製品戦略:マーケティングの4P(企業経営理論-マーケティング論) ~中小企業診断士試験

製品戦略

こんにちは、トシゾーです。

今回は、マーケティングの4Pの1つである「製品」についての戦略をご説明します。

4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の頭文字をとったものであり、マーケティングの重要な要素です。

また、その4Pを統一的、全体最適化して市場に投入することをマーケティングミックス戦略といい、マーケティングの基本的な戦略となります。

製品戦略は、マーケティングミックス戦略において、中核となるものです。

そんな製品戦略とは、一体どのようなものなのでしょうか?

この記事で、一緒に見ていきましょう。

なお、マーケティングミックス戦略については、以下の記事を参考にしてください。

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製品の定義

コトラーは製品について、「欲求やニーズを充たすことを目的として市場に提供されるすべてのもの」と定義しています。

つまり、形あるモノ(商品)だけでなく、サービスやアイデアも製品に含まれるといえるでしょう。

コトラーの3層モデル

コトラーは、製品を「製品の核」「製品の形態」「製品の付随機能」の3つのレベルに分解して説明しています。これをコトラーの3層モデルと言います。

製品の核

消費者のニーズを解決する、中核となるベネフィット(便益)のことです。

たとえば、高級車を購入する顧客は、ただ「目的地へ移動したい」だけではなく、「ステータスを手に入れたい」というニーズを充たすために選択する、ということが考えられます。

製品の形態

私たちが通常考える「製品」のことであり、製品の核を具体化したものといえます。品質、特徴、デザイン、ブランド名、パッケージングの5つの要素を持っています。

製品の付随機能

製品の付随機能とは、保証、アフターサービス、配送(納品)、取り付けなどのことです。

実際の製品・サービスの購入に付随するサービスのことを表します。

製品の種類

有形財と無形財

製品(財)には有形財と無形財があります。

有形財とは、形のある製品のことであり、無形財とはサービスのことです。

また、有形財は消費財と産業材(生産財)に分けることができます。

消費財と産業財

消費材と産業材という区分は、

「製品を購入し、使用するのは誰か」

という観点からの区分です。

最終消費者が購買するものが消費財、企業や官公庁が購入するものが産業材です。

消費材は家庭で利用・消費されるもので、1回の購入量は少量であり、再販売や加工などされないことが一般的です。

一方、産業材は企業等において、原材料や仕入れ、その他事業活動のために購入されます。当然ながら、再販売・加工などされるケースが多くあります。

また、消費財は衝動的・慣習的に購入されることが多いのに対して、産業材は企業活動の一環として購入されますから、ロジカルな計画に従い、合理的な購買がされます。

その他、産業材に対しては、消費財に比べ、購入時や利用時に専門知識が必要になる、という特徴もあります。

消費財の分類

消費材の購買特性に着目すると、最寄品・買回品・専門品・非探索品の4つに分類できます。

最寄品

購買頻度が高く、低価格で習慣的に購入するような消費財のことです。食料品・日用品、たばこなどの嗜好品、ファーストフードなどが最寄品となります。

買回品

最寄品よりは購買頻度が低く、価格も高い消費財です。消費者は商品購入の際には、品質・価格・デザインなどに比較的時間をかけることになります。洋服・家電製品などが該当します。

専門品

めったに購買しないもので高価であるため、消費者が購入の意思決定に十分な時間をかけるものです。住宅・自動車・宝飾品・弁護士や医師などの専門サービスが該当します。

一方で、特定のブランドに対するロイヤリティ(忠誠心)が高い場合もあり、その場合は、そのブランドを(ある種、盲目的に)すぐに選択するケースもあります。

非探索品

保険・お墓など、消費者が積極的に購入しようと思わない消費財を非探索品(不求品)といいます。

また、革新的な製品は、市場で認知されるまでは非探索品にあたります。

プロダクトミックスと製品ライン・製品アイテム

企業がラインナップする製品の集合体をプロダクトミックスといいます。

プロダクトミックスは、製品ラインと製品アイテムに分解できます。

製品ラインの概要

製品ラインとは、製品の種類・機能・顧客・品質・属性などからみて、同一または類似のグループのことをいいます。製品ラインの広さのことを、製品ラインの「幅」と呼びます。

製品アイテムの概要

それぞれの製品ラインは、複数の製品アイテムから構成されています。製品アイテムとは1つ1つの製品を表しており、各製品ラインはカラー・サイズ・デザインなどにより区分される各アイテムから成り立っています。製品アイテム数の多さのことを、製品ラインの「深さ」といいます。

ブランド

ブランドの定義

ブランドとは、自社や商品を、他社や他の商品から区別させるものです。

企業は、自社の商品などを差別化するために、企業が独自に使用する名称・マーク・デザインなどをブランドとして利用します。

たとえば、「USJ」は他のテーマパークから名称により差別化できています。「伊藤園のお茶」は、名称やデザインにより、他のお茶製品より差別化できています。

「USJ」や「伊藤園のお茶」は、企業がブランドを育成することにより、他の競合製品より、高い価値があると顧客に認識させることに成功している事例です。

ブランドの機能

ブランドの機能には、以下の3つがあります。

出所表示機能

ブランド名により、その製品がどこのメーカーのものであるか、どこの流通業者のものであるかなどが消費者に明確になる機能です。

出所表示機能で生産者が明確になることにより、消費者の選択が容易になり、リピート購買につながりやすくなります。

品質表示機能

ブランド名により、消費者がその製品の品質・価値を判断しやすくなる機能です。

いったん消費者が「このブランドは高品質だ」と判断すると、競合に対して大きなアドバンテージとなります。

宣伝広告機能

ブランド名により、消費者の持つ製品やメーカーのイメージ・評判を向上させる機能です。

ブランドエクイティ

消費者にブランドが浸透すると、消費者に商品を選んでもらいやすくなります。競合製品より価格が高くとも選ばれることもあるでしょう。

このように、正しく育成したブランドには資産価値があります。このブランドの資産価値のことをブランドエクイティといいます。

ブランドエクイティには、以下のような要素があります。

ブランド知名度

その名のとおり、ブランドの知名度です。

ブランドロイヤリティ

ロイヤリティとは「忠誠心」のこと。消費者がどれだけ、そのブランドに固執するか・多くの競合の中から選択するか、そうした消費者マインドのことです。

ブランド再生

消費者に対し、ある製品カテゴリを伝えたときに、特定ブランドが想起されることをブランド再生といいます。

たとえば、「清涼飲料水」と言われた際に「ペプシコーラ」と想起する人が多いほど、ブランド再生率が高いことになります。

ブランド連想

消費者に特定ブランド(例:ディズニーランド)を提示したときに、呼び起こされる様々なイメージや連想のことです。

ブランド連想が高まると、競合より有利になります。

ブランドの採用戦略

ブランドの採用戦略とは、複数の製品を持つ企業が、どのようにブランドを展開していくか、を決定する戦略です。

戦略の策定は、

「それぞれの製品ライン間のイメージや競争地位の類似性」

「標的市場の類似性」

の2軸を元に検討したうえで、ブランドを展開を決定します。

採用戦略には下記5パターンがあります。

ファミリーブランド

製品ライン間のイメージや競争地位が同質的で、かつ標的市場も同質的な場合、つまり、

すべての商品が類似・同質的な場合に採用される戦略です。

個々の製品を統一的に訴求する戦略です。

ダブルブランド

標的市場は同質的で、製品ライン間のイメージや競争地位が異質的な場合、

つまり、ターゲットは同一だが、製品同士は異なる場合にに採用される戦略です。

統一的なブランドを採用しつつ、個々の製品ライン毎に個別ブランドを採用していきます。

ダブルブランドの例としては、ビール会社の商品戦略がよく挙げられます。

たとえば、アサヒ・スーパードライ、アサヒ淡麗生、アサヒ・ドライゼロなどです。

いずれもターゲット顧客は同じ(アルコールを嗜む層)ですが、細やかな味わいの違いなどをダブルブランドでアピールしています。

ブランドプラスグレード

標的市場が異質的で、製品ライン間のイメージや競争地位が同質的な場合、つまり、

ターゲットは異なるが、製品自体は類似のものに採用される戦略です。

各製品間のイメージは似通っているため統一ブランドを使用します。

しかし、製品によりターゲットが異なるため、各ターゲットに合わせたグレードを付与することになります。

ブランドプラスグレードの例としては、メルセデスベンツのAクラス~Sクラスのようなクラス分けなどがあります。

個別ブランド

標的市場が異質的、かつ製品ライン間のイメージや競争地位も異質的な場合、つまり、

ターゲットも商品も類似ではない場合に採用される戦略です。

分割ファミリーブランド

標的市場および製品ライン間のイメージや競争地位のいずれもが中程度の場合に採用される戦略です。

ターゲット市場や製品ライン毎に、ブランドを複数に分け、商品を展開します。

たとえば、かつて、松下電器はが、市場・製品ライン別に「ナショナル」「パナソニック」「テクニクス」というようにブランドを分けていました。

ブランド拡張戦略

企業が新たな製品を投入する場合、その新製品のカテゴリが

「既存商品と同質か新規か」

「新たなブランドを採用するか既存ブランドを採用するか」

という2軸をもとに、取りうるブランド戦略の類型化が、ブランド拡張戦略となります。

ライン拡張

新製品が既存製品のバリエーションの場合、既存のブランドで投入します。

ブランド拡張

新たなカテゴリの製品であるにも関わらず、既存ブランドを利用する戦略です。

まったく違うカテゴリの商品でも、既存の成功したブランドを付与することにより、新製品に既存ブランドの威光を与えることができます。

マルチブランド

同一カテゴリにあたる製品を新ブランドで投入します。兄弟ブランド・姉妹ブランドなどと呼ばれることがあります。

小売店で、より多くの陳列スペースを確保することができる可能性があります。

新ブランド

新製品に対し、新しいブランドを創出する方式です。

その他ブランド関連用語

ナショナルブランド

メーカー(製造業者)が自社の製造・販売する商品・サービスに使用するブランドのことです。

プライベートブランド

流通業者(卸または小売)が企画・開発した商品につけるブランドです。

例として、セブンイレブンの「セブンプレミアム」などがあります。

ダブルチョップ

異なる2つのメーカーのブランドをつける手法です。ナショナルブランドとプライベートブランドの併記、などが多く見られます。

パッケージング

パッケージングとは

パッケージングとは、製品の包装や容器をデザイン・制作に関する活動のことです。

パッケージの機能としては、内容物の保護、持ち運び/取扱い時の利便性など実用的な目的が思い浮かぶと思いますが、それだけではありません。

顧客に商品に関する情報を提供したり、また販売促進的な表示を行ったりするなど、ブランディングやマーケティングツールとしての側面もあります。

パッケージングは、単なる梱包ではなく、製品戦略の一部を担っているといえるでしょう。

パッケージングの種類

個装

1つ1つの商品に施される包装です。商品保護の意味だけでなく、商品価値の向上のための情報提供、および販売促進などの目的もあります。

内装

製品を運搬する際には、個装の上から梱包貨物としますが、その梱包貨物の内部包装のことです。

製品を保護する役割があります。

外装

梱包貨物の外部の包装のことであり、荷造りなどを行った状態のことです。

新製品の開発プロセス

新製品の開発は、マーケティング戦略全体においても重要な要素であり、以下のようなプロセスで実施します。

  1. アイデアの創出
  2. スクリーニング
  3. 製品コンセプトの開発
  4. マーケティング戦略策定
  5. 事業性の分析
  6. 試作品の開発
  7. テストマーケティング
  8. 市場投入

以下、それぞれの詳細を見てみましょう。

アイデアの創出

市場ニーズや自社のシーズをもとに、様々なアイデアを創出していきます。

スクリーニング

自社の経営資源、事業性、市場性などを考慮しながら、アイデアの評価と選別を行います。

製品コンセプトの開発

スクリーニングで残ったアイデアの製品コンセプトに磨きをかけます。

ターゲット策定や商品ポジショニングにより、製品コンセプトを明確にしていきます。

マーケティング戦略策定

製品コンセプトを中核にして、マーケティング戦略の詳細を詰めていきます。

事業性の分析

製品市場投入後の予想売上、コスト、利益などをシュミレーションして、採算が合うかどうかを確認します。

試作品の開発

具体的な製品化を実施します。試作品として出来上がったものに対し、モニター調査等を使って仮説検討および修正のサイクルを回します。

テストマーケティング

市場を限定するなどしたテスト販売を行うことにより、消費者の反応をチェックします。また、そのレスポンスを製品やマーケティング戦略にフィードバックするようにします。

市場投入

テストを繰り返した結果をもとに最終的な調整を行います。

その後、市場導入に向けた最終的な準備を行います。

 

 

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