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人工知能(AI)、ディープラーニング、機械学習、その他まるっと解説!

ディープラーニング、機械学習

こんにちは、トシゾーです。

今年(2020年)1次試験の経営情報システム、人工知能(AI)の問題が出題されましたね。それも、かなり突っ込んだ難問。

これまで意識的に人工知能(AI)について調べたり勉強したりしたことがある人以外は、正答できなかったのではないでしょうか?

AIといえば、最近のITトレンドの1つではありますが、間違いなく今後も重要な技術です。そのため、今後も中小企業診断士試験で定期的に出題されると想定されます。

来年以降1次試験にチャレンジする方には、ぜひ押さえておいて欲しいテーマといえるでしょう。

かくいう私ですが、実は数年前、あるWebメディアにAI絡みの記事を寄稿することになり、当時、AIに関係する著書を10冊近く購入し、それなりに勉強した経験があります。

しかし、結論から言えば、

「AIの世界は、勉強すればするほど難しくなり、分からないことが出てくる」

という感じで、ある程度で学習を断念しました。

ただ、AIに関する基本的な概要は理解できましたし、「第3世代AI」と呼ばれる現在のAIに至る迄の歴史(AIの黒歴史?)の流れも理解することができました。

というわけで、この記事では、できるだけ分かりやすく、そして興味深いコラムとしても読めるようなテイストで、AIについて説明していきたいと思います。

第3世代AIまでの流れ

前述のとおり、現在のAI技術は第3世代と言われています。

また現在もAIブームのような状態ですが、第1世代や第2世代の時も、それぞれAIブームのような状況があり、いずれも当時は

「これからはAIが世界を変える!」

と大きく盛り上がったそうです。

しかし現実には、第1世代・第2世代とも失速してしまいました。

なぜそのようなことになったのか、カンタンに説明してみましょう。

第1世代のAIは「推論」「探索」

第1世代の人工知能(AI)のブームは1950年代後半~1960年代に起こりました。

当時のキーワードは「推論」や「探索」です。

こうしたアルゴリズムによって、ゲームやパズルを解けるAIが登場しました。

しかし、それ以上の複雑な現実の問題に対応することができず、第1次のAIブームは終焉しました。

第2世代のキーワードは「知識」

1980年代に入り、第2世代のAIが注目され、第2次AIブームが起こります。

今回のキーワードは「知識」。限られた分野の知識をAIにすべて入力し、その分野に関する専門家システムを構築しようという考え方で、こうしたシステムを「エキスパートシステム」といいます。

エキスパートシステムは、「経営」「医療」「会計」「法務」などの分野で開発が行われました。

AIを特定分野の専門家として業務を支援したり、意思決定をさせたりしよう、と考えたのです。

しかし、そうした狙い通りにはいきませんでした。というのも、実用に耐えるエキスパートシステムを作るためには、相当なボリュームの知識(ルール)を入力する必要があり、とても現実的ではなかったのです。

さらに、いったん膨大な専門知識を入力しても、それで終了ではありません。常に最新情報に書き換えが必要なのですが、まったくメンテナンスが追いつかない、という状況でした。

もちろん多大なコストをかければ膨大な知識のインプットやメンテナンスも可能でしょうが、それではビジネスとしては成立しなかったのです。

以上のような経緯で、第2次AIブームも終了していきました。

第3世代では、AIが自分自身で学習する

第2次AIブームの終了後(1990年以降)、「機械学習」という技術が注目されるようになります。

機械学習とは、人間がAIに知識を教えるのではなく「AIが自分自身で学習する」という、これまでとは正反対のコンセプトを持ったAI技術です。

この機械学習の登場により、

「今度こそ、実用的なAIが誕生するのでないか」

ということで社会の期待は大きく、これが現在の第3次AIブームへと繋がっています。

機械学習の仕組み

機械学習とは、

「大量のデータを読み込み、AI自身がルールや関係性を見つけて正しく分類したり判断したりできる技術」

のことです。

機械学習を使った例としては、画像認識などが良く上げられます。たとえば、

「様々な画像の中から、猫の画像を選び出すこと」

ことなどをAIが出来るようになります。

この場合、AIに学習させるために、まずは人間が「(猫の特徴である)耳やヒゲの部分に注目しなさい」とAIに指示します(この注目させるポイントを特徴量といいます)。

その後、AIは大量の猫の画像を読み込んで学習することで、猫の画像を認識できるようになる仕組みです。

機械学習の種類

一口に機械学習といっても、様々な種類があります。ここでは、代表的な機械学習の種類を説明します。

教師あり学習

教師あり学習では、AIに「正解となるデータ」を大量に与えて学習させます。予測や分析の他、手書き文字の認識などが分野に使われます。

教師なし学習

教師なし学習では、正解となるデータは与えられず、AIは入力されたデータの構造や特徴などの分析を行います。予測や分析の他、大量データの類似グループに分類などに向きます。

強化学習

強化学習とは、与えられる報酬が最大となるよう、AI自身が試行錯誤しながら行動や意思決定していきます。対局ゲームや自動運転などの分野に向きます。

ディープラーニング(深層学習)は、機械学習の進化形

そして、現在最も注目されているのが、ディープラーニング(深層学習)です。

前述のとおり、機械学習では

「(猫の特徴である)耳やヒゲの部分に注目しなさい」

と、特徴量を人間が指示をすることで、猫の画像を認識できるように学習します。

ディープラーニングの場合、特徴量に対する指示は不要であり、大量の猫の画像を読み込ませるだけで、人工知能自身が猫の特徴に気づき、猫の画像を認識できるようになります。

このようなことから、ディープラーニングは機械学習の進化形といえるでしょう。

ディープラーニングは人間の脳の動きを模した仕組み

ディープラーニングは脳の神経回路を模倣した仕組みとなっています。人間の脳はニューロンと呼ばれる神経細胞が無数に集まり、神経伝達のネットワークを作っています。これを人工的にマネたものが「ニューラルネットワーク」と呼ばれるものであり、ディープラーニングで採用した仕組みです。

2012年、「GoogleのAIが猫の画像を認識した」というニュースが話題となりましたが、これはディープラーニングによるものです。

この時、GoogleのAIはYouTubeの大量の画像を読み込み、自分自身で誰の助けを借りることもなく「視覚としての猫の概念(パターン)」を獲得しました。

あたかも、生まれたばかりの赤ん坊が、五感を通じて現実世界の多様な情報をすさまじいスピードで吸収し、様々な概念を獲得していくようなもの、と言えるでしょう。

ここで獲得した「猫の概念」は視覚情報のみであり、まだまだ小さな一歩ではあります。しかし今後、AIが自分自身の力で世界の様々な事象・対象に対してゼロから概念を獲得し、判断や分類ができるようになる可能性が現実となった、と言えるでしょう。

そしてこれが、ディープラーニングが注目される所以です。

現在、ディープラーニングの研究は様々な成果を挙げており、画像認識や音声認識では、AIは人間の能力を超えたと言われています。

2016年には、Googleのアルファ碁というAIが囲碁のトップ棋士を破りました。これもディープラーニングが使われた成果です。

今回の第3世代AIこそは、今度こそ1次的なブームに終わらず、我々の社会に欠かせない主要なインフラとなるのではないか、と考えています。