<人気講座ランキング(上位3社)>
=>中小企業診断士の通信講座 おすすめランキング&徹底比較記事はこちら
こんにちは、トシゾーです。
今回は、「ベンチャー企業のマネジメント」というテーマで、ベンチャー企業がどのように生まれ、どのように成長していくのか、
必用な資金はどのように調達していくのか、などを説明します。
人によっては、ベンチャー企業のことを
「いつも、ウェーイ! なんて感じで、イケイケで調子のよい集団」
と思っていたりするのではないでしょうか?(笑)
それも、あながち間違いではないかも知れませんが、いわゆる「成功者バイアス」ってやつですね。
というのも、ベンチャー企業は多数生まれますが、その多くは市場で認知されるまえに力尽き、退場してしまいます。
生き残っているベンチャー企業は、いわば「一騎当千の荒武者」のようなもの。
実力も自信もあるでしょうし、なにより、勢いがあるでしょうから、多少のウェイウェイは、多めに見てあげましょう(笑)
それでは、ベンチャー企業のマネジメントの実際について、見ていきましょう。
※本項目は、中小企業診断士試験の「企業経営理論」の科目で出題される内容です。
企業経営理論の勉強法は、以下の記事を参考にしてください。

また、独学で勉強する方は、下記の記事も参考にしてください。

Contents
ベンチャー企業の定義
ベンチャー企業には、明確な定義があるわけではありません。
一般的には、
「成長意欲の強い起業家が統率する組織であり、新商品・新サービス・新技術などを持ち、市場に何らかのインパクトを及ぼすポテンシャルを持つ企業」
と考えてよいでしょう。
多くの場合、株式公開(IPO)をして上場を目指すなど、明確な目的を持っています。
ベンチャー企業の成長プロセス
ベンチャー企業は、「シード期」「スタートアップ期」「急成長期」「安定成長期」の4つのプロセスを経て、成長していきます。
ベンチャー企業の成長プロセス① シード期
シード期とは、正式に企業する前の時期です。「シード=種」という意味であり、その名の通り、起業の要因となる新しい技術やアイデアを見つけるなどし、それをもとにビジネスプランを検討する時期です。
ベンチャー企業の成長プロセス② スタートアップ期
スタートアップ期は、事業が軌道に乗るまでの時期です。一般的に、この時期は、もっとも資金が必要になる時期です。
というのも、商品・サービスは未だ安定的に販売できない一方、様々な経営費用が必要になるからです。
スタートアップ期につまづき、廃業するベンチャー企業は多くあります。
ベンチャー企業の成長プロセス③ 急成長期
急成長期とは、その名のとおり、ベンチャー企業が急成長する時期です。
スタートアップ期に営業・マーケティング・製品開発などを実施し、それが市場に受け入れられるようになると、急激に売り上げが上がっていくことがあります。
と同時に、経営費用も相変わらず必要です。売上が上がっている分、原材料費などの原価も多くかかりますから、スタートアップ期以上にコストが発生するのが一般的です。
そのため、急成長のわりには、そこまで資金リッチではない状況となります。
ベンチャー企業の成長プロセス④ 安定成長期
最後は、安定成長期です。売上も継続し、収益も安定化します。会社の資金状況が、もっともよい時期です。
ただし、企業として規模も大きくなり、市場も成熟化するので、急激な成長というものはなくなります。
企業によっては、さらに株式公開(IPO)をして、大企業の仲間入りするケースもあります。
ベンチャー企業が乗り越えなければならない壁
ベンチャー企業が成長していくためには、乗り越えなければならない壁が、いくつもあります。
「デビルリバー」「デスバレー」「ダーウィンの海」が、乗り越えなえればならない壁の代表的なものです。
とは言え、冒頭に申し上げたとおり、ほとんどのベンチャー企業は、こうした壁を乗り越えることができず、市場から退場してしまうのです。
デビルリバー(魔の川)
「デビルリバー(魔の川)」とは、基礎研究で開発された技術などを応用研究する際に、社会に役立つ用途などが見たらない、というような壁です。
つまり、技術・アイデアがあっても、製品・サービス化する方向性が分からず、応用研究に進めない、という状況になることです。
デスバレー(死の谷)
「デスバレー(死の谷)」とは、応用研究までは実現できたものの、実際に事業として立ち上げが出来ないことをいいます。
応用研究では「商品・サービス化」の目途は立ちますが、なぜ商品化できないかと言えば、それは「資金が足りない」「人材が足りない」など、ベンチャー企業の経営資源的な問題が発生するから、というのが、その理由です。
ダーウィンの海
新商品・サービスの事業化ができても、それが市場(顧客)に受け入れられるかどうかは、別問題です。
「ダーウィンの海」とは、事業化した商品・サービスを、市場に認知させ、売上をあげなければならない、いった壁になります。
ベンチャー企業の資金調達方法
ベンチャー企業は、前述のとおり、「シード期」「スタートアップ期」「急成長期」「安定成長期」と成長していきますが、若いプロセスの時ほど、資金調達は困難な状態です。
「シード期」「スタートアップ期」では、起業家本人や友人・知人、家族などから出資を受け、事業を進めます。このような資金を「スイートマネー」と呼びます。
また、ベンチャー企業の優位性を理解してもらえた場合、「エンジェル」とよばれる個人投資家に出資してもらえることもあります。
さらに、ベンチャー向け投資ファンドである「ベンチャーキャピタル」から投資してもらえることもあります。
「急成長期」になると、ベンチャー企業にも一定の信用が生まれるため、政府系金融機関や民間金融機関の融資も視野に入ります。
「安定成長期」には、株式公開(IPO)にて、大きな資金を調達する企業もあります。
ベンチャー企業のマネジメント まとめ
以上が、ベンチャー企業のマネジメント、成長とリスクの実像となります。
もしあなたが、いつもウェイウェイばかり言っているベンチャー企業のメンバーを見ても、それは彼らの一面に過ぎません。
ベンチャー企業の成長のプロセスは、今回見たように、かなり過酷なものです。
もし、こうしたプロセスを乗り越え、一定の成長ができたベンチャー企業は、価値ある企業と言えるでしょう。
そうした一面も、ぜひ抑えて頂けると嬉しく思います。
<経営戦略論 関連記事>