ポーターのバリューチェーン(価値連鎖)とは?
ポーターが提唱したバリューチェーン(価値連鎖)とは、企業活動を5つの主活動と4つの支援活動に分解し、
「その企業の価値(=競争優位)は、どのプロセスにあるのか」
ということを分析するものです。
このバリューチェーンの考え方の前提には、
「企業とは、諸活動を整合性をもって連結し、顧客への価値提供を行う」
という考え方があります。
バリューチェーンの5つの主活動とは?
バリューチェーンの5つの主活動には、以下のようなものがあります。※ただし、これらは代表的なもので、実際には業種や企業によって異なるものになります。
➀「購買物流」、②「製造」、③「出荷物流」、④「販売・マーケティング」、そして⑤「サービス」
バリューチェーンの4つの支援活動とは?
バリューチェーンの4つの支援活動とは以下のようなものがあります。※こちらも代表的なもので、実際には業種や企業により異なる活動が入るケースがあります。
➀「人事労務管理」、②「技術開発」、③「調達活動」、そして④「全般管理」
仮に、バリューチェーンの中の1部分の活動のみ優位性があったとしましょう。
それは素晴らしいことですが、しかし、それだけではライバルに対して、競争優位は続きません。なぜなら、一つだけの優位性は、模倣模倣しやすいといえるからです。
すなわち、複数の機能でコスト削減や差別化などの優位性を持ちつつ、企業活動全体として、付加価値が高まるような、企業活動の統合が必要といえます。
このように、バリューチェーンのフレームワークで「企業活動のなかで、どこに強みがあるのだろうか」と分析を行いながら、一方では、全体プロセスを俯瞰し、統合的な強みについても確認を怠らないことが必要です。
価値システム
バリューチェーンに関連するものに「価値システム」があります。
バリューチェーンは、1つの企業の中での考えかた・コンセプトでした。
しかし、価値システムは、複数企業の統合に関するコンセプトです。
というのも、現実には調達・製造・物流・販売などが各々別の企業であることは、よくあるからです。
いいかえると、価値システムとは、複数企業から成立するバリューチェーンといえるのです。
価値システムの考えかたの1つとして、川上(売り手)の価値は川下(買い手)の中に組み込まれる、と考えます。