ファイナンシャルプランナー(FP)の資格には様々なものがありますが、仕事に活かすのなら、FP2級を取ることをおすすめします。
FP3級だと、試験の難易度もあまり高くないため、企業やお客様から専門家とみなしてもらえない可能性があるからです。
それが、FP2級試験をおすすめする理由です。
FP2級取得の方法ですが、まずFP3級の試験を受けて合格してから、FP2級を受験するのが一番ポピュラーな方法。
でも、それだと少し時間が掛かりますので、
「FP3級と2級を同時受験したい!」
と思う方も多くいます。
しかし、FP3級と2級は同一日の同じ時間に試験が行われるため、同時に受験することは不可なのです。
とはいえ、少しでも早く2級資格を取得したい方向けに、FP3級をかっ飛ばして、FP2級から受験する手法もあります。
さらに、いきなりFP2級を受験する場合、民間資格のAFPも一緒に取ることもできます。
このように複数のルートのあるFP2級取得の道ですが、あなたは、どちらの方法を選ぶべきでしょうか?
それぞれの方法にはメリット・デメリットがありますので、あなたにとって、よりメリットの大きい方法を選ぶことが大切です。
この記事では、それぞれのメリット・デメリットを確認しながら、どんな人が、どちらのFP2級の取得方法を選ぶべきなのか、解説しています。
これからFP2級の受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
【おすすめFP講座】
おすすめFP通信講座の一覧については、下記記事をチェックしてみてください。
目次
FP2級の受験資格
まず、FP2級の受験資格を確認してみましょう。
2級を受験するには、次のいずれかに該当している必要があります。
- 3級FP技能検定に合格している
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了している
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級に合格している
- FP業務に関して2年間以上の実務経験を有している
この記事をお読みの方は、ほとんどがFPの実務経験がない方でしょうから、④は難しいでしょう。
また、③も特殊な資格になりますから、該当するのは難しいと思います。
そのため、現実的に取得可能なFP2級の受験資格は
- 3級FP技能検定に合格している
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了している
のいずれかになります。
なお、FP2級の受験資格に必要な実務経験の詳細については、下記の記事を参考にしてください。
FP3級をすっ飛ばして、FP2級を受ける方法
その方法とは、先に少し触れましたが、
②日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了
という方法になります。
ただし、単独でAFP認定研修だけを受ける必要はありません。
AFP認定研修の対象となる2級講座を受講する
ほとんどの資格スクールのFP講座には、通学講座・通信講座とも、
AFP認定研修に対応した、FP2級試験のための通学講座・通信講座
が用意されているので、そうしたFP2級講座を受講すれば、いきなり2級から受験ができるようになります。
このように、FP3級を飛ばして、いきなりFP2級を受験する方法というものは、難しいものではありません。
対応するFP2級講座(通学または通信)を受験するだけなのです。
AFP認定研修に対応した講座では、どのようなことをするのか?
AFP認定研修対応の講座では、一般的なFP2級資格対策の学習に加え、AFP認定研修を修了するために「提案書の作成」を行います。
たとえば、AFP認定研修に対応した通信講座を開講しているフォーサイトでは、以下が修了要件とされています。
- 一定の科目・単位の履修
- 提案書の作成・提出、基準点のクリア
一定の通信講座の内容を終了し、提出した提案書の基準点がクリアできていれば、AFP認定研修修了証明書を発行しています。
FP3級を飛ばして、いきなりFP2級を受験するメリットとデメリット(概要)
ここでは、FP3級を飛ばして、いきなりFP2級を受験することのメリット・デメリットをまとめてみました。
<メリット>
- 3級を受験する必要がないため、2級に合格するまでの時間を短縮できる
- 試験に合格した場合、2級と同時に、民間資格のAFPが取得できる
<デメリット>
- AFP認定研修に非対応の講座に比べて、講座の受講料が高い
- 通信講座のカリキュラムの中に、AFP認定研修用の課題作成が追加されるため、資格取得までの勉強量が多くなる
- AFPになると定期的に更新が必要(知識の補充と更新料がかかる)
次項では、それぞれの内容の詳細について見ていきましょう。
FP3級を飛ばして、いきなりFP2級を受験するメリット(詳細)
2級に合格するまでの時間を短縮できる
ここでは、3級→2級と順番に受験する場合と比べて、どれぐらい短縮できるか見てみましょう。
3級→2級と順番に受験する場合
FP試験は、2級・3級とも、毎年1月・5月・9月の年3回実施されます。2級と3級は、同日に実施されるため、同時受験はできません。
ここでは、例として、本年の9月試験で3級を受験し、翌年の1月試験で2級を受験するケースを考えます。
- 本年6~7月:3級の受験申込
- 本年9月:3級の受験
- 本年10月:3級 合格発表
- 本年11~12月:2級の受験申込
- 翌年1月:2級の受験
- 翌年3月:2級の合格発表
以上のように、本年7月に3級の受験手続をしてから、翌年3月に2級の合格通知をもらうまで、すべてストレート合格したとしても、7~8ヶ月かかることになります。
FP3級をスルーして、FP2級から受験する場合
前述の例と同じように、翌年の1月に2級を受験する場合、いつから準備を始めればよいのでしょうか?
2級の受験申し込みは、本年の11~12月です。その申し込みの1~2か月前にAFP認定研修に対応したFP講座の受講を開始すれば、間に合います。
つまり、本年9月~10月に準備開始(AFP認定研修対応講座の受講開始)することにより、うまくいけば、5~6か月の翌年3月に合格通知を受け取れるのです。
2級だけでなく、AFPも取得できる
AFP認定研修ですから、2級FP技能士だけでなく、民間資格であるAFPも取得できます。
ただし、AFPは、FPの講座を終了して、AFP認定研修修了証明書を入手しただけで資格取得できるわけではありません。
実は、2級FP技能検定の試験は、AFP資格審査試験も兼ねています。
そのため、2級FP試験に合格して、はじめて2級FP技能士とAFPの両方の資格が取得できるのです。
※なお、FP2級は一度合格すれば更新不要(一生ものの資格)ですが、AFPは定期的に更新しなければ失効してしまいます。FPの更新について詳しくは下記の記事を参考にしてください。
FP3級を飛ばして、いきなりFP2級を受験するデメリット(詳細)
費用がかかる
AFP認定研修に対応した講座は、非対応の講座に比べ、価格が高い水準にあります。
スマホ動画対応の通信講座の場合を見てみましょう。
- フォーサイト:59,800円(バリューセット1)
- ECC:59,800円
- スタディング:31,900円
- アガルート:40,000円
- エル・エー:37,000円
以上のように、AFP認定研修に対応した講座と非対応の講座では、2万円~27,000円程度の差があります。
提案書作成など、学習量が増える
先程のフォーサイトの例にあったように、AFP認定研修に対応した講座では、提案書を作成して、一定の基準点をクリアすることが必要です。
もちろん、基準に満たなければ、再提出となります。
AFP認定研修に非対応の講座では、このような提案書作成演習は含まれていませんので、その分、学習量が増えることになります。
AFPになると定期的に更新する必要がある(学習する時間と更新料が発生する)
AFP認定研修に対応した講座を修了し、2級FP試験に合格すると、「2級FP技能士」と「AFP」の2つの資格が取得できます。
このうち、2級FP技能士は、一度取得すると資格は一生涯有効です。更新の必要もありません。
一方のAFPですが、こちらは資格を取得後、日本FP協会の会員登録して初めて、AFP認定者となります。
日本FP協会への登録には、以下の費用がかかります。
- 入会金 10,000円
- 年会費 12,000円
また、AFPの場合は2年に一度、更新手続きが必要であり、そのための継続学習も必要となります。
もちろん、継続的に知識やスキルを磨き、FPとしての能力を高めたり最新にアップデトし続けることは重要ですが、
「今すぐAFP資格が仕事で必要!」
という人以外は、AFP資格が必要になってから取得したほうがよいでしょう。
FP3級を飛ばして、いきなりFP2級を受験することに向く人・向かない人
ここまで、FP3級を飛ばして、いきなりFP2級を受験するメリットとデメリットを見て決ました。
その内容を踏まえて、いきなりFP2級を受験することに向く人・向かない人をまとめてみましょう。
いきなりFP2級を受験することに向く人
いきなりFP2級を受験することに向く人は、以下のような方です。
- 業務上、1日も早くFPの資格が必要な方
- 金融業界や保険業界などで働いており、FP2級だけでなくAFPの資格も取得するように、会社や上司から求められている方
いきなりFP2級を受験することに向かない人
- 将来、FPの資格を活かした仕事をしたいと考えている方
- その他、今すぐAFPの資格が必要ではない方
まとめ
ここまで、FP3級を飛ばして、いきなりFP2級を受験する方法や、その方法はどんな人に向くのか? などを見てきました。
3級をパスしてFP2級から受験するためには、対応する講座の価格が高価なため、費用がかかります。
また、2級と同時取得できるAFPは、資格の取得後にも継続的な学習と更新が必要になるため、こちらも費用がかかります。
よって、仕事の関係で、すぐにFP2級資格の取得を要請されている方や、AFP取得も求められている方だけが選択するべきです。
逆に、それ以外の方は、3級からスタートし、そのうえで2級にチャレンジするほうが、真の実力を養成する意味でも、コスト的な観点からも望ましいと言えます。
以上、参考にして頂ければ嬉しいです。