的人権の尊重・平和主義は最初の2段に、続く第三段に国際協調が表れています)
  3. 区切って繰り返し書き写し、穴埋めや歌で「アウトプット」する

この記事では、前文の全文(原文どおりの掲載+ふりがな付きで読めるページの紹介)・段落ごとの意味・子供向けのやさしい解説、そして具体的な暗記法(書き写し・五感・赤シート穴埋め・歌)まで、読者であるあなたが今日から実践できる形で、ひとつずつ整理していきます。

なお、行政書士試験では、憲法は「法令等科目」(5肢択一式・多肢選択式)の一部として出題されます。前文は憲法典の一部であり、法規範性をもつ重要な部分とされていますから、覚えておいて損はありません。前文は正式な憲法の条文(正文)であって、あとから自由に書き換えてよい文章ではないので、この記事でも引用は衆議院公式サイトの正文に沿って正確に扱います。

行政書士試験全体の進め方から確認したい方は、行政書士|憲法・行政法・民法の学習ロードマップ全体像もあわせてどうぞ。

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目次

結論|憲法前文は“ふりがな→意味→区切って反復”の順で覚える

まず、憲法前文をどう攻略するかの「方針」から先に固めておきましょう。ここがあいまいなまま暗記に突っ込むと、「読めない・意味がわからない・続かない」の三重苦で手が止まってしまうからです。

  • 丸暗記から入ると挫折する……前文は4つの段落・600字を超えるボリュームで、しかも「恵沢(けいたく)」「詔勅(しょうちょく)」のように、ふだん使わない言葉が並びます。読めない・意味がわからない状態でいきなり唱えても、頭をすべっていくだけです。まずは「音(ふりがな)」と「意味」を入れてから暗記に進むのが鉄則です。
  • 前文は4つの段落で構成される……日本国憲法の前文は4つの段落から成ります。第一段落が「国民主権」と「基本的人権の尊重」、第二段落が「平和主義」、第三段落が「国際協調」、そして第四段落がそれらを達成する「決意」のまとめです。つまり、憲法の三大原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)は前文の最初の2段にそのまま表れているんですね(第三段の国際協調は三大原則そのものではありませんが、前文の重要なテーマです)。意味のかたまりで区切ると、ぐっと覚えやすくなります。
  • 暗記はアウトプットしながら繰り返す……読んで眺めるだけでは定着しません。ノートに書き写し、口で唱え、耳で聴き、赤シートで穴埋め問題にする――こうして「入れた知識を出す」作業を繰り返すのが、いちばんの近道です。

大事なのは、「前文を完璧に暗唱すること」そのものをゴールにしないことです。とくに行政書士試験のように、限られた時間でたくさんの科目を仕上げないといけない場合、前文の暗記に時間をかけすぎるのは“コスパ”が悪くなります。意味の骨格(三原則)と頻出のキーワードを押さえることを優先し、完全暗唱はその先のおまけくらいの気持ちでいきましょう。

どこから手をつければいいか迷ったら、次の“入り口”の目安で選んでください。

  • 漢字が読めなくてつまずく方……まずは「ふりがな全文」から。音読できる状態を作るのが先決です。
  • 意味がわからず頭に入らない方……「意味の解説(4段落)」から。三大原則とのつながりが見えると一気に覚えやすくなります。
  • 読めるし意味もわかるが暗記が苦手な方……「覚え方(書き写し・穴埋め・歌)」から。アウトプット中心に切り替えましょう。

この記事を読み終えるころには、ふりがな全文・意味・暗記の手順までが一本につながって、「今日はここから始めればいい」とわかる状態になっているはずです。それでは、まずは前文の全文から見ていきましょう。

日本国憲法 前文の全文(段落で区切って読む)

まずは前文の全文を、意味の区切り(段落)ごとに掲載します。下の引用は、衆議院公式サイトの正文をそのまま載せたものです。前文は正式な憲法の条文(正文)ですから、勝手に言い換えたり要約したりせず、原文のまま読むのが基本です。

なお、ひとつ注意があります。実際の憲法には「前文」という文字(見出し)は入っていません。便宜上「前文」と呼んでいるだけ、という点を頭の片隅に置いておいてくださいね。また、下の引用では読みやすさのために段落と段落の間に空白行を入れていますが、本来の前文には空白行はありません。

日本国憲法

前文(※管理人注:実際の憲法には「前文」の文字は入っていません)

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

引用:衆議院公式サイト「国会関連法規-日本国憲法」(原文は歴史的かなづかい。本記事は原文どおりに掲載しています)

ふりがな付きで読みたいときは

前文を声に出して読もうとすると、読めない漢字でつまずきますよね。学生の方や年少の方は、なおさら「難しい漢字が多い」と感じるはずです。

そんなときは、ふりがな(ルビ)付きで前文を公開しているページを使うと、音から覚えやすくなります。下のページはふりがな付きで前文を掲載しているので、まずは読み方をマスターするところから始めましょう。

=>憲法前文 ふりがな付きのページはこちら

つまずきやすい難語の読みと意味

とくに読み間違えやすい・意味を取りにくい言葉を、先に押さえておきましょう。読みと意味がわかると、暗記のスピードが一気に上がります。

  • 恵沢(けいたく)……恵み、めぐみ。「自由のもたらす恵沢」=自由がもたらす恵み。
  • 享受(きょうじゅ)……受け取って味わうこと。「その福利は国民がこれを享受する」=その幸せは国民が受け取る。
  • 詔勅(しょうちょく)……天皇の意思を表す文書。「一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」の部分で出てきます。
  • 専制(せんせい)と隷従(れいじゅう)……専制=ひとりの権力者が思いのままに支配すること。隷従=それに従わされること。
  • 崇高(すうこう)な理想……気高く尊い理想。第二・第四段落のキーワードです。
  • 隷従(れいじゅう)・偏狭(へんきょう)……隷従=従わされること。偏狭=心がせまく不寛容なこと。第二段落で「専制と隷従、圧迫と偏狭」と並びます。

まずはこの段階で、前文を「読めない文章」から「読める文章」に変えておきましょう。読めるようになってはじめて、次の「意味をつかむ」ステップが効いてきます。

憲法前文の意味を解説|段落ごとに“何を言っているか”をつかむ

読み方をマスターしたら、次は意味です。先にひとことで言ってしまうと、前文が言っているのは「主権・人権・平和」。これが憲法の三大原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)とぴったり重なります。

前文は内容のうえで4つの段落(ブロック)に分かれていて、段落ごとにテーマが決まっています。三大原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)は最初の2段に表れ、第三段で国際協調、第四段でそれらを達成する決意をまとめる、という流れです。意味のかたまりで区切ると、長い文章もぐっと頭に入りやすくなりますよ。それぞれの段落の意味を解説します。

第一段落:「国民主権」と「基本的人権の尊重」

第一段落のいちばんの山場は、「ここに主権が国民に存することを宣言し」の部分です。ここが、国の政治のあり方を最終的に決めるのは国民だ、という国民主権を宣言しています。

さらに、「わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し」の部分が、ひとりひとりの自由や権利を大切にするという「基本的人権の尊重」につながっています。

なお、第一段落には「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」という、平和への決意を示す一文も含まれています。平和主義のテーマは続く第二段落でさらに深く展開されます。

つまり第一段落は、「政治を動かすのは国民」「その国民の自由・権利を守る」という、憲法の土台になる考え方を示しているわけです。

第二段落で示される平和主義の理念

第二段落のキーワードは、ずばり平和主義です。

冒頭の「日本国民は、恒久の平和を念願し」という言葉や、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」(※歴史的かなづかい)という一文に、二度と戦争の悲惨さを繰り返さず、平和を求めていくという強い姿勢が込められています。第一段落の「戦争の惨禍が起ることのないやうに」という決意と合わせて読むと、平和主義の意味がいっそうつかみやすくなります。

第三段落が説く国際協調主義

第三段落のテーマは国際協調です。

「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて」(※歴史的かなづかい)という箇所が、自分の国のことだけを考えるのではなく、世界の国々と協力し合っていこう、という考え方を示しています。

そして第四段落は、「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」という、ここまでの理想を実現する決意のまとめになっています。

このように、前文を「主権(第一段落)」「平和(第二段落)」「協調(第三段落)」「決意(第四段落)」と区切ってとらえると、丸暗記しなくても全体の流れが見えてきます。意味で覚えると忘れにくい――これが前文攻略のいちばんのコツです。

子供向け・小学生にもわかる憲法前文のやさしい解説

ふりがなを付けても、小学生や中学生にとっては「言葉は読めるけど、意味がよくわからない」ということが多いものです。ここでは、お子さんにも伝わるように、前文をぐっとやさしく言い換えてみましょう。

前文が言っていることを、子供向けにざっくりまとめると、次の4つになります。

  • みんなで決める……国のことは、えらい人がひとりで決めるのではなく、みんな(国民)が選んだ代表者を通じて決めます。(=国民主権)
  • ひとりひとりを大切にする……みんなが自由に、安心して暮らせるようにします。(=基本的人権の尊重)
  • 戦争をしない……もう二度と、戦争のような悲しいことが起きないようにします。(=平和主義)
  • 世界となかよくする……自分の国のことだけでなく、ほかの国とも協力していきます。(=国際協調)

この4つだけでも頭に入れておくと、難しい言葉の前文を読んだときに「あ、これは“みんなで決める”の話だな」と意味のあたりがつきます。

ふりがなだけでは難しいというお子さんは、子供向けにやさしく解説したページもあわせて読んでみてください。

日本国憲法前文の意味を子どもにもわかりやすく:護憲か改憲かをみんなで考えるためにも

なお、中学受験や中学・高校の定期テストでは、前文を「最初から最後まで完璧に暗記」させるよりも、第二段落(平和主義)あたりまでの要点や、三大原則との対応が問われやすい――というのは、あくまで一般的な傾向の目安です。実際の出題範囲は学校・教材・学年によって大きく異なりますので、必ずお使いの教材や学校の試験範囲で確認してください。まずは三原則と前文の対応をしっかりつかむことを優先しましょう。

憲法前文の覚え方|書き写し・五感・繰り返しで定着させる

ふりがなで読めるようになり、意味もつかめたら、いよいよ暗記です。ここからは、実際に手と口と耳を動かしていきましょう。前文は長いので、段落 → 文 → キーになる語句と、大きいかたまりから小さいかたまりへ区切って攻めるのがコツです。

具体的な手順は次のとおりです。

  1. わからない単語は放置せず、意味を確認する……「享受」「恵沢」のような難語は、辞書やこの記事の難語リストで意味を確認してから先に進みます。意味がわかっている言葉は、覚えるのがぐっと楽になります。
  2. ノートに書き写す……前文を実際に手で書き写します。目で追うだけより、手を動かしたほうが圧倒的に記憶に残ります。
  3. キーになる語句は赤ペンで書く……「主権」「国民」「平和」「国際協調」など、キーとなる語句は赤ボールペンで書きましょう。あとで赤シートをかぶせれば、そのまま穴埋め問題として使えます。
  4. 目・口・耳を全部使う……書いたあとは、目で読むだけでなく、口に出して唱え、耳で聴く。できるだけ五感を使って、体全体で覚えるようにしましょう。

そして、いちばん大事なポイントをお伝えします。暗記のコツは、結局のところ「繰り返すこと」。これに尽きます。1回で覚えようとせず、「昨日書いた段落をもう一度書く」「今日は新しい段落を足す」というように、少しずつ重ねていくのが確実です。

「一度に全部覚えよう」とすると、長さに圧倒されて手が止まります。第一段落だけ完璧にする → 第二段落を足す → 第三段落を足す、と段落単位で攻めていけば、気づいたときには通しで言えるようになっていますよ。

歌・語呂・穴埋めで覚える|耳とアウトプットを使う暗記法

書き写しに慣れてきたら、別の感覚も動員しましょう。とくに「耳から覚える」のと「問題を解いて思い出す」のは、暗記をぐっと加速させてくれます。

憲法前文をメロディに乗せて覚える

「聴いて覚える」のにいちばん手軽なのが、歌です。前文を歌にしたYouTube動画があり、かなり耳に残ります(笑)。通学・通勤や家事のスキマ時間に、BGMのように流しておくだけでも効果がありますよ。

語呂合わせはある?

暗記といえば語呂合わせ、という方も多いですよね。前文の語呂合わせがないか探してみたのですが、前文そのものをまるごと覚えるための定番の語呂合わせは見当たりませんでした。前文は意味のつながりで覚えるほうが向いている、ということなのかもしれません。

ただ、前文の重要事項を説明するラップ動画はありましたので、こちらも共有します。リズムに乗せると、要点が記憶に残りやすくなります。

穴埋め問題で実力チェック

読んだり聴いたりして「入れた」あとは、アウトプットで「出す」番です。とはいえ、いきなり何も見ずに暗唱するのは難しいので、まずは穴埋め問題から始めるのがおすすめです。キーになる語句が空欄になっているので、用語をきちんと覚えているかチェックできます。

自分で穴埋めをつくるのも、じつは効果的です。たとえば第一段落なら、キーワードを空欄にしてこんな形にします。

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し……ここに(  )が(  )に存することを宣言し、この憲法を確定する。

(答え:主権/国民)

このように「赤ペンで書いたキーワードを、自分で空欄にする」だけで、市販の問題集がなくても、いつでも自分専用の穴埋め問題が作れます。ノートに赤ペンで書いておけば、赤シートをかぶせるだけで穴埋めになる――先ほどの「書き写し」がそのままアウトプット教材になる、というわけですね。

手早く済ませたいときは、ネット上の穴埋め問題サイトを使うのも手です。

【憲法前文の穴埋め問題のサイト】

http://jukenin21cs.blog80.fc2.com/blog-entry-173.html

このように、読む・聴く(インプット)→ 書く・解く(アウトプット)のサイクルを回すと、ただ眺めているだけのときよりも、はるかに早く定着します。「今日は第一段落を空欄なしで言えるか試す」というように、段落ごとに“今日のゴール”をひとつ決めて回すと、長い前文も着実に自分のものになっていきますよ。

行政書士試験での憲法前文の位置づけ|論点と判例(試験対策)

ここからは、行政書士試験の受験生に向けた“試験対策”の話です。一般教養として前文を覚えたい方は、読み飛ばしてもらってかまいません。

まず、行政書士試験における憲法の位置づけを確認しておきましょう。行政書士試験は300点満点で、大きく「法令等科目(244点)」と「基礎知識(56点)」に分かれます(本記事は2026年6月時点で行政書士試験研究センターの公表内容を確認した目安です。配点・科目名・合格基準などは年度改正で変わることがあるため、受験年度の最新の試験案内・公式サイトで必ずご確認ください)。憲法は、このうち法令等科目の一部として、おもに5肢択一式や多肢選択式で出題されます。前文も、そのなかの重要な範囲のひとつです。

憲法の本試験では、条文について次のような出題が頻出しています。

  • 条文の基本的な内容を問う出題
  • 条文の語句を問う出題

つまり、語句を正確に押さえているかどうかが点に直結します。前文も例外ではなく、キーワード(主権・国民・平和・国際協調など)を正しく覚えておくことが大切です。

憲法は【前文+103条】で構成されています。このうち第100条〜第103条は施行・経過措置などを定めた補則(憲法の一部であることに変わりはありません)なので、本格的に暗記する対象としては実質【前文+99条】ととらえると効率的です。範囲が比較的コンパクトなので、丸ごと押さえてしまえば、

  • 憲法の問題をスピーディーに解ける

というメリットも生まれます。民法をはじめ、どの科目も難易度が高い行政書士試験では、少しでも解答時間を稼げると有利になります。憲法を得点源にして「高得点+時間短縮」を狙っていきましょう。

前文の法的性質|法規範性はある/裁判規範性はない

試験対策として、前文の法的な性質は押さえておきたい論点です。前文は単なる「前書き」ではなく、次のように整理されています。

  • 憲法前文には法規範性はある
  • 憲法前文には裁判規範性はない

それぞれの意味は次のとおりです。

前文の性質 内容
法規範性 憲法前文は単なる「前書き」ではなく、憲法の本文と同じ扱いを受ける、ということです。もし前文を改正する際には、憲法改正と同じ手続きが必要となります。
裁判規範性 裁判規範性とは、裁判所が裁判する際に基準として使える程度に具体的な内容か、ということです。憲法前文は「個別の裁判にあたって、判決の基準として使えるほど具体的ではない」として、裁判規範性はないと解されています。

判例

前文の裁判規範性の有無について言及した裁判として、いわゆる「長沼事件控訴審」が知られています(結果として、前文の裁判規範性は否定されました)。前文の法的性質を問う問題が出たときは、この判例とあわせて思い出せるようにしておくと安心です。

なお、憲法の効率的な学習法そのものを知りたい方は、行政書士試験の憲法|出題傾向と勉強法もあわせてどうぞ。前文の暗記を入り口に、条文全体の学習へ広げていきましょう。記述式(行政法・民法から出題されます)の対策の進め方は行政書士試験の記述式|勉強法と対策で詳しく解説しています。

まとめ|前文は“意味→区切り→反復”で覚え、条文学習へつなげよう

最後に、憲法前文の覚え方をおさらいしておきましょう。

  • ふりがなで「音」を入れる……読めない漢字をなくし、声に出して読める状態にする。難語(恵沢・享受・詔勅など)は意味も先に確認する。
  • 段落の「意味」でつかむ……前文は4段構成で、第一段落=国民主権と基本的人権の尊重、第二段落=平和主義、第三段落=国際協調、第四段落=決意のまとめ。憲法の三大原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)は最初の2段に表れている。
  • 区切って「反復」する……ノートに書き写し、キー語句は赤ペン+赤シートで穴埋めに。目・口・耳の五感を使い、段落単位で繰り返す。歌や穴埋め問題でアウトプットすると定着が早い。

そして行政書士試験の受験生の方は、憲法が前文+99条というコンパクトな範囲であることを思い出してください。丸ごと押さえれば、得点源にできるうえ解答時間も短縮でき、難関試験を有利に攻略できます。前文を入り口にして、ぜひ条文学習へ進んでいきましょう。

行政書士試験は難易度が高く、とくに社会人の方は勉強時間の捻出が難しいものです。スキマ時間にスマホで学習したい方は、行政書士オンライン通信講座の活用も検討してみてください。憲法・行政法・民法をどの順番で進めるかなど、学習全体の見取り図は行政書士|憲法・行政法・民法の学習ロードマップ全体像で確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 憲法前文の三原則(三大原則)とは何ですか? A. 国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の3つです。前文では、第一段落で国民主権と基本的人権の尊重が、第二段落で平和主義が表れています(あわせて第三段落では国際協調がうたわれています)。

Q. 日本国憲法前文の覚え方は? A. ①ふりがな付きで音から入れる→②段落ごとに意味をつかむ(第一段=国民主権と基本的人権の尊重、第二段=平和主義、第三段=国際協調、第四段=決意。三大原則は最初の2段に表れます)→③書き写し・赤シート穴埋め・歌で繰り返しアウトプットする、の順がおすすめです。一度に全部覚えようとせず、段落単位で少しずつ積み上げましょう。

Q. 憲法の前文とは何ですか? A. 憲法本文の前に置かれた、憲法全体の理念や基本原則を示す文章です。日本国憲法の前文は、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義・国際協調という基本的な考え方を宣言しています。なお、条文上は「前文」という見出しは付いていません。

Q. 日本国憲法前文は改正できますか? A. 改正できます。ただし前文には法規範性があり、憲法本文と同じ扱いを受けるため、改正するには通常の法律改正ではなく、憲法改正と同じ手続き(国会の発議と国民投票など)が必要になります。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験など、情報処理技術者試験の学習法・過去問解説を中心に発信しています。著書に『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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